そこに在るはずの貴方に
FUTURE EMOTION
キーノートシアター(東京都)
2023/07/07 (金) ~ 2023/07/08 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
韓国と日本に共通した説話である「牽牛と織姫」(七夕物語)を題材に様々な観点からアプローチし、一つの作品を共同創作するプロジェクト。その志に敬意を表する。
物語は一般的に知られた内容で、Wikipedia等で知ることが出来る。その七夕伝説を現代に生きる若者…彦星と織姫の星座を持って生まれた転生者に重ねて綴る。
全体的に<美しくまとめた>といった印象の物語。韓日の役者は夫々2名…彦星と織姫を韓国の役者、鵲と烏を日本の役者が演じ、夫々 説話(物語)とパフォーマンスという役割を担っていたようだ。その付かず離れずといった空気感・距離感、そして ふわふわとした感じが、いかにも実体のない伝説らしい。気になったのが、韓国の役者は二人とも裸足、日本の役者は黒靴下で足下が違う。彦星と織姫という星座…宇宙〈天空〉という意味合いでは裸足なのかもしれないが、あくまで物語は転生者に重ねており実体〈人物〉を描く。何故ならば、二人は交わることなく街を歩き、雨が降り出したことで運命的に出会うのだから。
音響は ピアノをずっと弾き、照明は 鵲と烏の羽ばたく姿〈パフォーマンス〉を壁に陰影する。因みに、鵲と烏の違いを白と黒の衣裳で表し、後壁一面に赤い紐を張り巡らし、運命の赤い糸を示す。観せる工夫をしているが、全体的に淡々・粛々と展開するためメリハリが感じられず、印象が薄くなったのが惜しい。
(上演時間55分)
ネタバレBOX
素舞台、一人の男と旅行者らしき女がバス停で出会い、雨が降り出し男(キム・ギョンファンさん)が女(チェ・ソンファさん)に傘を翳す。二人とも裸足で 街中を歩くには不自然だ。
物語は、現実(2023年)の二人の出会いと七夕伝説を交差させ、遥か彼方の彦星と織姫を現代に甦らせる。七夕伝説の知られた概要…織姫は神様の着物を織る仕事をしており、神様が織姫に婿を探す。そして天の川の対岸で牛の世話をしている彦星を会わす。二人は結婚して仲睦まじく暮らすが、全く仕事をしなくなる。神様は織姫と彦星を引き離し、二人は離れた悲しみで仕事をせず毎日泣き暮らす。神様は「真面目に働くのなら、毎年7月7日だけは、ふたりを会わせる」と約束する、というもの。公演はこの伝説をパントマイム等で表現し挿入する。伝説<非現実> と 烏・鵲<飛翔>、その浮遊感がファンタジーのように観える。
現実と伝説を結ぶ役を烏と鵲に担わせる。物語は韓国俳優が演じているが台詞は少なく、発する言語は韓国語、一方 烏と鵲は異世界を往還し虚実の橋渡しをする。七夕伝説、知っているようで知らない物語でもある。七夕伝説を韓国と日本に置き換えたとき、隣国でありながら知らないことも、そして両国の間には天<空>の川ならぬ海がある。何となく「七夕伝説」を題材にした意図が分かるような気がする。
この公演、物理的な橋ではないが 演劇という創作作業を通して<架け橋>を築いたような。このような試みは、継続してこそ<力>を発揮するだろう。
次回公演も楽しみにしております。
そこに在るはずの貴方に
FUTURE EMOTION
キーノートシアター(東京都)
2023/07/07 (金) ~ 2023/07/08 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
日韓に共通する七夕伝説をベースに今作は作られているが、韓国に伝わる物語の骨子が共通部分の上で大きな位置を占めているようだ。各々の星は日本では天の川を挟んで織姫・(織女/琴座の1等星・ベガ)と彦星・(牽牛/鷲座の1等星アルタイル)と呼ばれ、2つの1等星間の距離は約13光年と作中で語られる。この2つの星が年に1度、七夕にしか会えなくなった理由をベースに元々中国由来とされるこの伝説が東洋諸国に広がる中で様々なバリエーションを持ったようである。今回は韓国に伝わるヴァージョンと日本に伝わる(琉球王国時代に琉球国に伝わったヴァージョンはまた異なる)ヴァージョンを合体合成しつつ、日韓共同で作られ両国の役者が出演している。
ネタバレBOX
中国のオリジナルが儒教色の濃い作品とされるのは、織女は天帝の娘であり、機織りの名手として知られた働き者、一方の牽牛もまた牛飼いとして極めて良く働き評判の若者。働いてばかり居て年頃を迎えた娘を心配した父・天帝が婿探しをし牽牛に娘との結婚を勧めたのが2人の出会いのきっかけであった。然しそれまで働きづくめに働いた2人は相思相愛の仲になり、開けても暮れても恋に夢中、遂には天界で重用(ちょうよう)されてきた雲錦と呼ばれた布も新たには織り上がらず、また牽牛の牛たちは痩せて死に至った。天帝はこれを怒って2人の恋を年に1日としたのである。
