最新の観てきた!クチコミ一覧

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視点

座・高円寺1(東京都)

2023/03/15 (水) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/03/17 (金) 19:00

第2弾。#食む派 #Antikame? を観た。どちらも初見。57分(18分休み)60分。

食む派『冷し中華いななき』
 初めて観たが、丁寧な会話劇コメディ。冷し中華が禁止された世界という設定で笑わせて、それに伴うアレコレを5人で展開する。松本みゆきの佇まいが良い。

Antikame?『こえを見ている』
 実験的かつ抽象的な作品。事前に作・演出の吉田康一が出てきて、「20分ほど真っ暗です」と宣言したとおり、冒頭20分は全く照明がない状態でセリフだけ飛び交う。その後は照明が点くが、基本的にモノローグで会話と言うべきものは展開されない。興味深い作品だが私のテイストではない。耳が遠くなりつつある私には、声で役者を区別することが難しいシーンがあったりした。


 事前精算・指定席で今日もD列で、スタッフに「D列の前は通路なのか」と訊いたが、「通路ではないが、通ろうとする人に止めてくれとは言えない」と言われた。それは通路ということではないか。次回から席を変えてもらう。

幸福論

幸福論

wonder×works

新宿シアタートップス(東京都)

2023/03/15 (水) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

客席のA列を無くし そのスペースにまで達している舞台セット
まるで舞台と客席が地続きとなった仕様に期待は高まってくるし、始まってみればそれこそ期待通りの演出が

核廃棄物処分誘致に反対の立場をとる医師の自宅の一角が舞台
この町全体からしてみれば反対派の局部的定点観測というカタチになるのだけれど、地に足のついた演技、普段の生活ベースから徐々に高まっていく緊張感からは舞台上には登場していない町民たちの思惑までもが見えてくるようでした

自分の生活圏において核廃棄物処分地という存在は縁遠く、今回の公演に触れていなければ、こんなにも深く考える機会は無かったと思う
核廃棄物という底知れない脅威以前に、一筋縄ではいかない人間関係が一番怖いのではないかと思ってみたり、例えばの自分を舞台中に投影してみたり、かなり深く入り込んでしまう公演
小さな町が背負ったのは、この国の幸せ
本当にそれで良いのか・・・
劇中で語られたこの問題の核心が忘れられない
帰り道には登場人物達の様々なしがらみから離れる事ができて、一旦核の脅威から離れる事ができてホッとしている自分に気付いてしまいました
本当にそれで良いのだろうか・・・是非多くの人に観て欲しいです

レプリカ

レプリカ

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2023/03/14 (火) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。
或る事情によって山奥の里に移り住んだ父娘と 2人に関わる人々の歪な思惑を描いたサイコ スリラーといった物語。公演の魅力は、俳優陣の圧倒的な演技力、その迫力と緊迫感ある雰囲気が観る人の関心を惹き付けて離さない。その雰囲気を醸し出す舞台美術、そして光と音の芸術とも言える舞台技術が怪しく不穏な雰囲気を倍加して表す。

山奥の一軒家ということから、ある意味 密室劇のようでもあり、逃げ場のない切迫感が犇々と伝わる。その得体のしれない恐怖と二転三転する展開に目が離せない。登場する人物の表情や態度が段々と変化し、皆怪しく誰を信じればよいのか。一方、己自身も本心と建前のような二面性ー意識してなのか無意識なのか曖昧な観せ方が益々謎を深める。人々の心の奥底、その虚々実々が漂流しどこに漂着するのか分からないといった人間心理と物語性、その二重の謎を秘めた作品。根底にあるのが人の愛<情>と欲望、それだけに哀切が…。
(上演時間2時間10分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は、全体を底上げしたような平台。中央にテーブルと椅子、その奥<壁際>に置台や棚、上手にドレッサーと扇風機、下手には台所と冷蔵庫、そして客席側に黒電話が置かれている。さらに下手には見えないが玄関や窓があるらしい。客席と舞台の間に空間を設け別場所<外>を表す。室内の暗さは、日中でもカーテンを閉めているから。中盤に誕生日プレゼントとして現れる人形=レプリカがリアルで怖い存在になっていく。

