最新の観てきた!クチコミ一覧

9801-9820件 / 182933件中
胎内

胎内

三人之会

SCOOL(東京都)

2023/01/14 (土) ~ 2023/01/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

価格3,000円

15日17時開演回(91分)を拝見。

三好十郎の原作「胎内」を使った舞台は
花岡金吾…伊佐瑞人、村子…渕上夏帆、佐山富夫…滝本圭の演者3名の熱演に
美術・映像・音楽の総合力が合わさった、人間性の"素"を問いかける重厚な91分。
なお、個人的には、村子(演・渕上夏帆さん)の"素"に、とりわけ共感を覚えた。

【追記】
終演後、エレベーターで一緒だった若い方が「感動した・泣いてしまった」と語りかけて来られた。
舞台への印象には素直に共感。
あと、こうした感想を持ち帰れる観客が一人でも増えれば、”演劇受難の時代”の中、一筋の光明がもたらされるのかなとも思った。

蒲田行進曲【クロジカ】

蒲田行進曲【クロジカ】

演劇ユニット クロジカ

王子小劇場(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/08 (木) 14:00

【古屋敷バージョン】
映画では観たものの原作舞台は未見だったので観終えてまず思ったのは「映画は原作にかなり忠実だったのか!」だったが、後に演出のフジタさんから「シーンの構成などは原則映画版準拠」と伺い「そういうことか!」と納得。
とはいえそれは全体像のハナシであり、この公演独自のものであろう箱馬などを上手く応用した「舞台表現」は巧みで面白く、そこに原作自身の魅力や映画版の懐かしさなども加わり大いに満足。

ほおずきの家

ほおずきの家

HOTSKY

座・高円寺1(東京都)

2023/01/11 (水) ~ 2023/01/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても心に染みました。

ネタバレBOX

心の中の想いが随所にいろいろなかたちであらわされ、また、過去と現在を行き来し、人生のはかなさを感じずにはいられません。
ぐいぐいと引き込まれました。そして、今自分が40年前の過去にも、そして現在の食堂にもいるかのように錯覚するかのようでした。
ほおずきの家という題の持つ重みが、物語が進行するにつれてじわじわと身に染みました。
ミュージカル『CATsLa』

ミュージカル『CATsLa』

呼華歌劇団KOHANA

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/01/13 (金) ~ 2023/01/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

猫の世界を味わえる舞台でした。
メイクや衣装、独特の動きで、様々な種類の猫の特徴が楽しめました。
改めて、人間と猫の関係について、考えさせられました。
子供の頃から、猫は大好きですが、更に愛しい気持ちになりました。
ピアノの生演奏も良かったです。
素敵な時間を過ごせました。

ベルを鳴らさなきゃ!

ベルを鳴らさなきゃ!

Route

北池袋 新生館シアター(東京都)

2023/01/13 (金) ~ 2023/01/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったです。
元気いっぱいの、元気が貰えるような舞台で良かったです。
明るい雰囲気で、役者さん達の熱演で惹き込まれました。
が、ホテリエとしては(ホテリエでなくても)絶対NGと思われる箇所が気になりました。
とは言え、とても楽しい時間を過ごしました!

たこ焼きの岸本

たこ焼きの岸本

関西芸術座

ABCホール (大阪府)

2023/01/13 (金) ~ 2023/01/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

美味しいタコ焼きの店を守っている女性のもとに10年ぶりに息子が帰ってくる。そして孫まで連れて、、。と、話の芯はきっちりと通っているので、演劇的にも十分鑑賞に値する脚本である。

こんな、気楽な感じで生きて生きていけたらいいなあと思うのは私だけであろうか。いい舞台でした。

Dramatic Jam 4

Dramatic Jam 4

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/01/13 (金) ~ 2023/01/19 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

チームD観劇。
上演順は「紙風船より」「はこをつくる」(両 脚本・演出は池田智哉 氏)であるが、敢えて記載順は逆にする。この二作品を上演する意味を考えてみると、岸田國士〈作品〉へのオマージュであり、時代の要請でもあるような。
(上演時間1時間10分) 追記予定

ネタバレBOX

舞台美術は、両作品ともテーブルと椅子のみ。それを移動、配置変えすることで状況を表出する。

「はこをつくる」は、「箱」⇨「劇場」を造るであるが、その場所はどこか。今(2023)年は東日本大震災から12年目、その「はこ」は 石巻復興の証でもあるような。一方「紙風船」は岸田國士の作品として有名である。公演は「紙風船」上演にあたっての〈読み合わせ〉稽古、そう劇中劇の体裁である。
岸田國士は渡仏(遊学or留学)経験があり、帰国した1923年に関東大震災が起き、奇しくも今年は100年目にあたる。そして翌(1924)年に築地小劇場が竣工している。