今作では、この中国ヴァージョンの儒教的{(即ち女性の代表的職業としての機織りと男性の農耕文明以降の代表的職業としての農業)牧畜が中国ヴァージョンなのを転換}している他、天帝を神一般という一般化で曖昧化した上で、1年に1日しか会えぬ罰を一種の悪意として描いている。一方、その神の使いでもあるハズの烏と鵲は恋人たちの宿命を運命に変える手伝いをしている。ホリゾントに斜めぶっちがいに張られた赤い糸を2人の小指に巻き付けるのも烏・鵲の力技であり、功である。まあ、星の属する星座から言えば、アルタイルは鷲座の1等星であるから、烏も鵲もその配下と取ることは可能だが。役者では牽牛役が気に入った。
幾度の群青に溺れ
キ上の空論
紀伊國屋ホール(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
舞台セットや光に音の演出が不穏な感じを盛り上げつつ、切り口鋭い題材と沢山の演者様の熱演もあり、見応えある作品でありました。
普通じゃない普通
劇団水中ランナー
駅前劇場(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/10 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
待合室を挟んで両側に客席。重ねた人々を観劇。よくねられた脚本に脱帽です。登場人物の一生懸命な姿に笑ってしまい、最後にはハンカチを握りしめていました。心に残るとても素敵な舞台でした。迎える人々も是非みたいです。
Pickaroon! -ピカルーン-
壱劇屋
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/06/24 (土) ~ 2023/07/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とりあえず観て!と誘われ観に行けばもう、
とりあえず観て!と大声で言いたくなる。
チョビ
ここ風
シアター711(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
通路にもパイプ椅子を出しての超満員の公演。チョビの子供と大人の演じ分けが素晴らしかったです。会話が全てとても自然でスーッと心に染み渡りました。おすすめします。
共演者/同級生
2223project
小劇場B1(東京都)
2023/07/01 (土) ~ 2023/07/11 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
「共演者」100分。休憩なし。
共演者/同級生
2223project
小劇場B1(東京都)
2023/07/01 (土) ~ 2023/07/11 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
「同級生」95分。休憩なし。
ブラウン管より愛をこめて-宇宙人と異邦人-(7/29、30 愛知公演)
劇団チョコレートケーキ
シアタートラム(東京都)
2023/06/29 (木) ~ 2023/07/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
意外性の全くない筋書きだった。
追記:
…と書いてから考えた。何か別の意味があるのではないかと。次の二つがすぐに思い浮かんだ。
1.これはEpisode1ですべての差別がなくなった未来を描くEpisode2がある。
2.実はこの戯曲はあらすじを ChatGPT で作った実験戯曲なのである。
この二つを検討して行くうちにEpisode2をChatGPTで作るとどうなるかが俄然気になって来た。長くなるので結果はネタバレBOXへ。
ネタバレBOX
以下は無料版 ChatGPT との質疑応答です。
まずはテスト
質問1
CoRich舞台芸術って何ですか
ChatGPT
CoRich舞台芸術(コーリッチぶたいげいじゅつ)は、日本の演劇情報プラットフォームであり、演劇関連の情報を提供しているウェブサイトです。CoRichは、「コミュニケーション(Communication)」と「リッチ(Rich)」を組み合わせた造語であり、演劇に関わる人々が情報を共有し、舞台芸術の豊かな体験を実現することを目指しています。
