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猫と犬と約束の燈~2023編~

猫と犬と約束の燈~2023編~

劇団TEAM-ODAC

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2023/04/12 (水) ~ 2023/04/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

大人数のドタバタコメディー風だけど、かなりシリアスなお話なんですね。色々と考えさせられました。

播磨谷ムーンショット

播磨谷ムーンショット

ホチキス

あうるすぽっと(東京都)

2023/04/07 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ホチキスさんらしい奇抜なストーリーの熱量溢れる舞台でした。基本コメディですが、家族愛等も絡ませ、暖かい物語でもあります。舞台セットが見事で、また使い方がとても上手いなあと感じました。役者さんはイケメンな方が多く、女性ファン率高めでした。

ナイゲン(にーらぼ版)

ナイゲン(にーらぼ版)

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/11 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

やっぱり面白いです。役者さんの汗だくの熱演に、ずっとワクワクしてみていました。ぜひみてほしい。おすすめです。

「モモ」

「モモ」

人形劇団ひとみ座

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/03/23 (木) ~ 2023/03/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

70周年での「どろろ」に圧倒されて以来、ひとみ座の主要公演を追いかけている。今回で5作目になるか。「モモ」と来れば観ない選択肢はない。早くに完売が出る中、どうにか観られた。佃氏の脚色。シンプルさの中に光る感動の瞬間がある。期待通りである。音楽はラテン調の不思議なアレンジや、プログレ楽曲を借用した音楽など幅広く現代性にも富んでいた。

誤餐

誤餐

赤信号劇団

ザ・スズナリ(東京都)

2023/03/25 (土) ~ 2023/04/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

こちらも楽しみにしていた公演。赤信号はかつてのお笑いブーム(たけし・さんまの頃?)での朧げな記憶しかないが、自分には演劇の方で認知した小宮氏、ラサール氏に、桑原女史の作演出に垂涎。フタを開けると、まずリーダー(渡辺)の「へたくそか」とヤジ(好意的)を飛ばしたくなる佇まいから、これは赤信号の自分祭り企画であったなと認識。(二日目であったので小慣れなさも考慮すべきか?)
客席から見ても数個のミスがあり、それも含めて楽しい舞台ではあった。この日の一番は、芝居の後半、大学教授役の渡辺氏がかつての「恋人」室井氏と二人になる場面。少し背景を言えば、大学に入学して来て自分のゼミに入った青年が室井の息子であると知り、そして今日彼女が二十数年ぶりに会いに来ると聞いてかねて疑っていた「彼は渡辺の実の子かも知れない」件を告げに来たのでは、とあたふたしている。その伏線あっての、二人の場面。二人を精神的に結びつけていたアイテムというのが、若き日に彼が書いた論文を収めた書籍で、預かっといてと言われて後ろポケットにねじ込んだそれを、室井が見つけて「これ・・」とそちらの話題に自然に入っていく「はず」であった所、どうやらポケットから出して楽屋に置いていたらしく、室井が次の台詞の前に笑いながら渡辺のズボンの後ろポケットをつんつん、とやっていた。それを見て渡辺「ちょっと、本を取って来る」と、あたかもそう決まっていたかのように奥へ引っ込み、本を見せ、会話再開となった。ドラマとしては大失態なのであるが、こんなシーンも笑って見られるだけのお祭り感は「赤信号」ならではである。
この論文は渡辺唯一の出世作で、室井の息子も「ヤバい」と心酔しているのだが、芝居のアイテムとして「論文」というのは珍しい。というか、そこに何が書かれているか内容が問われるものは(例えばかつて天才音楽家と呼ばれた男のその楽曲を披露しにくいのと同じく)扱いが難しい。それはともかく・・この論文は大学の食堂のお姉さんだった若い日の室井との会話から着想された「二人で作った論文」であったが、アカデミーの世界を人生のコースとした彼はそれを自分の著作として世に問い、その疚しさから彼女の元を離れた、というひどい男である。だがよく判る顛末でもある。本作は人情喜劇だがシリアスに描いても行けそうな設定。ただ、教授が自分の「罪」を皆の前で告白するクライマックスの後、判りやすい仲直りの場面はやや微妙であった。