物語は、主人公・並木潤子(松田佳央理サン)が10年ほど前からストーカー行為をされ続け、やむを得なくこの地へ父(松本光生サン)と移り住んでいる。精神を病み主治医的存在の宮田(井出麻渡サン)、月に一度 絵画教室へ絵を教えに行っており、そこの自称芸術家・谷村(田辺日太サン)とその甥・楠(新垣亘平サン)、さらに父が働いている兼業酪農家・矢島(高田賢一サン)といった人々が登場する。姿なきストーカーに怯える潤子と彼女を心配する人々だが、いつの間にか…。サスペンスミステリーでもあるため梗概はここ迄(チラシ文言で推測できる範囲)。

上演前から雷雨を表す雷鳴と閃光、その音と光が物語の先行きを象徴するかのよう。薄暗がりの中で潤子は不安げに蠢く。照明は、停電による懐中電灯やランタンの灯、それから潤子の誕生祝のケーキの蝋燭<火>などが効果的に使用される。また室内の傘電灯やライトスタンド その暖色照明が柔らかい雰囲気を漂わす。一方、音響は雷鳴以外に、時を刻む音や梟、蜩といった動物の声が会話を邪魔しないよう微かに聞こえる。しかし、その音声が実に不気味な効果を発揮している。勿論ストーカーの存在を示す黒電話の音が不安と苛立ちを煽る。

物語の奥底に潜む「愛と欲望」は、純粋というよりは歪んだ愛情表現とも言える。その切実さゆえに感情の制御が利かなくなる怖さ。拘束したくなる思い、一方 自由になりたい思い、その反作用する感情<愛情>と2人の関係の親密さ。その線引きが上手く出来ない故の悲劇が公演の肝。
他方、表面的な設定のストーカー行為<社会問題というか犯罪⇒無言電話や盗聴等>は、警察は”何か”あってからしか動いてくれない。他劇団の公演でもあったが、民 刑曖昧な状況に対処する術、その不完備のような社会状況が垣間見える。その社会性と先の歪な愛情表現…人間性に重なる面白さ。
次回公演も楽しみにしております。
少女仮面

少女仮面

糸あやつり人形「一糸座」

赤坂RED/THEATER(東京都)

2023/03/17 (金) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

メリー・ホプキンの「悲しき天使」。
荒野を彷徨う亡霊の乞食、彼等が乞うのは“肉体”だった。
永遠の宝塚スター、春日野八千代の経営する喫茶店『肉体』をヅカガールに憧れる少女・緑丘貝と老婆は訪ねる。そこは防空壕を改造した地下の城。

店にはボーイ主任の丸山厚人(あつんど)氏と奴隷のような二人のボーイ。
腹話術師役、中川晴樹氏と腹話術人形役、夕沈(ゆうちん)さんの絡みが最高。中川晴樹氏は“クレイジー・モンキー”葛西純みたいで印象的。
水飲み男役、田村泰二郎(たいじろう)氏74歳!由利徹や小松政夫みたい。昭和のコメディアンの持つ静かな狂気。
甘粕大尉役、大久保鷹氏79歳!格好良いな。ちなみに皆大好きな甘粕正彦は54歳で自害している。

ネタバレBOX

『少女仮面』の舞台を観るのは三度目だが、やはり面白いとは思わなかった。いつの日かメチャクチャ嵌まる日が来るのかも知れない。ストーンズもツェッペリンも何かの拍子にぐっと来たもの。赤坂レッドシアターの座席は横幅が狭過ぎる。ギュウギュウ詰め。
人形がもう少し大きい方が良かった。糸あやつり人形でこれを演る意味が余り見えない。人間には不可能な表現を期待。唐十郎の戯曲は一字一句弄ってはならないそう。
天野天街氏は時空間のねじれにこだわりを見せる。狂ったようなリピート・ギャグ。事前撮影した映像の被せは説得力を持つ。ウェイターが何度もコーヒーを客にぶち撒けるのだが、中身はただの水。その辺のこだわりはないようだ。
レプリカ

レプリカ

ハツビロコウ

シアター711(東京都)

2023/03/14 (火) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ハツビロコウはこれまで海外の古典と言っていい戯曲の上演を観てきたので、こうした日本の現代もの、しかもサスペンスは新鮮だった
キャストは迫キャストは皆好演で、自分の立場が変わるに連れ変化していく表情が見事技だった
照明、音響、美術もこの内容を表現する上でまさに的確なものだった
ハツビロコウ、松本光生さんの多様な力量に感心する
ともかく「固唾を呑んで」という表現がぴったりの2時間あまりだった
物語はちょっと「罠」を思い出すところもあるのだけれど(どんでん返しの連続という意味で)、もっと暗く、常に「狂気」をはらんでいる