CoRich舞台芸術では、演劇公演やイベントの情報を掲載しており、舞台作品の上演情報や劇団・俳優のプロフィール、チケットの購入などを提供しています。利用者はウェブサイト上で公演を検索し、気になる作品や劇団を見つけることができます。
また、CoRich舞台芸術では、演劇制作に関わる人々が自ら公演情報を登録・掲載することもできます。これにより、新人劇団や個人の演劇作品も多く紹介され、幅広い舞台芸術の情報が集まっています。
CoRich舞台芸術は、演劇を愛する人々にとって便利な情報源となっており、演劇文化の発展と舞台芸術の普及に貢献しています。
質問2
「ベニスの商人」でのシャイロックへの差別をどう思いますか。
ChatGPT
「ヴェニスの商人」におけるシャイロックへの差別的な扱いは、多くの人々にとって懸念の対象となっています。劇中では、シャイロックがユダヤ人であることに基づいて、彼に対する偏見や差別が描かれています。
シャイロックは劇中で商取引を行う金貸しとして描かれ、キリスト教徒のキャラクターたちからは嫌悪や侮蔑の目で見られ、冷たい扱いを受けます。また、彼が復讐を企てる場面も描かれ、その行動によって彼が悪役として描かれることもあります。
このような描写は、当時のユダヤ人に対するステレオタイプや偏見を反映していると指摘されています。ユダヤ人は中世から近代にかけて迫害や差別にさらされてきた歴史があり、その背景を考えると、シャイロックのキャラクターがユダヤ人コミュニティに対する差別を助長する要素を含んでいると感じる人々もいます。
ただし、文学作品は時代や文化の産物であり、当時の社会の偏見や価値観を反映することがあります。シェイクスピアの「ヴェニスの商人」もその例です。これにより、作品を批判的に読み解くことや、その中の差別的な要素に対して議論を起こすことが重要です。
重要なのは、作品を通じて差別や偏見を助長することではなく、むしろそれらを問いかける、議論を呼び起こす、または反省を促すきっかけとなることです。また、ユダヤ人差別や他の形態の差別を根絶し、共感と理解を促進するための努力を続けることが重要です。
質問3
すべての差別が無くなった世界の良いところと悪いところは何ですか
ChatGPT
仮にすべての差別が無くなった世界が実現した場合、以下に良いと考えられる点と悪いと考えられる点を挙げることができます。ただし、これらは一般的な観点からの考察であり、個々の意見や文化によって異なる可能性があります。
良いところ:
平等な社会: 人々は性別、人種、宗教、性的指向などに基づく差別を経験せず、平等な機会と扱いを受けることができます。
多様性の尊重: 個々の個性や文化的背景が尊重され、多様性が受け入れられる社会が形成されます。これにより、異なる視点や経験からの豊かな意見やアイデアが生まれる可能性があります。
社会的結束力: 差別がなくなることで、人々はより一体感を持ち、協力や共同の目標に向かって働くことができます。
平和と調和: 差別による対立や紛争が減少し、平和的な社会が実現する可能性があります。
悪いところ:
失われる多様性: 差別がなくなることで、文化的な多様性や個々のアイデンティティが薄れる可能性があります。
競争の欠如: 社会的な差別がなくなることで、競争の要素が減少し、モチベーションや成果の向上に影響を与えるかもしれません。
問題の不可視化: 差別がなくなることで、過去や現在の社会の不平等や問題が見えにくくなる可能性があります。これにより、改善や対策が遅れる可能性があります。
以上は一般的な観点からの考察ですが、実際の社会や個人の経験や価値観によって評価が異なることを念頭に置いてください。
質問4
すべての差別が無くなった未来を悲観的に描く小説のあらすじを書いてください
ChatGPT
タイトル: "The Price of Uniformity"
あらすじ:
「The Price of Uniformity(均一性の代償)」は、すべての差別が無くなった未来社会を舞台にした悲観的な小説です。
物語は、近未来の地球で展開します。科学技術の進歩により、人類は差別を根絶し、均一な社会を実現しました。人々は性別、人種、宗教、性的指向などによる差別を経験せず、平等な機会を享受しています。しかし、この均一性の代償として、社会には深刻な問題が生じています。
主人公であるエミリーは、この均一な社会で生きる若い女性です。彼女は感情や個性を抑制することを求められ、異質なものを排除する文化に疑問を抱いています。彼女は自由や個別性を求め、均一性に疲れ果てていきます。
物語は、エミリーが均一性を打破しようとする決意を抱き、抵抗運動に参加することから進展していきます。彼女は秘密のグループに加わり、人々に異なる意見や感情を持つことの重要性を啓蒙しようとします。
