猫と犬と約束の燈~2023編~
劇団TEAM-ODAC
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2023/04/12 (水) ~ 2023/04/16 (日)公演終了
播磨谷ムーンショット
ホチキス
あうるすぽっと(東京都)
2023/04/07 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ホチキスさんらしい奇抜なストーリーの熱量溢れる舞台でした。基本コメディですが、家族愛等も絡ませ、暖かい物語でもあります。舞台セットが見事で、また使い方がとても上手いなあと感じました。役者さんはイケメンな方が多く、女性ファン率高めでした。
ナイゲン(にーらぼ版)
24/7lavo
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/11 (火)公演終了
「モモ」
人形劇団ひとみ座
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2023/03/23 (木) ~ 2023/03/29 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
70周年での「どろろ」に圧倒されて以来、ひとみ座の主要公演を追いかけている。今回で5作目になるか。「モモ」と来れば観ない選択肢はない。早くに完売が出る中、どうにか観られた。佃氏の脚色。シンプルさの中に光る感動の瞬間がある。期待通りである。音楽はラテン調の不思議なアレンジや、プログレ楽曲を借用した音楽など幅広く現代性にも富んでいた。
誤餐
赤信号劇団
ザ・スズナリ(東京都)
2023/03/25 (土) ~ 2023/04/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
こちらも楽しみにしていた公演。赤信号はかつてのお笑いブーム(たけし・さんまの頃?)での朧げな記憶しかないが、自分には演劇の方で認知した小宮氏、ラサール氏に、桑原女史の作演出に垂涎。フタを開けると、まずリーダー(渡辺)の「へたくそか」とヤジ(好意的)を飛ばしたくなる佇まいから、これは赤信号の自分祭り企画であったなと認識。(二日目であったので小慣れなさも考慮すべきか?)
客席から見ても数個のミスがあり、それも含めて楽しい舞台ではあった。この日の一番は、芝居の後半、大学教授役の渡辺氏がかつての「恋人」室井氏と二人になる場面。少し背景を言えば、大学に入学して来て自分のゼミに入った青年が室井の息子であると知り、そして今日彼女が二十数年ぶりに会いに来ると聞いてかねて疑っていた「彼は渡辺の実の子かも知れない」件を告げに来たのでは、とあたふたしている。その伏線あっての、二人の場面。二人を精神的に結びつけていたアイテムというのが、若き日に彼が書いた論文を収めた書籍で、預かっといてと言われて後ろポケットにねじ込んだそれを、室井が見つけて「これ・・」とそちらの話題に自然に入っていく「はず」であった所、どうやらポケットから出して楽屋に置いていたらしく、室井が次の台詞の前に笑いながら渡辺のズボンの後ろポケットをつんつん、とやっていた。それを見て渡辺「ちょっと、本を取って来る」と、あたかもそう決まっていたかのように奥へ引っ込み、本を見せ、会話再開となった。ドラマとしては大失態なのであるが、こんなシーンも笑って見られるだけのお祭り感は「赤信号」ならではである。
この論文は渡辺唯一の出世作で、室井の息子も「ヤバい」と心酔しているのだが、芝居のアイテムとして「論文」というのは珍しい。というか、そこに何が書かれているか内容が問われるものは(例えばかつて天才音楽家と呼ばれた男のその楽曲を披露しにくいのと同じく)扱いが難しい。それはともかく・・この論文は大学の食堂のお姉さんだった若い日の室井との会話から着想された「二人で作った論文」であったが、アカデミーの世界を人生のコースとした彼はそれを自分の著作として世に問い、その疚しさから彼女の元を離れた、というひどい男である。だがよく判る顛末でもある。本作は人情喜劇だがシリアスに描いても行けそうな設定。ただ、教授が自分の「罪」を皆の前で告白するクライマックスの後、判りやすい仲直りの場面はやや微妙であった。
K2
滋企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2023/03/24 (金) ~ 2023/04/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
