バナナの花は食べられる
範宙遊泳
KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)
2023/07/28 (金) ~ 2023/08/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
かなり以前に映像を使った妙なノリの芝居を観て以来の二度目。ご無沙汰の間に変化はあっておかしくないが、こういう戯曲を書く書き手とは思わなかった。現代風俗をがっつり織り込み、オーバー30の若者らを登場人物に紡ぐ。年寄りは若干置き去り感?だが「タクシードライバー」が古典と言える現代である。世俗と聖域の相剋は(ちょうど今読んでいる小説)「パンとサーカス」にも同じテーマを担う人物が居る。鬱屈した都市生活の中で、ある開眼に導かれ、「人のために生きる」を実践する中心人物と彼を取り巻く若者らの群像劇だが、特殊で、かつ凡庸な彼らの足跡が、凡庸故に輝く。
こいつ凄え、と思える人がクラスや、身近に居ても、いずれ彼らは世の片隅に場所を見つけて慎ましく生きて行く。形は平凡でも、彼を知る者は彼が放った光を覚えている。そんな輝かしく特殊で、しかも早晩埋もれて行く世の多くの平凡な物語の一つ。
桃太郎の大冒険
劇団龍門
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2023/08/03 (木) ~ 2023/08/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても面白かったです
ある場所に集められた面々、その目的等、謎めいたストーリーに、どんどん惹き込まれました。
意外な設定が見事で、笑いあり涙あり、考えさせられる事も多々ありました。
役者さん達の演技、動き、表情、すごく良かったし泣けてきました。
大満足の舞台でした!
オイ!
小松台東
ザ・スズナリ(東京都)
2023/08/03 (木) ~ 2023/08/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
#竹原千恵 #吉田久美
#尾方宣久 #小椋毅
#松本哲也 #小園茉奈
#今村裕次郎 #瓜生和成
(敬称略)初日
生きる
生きた
生きて
生きるので
生きれば
生きよう
生きるから
生きなさい
生きよう
生きると
生きてこそ
生きなきゃ
生きていれば
生きろ
人生は静かな激動の連続
或いは大騒ぎの微風
愛しき我が人生
コココーラ
コココーララボ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2023/07/21 (金) ~ 2023/07/29 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/07/29 (土) 12:00
初見のユニット(ってゆーか、ユニットなのだろうか)。ベテランの味。
初老の男女が公演で話をしているが、男の妻の話題が軸。面白い、と言うか、ベテランならではの味はある。
禁猟区
柿喰う客
本多劇場(東京都)
2022/12/22 (木) ~ 2022/12/30 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
柿喰う客の舞台を初めて生で観劇ましたが、熱量と勢いに圧倒されました。
見えない"何か"に怯えながら立ち向かうスリリングで疾走感のある脚本で面白かったです
ブラウン管より愛をこめて-宇宙人と異邦人-(7/29、30 愛知公演)
劇団チョコレートケーキ
シアタートラム(東京都)
2023/06/29 (木) ~ 2023/07/16 (日)公演終了
イーハトーボの風のうた
ミルキーウェイ
ティアラこうとう 小ホール(東京都)
2023/08/01 (火) ~ 2023/08/03 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
前知識ゼロの初の劇団。素朴でバランスの良いチラシ、芯がありそうな(微かな)気配、宮沢賢治・・ティアラこうとうなる施設も住吉駅も初めてで少なからず期待を高めて何とか開演前に辿り着いた。野外スポーツ施設や道路向かいの蟹江恩寵公園などの木々のエリアから、銀白の建造物が現われた時はホッとした。