箱物は無用の長物か否かということは別にして、劇中で話し合う〈大学の課題レポート〉、それが夢の実現に向けて といった内容である。「はこをつくる」は、女性二人の語りで約7年間を紡ぐが、内容の一部は池田智哉氏の実話だと言う。その意味では虚実綯い交ぜの話である。はこ がある石巻で近々 演劇祭…「シアターキネマティカ短編演劇」があり、この作品を上演〈予定〉するとのこと。
Dramatic Jam 4

Dramatic Jam 4

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/01/13 (金) ~ 2023/01/19 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

チームB初日を拝見。久々の寺園七海見たさで、出番の多いチームBの回を選んだのだが、1本目の「名前のない名前を呼ぶ冒険」には、1ヶ月前の劇団鋼鉄村松での印象がまだ濃い結井ひよりも出てきて、すでにこの時点で元を取った気分に。2本目の「紙風船より」、3本目の「海月は溶けて泡になる」と続き、上演時間は約70分。他チームの回も観る予定。

ほおずきの家

ほおずきの家

HOTSKY

座・高円寺1(東京都)

2023/01/11 (水) ~ 2023/01/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

全体的に安定感がありすっかり物語の中に引き込まれました。差別の中での苦悩とその中でな喜び幸せなど、とても繊細に描かれていました。松本旭平さんがとても印象に残りました。おすすめします。

昭和歌謡コメディVol.17〜バック・トゥ・ザ 築地!~

昭和歌謡コメディVol.17〜バック・トゥ・ザ 築地!~

昭和歌謡コメディ事務局

ブディストホール(東京都)

2023/01/12 (木) ~ 2023/01/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/01/13 (金) 17:00

もう17回目! 継続は力なり。開演前のBGMからして、私の頭の中ではイントロクイズ大会です。今回も笑いと懐かしさ、あたたかみに溢れた良質なステージでした。

燦燦SUN讃讃讃讃【1月7日~9日公演中止】

燦燦SUN讃讃讃讃【1月7日~9日公演中止】

かまどキッチン

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/01/07 (土) ~ 2023/01/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2023/01/13 (金) 19:00

初見のユニット。90分。
 持っているカードをめくって役割を表示する、というアイデアは面白いが何をやりたいのか良く分からない。役者が巧いのは分かる。アフタートークで説明しなければ分からないのはどうだろう。

宝飾時計

宝飾時計

ホリプロ

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2023/01/09 (月) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/01/12 (木) 14:00

高畑充希の高畑充希による高畑充希のための舞台とでも言おうか。70分(15分休み)70分。
 根本宗子が高畑の依頼で書いたという戯曲だが、高畑の魅力を引き出すことができている。女優のゆりか(高畑)が10歳から29歳まで続けた子ども役のミュージカルの主役、という設定が高畑と通じるものがあるが、主役トリプルキャストの他の2人、真理恵(小池栄子)・杏香(伊藤万理華)が巧い。過去と現在の時間軸を自由に動かすが、それを演じ分ける3人の演技は見事。展開はちょっとご都合主義的な部分があるものの、伏線の張り方も巧い。

無人船

無人船

劇団 枕返し

中野スタジオあくとれ(東京都)

2023/01/13 (金) ~ 2023/01/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったです。
冒頭は、ダークな感じなのか?と思いきや、笑いありの楽しい雰囲気の舞台でした。
笑いだけでなく、シリアスな部分もあり、家族について、気付かされる部分も沢山ありました。
人魚役の役者さんの歌声が、とても綺麗でした。
良い舞台でした!

炎の人

炎の人

劇団文化座

俳優座劇場(東京都)

2023/01/11 (水) ~ 2023/01/18 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

三好十郎の1951年の作品。タイトルだけは知っていた。思えばゴッホ自体、知った気になっていただけでよくは知らない。有名な人が誉めるので偉い人なんだろう的な位置。ちょこちょこエピソードは聞いているし、絵のド迫力は黒澤明調(展覧会を観に行ったこともあった)。アレクサンドル・ドヴジェンコの映画の冒頭、大写しの向日葵が爆撃で吹っ飛ぶ。この判り易さがゴッホ=黒澤明だな、と思ったことがある。黒澤明は『少年ジャンプ』的な大衆を熱狂させる“表現”で天下を取った男。伝えたいものをどこまで判り易く伝えられるか?ゴッホも太陽のような情熱で身を滅ぼしてまで絵の具を塗りたくった。