しかし、エミリーの抵抗運動は社会の安定と均一性を脅かすと見なされ、徐々に反対派の弾圧が始まります。言論の自由は制限され、個々のアイデンティティや文化的多様性を表現することは危険となります。
最終的に、エミリーは絶望感に苛まれながらも、自由と個性を求める戦いを続けます。物語の結末では、エミリーが均一性に立ち向かう決意を持ちながらも、社会の力によって押し潰される悲劇的な結末が待ち受けています。
「The Price of Uniformity」は、均一性がもたらす問題や自由の喪失を通じて、現代社会における多様性と個性の重要性を考えさせる小説です。
*少し時間が経ってから再開
質問5
差別の無くなった未来を悲観的に描く小説を書いてください
ChatGPT
タイトル: 意味のない平等
第一章: 幻影の平和
それは、差別のない未来、人々が永遠の平和を享受する世界であるとされた。しかし、その幻想的な平等は何かが欠落していることに気づく人々によって徐々に明らかにされていく。
主人公、アリアはその世界で生まれ育った若い女性である。彼女は自由に選ぶことができる職業を持ち、教育を受け、政治に参加する機会も与えられていた。人々は外見や出自に基づく差別をなくし、法律は公平に適用されていた。しかし、アリアはなぜか内心に違和感を覚えていた。
第二章: 虚構の均一性
アリアが探求するにつれて、彼女は差別がないとされる社会においても、隠れた差別が存在していることに気づく。個々の人々の違いや特異性は否定され、均一性が求められる社会で、多様性や個性が失われていることに彼女は驚愕する。
人々は全員が同じような考え方や興味を持ち、感情を表現する自由も制約されていた。文化や芸術の多様性は抑圧され、単一の基準に基づいたものが奨励されるようになっていた。アリアは、自分自身が本当に自由であるのか疑問を抱く。
第三章: 偽りの平等
アリアは徐々に、差別のない社会がどのようにして支配と統制に変わっていったのかに気づく。政府は平等という名の下に、人々の行動や思考を監視し、コントロールするシステムを築き上げていたのだ。
個人のプライバシーは侵害され、思想や表現の自由は制限されていた。政府は個々の幸福や満足度を定義し、人々の人生に介入する権限を持っていた。アリアは、この偽りの平等が本当の自由とは程遠いものであることを悟る。
第四章: 絶望の目覚め
アリアは抑圧された現実に対して闘争心を燃やし、秘密の抵抗運動に参加する。彼女は他の人々とともに、本当の自由を取り戻すために闘い始める。しかし、政府は彼らの存在に気づき、容赦なく追い詰めてくる。
過酷な戦いの中で、アリアは友人や仲間を失い、苦難に立ち向かう。彼女は自らの存在意義と、本当の平等とは何かを再考する。差別のない社会がもたらした偽りの平和と自由の喪失を痛感しながら、アリアは最後の戦いに臨む。
結末: 灼熱の闘争
アリアと抵抗運動は、政府に立ち向かう最終決戦へと突入する。彼らは勇敢に戦い続けるが、政府の圧倒的な力に対して苦しむ。
しかし、アリアは最後の瞬間に、差別や不平等のない社会が本当の平等ではないことを理解する。真の平等とは、個々の人々が異なる存在であり、それぞれが独自の才能や欲望を追求できることであると悟る。
アリアはその認識を抱えながら、自らの信念を貫き、政府との壮絶な戦いに挑む。彼女の犠牲と闘争の意義は、未来の世代に受け継がれることとなる。差別のない社会は終わりを迎え、人々は再び多様性と自由を求める道を歩むのだった。
注: この小説は、差別がない社会が持つ可能性とリスクを探求するためのフィクションです。差別のない社会を望むこと自体は素晴らしい目標ですが、その達成には慎重なバランスと個人の多様性の尊重が必要です。
質問6
戯曲にしてください
ChatGPT
タイトル: 「均質化の闇」
登場人物:
アリア: 若き反抗者
エリック: 政府の高官
サラ: アリアの友人
レオン: 抵抗運動のリーダー
ガード: 政府の手先
場面: 均質化された未来の都市。政府の本部や市民の居住エリアが描かれる。
第一幕: 憂鬱な均質化
(舞台は都市の中央広場。アリアとサラが話しながら歩いてくる。市民たちは皆、同じような服装をしている。)
アリア: (不満そうに) サラ、この都市はなんだか憂鬱で均一な気がするわ。どこを見ても同じ景色、同じ顔、同じ考え方…何かが違う気がするわ。
サラ: そうね、アリア。政府は差別を無くし、平等を実現するために頑張っているんだけど、でも私も何か物足りないって感じがするわ。
(エリックが現れる。彼は堅苦しい服装をしている。)
エリック: 二人とも、都市の均一性を疑問視しているのですか?
