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あでな//いある

あでな//いある

ほろびて/horobite

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/01/21 (土) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/01/28 (土) 13:00

初見のユニット。分かりやすい芝居をしてるのに難解。(5分押し)133分。
 丁寧にいくつかのエピソードを紡ぎ、役者陣もしっかりと演じているのだが、言いたいことが伝わらないもどかしさ。タイトルは "a denial" だとか。

once upon a time in海雲台

once upon a time in海雲台

MUSICAL『 once upon a time in海雲台』製作委員会

浅草九劇(東京都)

2023/01/10 (火) ~ 2023/01/16 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

あまりに不器用すぎて、何とも歯がゆいラブストーリーにだんだん涙腺がゆるんでいく
新春のうららかな日にぴったりな親近感ミュージカルでした
韓流ドラマって何というかもどかしい感じが苦手で今までしっかり見た事はなかったけれど、本作のもどかしさなら全然OK
程よくコミカルなのも良かった
若いお客さんも多かったので、スマホやSNSが無かったこの時代(1992年)の恋愛模様をどんなふうに感じながら観ていたのか気になるところです

怖気

怖気

制作「山口ちはる」プロデュース

小劇場 楽園(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

観て来ました!序盤は観客席から笑いも起きる演出。途中から急展開して…
圧巻の長台詞、素晴らしい演技で楽しい時間を過ごせました。

俺は誰だ?

俺は誰だ?

Offbeat Studio

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
表し難い人の思い、それを個性豊かな登場人物を介して描き出していく。タイトルは「俺は誰だ?」…物語は自問自答するような展開。記憶喪失になった男、彼が巡(廻)る世界観が何処なのかが物語の肝。会社<世間>でも家庭でも不器用な男への人生応援歌、いやもっと直接的な「生きている」ことへの応援讃歌になっている。

公演の魅力は 主人公・浅井大輔(曽世海司サン)が巡り合う人々?の濃いキャラ、何故 時代や場所、さらに性差や年齢もバラバラなのに共通項があるのか。その不可解な問い、それは自分自身の 生 に関係しているようだが…。

舞台美術は鉄パイプ等を組み合わせた廃墟風、しかし物語の世界観に鑑みると 現実から切り離された迷宮といった雰囲気を表したかったようだ。早い段階でこの世界観は明らかになるが、どうしてここに居るのか、といった謎が終盤まで物語を牽引する。そして明かされる衝撃の事実が…。

ラスト、他の力を借りて といった結末では物足りない。せっかく「生きること」への切望感が沸いたならば、自分の力(機智)でゲートを開けるといった力強さを示してほしいところ。
(上演時間1時間30分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

中央がメイン舞台、上手・下手に階段がある台、いくつかの鉄パイプを配することで妖しさを演出する。後ろは可動する鉄パイプの足(作業)場のようなものが2つ。ラスト この間の空間が重要な意味を持つ。

浅井が不器用なのか気弱なのか、精神的に追い詰められて上手(ビルらしき)から落ち、暗転する。気が付いた ここ<世界>はどこなのか。
まず、花魁と称する女性・ミズネが話しかける。言葉使いや衣裳・化粧は花魁そのもの。彼女、好いた人がいたが、一緒になることが出来ず、悔しい思いをしている。次に仕事人間・三上すぐる が熱く語りかける。仕事こそが生き甲斐と言うが、何となく一抹の寂しさも垣間見える。3番目に権左、見た目は一目瞭然 武士である。信念を持ち 信義に生きたようであったが、裏切りによって切腹をした。千佐子という女の子、幼い遊びに興じて喜ぶ。その無邪気な姿に癒しを感じるが、どことなく寂しい様子。ロボット、人ではないが、モノにも何かの意味を見出す。命の代わりに故障、簡単に廃棄することは、人の使い捨てに通じるような。これらの出会いは、生きていく上で「何らかの意味」を持たせている。

異界の案内人がデスゴット=死神、その異様な化粧と衣裳が役柄にハマっていた。怪しげな雰囲気にも関わらず、浅井とデスゴットの軽妙洒脱と思えるような会話が物語をテンポ良く感じさせる。
色々な人々?と出会う際に流れる音響が異なり、夫々の世界の違いを表現する。例えばミズネと出会った時は、コポコポという水底にいるような音、何となく浮世離れした雰囲気が漂う。勿論 花魁の化粧と衣裳という外見と相まって観(魅)せる工夫をしている。三上の時には、アップテンポで熱い思いを語るに相応しい音楽である。