ネタバレBOX

嘘を封印し、生き続ける人生と、彼は決別する勇気を持てた、というのは「お話」のレベルでは珍しい事ではない。
だが、嘘を告白しても人として「許される」、という信頼が無ければ、その選択は困難ではなかろうか。
思い浮かぶのは安倍昭恵関与の文書改竄を指示した佐川氏。彼には、改竄の指示があったと告白する事で人生を新たに始めるビジョンは持てなかった。本当の責任者に責任をとらせる事のできない権力に甘々な「システム」の問題でもあるが、個的には彼自身また彼の家族が何を望むか、という問題でも勿論あるが。
今は「国のため」と言いつつ米国のご機嫌取りに成り下がったリーダーの「国民に対する嘘」で卑屈に歪み、真実味の無い姿が浮かぶ。
安倍政権の最大の功績は「バレなきゃズルしても良い」意識を蔓延させたこと。他者への嘘、誇張、ごまかしへのハードルは低くなった。逆に「国」に対してそれをやってはならない、という垂直序列の意識の持ち主が劇的に増えた感触がある。
「嘘」「ズル」を巡る話の背後に、実世界の巨悪の存在を見る。
K2

K2

滋企画

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/03/24 (金) ~ 2023/04/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

一年以上前からチラシを手にして期待の佐藤滋企画であったが、「K2」というタイトルも深く追求せず、ついに観劇当日蓋を開けてみたら、既存の海外戯曲しかも山を舞台の二人芝居だった。山の中の二人芝居、で思い出すのは大竹野正典『山の声』だが、こちらは実在した登山家の「最後」を題材にしており、戯曲の魅力は「危機」が訪れない道程、日常と地続きの感覚と非日常の絶妙なバランス、台詞の含蓄(文学性とでも)。今作「K2」は遭難から一夜明け奇跡的に命を取り留めたとは言え既に「危機」のさ中にある二人、から始まる。こちらも日常と非日常の感覚の往還はあるが、登山用語が飛び交う「非日常」の緊張感に比重がある。

ネタバレBOX

太田宏演じる男が、足を負傷し動けない。佐藤滋演じる男はその事が意味する絶望的な事実の認識を回避し、希望的観測からアプローチする。その「日常性」(佐藤滋本人が醸すものでもある)がこの状況においてはある種の飛躍であるという逆転がある。ザイル、カラビナ、ハーネスといった登山具の僅かな残数で、二人が下山できる可能性と不可能性の会話も、どこかよそ事のような響きで、認知的不協和がもたらす精神的危機に相手を晒さない配慮に満ちている。そうした中、頭を「現実」に切り替え、上の岩壁に残る登山具を「回収」するべく佐藤が出発する。ザイル(ロープ)の一方を太田が持ち、佐藤が進むに従いその分のロープを送って行く。いざという時の命綱を太田が握る格好だ。アゴラ劇場の壁に渡した単管パイプの足場を岩に見立て、佐藤がフックにロープを掛けながら進んで行く。最終的には天井のパイプへと達し、そこで落下する。佐藤は腰紐一本で吊るされ、舞台装置ギリギリで止まる。暫くの静止。体躯を揺らし、太田の居るポケットへ引っ張りこむ。幾つかの道具は回収したが状況は変化ない。太田は佐藤に単独下山を告げる。激しく抵抗する佐藤。君に対する友情、愛が今の自分の全て。その君を置き去りにした自分が生き長らえる事など俺には耐えられない、と言う。太田に自分の家族にある言葉を伝えてほしいと佐藤に頼む。それだけが希望なのだと。佐藤は承諾する。
演出はやしゃごの主宰(作演出)の伊藤毅。「逃げられなかった」とパンフに述懐しているが、劇作家としての認識しかなかった伊藤氏の演出は(先のロープの場面の工夫と言い)中々見せるものがあった。
播磨谷ムーンショット