ネタバレBOX

松田さんは開場時から舞台上にいて、暗い中で時々動いている
雷鳴が轟くと稲妻が走る
後から考えると「ああ、なるほどな」と思う冷蔵庫のドアの開け閉めなどといった布石もある
開演後も窓はカーテンを閉めたままという設定に従って照明は暗いままで進行する
特に前半は懐中電灯やランプが使われ山小屋風である
否応なく緊張感が増す
プレゼントの人形が「レプリカ」で象徴的
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視点

座・高円寺1(東京都)

2023/03/15 (水) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#こえを見ている
#Antikame?
#日野あかり #青澤佑樹
#飯智一達 #高橋壮志
#俊えり #杉原敏行(敬称略)
D初回。裸を超える衝撃の問題作。歴史が動いた。
アヴァンギャルドだ。絶対に劇場で体験しなければダメだ。 30年以上の観劇人生、4000作品以上は観ているはずだけれど、コレほどの冒険を観たことがない。
けれどコレは主宰の吉田康一さんが模索し登り続けてきた山の最高峰で、開けた視界に見えた絶景だ。
その世界を目撃した今、作品と一心同体になって迫って来るタイトルに痺れている。

無謀とも思える冒険の旅だけれど、その航路が間違いではなかったと実感させられる。上演前に伝えられたコトで恐怖を感じビビる人もいるかもしれないが、開演して数分でソレは消える。

美しい散文詩が美しい肉声で届けられる美酒に酔う。

広大な心象スケッチ
モノクロのパステル
眩しい暗闇
漆黒の万華鏡
手中にある宇宙
粛々たる雷鳴
耳障りな静寂
心地良いノイズ
愛おしい憎悪
悍ましい優しさ
甘美な吐き気
凍える温もり
幸福な孤独
淋しい団欒
はち切れそうな空腹
ひもじい満腹

わたしたちは宇宙の塵。
アポロ11号を離れて迷子になったアストロノーツ。
無軌道に行き先を失い、無秩序に振り回されるうちに、いつか恒星を廻る惑星のように進むべき道を得られるだろうか。
失われた視覚によって研ぎ澄まされる聴覚。
遮られた嗅覚は空気の手触りを刺激しているかもしれない。
ソノ世界によって失われた方向感覚に便乗して、通常の観劇中には決して向けられない方向へ視線を投げる。
届く声もあちらこちらに向けられ、跳ね返ったり零れ落ちたり。歩みと共に生まれた声は、文字通り迫って来る。

それぞれの視点から眺める宇宙はどんな彩りを纏っているだろうか。向けられた視線の多くは交わることはない。だからこそ、遠くからゆっくりと彼女を追う視線に心を灼かれる。


この企画で上演される8作品の中で、最も勝負した作品であると確信する。
誤解は解いておくが、美女の裸なんてない。そうした衝撃作もあるが、それとは違う、それを超える衝撃を味わえる。
9割以上のモノローグが紡ぐ魔術に酔うといい。
コレは語り継がれる問題作。証人になれるチャンスを逃したら後悔する。


■追記■
俊えりさんの声がとんでもなく可愛い。
可愛いアニメの声優だってイケる。
日野あかりさんの美しさは説得力があるなぁ。

送りの夏

送りの夏

東京演劇アンサンブル

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/03/17 (金) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/03/17 (金) 19:00

125分。休憩なし。

DOLL(ドール)

DOLL(ドール)

ちょっとはいしゃく

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2023/03/16 (木) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/03/17 (金) 14:30

115分。休憩なし。

諸国を遍歴する二人の騎士の物語 風に吹かれてドンキホーテ 交互公演

諸国を遍歴する二人の騎士の物語 風に吹かれてドンキホーテ 交互公演

Pカンパニー

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2023/03/15 (水) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

席に着いて「風に吹かれてドンキホーテ」の開演を待っていると制服を着た高校生が次々とやってくる。全部で男女10人ずつくらいになっただろうか。修学旅行なのか。私のときはグループサウンズを聴きに新宿のライブハウスに行ったものだ。それが別役実の不条理劇の観劇とは。「若いうちからこんなわけの分からないものを観ていてはろくな大人にならないぞ」と小言の一つも言ってやろうかと思っていたが、これが実に良く分かる芝居で、迷惑な高齢者にならずに済んだ。

