瀬戸内の小さな蟲使い
桃尻犬
OFF OFFシアター(東京都)
2023/06/21 (水) ~ 2023/06/28 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
あのシチュエーションで展開されるお芝居、よく思いついたなーと感心する。設定だけですでに面白い。あり得ない場所で言い争うカップルの口論。とはいえ男性と女性の言い分にはそれぞれの立場に即したリアリティと説得力があった。90分弱ほどの上演時間もちょうど良くて久しぶりにお芝居を心から楽しめた。
座席と座席の間を10センチ程度離してくれていたおかげで隣の人に身体が当たる事もなく最後まで集中して観ることができた。客数を多くするために隙間なく椅子を並べる劇場も散見するけど、それだと隣の人が腕を動かしたときに必ずと言っていいほど私の身体のどこかに当たってその都度集中力が削がれる。些細なことだけど私にとっては大変重要で、今回の座席配置はとてもありがたかった。
樫の木坂 四姉妹
夏の川企画
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)
2023/06/15 (木) ~ 2023/06/21 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
夏になると、必ずこの手の反戦・平和路線ドラマを上演するのは旧新劇時代からの日本の演劇風物詩である。懐かしい感じだが、いまいかにプーチンが核を使いそうだといっても、その迫力を失っていることも事実で、かつては何本も量産されていたのに、現在は数少ない。上演あれても、こう言うオーソドックスな型どおりの筋書きにかわって、例えば、チョコレートケーキやパラドックス定数の政治劇では、かなりリアリティのある人民側にたった物語の上に納得できる現代の人間像が描かれている。
だからといって、こう言うドラマを上演する演劇人たちも、この芝居も見るだけで反繊運動に参加した気分になる観客も、批判しようとは思わないが、ファンタジーの世界に酔っているのはいかがかと思う。少しは迫力のある企画を考えた方が良いと思う。政治劇は時代を外すと途端に時代遅れになる。
一夜の芝居としても、結構新劇大劇団のトップクラスの俳優が参加して、演出者も青年座から出ているのに、物足りない。大きく問題点は二つだと思う。まず脚本。十年ほど前に俳優座が上演したという創作劇だが、そのときと今とはずいぶんこのテーマに関する周囲の状況が変わっている。そこがつかみ切れておらず、古いままやっている。きめの細かい作家ではあるが、こう言う素材なら、ウクライナ問題があり、コロナが流行って、政府が国民に何事も平気で強制し、国民が唯々諾々と従うようになった現在が見えないと懐メロになってしまう。俳優は新劇団を代表する劇団のトップ俳優が出ていて、それなりの実力は見せてくれるが台詞回し術だけに止まっている。台詞でいやというほど人物の背景説明しているのに役にリアリテイを持たせる演技の工夫をほとんどしていない。過去のシーンが出てくる必要があるとは思えない。それよりも、もう老年になった三姉妹の生活のリアリティだ。これは演出にも責任がある。ここが第二。話にリアリティを持たせるセット(美術)の工夫もない、例えば、せっかく写真家の第三者を置き、写真という小道具まで言っているのにドラマになっていない。
久しぶりに新百合ヶ丘の小劇場へ行ったが、約6割の入り。ここまできた甲斐があったといえないところが残念。
瀬戸内の小さな蟲使い
桃尻犬
OFF OFFシアター(東京都)
2023/06/21 (水) ~ 2023/06/28 (水)公演終了
『ザ・ロンゲスト・スプリング 熱海殺人事件』『熱海殺人事件 Girls, be glamorous.』
劇団『横浜組曲』
STスポット(神奈川県)
2023/06/17 (土) ~ 2023/06/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/06/18 (日) 12:00
熱海殺人事件 Girls, be glamorous.