播磨谷ムーンショット

ホチキス

あうるすぽっと(東京都)

2023/04/07 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

過去一度(7年位前)観たホチキスの印象は、薄れているものの、とにかく体力全開、ロックな印象。歌、音楽、アトラクションがメインのような舞台であったが、当時自分の関心であったドラマの構造(俳優への関心薄し)が些か脆弱で、残念感を覚えた記憶である。その後、舞台の印象と共に刻まれた主役・小玉氏を外部で目にするにつき、拒否感は薄れ、先入観を払拭して久々の観劇と相成った。
荒唐無稽なストーリー(この劇団の特色と言ってよさそう)で、観客に「乗りツッコミ」の忍耐を強いるだろうドラマを、程良い笑いや小ネタ、テンポで超えさせて、最後にはちょっとしたクライマックスをもたらす。アトラクション主体、という点は以前のに通じてもいるが、今作は「ありそうでまず無い」ドラマが大きな瑕疵なく着地していた故、笑いを伴う役者のパフォーマンスもドラマの流れに即した順当な(というのも妙だが)「演技」として屈託なく成立していた。

ネタバレBOX

笑えた分だけ気持ち良く帰路についたが、コールでの挨拶は長かった。

話の方は、探偵ないし殺し屋という裏世界の組織が舞台。冒頭におどろ恐ろし気な音楽と共に「悪魔」的いでたちの(それが似合う)小玉氏が、舞台奥上段で威嚇のポーズをとり、イメージ図を示す。暗転後、黒ずくめの殺し屋の先輩と後輩、彼らに指令をもたらす者三名が組織のルーティンを小気味よく演じる場面。以上でこの芝居のB級感満載な舞台設定が完了。「とある指令」で二枚目の先輩隊員が訪れたのが、播磨谷何とかというサービスエリア。一挙に日常社会な空気となる。
小玉氏が今度は(商才逞しいという設定だが)庶民臭芬々たるおばさんに扮して登場。SAに出店する3店舗の他の二つの店長共々、このおばさんに付いて豆腐屋(このSAで人気のサクサク油揚げを作って売る)の修行をするという仮面生活が始まる。これがちょうど、貴族と庶民の対比のような構図になる。即ち二枚目の優秀な「殺し屋」稼業に勤しむ男は、一般社会とは離れた世界に棲んでいたがため、知識の上でも感覚的にも「庶民」に物を教わる立場となる。そしてその免疫が無かった男は「別の世界」を知って行く・・変化の契機となる。
当初の使命は生きており、男のどこまでが演技でどこまでが本当かは伏せられ、実はそのどちらかは重要なのだが、観客はこのSA界隈での出来事に関心が移り、一旦保留された「使命」が換骨奪胎されていた事を後で知るが、支障なく橋を渡るのである。
その後は種明かしとなり、組織を作った張本人の計画自殺が表沙汰になりそれを止められるなど少々無理気な展開もあるが、SA界隈に生まれた「群像」がキャラ・風貌の立った俳優面々による絵となり、爽快に幕を下ろす(よくある大団円)。
生きるか死ぬかの価値観(いわば戦争)から、日々を積み重ねる暮らしの価値観へ・・そんなメッセージを汲み取る程の真剣味を感じたかと言えば中々厳しいものがある(というのも「戦争」は人々の感情の延長にではなく世を動かす力によって人為的に仕組まれる側面が大であるので)のであるが、あるいは感覚的なレベルではこのテーマ性を感じ取っていなくもない、かも知れない。
ミュージカル「マチルダ」【4月18日18時の回、19日公演中止】