交互上演の「諸国を遍歴する二人の騎士の物語」の方は“大人向け”ということでつかみどころが分からず「観てきた!」がずっと書けないでいる。こちらは“子供向け”ということで居間で寛ぐ夫婦が小ネタをかます最初から分かりやすい。そしてドンキホーテとなって旅に出て行く流れが実に良い。そこに歌と踊りが入って「注文の多い料理店」風のブラックなお話を明るく楽しく観せてくれる。いやあこの曲もギター伴奏もプロの技だ。歌と踊りは普通のおじさんおばさんのそれ(+アルファ)だが十分楽しめた。

バリモア

バリモア

無名塾

THEATRE1010(東京都)

2023/03/16 (木) ~ 2023/03/23 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

どこまでが台本のバリモアで、どこからが素の仲代なのか。老いを笑いのネタに客いじりも楽しむ姿に、90歳の名優の融通無碍の境地を見た。愛嬌が抜群にある。セリフ覚えには苦労したというが、セリフも妙に変な間ができて、つかえたのか、と思うと、何事もなく次のセリフが出てくる。そこもハラハラさせられた。

ネタバレBOX

最後はすっくと襟を正して、朗々とリチャードを演じて見せるのかと思ったが、逆だった。ハムレットと、リチャードに「世話になったな。もうお別れだ」と、王冠もかつらも取り、芝居に別れを告げる。「アダムにイブが渡したのがりんごでなく、酒だったらなあ」といいながら。
四兄弟

四兄弟

パラドックス定数

シアター風姿花伝(東京都)

2023/03/17 (金) ~ 2023/03/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

四兄弟による政治寓意劇。インテリの長男(小野ゆたか)は平等を目ざした理想主義、体育会系で短気な次男(西原誠吾)は武力を使った恐怖政治と戦争政策、機械職人の三男(井内勇希)は平和主義と人気取り政治、農民の四男(植村宏司)は経済成長第一と対外追随…のように見える。芝居はすべてごっこ遊びだ。そこにどれだけ観客を引き込む、身につまさせるリアリティーをもたせるか。今回は百年以上の歴史を、四兄弟の指導権交代劇に圧縮したので、リアリティーは二の次と言える。
でも、三男の@春だもんブラザーズ(春ブラ)のエンタメごっこは、客席の笑いが大きく、楽しんでいた。失脚した次男、四男が押入れ(?)に監禁(引きこもる)ユーモアも笑えた。兄たちが銅像になったり、人間に戻ったりを演じ分けるのも、舞台に変化ができてよかった。

ネタバレBOX

血の繋がった兄弟なので、モデルそのままではない。でもモデルはあるだろう。次男はポルポトかと思った。でも長男次男はソ連と思い、三男の平和主義からは日本かな?と。お金が第一の「海の向こうの国」は明らかにアメリカを指している。「海の向こうの国」の豊かさに圧倒された四男は、自分の新しいノートを書き始め、代々受け継いだ長男のノートを破り捨てる。

最後、銃を再び持った次男がひまわり畑に向かって「もう一度強く大きな国を俺の手で」と呟いて幕。これで、モデルが初めて全部わかった。それにしてもフルシチョフの「平和共存路線」を、銃を平和産業に持ち替えた「戦わない」平和主義と描かれると、わからなかった(他の人はすぐピンとくるのだろうか?)。フルシチョフ美化路線を戒められて教えられたからだろう。四男はペレストロイカで市場主義を導入しようとしたゴルバチョフになる。海の向こうの国・アメリカへの屈服政治と描いたのは、一面の真実である。でもあくまで一面に過ぎず、それも「一つの考え方」にすぎない。
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座・高円寺1(東京都)

2023/03/15 (水) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#食む派
#冷やし中華いななき
#松本みゆき #江原パジャマ
#岩本えり #岡本篤
#波世側まる(敬称略)
C初回。
🎵冷やし中華〜始めました〜
百戦錬磨の腕利きの俳優が並び、とんでもない出来事の世界を真面目に生きる。
登場しないソノ人が無茶を言って、みんなが静かに合戦を繰り広げる。
決着がつくのかつかないのか。
塩を贈るのか贈らないのか。
贈るのは幟旗か、ポケットの中で握ったソレか。
考え得る最善の結末ハッピーエンド……に手を伸ばす作品は星の数ほど観てきたから、そんな夢物語は要らない。
人生は、実生活は、もっと苦く、モノトーンの、味のしなくなったガムを食むようなモノ。
ソレを届けてくれる作品は、食めば食むほど味わい深い。
いいモノを観たなぁ。
松本みゆきさんの嘘がホントに繋がる姿が堪らなく美しかった。