陰鬱な話の中、アルルの娼婦ラシェル役の原田琴音さん(佐々木愛さんの孫娘!)が明るく踊り出すシーンが美しい。ゴーガン(白幡大介氏)はジョニー・デップ調でカッコイイ。ゴッホ(藤原章寛氏)と同棲する子持ちの娼婦で絵のモデル・シィヌ(小川沙織さん)も印象的。

ネタバレBOX

ある意味壮大なコントのようにも見えた作品。大真面目に狂った言動行動を繰り返すヴィンセント・ヴァン・ゴッホ役の藤原章寛氏はインパルスの板倉俊之のようにも見えた。(逆にこの系の作品を元にして出来たコントもあるだろう)。彼の度の超えた狂いっぷりは泣き上戸の酔っ払いにひたすらしつこく絡まれてうんざりする気分に観客をさせてくれる。しかもこれを観て、ゴッホに憧れる人もいないだろう。

そう思うと不思議な作品だ。日本人の国民性として芸術家が発狂、もしくは自殺すると敬う流れがある。島田清次郎や太宰治、ニーチェに大江慎也。何か突き抜けて向こうの世界にまで辿り着いた天才職人として。
但し、ゴッホを評価されなかった者として観ると、地獄のような話。劇団やバンド、お笑いや自主映画、高等(?)遊民として日々を送る多数の者達は皆背中合わせの暗欝を抱え込んでいる。

三好十郎自身が本気で画家を目指していたこともあり、ラストはゴッホに花束を捧げて終わる。不思議な構成。

第一場、ベルギーの炭鉱地帯、ボリナージュ地方プティ=ヴァムの村。伝道師として働くヴィンセント・ヴァン・ゴッホ。貧しい人達への共感からキリスト教に否定的になり共産主義的な方向へシフト。伝道委員会から解雇される。このプロレタリア文学のような描写が素晴らしい。ゴッホはキリストのように生きようと努めている。

第二場、オランダの首都ハーグにて子持ちの娼婦と同棲しているゴッホ。彼女をモデルに絵を描いている。弟からの仕送りに頼った貧しく惨めな暮らし。娼婦は「集団便所」となじられる自身を卑下する。

第三場、パリの画材屋タンギーの店。写実主義を否定した印象派絵画、更にその先を目指したポスト印象派の画家達の溜り場。明るい鮮やかな原色の色使い(暗示的色彩)を始めるゴッホ。

第四場、フランスの南、地中海に面したアルル。絵を描きながら意識を失うゴッホ。

第五場、アルルの黄色い家でゴーガンと共同生活を送る。二ヶ月しか持たなかった。水色のアブサンを二人でガブ飲みするのだが、本当にガブガブ飲んでいる。水にしてもかなりの量。ゴッホにひたすら絡まれるゴーガンが実に気の毒。
ある生き物

ある生き物

中央大学第二演劇研究会

studio ZAP!(東京都)

2023/01/12 (木) ~ 2023/01/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

学生演劇は あまり観ないが、「舞台の演出の都合上、一部暴力的、性的な描写が含まれますが、ご容赦ください」の文句に惹かれ、どこまで描くのか興味津々だった。
典型的なノワール劇で、野球で言えば速球のストレートプレイであり、変化球はない。冒頭と最後のシーンから、もしかしたらと思ったが、力で押し切った感がある。

さて、観劇回以降は「座組内に体調不良者が出てしまったため、誠に勝手ではございますが、本日18時からの公演を中止とさせていただくこととなりました。」とある。観応えのある公演だけに残念だ。
(上演時間1時間40分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は、比較的小さな劇場にも関わらず、しっかり作り込んでいる。舞台となる「アンリーブモン糸井」というアパートの一室。全体はオフホワイトの壁に囲まれ、中央に出入り口、上手側は押入れ、トイレと浴槽の順、中央は畳敷きに卓袱台、下手は台所がありシンクや食器棚が置かれている。上部には引き戸<窓>のような。実はこの狭い場所から出入りし、室内に飛び降りるシーンが何回かあり、緊迫と躍動感を生む。

児童養護施設出身の少年 宿内真己22歳が主人公。冒頭はカメラを三脚に付け自撮りしているシーンから始まる。いずれは映画製作をしたいというのが夢である。ある日、彼はアパートの管理人で隣室の糸井ひば里36歳の息子を自室に連れてくる。息子は発達障害児のようで言葉や体が少し不自由である。母親は息子を虐待しているのか、時々叫び声が聞こえ助けたつもりでいる。真己と少年は一緒に暮らし始める。虐待と思われる行為が熱湯をかける、フライヤーの赤い背中がそのイメージである。