ミュージカル「マチルダ」【4月18日18時の回、19日公演中止】

ホリプロ/日本テレビ/博報堂DYメディアパートナーズ/WOWOW

東急シアターオーブ(東京都)

2023/03/22 (水) ~ 2023/05/06 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

原作を10数年前に読んだ。天才(?)少女が横暴な校長を懲らしめ、追い出す話。マチルダ役の子役が、予想以上の聞かせる歌、切れ味ある動きで感心した。マチルダは孤児のように記憶したが、そうではなく、本も読まず品性もない父母のもとに生まれたという設定。この父母の愚かさ加減が戯画的で救いがない。毒をはらんだダ-ルらしい。が、容赦なさすぎる描き方に、少々引いてしまう。

校長の恐怖支配がこのマチルダによる復讐をよぶことになる。ことばで怖さと暴力が強調するが、実際に校長がやったことは漫画的でしかない。女の子をハンマー投げの要領で上空遥かに投げ、それが落ちてくるが、落ちても女の子は(なぜか)無事。校長のケーキをつまみ食いした男性との罰も、ケーキを腹が破滅するほど食わせるというのは、怖さより滑稽味が先に立つ。「お仕置き部屋」に閉じ込めるのは舞台上では演じられないし、どちらかというと校長の空疎さが目立つ。

2幕の生徒たちのブランコ乗り、校長をやっつけた後の歓喜の爆発シーン、二つの場面の弾けたダンスとステージングがよかった。

ネタバレBOX

マチルダの語る、脱出男の父と娘の話が、マチルダの担任の先生ミス・ハニーに繋がる展開は予想していなかった。一種のオカルトだが、でもスムーズ
「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】

「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】

流山児★事務所

ザ・スズナリ(東京都)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

沖縄裏社会の抗争を、フィリピン男とのハーフの日島(五島三四郎)を軸に描く。並行して、佐藤栄作(塩野谷正幸)と若泉敬(里見和彦)の、密約をめぐる密会を描く。少々説明的なのが難点。二つの全く関係のない物語を並行してみせるのも、焦点を甘くした感がある。尻丸出しで、ペニスをちぎられる(!)拷問を受ける日島のマブダチ(工藤孝生)の体を張った演技には脱帽である。

戦前に沖縄にやくざはいなかった。戦後、米軍の物資を盗んで売買した「戦果アギャー」が沖縄やくざの始まりだという。直木賞を受賞した真藤順丈「宝島」は戦果アギャーから始まり、3人の主人公のうち一人がやくざだった。この舞台を見て「宝島」の背景も分かった。戦後沖縄の裏社会の抗争の歴史を、沖縄旋律のラップにして見せたのが、この芝居の見どころ。ただ、そうした「説明」が必要だったろうかという気もする。舞台を見るうえでは、三人の親分(ミンタミ=甲津拓平、スター=杉木隆幸、金城=龍昇)と一人の大親分(流山児祥)の関係さえわかればいいので。

彼女も丸くなった

彼女も丸くなった

箱庭円舞曲

新宿シアタートップス(東京都)

2023/04/12 (水) ~ 2023/04/18 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

箱庭円舞曲は多分10年近く前、711だったかアゴラだったかで観た。震災が尾を引いていた時期の、災害にまつわる話だったが書き手の古川氏には発展途上な劇作家のイメージ。"やり手"(作為か天然か悟らせぬ)という印象の白勢未生が入団しその点でも注目していたが機会を逃してこの度久々「二度目」の観劇となった。
構成に難解さがあるのは恐らくこの劇団の特徴、書き手の指向。役者の技量が細かな演出(指定)に応えて、繋がりの判らない前半を乗り越えさせ、禁欲的な叙述の雫が後半になってようやくグラスの表面張力を破ってじわっと流れ落ちる感触で、ドラマの要素が浮上し、全体図が霧の向こうに見える感じで見えて来る。
物語自体も自分は面白く観たが、それ以上に芝居を通じて溢れ出て来る、時代を生きる感覚のようなものに共鳴させるものがある。

