ナイゲン(にーらぼ版)
24/7lavo
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/11 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い!お薦め。
何度か観ているが、改めて演出やキャストの違いによって劇の印象が異なって観える ことが分かる。同時に シアターミラクルが閉館と分かっているから、ラストシーンは なおさら印象的に感じた。
自分は天邪鬼か…出来過ぎた?がゆえに不満が残るという奇妙な感じ。説明にある「会議を描いたコメディでありながら、民主主義や自由の意義を問う青春群像劇」に間違いはないが、会議を通して高校生の成長を描いた物語でもあろう。その成長譚の代表格が議長であり文化副である。例えば、議長はその職を仕方なく引き受け、会議を通じて成長していくといった先入観を持っていたが…。確かに表面的には優柔不断で 他人の言動で右往左往するが、冒頭から大声で会議を仕切ろうと やる気満々の態度(良い意味での演技力)である。そこには成長譚が観られない。
夏休み前の或る1日、午後から夕刻にかけて行われた会議<通称:ナイゲン>、その激論を終え、3年生・花鳥風月の「こんなナイゲンがやりたかった!」が物語の肝。照明…会議中は明るい陽光、しかし夕刻には黄昏に変化する、その哀愁がシアターミラクルの閉館に重なる。
(上演時間2時間15分 途中休憩なし)
岸田國士連続上演「紙風船」「驟雨」
東京演劇アンサンブル
野火止RAUM(埼玉県)
2023/04/08 (土) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
新座の野火止RAUMは少し遠いが、東京演劇アンサンブル2022年度研究生公演、しかも岸田國士連続上演となれば、ぜひ観ておきたかった。二回しかないので 早めに予約、当日は開場前に並んだ。満席‼
上演作品は「紙風船」(1925年)と「驟雨(しゅうう)」(1926年)である。「紙風船」は何度か観たことがあるが、「驟雨」は未見であり楽しみにしていた。約百年前、西暦表記したが、和暦では大正14年と15年。関東大震災によって大きな打撃を受けたが、再び大衆文化が華開いた時期でもあったらしい。
描かれているのは、両作品とも夫婦の物語であるが、平凡な営みと荒々の極みといった対照的とも思える内容だ。もしかしたら対をなすために選択したのだろうか。
研究生は4人(男性1名 女性3名)、男性は両作品に、女性は1名が両作品に登場する。演技は少し硬いと思ったが、確かな手応えを感じさせる。そして演技を支える舞台美術や照明・音響といった舞台技術は最小限に止めている。その意味では、研究生公演の名に相応しい演技力勝負の舞台である。
「観てきた!」は作品ごとに分けず、本欄で両作品のコメントを記す。
(上演時間「紙風船」30分 休憩15分 「驟雨」50分)
けむりの肌に
キ上の空論
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2023/04/07 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
元戦隊ヒーローだった栄光がかえって足枷となり生き辛そうに映る主人公
いつのまにか学生時代の友人との間に生活格差が生まれていたり、日常でのさり気ないジャブが着実に効いてくるビターな一面もありながら同時にシニカルな笑いやら哀愁やら様々な感情が生まれてくる興味深い観劇体験でした
登場人物一人一人にたっぷり時間を割いているわけでは無いのに、各々の人間性がしっかり浮き彫りになっていくエピソードテクニックが本当に見事で
色んな人間臭さが混ざり合ってぶつかっていく様が絶妙に面白く且つ感慨深い
過去と現在の間に流れている(舞台上には描かれていない)余白の時間をも想像で描きあげようとする欲求が募り、そうした過程もすっかり肉付けされている手法も見事だと思いました
紙は人に染まらない
藤一色
OFF OFFシアター(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
#藤束遊一 #谷川清夏
#浜舘洋 #島津尋 #林竜三
#藤屋安実 #加藤広祐
#藤松優(敬称略)
かの大戦を終えるまでの日本の国家主義や全体主義と、教育が担った役割とその崩壊については、語り継いでいかなければいけないと思っている。
敗戦したからこそ、戦争をすることは間違いだと言える世の中になったけれど、それを言えないあの時代に、どれほどの人間が本当にそれを思えていたかは分からない。そうした思いを抱く人が多くの作品に登場するけれど、その存在はどれくらい居たのだろう。召集令状が届くことを喜びと受け取る社会で。
個人的には、最近その辺のことがわからなくなってきた。
今作品でも、それぞれの立場や主張の根拠を掴むことができなかった。何故そう思うのか、それを訴えるのか、理解しきれなかった。多分に、花粉症の薬の副作用による眠気も影響しているけれど。
目当ての谷川清夏さんは素敵だった。観る度に魅力を増している気がする。また拝見したい。
沈黙の春 світло
コンドルズ
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2023/04/07 (金) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
これもダンスなのかしら感はありましたが、ニューダンスということなので、きっとそうなのでしょう。とにかく楽しかったです。人文字クイズなんか笑っちゃいました。次回、埼玉公演も行きたいです。
人の不幸は蜜の味
劇団テアトルジュンヌ