アリア: あなたは誰?
エリック: 私はエリックと申します。政府の一員です。均一な社会は誰にとっても公平で安定したものです。個人の違いは問題のもとですから、我々はそれを排除したのです。
サラ: でも、私たちは自由に選ぶことも、個性を表現することもできないじゃないですか!均一な社会だからこそ、私たちは自分らしさを失っているんです。
第二幕: 反抗の火花
(アリアはレオンと出会う。彼は抵抗運動のリーダーである。)
レオン: アリア、君の考え方に共感する。政府は自由を奪い、均一性の名の下に我々を縛り付けている。私たちは抵抗しなければならない。
アリア: でも、どうやって?
レオン: 私たちの存在を政府に示す必要がある。行動し、声を上げることで、均一な社会の闇を明るみに出そう。
(アリアとレオンは抵抗運動を組織し、政府の監視カメラや制限を回避しながら行動する。)
第三幕: 抑圧と真実の闘い
(政府の手先であるガードがアリアたちに気づく。追跡と逮捕のシーンが展開される。)
ガード: 逃げられると思うなよ!均一な社会の秩序を乱す者たちよ、お前たちは罰せられるべきだ!
(アリアとレオンは奮闘しながらも、政府の追跡をかわす。最終的にアリアはエリックと再び対面する。)
アリア: エリック、もう十分だわ!均一な社会は偽りの平和であり、私たちの個性と自由を奪っているのです。
エリック: それが君の意見か…では、私たちは終わらせるしかない。
(アリアとエリックの対決が始まる。アリアは自分の信念を貫き、エリックに立ち向かう。)
最終幕: 希望の息吹
(アリアはエリックを打ち破り、抵抗運動は勝利を収める。市民たちは政府の支配から解放され、個性や自由を取り戻す。)
レオン: アリア、君の勇気に感銘を受けた。この勝利は私たち全員のものだ。
アリア: ありがとう、レオン。この闘いはまだ終わりではないけれど、私たちは希望を持って前に進まなければならないの。
(舞台は変化し、市民たちは自由な表現や多様性を大切にする社会を築いていく。希望の未来が描かれる。)
注: この戯曲は、均一な社会が個性や自由を抑圧する可能性を描いたフィクションです。個々の違いや多様性が尊重される社会が望ましいとされる一方で、均一性の追求は慎重に行われるべきであり、個人の自由と幸福を重視する必要があります。
Pickaroon! -ピカルーン-
壱劇屋
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/06/24 (土) ~ 2023/07/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
楽しかったです!!人間CG最高!!
冷蔵庫、マリカ、傷だらけ
明治大学実験劇場
明治大学和泉キャンパス・第一校舎005教室(東京都)
2023/07/06 (木) ~ 2023/07/08 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
猟奇的な面とコミカルな面にオカルトが加わり、非常に面白いステージでした。舞台セットの超チープ感を割り引いても、見応えのある濃い〜作品。
ネタバレBOX
異なる立場の人間間でコンセンサスがまとまる過程、首を絞められて殺された女の薄幸メイク、基本ヒモのくせに浮気をしてるダメ男の表情が印象的。
チョビ
ここ風
シアター711(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
或る女
演劇企画集団THE・ガジラ
シアター風姿花伝(東京都)
2023/06/30 (金) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。
有島武郎の小説「或る女」の舞台化、小説のモデルになった実在の女性の生き様を3時間強にまとめあげた力作。劇中繰り返し言う「崖っぷち」という言葉、主人公は まだ25歳。明治20年代に思春期、そして30年代の世を生きた1人の女性の自由奔放・自由恋愛、それを<光と音の芸術>によって甘美であり頽廃したような、何とも表現し難い世界観として表出する。
今でもそうだが、根拠なき因習 風習もしくは風潮といった<決め付け>に息苦しさを感じる。それが120年も前のこととなれば猶更であろう。その 閉塞とも言える社会(世間)への抗いが、地続きの現代を生きる人の戦いとして受け継がれている。女性の描き方は、刹那的であり、誰にはばかることなく懸命に生きた女性の<魂>が観えるような公演だ。
主人公の早月葉子を演じた守屋百子さんと その相手役の倉地三吉を演じた千葉哲也さんの力強く しかも濃密な演技が圧巻だ。薄暗い中で、スポット的に照らしたり蝋燭やマッチの火といった小道具による照明が実に印象的だ。音響は床の鉄板扉の開け閉めによる轟音、宗教音楽といった、どちらにしても耳に残る音響技術だ。原作の上演台本・演出の妙は勿論、演技力・効果的な技術といった<力>を感じる作品。