125分。休憩なし。
少女都市からの呼び声
新宿梁山泊
花園神社(東京都)
2023/06/11 (日) ~ 2023/06/26 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/06/21 (水) 19:30
主人公田口(六平直政)が手術中に見る夢(ランダムに出てくる場面は仕方なし)、水子となった妹への思い、大陸での連隊長(風間杜夫は風格があった)とのやり取りなど様々な思い出が舞台上に現れその人物逹が意思を持って動き回る。唐十郎初期の作品で上演時間が100分で開演時間が午後7時30分だった。いつもより30分遅いので要注意。
殺意(ストリップショウ)
ルサンチカ
アバンギルド(京都府)
2023/06/20 (火) ~ 2023/06/22 (木)公演終了
満足度★★★★
最前列の桟敷席で拝見
内容は何度か見たが、演技の迫力はナンバーワン
タダ、桟敷席での100分超えはきつい
基本女優の一人芝居だが、素晴らしいの一言
独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜
ことのはbox
シアター風姿花伝(東京都)
2023/06/15 (木) ~ 2023/06/19 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
千秋楽の《Team葉》を観劇。
初日のコメントでこのチームの演技の硬さが指摘されていたが、楽日はテンポよく観ていて特に気になる点はなかった。私自身、ファンタジーには興味が湧かないので、物語自体をどうこう言うつもりはないが、奇抜な服装や声高な会話は「奇妙な世界」を表現するには十分だったと思う。今回の収穫はアタシ(アリス)を演じた花房里枝さん。歌も良かったが、終盤の独白シーンの最後のセリフ、「一人でも笑って生きていくわ」(正確に覚えていないがこんなニュアンスだった)。これが圧倒的な説得力で軽い衝撃を覚えた。今後の彼女に注目したい。
この団体の鑑賞は今回で3作目だが、毎回、作品の持つ魅力を最大限に引き出し観客に提示しようとする姿が感じられるし、キャスティングの妙も光っている。
独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜
ことのはbox
シアター風姿花伝(東京都)
2023/06/15 (木) ~ 2023/06/19 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
ことのはboxさんらしい、丁寧でしっかりした演技の舞台でした。
しかしながら、じりじりと孤独に落ち込んでいる三十女としては、アリスが綺麗で可愛らしすぎる!同じような感覚を持ったことがあるおばさんとしてはどうしても"はぁ?何言ってんの?"と思ってしまう。また、ファンタジーの毒を感じさせるにはファンタジー感が薄い。リアルを感じる部分が多いのではとも思う。まじめに作ってしまったがために遊びがなく、笑いを呼ぶであろう部分もやや硬めに感じてしまった。
遊◎機械/全自動シアターに衝撃を受けた世代としては、どうしても別物として考えることが出来ず、ついつい比べてしまったことは申し訳ない。
ホテル・ミラクルThe Final
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い!〈R15指定〉 千穐楽観劇
新宿シアター・ミラクルの(ラブ)ホテル・シリーズ、この劇場の最後を飾るのに相応しい公演。
シリーズ過去作と新作の5本立…<面白がってもらえる、観せてナンボ>、つまりサービスに徹した作品を厳選している。描写や状況設定がバラエティに富んでおり、観客の興味を逸らせない構成が巧い。ラブホという謂わば禁断の空間、そこに居るのは男・女もしくは女・女という極めて少数(基本は二人芝居)で、彼ら彼女らの個々の性格をしっかり描き、裸になった人間の本性を曝け出させる。
ホテル・ミラクル…身体を観ず 言葉を交わさなくとも、彼・彼女の裸を思い浮かべという、本来はその甘美な刺激を空想に求めるところ。が、そこは舞台、覗き疼いてしまうという背徳感に酔う。そして物語の肝は、シャレた会話にある。その内容は人物の血肉となり肉体化し、どこにでも居そうな人物像を立ち上げる。普通の人々の秘密めいたコトゆえに 一層覗き観たい欲望=人間の本性、その欲求を上手く発散させる。
男女はもともと互いに魅かれあう存在。しかし人には建前のような取り繕い、個人的・社会的な様々な制約に心が縛られ、自由な<性>を楽しむことが出来ない。その もどかしい気持を解放する、そんなエネルギーを感じさせる好演。各作家による短編だから引き出しが多いのは当たり前だが、どの引き出しも優れており、それを巧く構成した演出(池田智哉 氏)が見事だ。これがラストだと思うと残念!