勝手な妄想だけれど、脳内では浅草の花やしきのあれやこれやが蘇った。

世界虚仮(セカイコケ)

世界虚仮(セカイコケ)

ゴツプロ!演劇部

小劇場 楽園(東京都)

2023/03/15 (水) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

世間は仮うつろなもの。虚仮にまつわるオムニバス。で、唯◯是真は?ただ◯の世界のみ真実、の◯は提示されず。まさか、◯は印って事?あっ、印=蓄光テープか!

ヨブ呼んでるよ -Hey God, Job’s calling you!-

ヨブ呼んでるよ -Hey God, Job’s calling you!-

鳥公園

八王子市芸術文化会館いちょうホール(東京都)

2023/03/17 (金) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

一言で言えば、電車賃返せ!の出来である。
八王子市の公共芸術財団が、鳥公園の劇団主宰者を市に住まわせて緩やかな連帯関係の中で八王子で制作したという作品。昨年の秋に庭劇団ペニノが(吉祥寺シアター)で上演した関西で同じように地方の公共団体と組んだ「笑いの砦」が、出来もその後の展開も大成功だったのでこちらはどうだろうと見物に行った。
うまくいかなかった理由はいろいろ考えられる。まず、作者が八王子とどう関わって、その地の文化・生活とどう切り結んだかが全くわからない。芸術は違う、というだろうが、芸術をこう言う座組でやる以上、これでは食い逃げではないか。二つ目。作品の出来が良くない。青年団系らしく、グニャグニャとあちこちに甘えながらやるのは良いとしても、これではまるでチェルフィッチュの亜流で、幕が開いたとたんにチェルフィッチ流の演技があって、げんなりした。スタイルをまねるのは演劇では一つのやり方だが、チェルフィッチュガ考え抜かれているストーリーと演技スタイルなのに、こちらは上っ面しか見ていない。演技に統一性がない。三つ目。ストーリーが通俗すぎる。週刊誌並の話ではいくら気取ってやってみても、観客の胸に落ちていかない。作者が物事を見ている目が通俗すぎる。それは舞台作りにも顕れていて、手に負えなくなると大音響の音でごまかそうとしたり、意味なく天井からものを降らせたりする。さらに言えば、レジデンシャルアーティストというなら、この劇場で公演をやったことにも疑問がある。このスペースは地方公共団体のどこにもある市民ホールで、このように作り込みの必要な「演劇」を上演する場ではない。ここしかなかったのだろうから同情するが、このスペースがこの芝居に合わないことは、地元に人にしっかり説明できなくては共同制作にはならないだろう。この作品でも、下北澤かアゴラあたりの小劇場で見れば、青年団系劇団作品として見る観客もいて、評価は出てくるだろう。そういう作品の周囲をよく見る努力が、これから増えてくるであろう地方の公共団体のスポンサー作品には不可欠だと思う。入りも半分程度だったのは八王子の鑑賞能力が低いと言うことではない。

あげとーふ

あげとーふ

無名劇団

無名劇団アトリエ(大阪府)

2023/03/17 (金) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2023年3月17日(金)19:30の舞台を観賞しました。

高校の卒業旅行の名目でアメリカに向かう五人の男子高校生を主軸に進むストーリーはエネルギッシュです😊

ホロ馬車ツアーを途中下車した五人は和気あいあいしているものの、何処か将来への不安やアイデンティティに悩む等身大の姿を見せながら進んでいく舞台は愉快でありながらも少し切ないです😢

五人の中に忍び寄るネイティブアメリカンの妖精はシュールな笑いを誘いました😁

進路や不安を抱えながらぶつかる五人を観れて良かったです。

零れ落ちて、朝

零れ落ちて、朝

世界劇団

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2023/03/17 (金) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