(上演時間3時間 途中休憩15分) 追記予定
無法地帯
藤原たまえプロデュース
「劇」小劇場(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。
無法地帯ならぬ無常世界のような…訳アリの おっさんたちが住むシェアハウス<双葉荘>での日常を面白可笑しく描いた物語。因みに登場するのは全員おっさんで、色気のあるシーンがあるとすれば映像か。
このシェアハウスに新入りが来た時の感想を 心の中で、「なんて くだらない、何の教訓もない」といったことを呟く。当日パンフに脚本・演出の山下平祐氏が「観劇後、皆様のお胸には何も残らないかもしれません」と。しかし、この手の話はシェアハウスの外、つまり社会(世間)との関係を描くことによって観客の心に何らかの爪痕を残そうとするが、公演では、ハウス内における人間関係だけで綴る。しかも 個々人の背景は深堀せず、今という瞬間だけを切り取り 〈生きている〉 として観せる。背景=訳アリという過去に縛られず生きたいという 思いがあるのかも知れない。
先のパンフには続きがあり「しかしその『何も残らなさ』もまた、男性のみのお芝居の『らしさ』」と。シェアハウスという狭い空間、訳アリの内容はそれぞれ違うが、それでもマウントを取りたがる滑稽さ。そこに愛すべき おっさんの虚勢と哀愁が垣間見え、不思議とジーンとくる。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし)
ネタバレBOX
舞台美術は中央奥にキッチン、手前は応接セットが置かれている。上手には二階へ行く階段や本棚、下手は玄関に通じる通路や鑑賞植物がある。全体的に くすんだ壁が中古住宅をイメージさせる。劇中使用するスクリーンが上り下りする。この一軒家は、ここに住んでいる訳アリおっさん達と関わりのある篤志家の弁護士が低家賃で貸している。
訳アリおっさんとは、万引き、窃盗、住居不法侵入などの犯罪を犯した者で、いわゆる前科者である。今は更生したようで地道に働いている者、ぶらぶら怠惰を貪っている者など一様ではない。冒頭は、若い女性との出会いを求めるため、彼女たちのレタームービーを見て燥ぐところから始まる。彼女たちの性格云々といった他愛ないことでマウントを取り合う。
物語では、おっさん達の前科者になった経緯などは深堀せず、その犯行という事実だけを語る。そこには過去を振り返らず今日という日を生きる。暮らしていくとは、その日々の繰り返しで、芝居のように劇的な事が起きるわけではない。その意味では現実を見据えた日常<会話>劇のようだ。淡々とした日常が崩れたのは、痴漢行為で捕まったおっさんが、自分は無実だと言い続けていたが…。些細な言い争い、小さな諍いはあるが、何となく和気あいあいとした仲に不信感、そして亀裂が生じる。あっという間の崩壊は、家族と違って乾いた というか あっさりと結末を迎える。
YouTube配信を行うため、皆で曲「あの素晴らしい愛をもう一度」を三番まで歌うシーンに おっさんの愛らしさ?と悲哀が垣間見える。台詞にない言葉が聞こえるような演技、そこにおっさん=”ベテラン男優陣”の凄みを観るような。だからこそ滋味溢れるといった印象が残る。
次回公演も楽しみにしております。
チョビ
ここ風
シアター711(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
超満員の上、通路や先頭のスペースにまで増席。会場を間違えているとしか思えない。サンモールスタジオがいいのでは。そこを本拠地にしている東京AZARASHI団と今作のテイストは重なる。
主演は天野弘愛さん、通称チョビ。
児童養護施設出身者の同窓会。会場の浅草近辺の民家はやたら駅から遠く、蛙の鳴き声がうるさく感じる程田舎。久し振りに顔を合わせる面々。天野さんは例年の隅田川のとうろう流しに参加するも勢い余って川に落下。はぎこさんの竹竿に救われる。服はビショビショで仕方なくジャージ姿。
虐待で右胸の二つのホクロの下に煙草を押し当てられた火傷の跡。それをずっと隠していた天野さんだったが火傷の跡がチョビ髭に見えると、施設の悪ガキのノブ(吉岡大輔氏)にチョビという仇名をつけられる。自分の心の傷を鼻で笑って生きていく生物の強さ。国からの措置費と寄付で運営されている養護施設だったが、資金難で先行き不安。8歳のチョビは自ら金持ちの養子に入ることで金を引っ張って来ようと企んだ。
当時13歳だった里沙(藤木蜜さん)は滅茶苦茶頭が良く将来は弁護士になると決めていた。
当時7歳だった亜矢(はぎこさん)はノブを密かに恋してた。
当時10歳だった弘信(香月健志氏)は弱いくせに将棋に命を懸けていた。
同い年のノブは喧嘩相手のチョビのことを・・・。
冒頭からちょこちょことした伏線、一体何の話なのか不審に思わせる。そこを綺麗に回収してみせるラスト、成程!