立教大学 池袋キャンパス・ウィリアムズホール(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
Call me Connect you〜交渉人遠山弥生〜
劇団6番シード
六行会ホール(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
2回目観劇したら、1回目では???だったことがようやっと分かったりして、これは私の理解力不足かと思いましたが、同じような方がいらっしゃるようなので、脚本(演出かなあ)がもう少し親切でもいいのではないかとも思ってしまいました。
でも面白いことは間違い無いです。
私が見た回では、前説で来年の上演作品と主演が本人不在のまま決まり、アフタートークではジャンケンで次回?作品の主演が決まっていました。こんな6番シードさん、次回も楽しみです。
Call me Connect you〜交渉人遠山弥生〜
劇団6番シード
六行会ホール(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
時間が経過するごとに新展開が現れてドキドキで、最後までいいドラマを見せてもらいました。宇田川さんの演技がすごかった。
舞台装置が上下に分かれていて、片方がライトが当たっているとき、もう片方が暗転していてもそちら側にいる人が演技をしているところも見たかったけれど目が足りなかったです。
交渉人の呼ばれ方が、相手の人によって「遠山さん」「ばあさん」「おばあちゃん」「ばばあ」「ばあちゃん」とバリエーションがあって、呼ぶ方がどんな人間なのか想像できました。とある人物が交渉人の呼び方を途中で変えるところが、主人公の力が可聴化されたポイントだと思った。
ストーリーに関係しないことでは、卵を冷凍したらどうなるのかググってしまいました。
けむりの肌に
キ上の空論
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2023/04/07 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
#安西慎太郎 #大和田南那
#谷佳樹 #宇佐卓真
#木村葉月 #岩崎悠雅
#藍澤慶子 #鎌田麻里名
#小野里茉莉 #山本華
#板場充樹 #平野紗貴
#笠原紳司 #丸山敦史
(敬称略)
イケメンと美女しかいない世界は、なんとも美しくキラキラした夢の世界だった。額に収められた絵画のようだった。
それでも、藍澤慶子さんが出てくれば他は見えないのだけれど。アレに夢中になって暴言も吐いちゃってる姿が可愛くて可笑しかった。
大学時代の友人は特別だと思っている。仕事に直結することを通じて繋がっているからなのかもしれない。頻繁に会えたりできないけれど、いつだって側に居る感じ。そんな風に今も繋がっている。
そんな四人のあの頃と今。二人のキャストでそれぞれを見せてくれる……アノ人以外は。それが、時が止まっていることを感じさせてくれた。
人との距離って如実に感情に反映する。別れが直ぐに感情を揺さぶる距離がある。それは近さと比例する訳ではない。近いとソレを感情が無意識のうちに拒否しているのだろうか……悲しみを直ぐには感じないような気がする。砂時計の砂が落ちるように、ゆっくりと沁みて積もっていく。それは根雪のようで、簡単に溶けたりしない。
そして、この世は恋心と、そこから派生する憎悪で動いていると再確認する時間だった。
肌と心を焼いて天に昇る白い煙と共に、空っぽになった心も昇華するだろうか。いつか、月を照らす水が心の器を満たす時が来ることを願う。
紙は人に染まらない
藤一色
OFF OFFシアター(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
観劇日は少し暑い位の日だったが、劇場内の雨音や川の音で場内が涼しく思えた。
全体的に抑えた演技なのに怖さや怒り、ガラスの欠片の場面では痛みをも感じる凄い舞台でした。
播磨谷ムーンショット
ホチキス
あうるすぽっと(東京都)
2023/04/07 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ホチキスの舞台を観るのは本当に久しぶり。思ったよりもタイトルにある「ムーンショット」感はなかったけれど楽しい舞台。
Call me Connect you〜交渉人遠山弥生〜
劇団6番シード
六行会ホール(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/04/08 (土)
前作の舞台であるトレーラーから一転、今作は広い空間を上下に目一杯利用し、
銀行強盗現場と警察指揮所が同時進行で俯瞰できる臨場感あふれる舞台だった。
飄々とした交渉人の遠山弥生は健在で、登場シーンから懐かしさにテンションが
上がる。30名もの登場人物達が躍動し、会話劇の面白さが堪能できた。
紙は人に染まらない
藤一色
OFF OFFシアター(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
ナイゲン(にーらぼ版)
24/7lavo
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/11 (火)公演終了
まだここは
劇団CLOUD9
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
小劇場観劇初心者のオバサンです。
とても静かで、でも心地よいリズムをもって進行していく私好みの作品でした。脚本はもちろん、音響、照明にもピーンと糸が張ったような緊張感を感じました。
うつとおぼしきジッポー青年が出てきた辺りから、私は涙が止まりませんでした。この役者さん、始めはほぼセリフがないのですが、気になって仕方がありませんでした。