一年以上前からチラシを手にして期待の佐藤滋企画であったが、「K2」というタイトルも深く追求せず、ついに観劇当日蓋を開けてみたら、既存の海外戯曲しかも山を舞台の二人芝居だった。山の中の二人芝居、で思い出すのは大竹野正典『山の声』だが、こちらは実在した登山家の「最後」を題材にしており、戯曲の魅力は「危機」が訪れない道程、日常と地続きの感覚と非日常の絶妙なバランス、台詞の含蓄(文学性とでも)。今作「K2」は遭難から一夜明け奇跡的に命を取り留めたとは言え既に「危機」のさ中にある二人、から始まる。こちらも日常と非日常の感覚の往還はあるが、登山用語が飛び交う「非日常」の緊張感に比重がある。
播磨谷ムーンショット
ホチキス
あうるすぽっと(東京都)
2023/04/07 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
過去一度(7年位前)観たホチキスの印象は、薄れているものの、とにかく体力全開、ロックな印象。歌、音楽、アトラクションがメインのような舞台であったが、当時自分の関心であったドラマの構造(俳優への関心薄し)が些か脆弱で、残念感を覚えた記憶である。その後、舞台の印象と共に刻まれた主役・小玉氏を外部で目にするにつき、拒否感は薄れ、先入観を払拭して久々の観劇と相成った。
荒唐無稽なストーリー(この劇団の特色と言ってよさそう)で、観客に「乗りツッコミ」の忍耐を強いるだろうドラマを、程良い笑いや小ネタ、テンポで超えさせて、最後にはちょっとしたクライマックスをもたらす。アトラクション主体、という点は以前のに通じてもいるが、今作は「ありそうでまず無い」ドラマが大きな瑕疵なく着地していた故、笑いを伴う役者のパフォーマンスもドラマの流れに即した順当な(というのも妙だが)「演技」として屈託なく成立していた。
ミュージカル「マチルダ」【4月18日18時の回、19日公演中止】
ホリプロ/日本テレビ/博報堂DYメディアパートナーズ/WOWOW
東急シアターオーブ(東京都)
2023/03/22 (水) ~ 2023/05/06 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
原作を10数年前に読んだ。天才(?)少女が横暴な校長を懲らしめ、追い出す話。マチルダ役の子役が、予想以上の聞かせる歌、切れ味ある動きで感心した。マチルダは孤児のように記憶したが、そうではなく、本も読まず品性もない父母のもとに生まれたという設定。この父母の愚かさ加減が戯画的で救いがない。毒をはらんだダ-ルらしい。が、容赦なさすぎる描き方に、少々引いてしまう。
校長の恐怖支配がこのマチルダによる復讐をよぶことになる。ことばで怖さと暴力が強調するが、実際に校長がやったことは漫画的でしかない。女の子をハンマー投げの要領で上空遥かに投げ、それが落ちてくるが、落ちても女の子は(なぜか)無事。校長のケーキをつまみ食いした男性との罰も、ケーキを腹が破滅するほど食わせるというのは、怖さより滑稽味が先に立つ。「お仕置き部屋」に閉じ込めるのは舞台上では演じられないし、どちらかというと校長の空疎さが目立つ。
2幕の生徒たちのブランコ乗り、校長をやっつけた後の歓喜の爆発シーン、二つの場面の弾けたダンスとステージングがよかった。
「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】
流山児★事務所
ザ・スズナリ(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
沖縄裏社会の抗争を、フィリピン男とのハーフの日島(五島三四郎)を軸に描く。並行して、佐藤栄作(塩野谷正幸)と若泉敬(里見和彦)の、密約をめぐる密会を描く。少々説明的なのが難点。二つの全く関係のない物語を並行してみせるのも、焦点を甘くした感がある。尻丸出しで、ペニスをちぎられる(!)拷問を受ける日島のマブダチ(工藤孝生)の体を張った演技には脱帽である。
戦前に沖縄にやくざはいなかった。戦後、米軍の物資を盗んで売買した「戦果アギャー」が沖縄やくざの始まりだという。直木賞を受賞した真藤順丈「宝島」は戦果アギャーから始まり、3人の主人公のうち一人がやくざだった。この舞台を見て「宝島」の背景も分かった。戦後沖縄の裏社会の抗争の歴史を、沖縄旋律のラップにして見せたのが、この芝居の見どころ。ただ、そうした「説明」が必要だったろうかという気もする。舞台を見るうえでは、三人の親分(ミンタミ=甲津拓平、スター=杉木隆幸、金城=龍昇)と一人の大親分(流山児祥)の関係さえわかればいいので。
彼女も丸くなった
箱庭円舞曲
新宿シアタートップス(東京都)
2023/04/12 (水) ~ 2023/04/18 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