ある日、養護施設の施設長の丸岡田五郎がやって来た。そして田五郎は少年を母親のもとへ返すように説得するが、真己はこれを拒み…。
物語は真己が少年に優しく接し、穏やかな日々を過ごす場面と、母親の狂気や丸岡との遣り取り、更にどこから話を聞きこんだのか、人の弱みに付け込んだ悪徳金融の出現など、緊張と緊迫ある場面の緩急ある展開が観る者の関心を引き付ける。

少年がいなくなったことを自らリークした ひば里はその情報提供の見返りとして報酬を得る。人の意地汚い根性と社会 正義面(づら)したマスコミを糾弾するかのような描き、その両面を見事に切り取っている。真己が何となく同じ境遇<親からのネグレスト>の少年を助けたいといった単純な行為が思わぬ方向へ…。

段々と追い詰められていく怖さ、それは自分の独善と人の悪意、社会<世間>という顔なき存在に脅かされての成れの果てのよう。その結末は捻りもないストレートな、そう誘拐犯として逮捕というもの。鳴り響く教会の鐘の音ー荘厳な音楽を聞くような印象だ。
実は、終盤にマスコミ<逮捕までの実況中継>が入ったあたりで、冒頭の自撮りシーンによる劇中劇のような結末をも連想したが…。それによって劇風が悲劇にも喜劇にもなる、そんな奇知も感じさせる秀逸な作品。
次回公演も楽しみにしております。
ミュージカル『CATsLa』

ミュージカル『CATsLa』

呼華歌劇団KOHANA

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/01/13 (金) ~ 2023/01/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ミュージカル『CATsLa』…「まだ出会えていない新しい猫の物語を紡ぐミュージカルファンタジー」という謳い文句だけあって、物語を展開していくための演出が見どころであろう。擬人化したネコのメイクや衣裳、或る場所を表したファンタジー風の舞台美術・小物等が眼を楽しませてくれる。同時にグランドピアノの柔らかい生演奏(ピアニスト:海老根晃 氏)が優しく包むような雰囲気を漂わす。

ネコの或る世界観を通して人間との関りを温かく、時に厳しく断じるような描き方によって、今の「動物愛護の在り方」を考えさせる。人間には「人種」があるように、ネコにも「ネコ種」がある、同時に性格も一匹ずつ異なる。それをメイクや衣裳の違いで表す。勿論、生き方も様々であるが、そこには人間とは決定的に違う<関係の重要性>があることを強調している。そう 飼う飼われるという関係、確かに人間の歴史を遡れば合法的に売買(飼)していたこともあるが…。

前半は、ネコの種類や人間との歴史的な関(繋が)りを、後半は、迫り来る危機に立ち向かう様子という緩急ある展開。その意味<流れ>ではオーソドックスな劇作と言える。或る世界観は早い段階で明らかにし、その上で 生と死、現実と幻想、さらに人間(飼い主)との関わりーーそこに観える運命の残酷さ、滑稽さ、切なさ、そして生への微かな希望を描く。

地球の路地裏がネコの国、いつの間にか月の裏側にあるネコの国へ という説明から推察できるように〈非現実〉の世界。女優陣が煌びやかな<ネコ>衣裳で踊り、歌いという楽しませ方であるが、そこに描かれている〈現実〉は重い。それを表層的にはあまり感じさせない演出、そこに全く新しいミュージカルとしての魅力を秘める。それを支えているのが、ネコのショーブリーダーの監修、劇団四季の出演者にネコ所作のサポートを依頼する、そんな細かく丁寧な対応が実を結んでいる。
(上演時間1時間35分 途中休憩なし)追記予定

かもめ

かもめ

サブテレニアン

サブテレニアン(東京都)

2023/01/14 (土) ~ 2023/01/15 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

無人船

無人船

劇団 枕返し

中野スタジオあくとれ(東京都)

2023/01/13 (金) ~ 2023/01/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

華4つ☆

ネタバレBOX

 板上は、中央・観客側の縁に日本の沿岸で用いられる典型的な漁船・チャカを側面から見た張りぼてが置かれており、その上手に濡れることを防ぐ為カバーの掛かった箱馬、船首は上手を向き船名は右から読むアラビア語のように深水丸と書かれている。なお船体中央の奥には通常操縦席などのある部位が何の覆いもなく剥き出しになっており、無論、ラットも無い。
 劇団名が枕返しという妖怪からとられた名であるから、登場するキャラも河童、アマビエ、人魚など及び人間である。アマビエはCovid-19以降、新聞等でも紹介された妖怪だから今や著名妖怪、河童、人魚はもともと有名な妖怪であるから今更説明には及ぶまい。
 今作、本質的には可成り深い作品である。殊に親と子、夫と妻、そして愛人などのややこしい関係とその関係に絡まる事情や誤解が相まって人々は深く傷ついたり悩んだりし、挙句道を踏み外すこともある。だが、生きて在るということは、それほど杓子定規なことだろうか? そんなこともキチンと提起してくれる深さを持っている。
昭和歌謡コメディVol.17〜バック・トゥ・ザ 築地!~