ネタバレBOX
天野弘愛さんの足の指が一本一本細く長い。
はぎこさんは山本彩を思わせる強キャラ。
藤木蜜さんはミッツ・マングローブのようなキャラの奥深さ。
チョビを里親として迎えた夫婦。元スリの高橋亮次氏と大企業のお嬢様、星出紗希奈さん。
貧乏夫婦を同居させてやるのは陰を背負った植木屋、牧野耕治氏。もう井川比佐志だ。
顔を出す幼馴染のヤクザ、斉藤太一氏。
『サザエさん』に心の何処かで憧れる、『サザエさん』とは似ても似つかぬ家族達の物語。
里親の家が貧乏なのを知ったチョビは帰ろうとする。だが養護施設は火事で焼け落ち、皆亡くなっていた。帰る場所なんかもう何処にもありはしない。チョビは彼等がもし生きていたならどう成長していったかをずっと妄想しながら暮らしていく。そして今年のとうろう流し、岸に引っ掛かった灯籠を取ろうと手を伸ばして川に落ちてしまう。実はここは死後の世界であり、皆はチョビを励まして生者の世界に送り返す。
物足りないのは笑い。キャラ設定が弱い。いつもの狂ったセンスが足りない。ヤクザ・ギャグだけでは普通のコメディ。『異人たちとの夏』に至るまでに激しい笑いの空間が欲しい。施設の連中とのエピソードと養父母のエピソードが交差するのだが上手く行っていない。施設の連中のことを一生忘れず想い続けるだけの強烈な出来事が欲しい。(その前の虐待の日々の描写か?)
ワンシチュエーションに拘らない方がいいと思う。作品の表現出来る幅が狭まる。背景は観客の想像力に委ねてもっと自由に作った方が面白くなる。
三谷健秀氏は一体どうしてしまったのか?彼が必要だ。
チョビ
ここ風
シアター711(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
最初の出だしのところは、単に懐かしい仲間が集まってワイワイという感じだ。
最後までこれが続くかと思ったが、まさかこういう展開が...
全く予想もしない展開。
脚本が練りに練られていて、う~んとうなる。
さすが (ここ風) だ。
スタッフさんから、観て絶対満足させる自信があると聞いていたが、まさにその通りだ。
期待を裏切らなかった。
場面が過去と現代を行き来していたが、最初、少しわかりずらかった。
途中からは、チャンとついていけた。
(ここ風) の感動的なお芝居は、やはり素晴らしい。
ファンがどんどん増えて、予約が取れなくなりそうで心配だ。
私が一番いいなと思ったところは、チョビ役の役者さんの表情だ。
本当に子供みたいな、屈託のないいい表情をする。
ホッペをプクッと膨らませて愛らしい。(ここのところ必見! )
天野さんが、いいなあと思った。
海戦2023
理性的な変人たち
アルネ543(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
珍しい企画の上演なので、梅雨の合間の炎天下、西武池袋線に乗って富士見台のビル地下室まで出かけた。異色の点。まず、百年前の築地小劇場初期のオール男性の役の作品を全員女性の俳優で上演する。その女性俳優は、すべて、東京芸術大学で、演劇、音楽、絵画、映像、デザイン、伝統芸能などを学んだ卒業生。だが、現在俳優(演劇)専業者はいない。演出だけは文学座の中堅の生田みゆき、ここのところ良い演出作品が続いている演出のプロ。彼女も芸大大学院の卒業生。グループの名前が「理性的な変人たち」第三回の公演である。
いまも、芸大は日本国中から芸術の抜きん出た才能のある若者が集まる学園であることは誰も否定しないだろう。その若者グループが芸術分野の垣根を越えて演劇をやる。うーむ、なんか面白そう。
「海戦」はもう築地の初演を見た者は生きていないが、記録はある。初演はきっと、第一次大戦時の戦争ヒロイズムに彩られた戦艦の砲塔内の砲手たちの戦場リアリズム劇だったのだろう。今このテキストを選んだのは、いま戦争が世界各地で起こり、日本も無縁ではなくなった時勢に合わせたのだろう。一方、戦闘員(兵)が全員男子だった頃に書かれた本を、現代日本の女性がやる。思い切ったトンガリようだ。これが「理性的な変人たち」の企画か?