学校の先生、役者さん、発達障がい…どのエピソードも大人になってふと、振り返ること、後悔…私にはどの台詞も心に染みました。台詞がない部分、飲み込んだ台詞も私の心には伝わったような気がします。最後まで涙は止まらなかったのですが、終演後はなぜか雨上がりの清々しさにも似たカンジ。大きく深呼吸して、私も雲と話ができるかな?さぁっと歩き出すことができました。いい時間を過ごせました。ありがとうございました。
播磨谷ムーンショット
ホチキス
あうるすぽっと(東京都)
2023/04/07 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/04/08 (土) 18:00
殺し屋役がイケメン揃い。ドリフターズを彷彿させるドタバタシーンもある喜劇なんだけど、なぜか心あたたまるストーリー。
けむりの肌に
キ上の空論
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2023/04/07 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/04/08 (土) 13:00
悩みを抱えた者たちの群像劇ゆえ、比較的平坦でじと〜っとした内容だったが、心の微妙な動きの表現が巧み。場面の切り替えが独特で面白かった。
相依為命(そういいめい)
ミュージカル座
シアター・アルファ東京(東京都)
2023/04/05 (水) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
実演鑑賞
随分前の事だがある若手俳優に所属を聞いて思わず聞き返した劇団名。以来、名を見る度にチェックはするものの文字通り「遠い」存在であったが、今回シアターアルファまで接近。作品への入魂具合を見定めて劇場へ足を運んだ。
馴染みが「ある」とは言えないミュージカルというジャンルについてここ最近吟味する機会が多かったが、日本語オペラのこんにゃく座が独自の世界(本家オペラとは一線を画した)を構築したように、比較的小空間でがっつりストーリーのある舞台に音楽を拮抗させた「ミュージカル」という分野が、中々完成度高く実現している事は新鮮な発見であった(この劇団はその嚆矢なのかも・・等と関心がもたげる)。
観始めは「今なぜ愛新覚羅?」の疑問が脳裏をめぐっていたが、観終わった時は作者の企図が飲み込めていた。歴史上の愛新覚羅溥傑(溥儀の弟)と日本人の妻の足跡を描く筆致は独特(というより若い世代の歴史理解を反映)。そこに危うさがなくもないが(年寄が若者を見る眼差し?)、この歴史の叙述に抜かせない要素を作者なりに掬い上げ、メッセージに結実させていた。音楽は前半メローに寄りすぎか(聴いてて心地好くはあるが)、という印象であったがトータルで多様な風景を作り、レベルは高い。長尺の音楽(多場面を持つ)がミュージカルや音楽劇における「音楽」の面目躍如である。
自分にとっての「意外」は、全体に歌唱力が高い(子役も)。実際の所プロデュース公演の本格ミュージカル以外ではあまりお目にかかった事がない。
紙は人に染まらない
藤一色
OFF OFFシアター(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「赤紙(臨時召集令状)」配達人を通して描いた静かな反戦劇。銃撃・爆撃が見え聞こえるわけではないが、人の心に怖いと思わせる「紙」と「言葉」がある。勿論「赤紙」と「おめでとうございます」である。
物語は赤紙を配達する主人公・田中の目を通して戦争とは を考える。彼は「赤紙」だけではなく「戦死公報」も配達するなど心労ある役目(仕事)を務めている。村人からの怯える視線と任務の狭間に苦悩しており、夢か現か幻か判然としない日々を過ごす。村から次々に送り出される若者(病弱者も含め)が非業の最期を迎えるが、自分は…。しかし、いつしか心の痛<悲し>みという感覚がマヒして何とも思わなくなる。戦争という状況<環境>が、正常な精神 感覚でいられなくなる怖さ。
公演は 国家的な観点ではなく、庶<臣>民の感覚に近い描き方だけに 一層反戦への説得力を持つ。例えば田畑仕事をしている小高一家…父親は田中に向かって、三人兄弟のうち長男・次男は戦死、三男には赤紙を配達しないでほしいと土下座して哀願する。働き手がいなくなり、困窮するのは明らかである。しかし田中は ただ配達するだけで 自分には如何することも出来ない。
出征する当人、赤紙 が配達されて喜ぶ者、さらに志願する者の気持、一方 夫を送り出した妻の気持は、一様ではない。その夫々について丁寧に描く。
役者陣…藤一色の劇団員(3人)は1人1役、客演(4人)は複数役を担っているが、バランスもよく静かな中にも芯ある演技を行っている。赤紙を配達するため家々を訪問する、それを簡易な玄関移動で表現する。簡素な舞台美術を巧く使い、強い思いを窓から見える松(異称:時見草)に込める、その比喩が印象的である。
(上演時間1時間20分 途中休憩なし)
紙は人に染まらない
藤一色
OFF OFFシアター(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
べし観る、華5つ☆
板上は必要最小限の舞台美術。劇場自前の板上に大きな平台を設えこの平台の上に畳を二畳分載せた方形の平台を二段重ねて部屋に見立ててある。観客席から見やすいように板中央奥に斜めにこの部屋部分はセットされており、卓袱台が真ん中に置かれている。下手側壁前には茶箱。部屋の上手には大きな平台の上に屏風を立て袖を拵え唯一の出捌けとして用いる。尚余ったスペースに背凭れの無い椅子が数脚。場転に応じて必要な個所に置かれるべく置かれている。他に玄関等を示すコの字の開口部に脚を付けた造作(これも必要に応じて位置を移動して使用)