昭和歌謡コメディVol.17〜バック・トゥ・ザ 築地!~

昭和歌謡コメディ事務局

ブディストホール(東京都)

2023/01/12 (木) ~ 2023/01/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 築地四天王!

ネタバレBOX

第一部は「バック・トゥ・ザ築地!」と題されたコメディー、間に15分の休憩を挟み第二部が「歌と笑いの歌謡バラエティーショー」の二部構成。
 ギャグは昭和を地でいったようなタイプのものなので、自分には喜劇の難しさを感じさせた。というのもギリシャ喜劇などでも傑作と言われる作品でさえ、現在の感覚からみると、悲劇の傑作「オイディップス王」には遠く及ばない訳で、その原因が時流の変遷する中にあって軽さを本質とする体のものだからという点にあるだろう。今作で描かれているのは西暦でいえば1970年代末頃から80年代という印象を持った。年号でいうと昭和53年頃からせいぜい63年頃までか。族にレディースも登場した時代だ。その後はチーマーが登場したがまるでタイプが違う。今作で描かれているタイプは、所謂不良のうち、最も良質なタイプ。硬派の不良である。従ってカツアゲや弱い者虐めを嫌い、そういうことをやる奴らを見つけるとぶっ飛ばすような、媚を売らない、自由が好きな為に大人たちの飼い慣らされた安寧や欺瞞・偽善に楯突くタイプの「問題児」であった。だからそのリーダーたちは喧嘩も強いが優しい所のある人情の分かる賢い奴が多かった。つまり理不尽な世間にはケツを捲る頼もしい若者が居たのである。物語に出てくるアメリカで成功し世界的な企業のCEOとなった人物が築地四天王の一人であったという設定はこのような気風があってこその発想だといわねばなるまい。
 喜劇の難しさについては冒頭に述べた通りだが、これを克服するためには喜劇を作る様々な技術の駆使は無論のこと、それらの普遍的視座と技術に作品で描かれた各時代の息吹と上演される時代の息吹が呼応し合う必要があるように思う、極めて困難なこの見極めができれば更に素晴らしい、そして普遍的価値を持つ作品になろう。
 第二部は、芝の劉園(正確な表記は不明)のCMに出ていた、リンリン、ランランのCMをベースにしたギャグも入った歌謡バラエティーショー。当時流行った数々のヒット曲、名曲が披露されたが、本職が歌手の出演者も居て、皆歌がうまい。

ミュージカル『CATsLa』

ミュージカル『CATsLa』

呼華歌劇団KOHANA

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/01/13 (金) ~ 2023/01/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 にゃん

ネタバレBOX

 歌劇団と名乗るだけあって女性陣は何れもなかなかの芸達者、歌も上手い。グランドピアノの生演奏も入りピアニストも腕は良いが、男性ピアニストとしては鍵盤を弾く力が弱い。ピアノのメーカーまでは確認しなかったが、あまり上質のピアノとは言えない代物なのかもしれない。(もし間違っていたら、申し訳ないが)音響はピアノのみならず他にも用いられ、ソロの時はともかく、倉は天井タッパも高く音響効果が緻密に計算された設計ではなかろうから、かなり強く弾かないと折角の生演奏が活きない。また男性出演者の中に音程が狂っている者が居たのは残念。ミュージカルと銘打っている以上、これはあるまい。プロデューサーは何をしているのか? 
 ストーリーも余りに単純でイマジネーションを活発に働かせる必要がない。良かった点は、猫の種によってその特徴がキチンと示されている点。無論、かつてエジプトで神或いはその使いとして大切にされたことや、魔女狩りが盛んだった中世ヨーロッパで魔女の手先とされ虐殺された多くの猫(殊に黒猫)の悲惨な歴史や、現在の状況(良心的な飼い主・ブリーダーや、子猫の時だけ可愛いと飼ってその後捨てたりする心ない飼い主のことなど)も織り込みつつ描かれている点は、にゃこに飼われている小生としては評価したい。

このページのQRコードです。

拡大