皆、浅井の前世であり、生きる または 生きたかったモノばかりである。生きているからこそ悩み苦しむ、逆に言えば そう思えること自体が素晴らしいこと。異界(臨死中か?)で 生きたいと願うことで現世へ。その際の条件が ”記憶”を無くすこと。この難題ー究極の選択を神〈もとは彼の善行でもある〉によって助けられるが…。ここは自力で解決してほしいところ。
役者陣は、個性豊かな人々+ロボットを演じており、独特の世界観を見事に表していた。
次回公演も楽しみにしております。
龍昇企画 父と暮せば

龍昇企画 父と暮せば

ストアハウス

上野ストアハウス(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。
井上ひさし氏の脚本「父と暮せば」 それを西山水木さんの演出で観劇、ほんとうに感激した。広島への原爆投下から3年後の昭和23年7月、福吉美津江の家が舞台。この舞台セット(家)が見事に造作されており、そこで美津江(関根麻帆サン)と父(龍昇サン)の親子の情愛ー滋味ある会話劇が仄々と展開する。
勿論、脚本の力もあろうが、それを体現した二人の熱演が 生きた<人間ドラマ>を立ち上げている と言っても過言ではないだろう。

原爆投下という生き地獄を何とか生き延びた美津江、父も親友も、そして多くの知人友人が亡くなり、自分だけがという罪責感に苛まれている。だから自分は幸せになってはいけない、一方 気になる青年が現れ揺れる乙女心が微笑ましくもある。美津江の心は、人並みに幸せになりたい と 幸せになっては申し訳ないという感情に分かれてしまう。その内なる葛藤を、関根さんは見事に演じていた。父は、そんな娘を応援したいー娘の幸せを願わない親はいない。そんな大きく包み込むような優しさ愛情を、龍昇さんも見事に演じていた。父は死者であるが、美津江には見える。変な表現かもしれないが、死者にも関わらず何となく生き活きとしている。

全編 方言-広島弁での会話だが、物語の底流にある戦争の悲惨さ、もっと言えば反戦の思いは一地方(原爆投下は広島)だけの問題ではない。娘心の葛藤、娘の幸せを願う父心、そんなありふれた光景の中に、戦争と平和、そして命という重く尊いテーマが描かれた名作。その芯を見事に描き出した演出・西山水木さんの手腕。未見の作品であったことから、今後 同作を観るときの基準が本公演になる。
(上演時間1時間30分 途中休憩なし)追記予定

マジックリアリズム

マジックリアリズム

劇団龍門

シアターシャイン(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
冒頭 妖しげな雰囲気の中、1人の男が追い立てられるように登場するところから始まる。何となくノワール劇かと思わせるが、ラストに明かされる衝撃の真実、そこには心の深淵と未来への希望が…。舞台の世界観、そこが何処なのかといった関心を惹かせるところが実に巧い。
1人の男ー村手龍太 氏が緊迫と戸惑い、そして愁いといった違った表情の演技を観(魅)せる。命の選択と重み、その尊厳を切々に紡いだ感動作。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし)
【Realizmチーム】

ネタバレBOX

舞台美術はブロックで出来た壁、それがほぼ対称的に作られ中央が出入口。この世界への通用門のようにも思える。上手 下手の奥に脚立が見える。そこへ上ることで俯瞰するような姿、それが天使なのか悪魔なのか。下手の鳥籠 中には青い鳥がいる。勿論、何かが何かに囚われたことを象徴している。公演を支えているのが、独特なメイクや衣裳で魅せる役者陣の演技であろう。そして怪しげな音響効果や薄暗い照明がそれらしい雰囲気を漂わす。

男が坂本九の「上を向いて歩こう」を口遊みながら車を運転していると、突然 携帯電話が鳴りだし、何かの選択を迫る。そして「妻を」と呟き、暗転する。場面は変わり雨の中、女性(生粋万鈴サン)が何処かへ行こうとしている。その彼女を呼び止め、ベールを被った占い師風の女性が妖しい世界へ誘う。劇風が暗から明へ変わると同時に、この世界がどこであるかも分かる。