小ホールには建物に向かって左側を下りて行く、ガラス戸を中に入ると正面に大会議室とあり、人がちらほらと吸い込まれていたが、そこではなく、左奥に受付が見えた。小ぢんまりしたホールだ。ステージが、狭い! それを60度位に円弧で囲む形の客席も、数十席といった所。新しい建築と思っていたがステージの板はこすれて古味を醸している。奥にグランドピアノ、その前には2メートルもない演技エリア、左右ともにはけ口がある。ピアノの脇にボンゴ等のちょっとした楽器と、イラストの付いたサイコロ型の箱(踏み台になりそうな)が2個だけ置かれたある。チラシを見ると、わずか9名の役者で、中には中々の高齢らしい顔も。
色々と予想を裏切られる中、物腰柔らかな男性が90分の上演時間を告げ、5分押しで開幕した。
懐かしい感覚が呼び起される。小学校時代に観たかも知れない、簡素な舞台、客席に語りかける表情豊かな役者顔、ピアノの伴奏・・。舞台の出自として演劇とは別の、「音楽劇」の発展の系譜がありそうだと少し前に確か書いたが、結論的には「どこでやってた人たちだろう」という興味をかきたてられる、中々まとまった完成度の高いステージだった。
最前列に座ったせいもあるが、ステージとの距離も近い。照明も明るくしており、そのため冒頭合唱に並んだ5人の年代(凡そではあるが)が視覚情報として飛び込んでくる。(この年齢の印象も終演後には些か変っていたが。)
だが、次第に芝居の世界が立ち上がり、耳に心地よい歌、音楽、簡潔でリズミカルな展開、やがて幻想の世界に入り込み、最終段では宮沢賢治の文字化された世界観が台詞で語られもした。
子どもを主たる対象に作られた演目のようであったが、最後にようやく顔を出す人間世界の矛盾のようなもの、風(自然)と人間との対立と共存といったテーマは、具体的なイシューに言及する必要はないにしても、現実のネガティブな事象にもう一歩踏み込んでも良かったのではないか・・と感じた。負の要素を乗り越えてこそ大団円は訪れる。
中盤から前のめりに見始めたが、チラシ、パンフと出演者を照合し、最後には全て把握できた(写真と現物の印象が違うので時間がかかる)。まず演出の男性(最高齢?)が冒頭から登場して「先生」そして「達二」(子ども)を演じる主人公。その後ろに黒衣裳でピアノを叩く演奏者は作曲者本人。その彼女が後半登場して演じたキャラが秀逸。透明な歌声が印象的な女性が、よく見れば脚本担当であった(グループ主宰とも最後に紹介)。演出の齢に近いと思しい女性は、低音の歌声に説得力がある、声を張らないちょっとした三部合唱が何気に聞かせる。多様な場面にそれぞれ合ったキャッチーな曲。終盤近い長尺のそれは間口10メートル奥行5メートルも無い小さな舞台の向こうに、広い世界を垣間見せた。
宮沢賢治作品を取り上げた作品を作り続けているという。
「欲を言えば・・」の話は先述したが、革新と発展が演劇(芸術?)が持つ本性だとすれば、この集団にとってどのあたりにその契機があるだろうか、と考えた。生み出された彫刻のような作品を磨き、深みのある艶を出して行く・・クラフトワークがそぐわしい世界もあるのかも知れない。が、、「演劇であってほしい」と願う私はこうした世界との折り合いをつける言葉を見つけられておらぬ。
バナナの花は食べられる
範宙遊泳
KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)
2023/07/28 (金) ~ 2023/08/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
#埜本幸良 #福原冠
#井神沙恵 #入手杏奈
#植田崇幸 #細谷貴宏
(敬称略)
岸田國士戯曲賞受賞作がcovid-19を経て帰ってきた。ただ再演しているのではなく、世界が病んでいた時間をしっかりと作品が飲み込んで、ある意味で栄養にしたのだと思う。
語られる物語の以前に起きていたであろう退廃した生活やバイオレンスが何だったのかは観客の想像力に委ねられている。
人が存在すること生きることの意義や本質は何なのか。関わることと関われないこと、関わることのできる人間と関わることのない人間、そうした人間たちの狭間で生きている。騙し騙され、虚構を纏いながら関わり生きている自分と彼と彼女の実像とは何なのか。そもそも実像などというものはあるのか。ファンタジーを噛み締める。