(上演時間2時間45分 途中休憩5分)【STAY ver】
ホテル・ミラクルThe Final
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初日にREST Ver.を初夜割引で観たので、もう1つのSTAY Ver.は千穐楽の今日、リピーター割引で。こちらも秀作揃いだった。
前説「ホンバンの前に」のあとは、「THE WORLD IS YONCHAN's」「噛痕と飛べ」「愛(がない)と平和 -Bagism by Love&Peace.-」、休憩後に「スーパーアニマル」「最後の奇蹟 最終形」の計5本。そういえば「最後の奇蹟」を「6」で初めて観たとき、トリアーの『メランコリア』を思い出したが、今日観た「最終形」はシアターミラクルのラストに相応しい出来。お疲れさまでした。
独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜
ことのはbox
シアター風姿花伝(東京都)
2023/06/15 (木) ~ 2023/06/19 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
【Team葉】観ました。こじれた女性のシニカルなファンタジー。ポップで楽しい舞台なのだけど、笑っていいやら悪いやら。色々と考えさせられますね。
独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜
ことのはbox
シアター風姿花伝(東京都)
2023/06/15 (木) ~ 2023/06/19 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
楽日、チーム「葉」を拝見。キャロルの原作には、極めて多様なギャグが散りばめられその狂気を強烈に印象付けるが全く異なる文化を持ち、伝統を持つ日本では原作を読み想像力を自由にはためかすほど煌めいた印象は矢張り持てなかった。とはいえ台詞だけでは表し切れない部分を要を得たダンスでカヴァーし見事に内容を感得させる演出もあり、これはこれで見応えのある作りになっていた。(華4つ☆)
コンボ・イ・ランド
THE CONVOY
東京建物 Brillia HALL(東京都)
2023/06/16 (金) ~ 2023/06/20 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
昨日、今日は抽選で終演後のバックステージツアーが当たるという日。友人と3人で観に行ったのですが、中の一人が当選という幸運に恵まれ話だけでも聞くことができて良かったです。ステージに上がって、客席からは見えないところを見たり、踊ったりもしたそうで次回はぜひ当たりたいものです。
しずかちゃんのあのシーンの真相は今日もわかりませんでした。
コンボ・イ・ランド
THE CONVOY
東京建物 Brillia HALL(東京都)
2023/06/16 (金) ~ 2023/06/20 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
2日分のチケットは取っていたのですが、某サイトで割引になっているチケットを見つけたので、初日も行きました。通路より後ろの席でしたが中央寄りで良かったです。やはり演出家は中央の席で演出しているんだろうなあと強く感じました。会場の東京建物 Brillia HALLの舞台の広さ、天井の高さもぴったりでした。
今回は総勢14名。昔からのメンバーも見たいですが、若者も気になります。もはや誰を見ていたら良いか分かりません。新メンバーの顔を覚えるのがやっとという状態。
お芝居はもとよりダンスも素晴らしかったです。しずかちゃんのあのシーンは後日確かめたいです。
第696回紀伊國屋寄席
紀伊國屋書店
紀伊國屋ホール(東京都)
2023/06/19 (月) ~ 2023/06/19 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
普段は演劇を上演しているホールでの落語なので、舞台の上に落語用の舞台をしつらえるような違和感があり、寄席らしい雰囲気はあまりない。しかし、紀伊國屋寄席は演者一人の持ち時間が長く普通の寄席のトリ並なので、マクラ含め一つ一つネタをじっくり味わえるのが良い。出演者もみな実力者。
独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜
ことのはbox
シアター風姿花伝(東京都)
2023/06/15 (木) ~ 2023/06/19 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
Team葉を観劇
「クラブ・オブ・アリス」というタイトル名で過去にこの演目には出逢っているのだけれど確認してみたらもう20年以上前の事、びっくりするほど昔
しかも当時はミーハー根性の方が勝っていたので当時の主演女優 浅野温子さんの姿とか舞台に組まれた建造物のセットしか思い出せないという体たらく
そもそも原作以外全て変わっているのだし、真っ新な気持ちで拝見
もう真っ新に面白かったです
現在の「ことのはbox」さんが持つ個性・感性と原作の世界観に向き合った丁寧な作品創りが程よく混ざり合って、孤独と猥雑が絶妙に両立した舞台空間
“むかしアリスだった私”の孤独という傷に塩を塗るような無礼な展開も賑やかしさに紛れ、すっかりおかしな人達のペースに巻き込まれて・・・
たくさんのキャラクター達が渋滞することなく矢継ぎ早にまくし立てていくテンポ感が良い
彼女の悩みは彼女だけのものだし、大人のファンタジーであり過去の囚われから抜け出せる方法がハッキリ提示されているわけではないけれど、確かにそのヒントは盛り込まれていたと思われ、停滞した気持ちの人が観たとするなら一歩前に進むきっかけになり得る公演だったのではないかと思えました
幸演会
オパンポン創造社
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2023/06/15 (木) ~ 2023/06/18 (日)公演終了
独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜
ことのはbox
シアター風姿花伝(東京都)
2023/06/15 (木) ~ 2023/06/19 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
Team葉を観劇。
演出,舞台美術,奇妙な登場人物…私(アリス)の孤独感や心の葛藤が、うまく表現されていて、良かったです。
ルイス・キャロルが不思議の国のアリスを書いた、150年以上前も今も変わらぬ、普遍的テーマですね。
『工場』『夜景には写らない』
世田谷シルク
座・高円寺1(東京都)
2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「工場」を観劇。
異文化の受け入れの難しさが、よく描かれていたと思います。
今後、更に増えていくであろう、日本の姿を見ている感じがしました。
透き間
サファリ・P
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2023/05/20 (土) ~ 2023/05/22 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
心の透き間を母で埋め尽くされたネリネ。今、その透き間を婚約者で埋めようと…
そして透き間を”しきたり”で埋め尽くされた山人は…
何かに頼らないと生きられない人々の弱さ、儚さ、山人の異様さに同化するネリネ…
身体表現に加え、素の心をさらけ出す演技、良かった。