ここは贖罪の世界…彼岸と此岸の間。車の男・村手さんに向かって生粋さんが「お父さん」と呼びかける。いつの間にか現実と非現実の世界が錯綜しているかのような錯覚に陥る。娘なんかいない、何かの間違えだと諭す。その頑なな態度がよけい父親を思わせる。幽界に32年間彷徨っている男の魂、そして弔い上げ 祥月命日の前日に起こった奇跡を通じて、命の尊さを知る。説明にある封印が解かれる「32の書」は男の悔悟か、はたまた改悟の記録<記憶>か。

32年前、車内での決断は妻か娘(赤ん坊)の命、どちらかを選択しなければならなかったこと。母子ともに危険な状態での究極の選択である。自分の判断を覆し 妻は子を産んだ。そうとは知らず、直後に交通事故死した男の魂の彷徨であり咆哮が悲しい。色々な意味での未練、納得できない気持に整理がつき成仏ーー幽界での話。

両親の思いを知った娘、妖しい女性によって誘われた一瞬の眠り、わずか20分の間に見た夢幻の世界、そこに命の尊さがしっかり描かれるヒューマンエンターテイメント。公演は単に父<母>と娘という直接繋がりのある魂だけではなく、1人の魂はもう一人の魂で、その無限の連鎖による魂の助け合い、そこに真のヒューマンエンターテイメントの真骨頂を観る。
次回公演も楽しみにしております。
マジックリアリズム

マジックリアリズム

劇団龍門

シアターシャイン(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 兎に角、いきなり引き込まれる。

ネタバレBOX

 板上はほぼシンメトリックな舞台美術。シンプルだが極めて合理的で衝立の位置を前後でずらしその各々に板床迄届く布を掛けて各2か所の出捌けと袖を確保しつつ、側壁もやはり衝立で構成、劇場の側壁との間に脚立を配し、下手には青い鳥の入った小さな鳥籠を下げ、上手には脚立に上る足がかりとして箱馬を置く。
 脚本の冒頭も素晴らしい。何か訳の分からないことがいきなり人間を襲い、訳の分からないまま極めて切迫した状況に投げ込まれる有様が、舞台上と観客に同時に起こるのだ。村手龍太さん演じる男は、坂本九の「上を向いて歩こう」を口ずさみ乍ら車を運転しているのだが。
 作品は緊張するシーンばかりでは無論ない。途中エンタメ要素もかなり入っているが、肝心なところでは、実に深い人生の真実、例えば人間の生きる実世界での究極の価値、それを表現する者はどのように捉え表現するかについて考察する有様、及び発表するに際しての覚悟に通じる普遍的価値観を追求していると観ることができる。もう少し分かり易く言い換えると、現実にヒトの為すべき最上の行為とは、他人の立場に立ってもの・ことを見、考え他者を自ら生きること、そしてアーティストの本質的要件とは、この一事を自らに課し実践する覚悟を持つことである、と。
 因みにラストに掛かる曲も坂本九のヒット曲である。今作はこんな点にも粋が仕込んである。
俺は誰だ?

俺は誰だ?

Offbeat Studio

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 う~~む、もっと脚本はハッチャけて欲しかった。

ネタバレBOX

 真面目だが、ロトい30台前半くらいのサラリーマン・浅井が主人公、漫画のダメおやじ的キャラではあるが、妻と娘は優しい点が異なる。このような相違点は、今作の脚本家が選んだ生き方が作品に表れているからだろう。だが、それが今作がハッチャケきれない原因でもある。但し個々の役者の演技はかなり高い。主人公を演じた曽世海司さんが眉の動かし方一つで浅井の気弱な性格を表して見せたり、だるま座の剣持直明さんが幽界の門番と医師の二役をその存在感の差で演じ分けたり、デスゴッド役の前田さんは嫌われ者・死神の権勢と哀感を味のある演技で表現、権左役の千葉さんの剣技も中々グー、等々役者陣の演技も総じて質の高いものであった。

 然しながら、脚本家はもう一段、自我という束縛から離れてみることも必要だろう。言うまでもないことだが、言葉は常に自らの発明したものではない。こういう状況を自らに取り込みえた時にこそ、自己は他者であると同時に他者が自己を通して作品に結実するからである。なお一層の精進と練達を期待する。
永遠(とわ)に逞(うつく)しく

永遠(とわ)に逞(うつく)しく

よせなべ

雑遊(東京都)

2023/01/26 (木) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

黒い湖のほとりで

黒い湖のほとりで

文化庁・日本劇団協議会

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2023/01/27 (金) ~ 2023/01/31 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