箱庭円舞曲は多分10年近く前、711だったかアゴラだったかで観た。震災が尾を引いていた時期の、災害にまつわる話だったが書き手の古川氏には発展途上な劇作家のイメージ。"やり手"(作為か天然か悟らせぬ)という印象の白勢未生が入団しその点でも注目していたが機会を逃してこの度久々「二度目」の観劇となった。
構成に難解さがあるのは恐らくこの劇団の特徴、書き手の指向。役者の技量が細かな演出(指定)に応えて、繋がりの判らない前半を乗り越えさせ、禁欲的な叙述の雫が後半になってようやくグラスの表面張力を破ってじわっと流れ落ちる感触で、ドラマの要素が浮上し、全体図が霧の向こうに見える感じで見えて来る。
物語自体も自分は面白く観たが、それ以上に芝居を通じて溢れ出て来る、時代を生きる感覚のようなものに共鳴させるものがある。
きらめく星座
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2023/04/08 (土) ~ 2023/04/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
こまつ座公演のたびに見て、いままでに7,8回は見ているが、見るたびに発見がある。今回は宮沢賢治へのオマージュ。5場で「星めぐりの歌」から、竹田の「人間のための広告文案(賛歌)」は、星々の世界から人間を見ることができた賢治風(前回2020年公演と今回、竹田を演じる大鷹明良は、演出の栗山民也から「竹田は宮沢賢治だよね」と言われたと、パンフ「ザ・座」で語っている)。だが、それだけではない。1個の卵をめぐって、どうやって食べるかを語り合う場面は、卵かけご飯、卵焼き、日の丸焼き(目玉焼き)、それぞれの作り方、食べ方をオノマトペたっぷりに実演してみせる。ここなど、オノマトペの達人だった宮沢賢治を感じる。
後妻のふじ役の松岡依都美は明るい女神のように、この一家を照らしている。割れた卵をかたずけるときに、卵のついた手をなめるのは、貴重な食品への未練を示して、リアリティーを高めた。そのほか、それぞれの俳優が役に命を通わせて、間然するところなし。初参加の脱走兵・正一役の村井良大もすばらしい。「蜘蛛女のキス」は物足りなかったが、がぜん見直した。チャイナタンゴを歌い踊るシーンは、声もよく、若さの華が輝いた。
前半1時間35分、休憩15分、後半1時間半。大変長い芝居なのだが、全く長さを感じない。劇場のユートピアを堪能した。
毛皮のマリー
紙魚
スタジオ空洞(東京都)
2023/04/07 (金) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
アフタートークによって、やりたかったことは分かりつつあり、解釈は鋭いと感心した。
一方でそれが芝居を見てて伝わらないのと、演出が過剰で間延びとダレが多かった。
例を1つ挙げると、ブルートゥースのスピーカーをつなぎ演者の実演感を出していたが、カセットなどのスピーカーが客の近くにあるため、変化がむしろ悪目立ちしている。
コンセプトと芝居を面白くすることは違うはずなので、せめてお金をとる以上破綻なく成立させてほしい。
彼女も丸くなった
箱庭円舞曲
新宿シアタートップス(東京都)
2023/04/12 (水) ~ 2023/04/18 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
初日を拝見。最初は、これってどういう構成なの?って思いながら観ていたのが、段々分かってくるにつれ、じわじわと面白くなってくる。面白いって言い方が適切なのか分からないけど。
播磨谷ムーンショット
ホチキス
あうるすぽっと(東京都)
2023/04/07 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
フライヤーのカッコ良さからは想像できないコメディーインパクト
主人公の潜入先となる田舎町ドライブインの独特なセンスと超個性的な面々
あぁことごとく殺し屋の超クールキャラと違いすぎる
主人公がカッコいいほどに生まれるミスマッチの笑い
「なんそれ!」のツッコミだらけでめっちゃ忙しい(笑)
もはやストーリーがどうのこうのと言うより笑ったもん勝ち!な感じ
きらめく星座
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2023/04/08 (土) ~ 2023/04/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/04/12 (水) 13:00
座席1階