満足度★★★★

女医が作演の作品
個人的に作風が好きで、関西でやる時は必ず観てる
今回は女性二人男性一人で立場を変えながら、人体実験の正当性を問うていくのだが…
色がポイントとなっていて、赤色だったらまた違う感じがするかもだけど、あの二色がしっくりくる作品


 

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座・高円寺1(東京都)

2023/03/15 (水) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

四チームのうち、唯一土日祝公演のないABチームを観てきました。にこにこちゃんは高畑さん出てるし篠原さんぽい人も出てたのでほぼナカゴーでした。
エレファントムーンは一度みたことがあると思うけどこんな感じだった気もします。
普段は今日の舞台の半分位のスベースに舞台・客席があるような芝居にしか出ない?カトちゃんが広い舞台に出ていて珍しいな、さすがチラベルトだなと思いました。

幸福論

幸福論

wonder×works

新宿シアタートップス(東京都)

2023/03/15 (水) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです。
考えさせられるストーリーと役者さん達の熱演で、どんどん惹き込まれました。
何が幸せなのかは、一人ひとり違うと思いますが、良い方向に進んでほしいと願いながら観ました。
観劇中も観劇後も、何が幸せなのか?何が正解なのか?と、ずっと考えてしまいました。
作り込まれた舞台セットや音響も素晴らしかったです。
良い舞台でした!

時の物置

時の物置

言葉のアリア

テアトルBONBON(東京都)

2023/03/16 (木) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

敢て違和感抱くオーバーアクション風で骨太な脚本を見せた演出作品。
意図に答えた役者さん達が素晴らしかったです。
好みが極端に左右する芝居も劇団の解散公演だとか。
お時間ある方はぜひ

ALIEN MIRROR BALLISM

ALIEN MIRROR BALLISM

岩渕貞太 身体地図

吉祥寺シアター(東京都)

2023/03/16 (木) ~ 2023/03/18 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

WBCの準々決勝で日本中が熱狂する中、コンテンポラリー・ダンスの聖地(?)、吉祥寺シアターもチケット完売で盛り上がっていた。

額田大志(ぬかたまさし)氏が下手で電子ドラムを使ってビートを構築。上手の渡健人氏はドラムでリズムを刻む。
そこに登場する5人のダンサー、その舞踏がメロディーを奏でる。タイムマシンで20年後の日本に行くと『モーニング娘。'43』をやっていて、「今こんなふうになってんだ」と衝撃を受けるようなLIVE。

CHICAGOの名曲「Street Player」を思わせるAOR。YMOから
小室哲哉、ジョルジオ・モロダーの『メトロポリス』のように、うねるビートが心地良い。クライマックスでは渡健人氏が下手にやって来て二人並んでドラムを叩く。PiLの傑作アルバム『フラワーズ・オブ・ロマンス』のマーティン・アトキンスを彷彿とさせるビートの地響き。

入手杏奈さん、若々しい新人だと思ったらガチガチのベテランだった。手脚がやたら長く目立つ。
北川結(ゆう)さんのベロ出しダンスは『寄生獣』っぽい。ベロに引っ張られているように踊る。
涌田悠(はるか)さんはインド舞踊風味。
中村理(まさし)氏はジャニーズのミュージカルを思わせる華のある動き。『忍者武芸帖 百地三太夫』での真田広之のジャズダンスを想起。
辻田暁さんが胡坐をかき、アフリカ部族のシャーマンのように唸り始めると、降霊した動物霊が皆に取り憑いていく。

いよいよ主催の岩渕貞太氏の登場。イケメンの土方巽のような雰囲気。覗く上半身はまるでヨガの行者、片岡鶴太郎的。
「こんばんは、こんばんは」と挨拶をすると今作についての解説を始める。
「内臓と心は直結している」
「(舞踏の)輪郭は描かなくてもそもそも備わっているもので、体内のアメーバを外部へ向けて不定形に放出していくこと」
ベロを垂らして踊り出す。

日本の祭礼の踊りを感じさせる群舞。日本の祭礼は神を祀る表現として“笑い”を多用する。自虐的なものなのか日本独特の感性。日本最古の踊り子、天鈿女命(あめのうずめのみこと)が八百万の神々と共に笑ひゑらぐ姿。天の岩戸の前で胸をはだけ陰部を露出、シャーマニズムとトランス、笑いと狂気。神の心を楽しませ和らげるものとして始まった神楽、神遊び。そんな原初的衝動についてまで考えが広がる。

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