二人の女優の狂気の殺し合い。
NOKKO+大竹しのぶの井上薫さん。『さんせう太夫』のカルマ全開の母親役が印象に残る山崎美貴さん。どちらに軍配が上がるか注視したが、二人共取っ組み合ったまま海に落ちて消えて行った。往年の怪獣映画を思わせるラスト。何か凄いものを目撃した感覚が残る。

巨大な紙で折られた小舟が舞台中央に吊るされて頭上をゆっくりと回転している。4年ぶりに再会する二組の夫婦。転勤ばかりの銀行員夫婦と、黒い湖のほとりに暮らす家業を継いだ地元のビール工場の経営者夫婦。どちらも4年前にこの湖で子供を亡くしている。
四人は初めて会った日のことを思い出し語り出す。四人で夜のボートに乗り込み子供のようにはしゃいで終いには転覆してしまったっけ。

銀行員ジョニー(沢田冬樹氏)、その妻で心臓の悪いエルゼ(山崎美貴さん)、娘のニーナ。
ビール工場の社長エディー(南保大樹〈なんぽひろき〉氏)、その妻のクレオ(井上薫さん)、息子のフィリッツ。

誰が誰の役を演っているのか混乱しながら観ていた。わざとそう演出しているような。心に空いた巨大な空虚が自分達の存在を不安にしていく。

ネタバレBOX

子供達はエディーの家のガラステーブルを叩き割ると、そこに90ユーロの紙幣と手紙を残した。「ここという場所は美しくない。」。黒い湖に浮かぶボートに乗り込み、湖の真ん中で睡眠薬を飲む。互いの手首は紐で縛り付けてある。そして舟底に穴を開けた。
みんな幸せ

みんな幸せ

TOMOIKEプロデュース

小劇場B1(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

サスペンスでしたー
資産家家族のキャラ付けがしっかりしており
理解しやすかった
なんか普通な感じの主人公
浅田氏が苦労していたなぁ と
セットはテーブルと椅子位で簡素ながら
情景などは想像し易く
なかなかに面白いなぁと感じた
105分の作品
が 開演10分前位には
主宰さん主導の前説がゲスト付きでやるので
早めの来場を勧めます
その時間は撮影OKでありますしー

ネタバレBOX

資産家の家長となった長男=現社長が
大きな遺産を相続して人柄が変わり
P3レベルの研究所作り上げ
この国に武器をーと偏り
正そうとして過激な行動に出た弟と断絶し
まぁ親の遺産の裏山に火をつけて
捕まって一年半の刑期を務めて出所して
いろいろと腹に一物抱えた家族と再会するトコに
リフォーム業者の冴えない中年主人公が巻き込まれ
爆発しそうになるも
一人娘のおかげで何とか世の中と
折り合いつけて世間から外れない道に戻る話ですかな

資産家社長の太鼓持ちとか
(らしさと服装がよく合ってたー)
思慮の浅い社長の長男とか
(細いーカッコいい=なんか変身とかしそうデシタワ)
キャラが固定化されてる分
衣装変えとかは無かったです

コロナ対策で
ちゃんと場内での会話は控えて と
呼び掛けてたのは好印象

気密管理レベルP3設定でしたが
作ってたのは危ない化学物質設定だったなー
細菌兵器だとリアル過ぎると控えたのかしら
管理甘くてウィルス漏洩させた
くまのプーさん似の方が国のトップであるトコとかのリアルとー
もう日本じゃ一月で一万人亡くなってるし
オオゴトだしなぁ

暴力では敵わないと
社長さん実の弟を
リフォームで直した換気ダクトを手直しさせて
残した暖炉に火をいれると
任意の部屋が一酸化炭素中毒で満たされるようにして
実行するも
いろいろな妨害あり出来ず
家は焼け重要書類取りに戻った社長は
煙に巻かれて昏睡状態になり
弟は入手した資料を暴露しようとするも
悪徳リフォーム業者のレッテルを貼られた主人公が
世論で盛り上がりネタにならない事態となりー
浅田氏がーとなるのですわ


俺は誰だ?

俺は誰だ?