劇場のアルネ543は舞台を中に正面と下手に80ほどの客席があるL型の劇場である。ほぼ正方形の狭い舞台を工事現場の金属骨組みで囲んで戦艦の砲塔。囲まれた中は骨組みの間から透けてみえるつくり。四角の窓らしき者がぶら下がっていて、ここから海上や敵情が見える。長い筒で砲を示したり、軍服は着ていないが白い実験室の服を着ていて、それを脱ぎ捨てると戦死したことになる。衣装・小道具を含め現代演劇の小劇場の美術だが、センス良くまとまっていて、さすが芸大の俊英たちの舞台である。
戯曲は戦艦の砲塔の砲手五人の戦闘開始の前夜から、どうやら引き分けに終わったと見える戦闘の終わりまで。それぞれ普通の社会の思い出やら、家族やら、今の砲塔の中の友情とか、このあたりは百年前の本だから、今となればありきたりで、今回は多分大幅にテキストレジして、現代の小劇場作品に仕上げている。幕開き、戦闘前の眠れない夜にちょっと歌ったりする曲が、難しそうなメロディなのに、軽々と歌ったり、見慣れない楽器をちょっといじって聞き慣れないが良い劇伴にするところなど、ここは音楽専攻の芸大生の腕前である。演出は狭い空間に芝居とダンスと混ぜたような複雑な動きと台詞を俳優たちに要求しているが、これも難なくこなしている。台詞も、あまり表現に難しい言葉は少ないが、うまいものだ。リーダー格の砲兵を演じるなど俳優としても十分通用する。
新しい小劇場の上演としても、ユニークなタカラズカとしても、立派にサマになっているのだが、この公演を女性だけでやった意味はよく伝わってこない。ジェンダーをテーマにしているのはうかがえるが、性差をなくせ!というのか、意識するな!というのか、もっと女性の地位を上げろ!といっているのか解らない。それは性差が最もよくわかるセックスのシーンに現われていて、セックスが話題になると、途端にみな男役として役を演じてしまう。
芸大の俊英たちの意味も、表面的にはよく見とれるが、積極的な座組に生きていない。
レパートリーも今までを知らないからなんとも言えないが、いかにも表面的な「海戦」を選んだのは「理性的な変人」とは思えない。もと身近にこのテーマに明確に迫れる作品。例えば、昨年生田が演出した「建築家とアッシリア皇帝」(アラバール)とか、芸術をネタにするなら三好十郎の「炎の人」とかやってみたらどうだろう。
と、書いてもみるが、才能の氾濫を見るのは、良かれ悪しかれ楽しいもので、是非頑張ってほしいものである。
ネタバレBOX
会場で、テキストの築地とこの公演の訂正箇所対照表を200円で売ったいる。ちょっと甘く見て、言い訳なんか聞きたくない、徒かってこなかったが、ちょっと残念。それがあるともっと別のことが書けたかも知れない。
見世物革命ゴウマちゃん
ゼロテラ
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2023/03/02 (木) ~ 2023/03/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
独特な世界観で、理解が難しい。
Pickaroon! -ピカルーン-
壱劇屋
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/06/24 (土) ~ 2023/07/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
2019年の初演、2020年の再演と観てきて3度目のピカルーンになりますが、ますます熱く、かっこよく、激しくブラッシュアップされていて最高でした!
チームA、チームB両方観劇しましたが、それぞれ役へのアプローチが違っていて比較して観るのも楽しかったです。
初めて壱劇屋さんを観る方だけでなく、初めて舞台というものを観る方にもおすすめできる作品でした、再々再演を楽しみにしています!
チョビ
ここ風
シアター711(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ここ風初観劇。関西弁の飛び交う舞台に相応しい?人情喜劇のカテゴリーという事になるのだろうが、「よくあるパターン」を踏襲していながらどこか新鮮であった。脚本と役者の過不足ない精度、骨格がしっかりした印象。徒な涙を着地点としない(涙を排してもドラマが成立している)部分だろうか。