こまつ座創立40周年の井上ひさし「昭和庶民伝三部作」の第1弾。自分は3年前の舞台に続いての鑑賞だ。今回はレコード店「オデオン座」夫婦の息子で脱走兵という役柄を、ミュージカル俳優として進境著しい村井良大が演じた。
「青空」など当時の流行歌がふんだんに歌われる舞台。ラストシーンの日付は先の大戦の開戦日の前日、12月7日。嫌がおうにも戦争に巻き込まれていく日本国民の生活が、レコード店夫婦の家庭を通じてクリアに描かれる。直接物語とは関係ないが、舞台の日めくりを見ると開戦の年の8月15日という日もある。4年後に日本が破滅するという運命を、客席は呪わずにはいられない。
ただ、庶民が一方的な犠牲者であるという描き方もしていない。すき焼きを食べるシーンでにおいが外に漏れると「あの家は何かよからぬことをして儲けている」と密告されるから雨戸を閉める、という場面がある。隣組もそうなのだが、庶民がお互いを監視し合う世の中が戦争を後押ししたわけだ。これは最近のコロナ禍でもあった自粛警察を思わせるし、この舞台を見れば現代が新たな「戦前」であることは明白に分かる。
前回の上演で紀伊國屋演劇賞を受けた松岡依都美の演技はやはり、見事だった。さらに、その義理の娘を演じた瀬戸さおりもよかった。村井良大はこまつ座初出演とのことだが、きれのいい演技と歌はとても安定感があった。こまつ座作品への今後の出演も期待できるのではないか。
米国に追随して兵器を爆買いし、今にも戦争が起きるのではないかと不安が募る今だからこそ、戦争前夜の国民生活がどうだったかを知るためにも、ぜひ若い世代に見てほしい舞台だ。こまつ座のお客さんはやはり高齢者が主体で、今回もそうだった。多少、演技が荒っぽくても若い世代にアピールする俳優をあえて起用しても、上演を繰り返してほしい。
『餅好き × カラ/フル』
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2023/04/11 (火) ~ 2023/04/11 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
生きている者に生気が無い 舞い降りた者に生気がある
年に一度の七夕、過去と合って、
メイクが薄くなって見た目にもその境がぼやける
この演出が芝居を作る。
天に届くハルカスは過去の人とつながる道
人の心の優しさを感じた。
本人たち
小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク
STスポット(神奈川県)
2023/03/24 (金) ~ 2023/03/31 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
言語の仕組みに対する意欲的な考察
「コロナ禍の時代の上演」を前提として2020年に始動し、何度か上演されてきたプロジェクトの現時点での到達点を示す二本立て公演である。
きく
エンニュイ
SCOOL(東京都)
2023/03/24 (金) ~ 2023/03/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/03/24 (金)
発話をめぐる哲学的な洞察
白壁にアートや落書き、スウェットなどが掛けられた殺風景な空間の真ん中に席が六つ設けられている。「演者のテンションやコンディションで上演時間が変わります」。開演前のアナウンスがかかると男女が席に座りはじめるがなかなか芝居が始まらない。彼・彼女らの関係性は明示されず、なぜそこに腰掛けているのかも不明である。
松竹亭一門会Ⅱ 春の祭典スペシャル
afterimage
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2023/03/17 (金) ~ 2023/03/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/03/17 (金)
色物としてのコンテンポラリーダンスの可能性
「異常事態です」
松竹亭白米の引き合いで口上を述べる松竹亭ごみ箱が開口一番会場の笑いを誘う。それもそうだ、コンテンポラリーダンスのカンパニーが落語会を催すとはいかなるものか、すんなり想像できる観客はそう多くはなかっただろう。私は3月27日に「すし組」「そば組」両プログラムを鑑賞した。
ナイゲン(にーらぼ版)
24/7lavo
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/11 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
何度も見ているナイゲンだが、しっかりとにーらぼ色がでていて面白く楽しめた。
この演目をやるのにとても合っている箱がミラクルだと思っていたのでとても残念。