Offbeat Studio

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

次々と出てくる登場人物が個性的でおもしろかったです。

ネタバレBOX

俺は誰だ?・・・ですが、名前は覚えている、それ以外は覚えていない、という状況に戸惑いました。そして、個性的な人物と出会うのですが、舞台セットの鉄パイプの柱で遮られて、役者の表情が見えない場面がありました。混沌とした状況を設定したのでしょうか、役者が影になってしまっては残念でした。浅井が次々と出会う人、全員の共通点は、前世が同じ人物・・・というのが、しっくりきませんでした。日常のささいな善意の行いのおかげで、現世にもどることができる展開ですが、生きることは素晴らしいというメッセージがしっかりと刻まれていました。暗いニュースがはびこっている世の中に向けたエールと強く感じました。
俺は誰だ?

俺は誰だ?

Offbeat Studio

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

説明文にあった「切なくも笑える少し奇妙な物語」の、その不思議度の部分に期待して(し過ぎて?)いたせいか、思ったよりもずっと真っ当なお話だったので、その点に関しては少々拍子抜けの感も。とはいえ、皆さん達者で気持ちのいい舞台。浅井が出会う人たちの中では、綿貫奈々さんがお気に入りでした。

渚にいちばんちかく

渚にいちばんちかく

劇的集団まわりみち’39

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2023/01/27 (金) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

満足度★★★

金曜日の疲れはてたサラリーマンには…事前に役どころを理解しないとワケわからなくなると思う
演劇特有の時間シンクロで、これとこれがと考えている間に終焉でした…

わが町

わが町

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/02/08 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/01/26 (木) 19:00

160分。休憩10分含む。

俺は誰だ?

俺は誰だ?

Offbeat Studio

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初演に行ってきました!
タイトルからどんな内容になるのかドキドキしながら、そんな展開かぁー!と、いい裏切られた感ありながら、納得する結末で、やっぱり舞台はいいなぁと。
難解なテーマではなく、コロナ禍明け(しそうな)のこの空白を埋めるには、丁度良い加減です。
自分の生き方や考え方にも、シンプルに刺さりました。まさしく、「俺は誰だ?」という問いに自分が当てはまる、心地よさが、今も残っています。
おすすめです。

いごっそうと夜のオシノビ

いごっそうと夜のオシノビ

Nana Produce

サンモールスタジオ(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

してやられた。
よく知らぬままチケットを買ってぼんやりと眺めていたら「ああ、本当に良い喜劇を觀た」満腹感に充足。寺十吾氏の名前があると何か観たくなる。山田洋次のテクニックに中崎タツヤのリアリティーを足した感覚。嘘臭さ(作り物)のラインを器用に飛び越えてみせる。それは『庭劇団ペニノ』の手触りと同じ。今生きて在る生活者と地続きの光景、地に足の着いた本物の実感。まさしく自分と周りの連中の物語。

①『夜のオシノビ』
舞台は寺十吾氏の経営する居酒屋「夜のオシノビ」。9年前に亡くなった彼女の命日に催される偲ぶ会。籍は入れていないが同棲していた。遺品になった生理用品さえ捨てられずトイレに置き続けている。最早、会に来てくれるのは彼女の古くからの友人、金子さやかさんだけ。手塚理美に似た雰囲気の美人。「もう次からは来ない。」と去って行く金子さやかさん。  
翌年の十年目の命日、誰も訪れない筈の会に見知らぬ男性(浜谷〈はまや〉康幸氏)が訪ねて来る。

②『いごっそう』
高知県の寂れた田舎町の居酒屋「いごっそう」。“いごっそう”とは、土佐弁で「頑固で気骨のある男」の意。店主は妻に先立たれた加山徹(てつ)氏。加山雄三の息子!激しい雨が叩き付ける中、常連の四人が来店。町役場の独身三人組(鎌倉太郎氏、有川マコト氏、浜谷康幸氏!)と東京から赴任して来た既婚男性(泉知束〈ともちか〉氏)。町中の男達が憧れている美人店員、青山祥子(さちこ)さんは未だ外出中。「自転車なので酒は飲ませない!」と厳しい店主。おっさん達は仕方なくオレンジジュースを呷るのだが・・・。

「いごっそう」のメニュー、たこわさびが550円なのが気になった。他の物と比べて高くないか?高知県だからものが良いのか?