作品の中の人物と俳優の相互のキャラクターが化学反応を起こし、畝るように絡み合う。
佇まいも台詞も美しかった。
大好きな井神沙恵さんが踊るように、時には泳ぐように滑らかに絡み近づき突き放し、美しく生きてみせた。目が離せなかった。彼女の叫びが我が心臓を貫いて血を吹き出させている。
入手杏奈さんの柔らかな存在感は愛しさを増していた。その愛らしさが悲しみを増幅させる。
男性陣の伸びやかさとウィットが今作品の肝であるけれど、ファンタジーでくるんだ人間愛がズドンと揺るぎなく貫かれているように思える。
豊かであっという間の200分だった。
愛について語るときは静かにしてくれ
コンプソンズ
OFF OFFシアター(東京都)
2023/08/02 (水) ~ 2023/08/13 (日)公演終了
これが戦争だ
劇団俳小
ザ・ポケット(東京都)
2023/07/22 (土) ~ 2023/07/30 (日)公演終了
イーハトーボの風のうた
ミルキーウェイ
ティアラこうとう 小ホール(東京都)
2023/08/01 (火) ~ 2023/08/03 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
宮澤賢治の「風野又三郎」は読んだことがなかったが、この音楽劇では人間と自然界、特に<風>との交流を描いているよう。<風>と人間の交流…ありえないようなコトを抒情豊かに描いており、その意味では空想劇といったところ。人間の先生(達二)と又三郎という色々な風との出会いと別れ、その気ままな<風任せ>な光景を楽しく愉快に観せる。
当日パンフで脚本・吉野則子女史が「風野又三郎」は<風の精>として こどもの前に現れる。そして風のいたずらや自然の驚異…とある。いくつもの小話・寓話を繋ぎ自然界と人間の関わりを興味深く語る。勿論、音楽劇と謳っているから生演奏や独唱・斉唱などで聴かせる。
公演の魅力は、衣裳や被り物で親しみのある観せ方をしており、幅広い世代に好まれるであろう劇作。特に風の恰好は白地で浮遊感ある衣裳で上手く雰囲気を出している。一方、淡々とした印象で 盛り上がりに欠けるようで物足りない。
気になったのは、勘違いかもしれないが ピンマイクのせいか、一部 雑音や声音に悪影響があったのが憾み。
(上演時間1時間30分 途中休憩なし)
SUN ON THE CEILING@ありがとうございました!
劇団マリーシア兄弟
シアター711(東京都)
2023/07/29 (土) ~ 2023/08/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い。お薦め。
創立80年の総合病院における院長後継問題、そこで働く医者等の諸々の事情を絡めて面白可笑しく描く。しかも個々人が抱える事情に医師という職業ならではの深みと味わいを持たせている。病院の一室、次期院長を選ぶ会議迄の数時間という限られた場所と時間のワンシチュエーション、その設定が妙。話している内容は医療に関わる専門的なことから家庭事情まで幅広く、そして含みを持たせた会話に興味を惹かせる巧さ。勿論 その散りばめられた話題は丁寧に回収していくが、そこに医師という職業の厳しさと家庭人としての優しい顔が見える。
物語は夫々の人間性を巧みに描きつつ、説明にある院長の死、大物官僚の手術失敗、救急搬送された死刑囚の脱獄といった特別な出来事を絡める。これらの出来事は本筋とは別に、物語を紡ぐ上での人間模様ー親子の情を思わせる。本筋は病院=医療現場で命と向き合う医師の姿を登場する人数や考え方の違いを通して多角的に観せる。劇中で医師だけが患者のことを思っている訳ではない。医療に携わる全ての人が…そんな熱い思いを語らせる。
救急医療担当の医師は、かつて紛争地域での医療に携わっていた。人(医師や看護師等)も物資も足りない中で目の前の患者を助けたい、その強い思いで医療にあたっていたが…。紛争地域の野外テントの中であろうが、設備の整った大病院であろうが、命に向きあっていることに変わりはない。病院の後継者争いの滑稽さ、それを命の重さをもって皮肉る。さらに、点描してきた医師の家庭事情が大物官僚と研修医の関係に結びつく。この公演の魅力は、説明にある出来事が全体を包む伏線になっており、その懐の深い優しさ温かみが観客の心を揺さぶる。観応え十分。