もの凄い完成度の短編喜劇、松竹全盛期の映画館からの帰り道の気分。老若男女の胸が優しくあったまる。横山拓也氏に『男はつらいよ』を書いて貰いたい。

ネタバレBOX

①さまぁ〜ず(バカルディ)のコントの感覚。寺十吾氏が三村マサカズに見えた。「どういう気持ちで俺はそれを受け止めればいいんだよ!」。ガラケーで撮ったハメ撮りがウイルスに感染して世界中に拡散されてしまったことへの謝罪。この酷い展開は「た組」っぽい。

②生瀬勝久っぽい鎌倉太郎氏、逆に渋味すら感じる48歳独身男性の哀しみ。泉知束氏はTKOの木本っぼい。素人童貞、フィリピーナと見合い結婚する有川マコト氏は上島竜兵に見えた。そして発狂する浜谷康幸氏。この人の狂いっぷりが二作品のMVP。青山祥子さんは巧い。確かにこんな娘がいたらおっさん共はのぼせて通うことだろう。本当によく出来ている脚本。『仁義なき戦い』のテーマ曲もズバリハマる。横山拓也氏の立ち位置とそこからの視点こそが日本人の国民性のど真ん中。
わが町

わが町

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/02/08 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

柴幸男(ままごと)の『わが町』を観劇。

原作はソーントン・ワイルダー
野田秀樹が立ち上げた東京演劇道場の若手公演だ。

1900年代のとあるアメリカ・ニューハンプシャーでの架空の街の物語。そこでは何気ない日常が淡々と進んでいる。事件や事故も起こらない毎日だ。
そして2023年の現代の東京では、事件や事故は起こるが、毎日の営みは100年前と一緒だ。時と場所は変われども同じように世界は進んでいるのだ…。

『わが町』というタイトルを聞くと、ままごとの代表作『わが星』を思い出すだろう。同じような視点で毎日の日常を描いている。決して『わが星』のようにグルグルと円を囲んで動き回ったりはしないが、地球の外から作家が俯瞰して見ている視線は変わりない。
各々の登場人物を俳優が人形を操りながら演じてみたりと人形劇とまでは行かないが、それに近い形で表現したり、街の風景がパズルのように組んだり崩したりと実験精神旺盛だが、奇抜に描いているように見えず、市井の人物の風景が更にやんわり見えてくるのが興味深い点だ。
この戯曲が発表された当時は何も起こらない日常を描くことがかなり革新的であったそうだが、今では平田オリザを先頭に「日常こそが大事件だ!」と描いている演劇人の多い事。
何はともあれ、不思議な体験をした夜であった…。
三文姉妹

三文姉妹

T-works

「劇」小劇場(東京都)

2023/01/24 (火) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

寒波襲来のなか観に行ったこともあり、つい過剰な期待をしてしまったのが悪かったのか、まず冒頭のアレに個人的には全くノレず、またお隣さんのマスクごしに響く鼻息がやけに大きく、それが気になって舞台になかなか集中できなかったのも痛かった。三姉妹の皆さんは好演だったと思うが。

ネタバレBOX

隣の鼻息さん、ようやく静かになったと思ったら、今度はお休みになってました…。
龍昇企画 父と暮せば

龍昇企画 父と暮せば

ストアハウス

上野ストアハウス(東京都)

2023/01/25 (水) ~ 2023/01/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

西山水木の演出が一々理に適っている。が、観ている間は役者に釘付け。井上ひさしの戯曲はディテイルが秀逸でこの戯曲にも各所に笑いと彩りを与え芝居をふくよかなものにしている。扱うテーマからの必然、原爆投下時の描写も作者は怠らないが、これを娘に台詞で、饒舌にやらせる、この部分が芝居的には峠であり役者的には難関であろうと想像される。
関根真帆(恐らく初)と龍昇という取り合せに惹かれて観劇したが予想通り、かつ想像を超えた優れた舞台。初日に漕ぎ着けた感を微かに感じたが、また見たいと思うシーンの断片がある。リアルにこだわった小道具、美術に役者自身が馴染み、どっぷり世界の住人となった頃合にまた観たい。(リピートするタイプの演目ではないが。。)

ネタバレBOX

つくづく良く出来た戯曲だが、「定型」の轍にハマりがちな危うさもある。
原爆を扱っている点(反戦という大きな物語に収めて理解しがち=人間のドラマとしての自立が問われる)、サバイバーズ・ギルティが軸である点(感動ドラマの定型にハマりがち)。
本舞台では、一組の父、娘の一夏の物語が微笑ましく成立。組まれた一軒家は程よく奥行があり、これが照明に照らされて褐色系に舞台上に浮かぶ様は、お伽噺を覗く趣きもあり、可愛らしい。

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