因みに、この公演(物語)の続きを観てみたいが…。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし) 【晴天】
モモ
かわさき演劇まつり実行委員会
川崎市多摩市民館(神奈川県)
2023/07/29 (土) ~ 2023/07/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
市民が演じるのが基本の演劇祭でここまで凄い仕上がりになるとは! お見事、今後も川崎演劇まつりには注目したい。
みんなのえほん
9-States
小劇場B1(東京都)
2023/07/26 (水) ~ 2023/07/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/07/29 (土) 19:00
価格4,300円
小劇場B1です。いつも舞台側からどっちへ座ろうか考えます笑
なるべく手前側に座っても、見たいときに役者の表情が反対側へ行ってしまったりして。
この劇場の面白いところでもあるのですが。
今回の「みんなの絵本」
絵本作家としての幸せが「グリム賞を取る」という表向きの動機に振り回され、
余命宣告中なのに、彼女は絵本を描く。絵本を描かなければ、存在価値がない。
担当者は自らの私欲の為、共に世界一の優しい絵本を目指そうと続ける。
これはもう洗脳だよね。そもそも世界で一番優しい絵本って何でしょう?
ピエロの猿が出てきて本当に感動するのでしょうか。カオスな作品。
『A LITTLE FALL OF RAIN』
音楽集団「フェルマータ」
広島市東区民文化センター・ホール(広島県)
2022/10/10 (月) ~ 2022/10/10 (月)公演終了
痙攣!瘡蓋定食
ゴキブリコンビナート
川口市某所(詳細はお問い合わせください)(埼玉県)
2023/07/28 (金) ~ 2023/07/31 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
ゴキコンさん、これで6回目の参戦。
こちらの会場は初めてなので緊張しました。。。
ストーリーは毎度のこと置いておいて
今回も足場のパイプが芸術的な組まれ方をされていて関心しました。
ただ会場が炎天下のムシムシでして、もう少し何とか出来るのではないかと思った。
誘導スタッフが、レインコート着てた客が暑さで昨日倒れたと
なるべく着ない方がいいのと水分補給を促してましたが
近くのレインコートの男性倒れましたよ。。。
コンプラを無視とかいう話しじゃなくて、2階から1階に落下した場合どうなんだろう?と恐ろしくなりました。
一切の責任取らないのを承諾と言っても
万が一の場合は、そんなこと言ってられなくなると思う。
汚れる程度と思って参加出来ないなと感じた。
お客の反応も開始30分程度で、みんな暑すぎて無反応になってましたが気付いてるかな?
貧民窟サバイバル
ゴキブリコンビナート
北千住BUoY(東京都)
2022/04/21 (木) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
これで5回目のゴキコンさん鑑賞だと思います。
ストーリーというより、いつもセットと小道具大道具すごいなと感心してます。
今まで見た中では、これが1番好みでした。
めちゃくちゃ風ですが、お客さんの誘導やら関心します。
みんなのえほん
9-States
小劇場B1(東京都)
2023/07/26 (水) ~ 2023/07/30 (日)公演終了
これが戦争だ
劇団俳小
ザ・ポケット(東京都)
2023/07/22 (土) ~ 2023/07/30 (日)公演終了
まほろば異聞
演劇集団☆邂逅
天満天六・音太小屋(大阪府)
2023/07/08 (土) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
楽日観劇。
歴史上、悪名高い蘇我氏三代·馬子、蝦夷、入鹿の異聞…
歴史は常に勝者の物(確かに蘇我氏の悪者捏造疑惑がアチコチに)。
乙巳の変の真実とは…
丁寧に作り込まれ、歌も踊りも美麗で見入った。
とても7人で演じられたと思えない!
引き込まれた。