きらめく星座

きらめく星座

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2023/04/08 (土) ~ 2023/04/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

こまつ座公演のたびに見て、いままでに7,8回は見ているが、見るたびに発見がある。今回は宮沢賢治へのオマージュ。5場で「星めぐりの歌」から、竹田の「人間のための広告文案(賛歌)」は、星々の世界から人間を見ることができた賢治風(前回2020年公演と今回、竹田を演じる大鷹明良は、演出の栗山民也から「竹田は宮沢賢治だよね」と言われたと、パンフ「ザ・座」で語っている)。だが、それだけではない。1個の卵をめぐって、どうやって食べるかを語り合う場面は、卵かけご飯、卵焼き、日の丸焼き(目玉焼き)、それぞれの作り方、食べ方をオノマトペたっぷりに実演してみせる。ここなど、オノマトペの達人だった宮沢賢治を感じる。

後妻のふじ役の松岡依都美は明るい女神のように、この一家を照らしている。割れた卵をかたずけるときに、卵のついた手をなめるのは、貴重な食品への未練を示して、リアリティーを高めた。そのほか、それぞれの俳優が役に命を通わせて、間然するところなし。初参加の脱走兵・正一役の村井良大もすばらしい。「蜘蛛女のキス」は物足りなかったが、がぜん見直した。チャイナタンゴを歌い踊るシーンは、声もよく、若さの華が輝いた。

前半1時間35分、休憩15分、後半1時間半。大変長い芝居なのだが、全く長さを感じない。劇場のユートピアを堪能した。

ネタバレBOX

それにしても本作、物語を動かすのは、実は傷痍軍人・源次郎にある。ガチガチの軍国主義者から、まず脱走兵小1ををあつけるためにうそをつき、幻肢痛に苦しみ、帝国の大義を疑うに至る。それぞれ、2,3,4,5場のクライマックスの源次郎の姿である。彼の変化が、この芝居の軸になっている。
毛皮のマリー

毛皮のマリー

紙魚

スタジオ空洞(東京都)

2023/04/07 (金) ~ 2023/04/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

アフタートークによって、やりたかったことは分かりつつあり、解釈は鋭いと感心した。
一方でそれが芝居を見てて伝わらないのと、演出が過剰で間延びとダレが多かった。
例を1つ挙げると、ブルートゥースのスピーカーをつなぎ演者の実演感を出していたが、カセットなどのスピーカーが客の近くにあるため、変化がむしろ悪目立ちしている。
コンセプトと芝居を面白くすることは違うはずなので、せめてお金をとる以上破綻なく成立させてほしい。

彼女も丸くなった

彼女も丸くなった

箱庭円舞曲

新宿シアタートップス(東京都)

2023/04/12 (水) ~ 2023/04/18 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初日を拝見。最初は、これってどういう構成なの?って思いながら観ていたのが、段々分かってくるにつれ、じわじわと面白くなってくる。面白いって言い方が適切なのか分からないけど。

播磨谷ムーンショット

播磨谷ムーンショット

ホチキス

あうるすぽっと(東京都)

2023/04/07 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

フライヤーのカッコ良さからは想像できないコメディーインパクト
主人公の潜入先となる田舎町ドライブインの独特なセンスと超個性的な面々
あぁことごとく殺し屋の超クールキャラと違いすぎる
主人公がカッコいいほどに生まれるミスマッチの笑い
「なんそれ!」のツッコミだらけでめっちゃ忙しい(笑)
もはやストーリーがどうのこうのと言うより笑ったもん勝ち!な感じ

きらめく星座

きらめく星座

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2023/04/08 (土) ~ 2023/04/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/04/12 (水) 13:00

座席1階

こまつ座創立40周年の井上ひさし「昭和庶民伝三部作」の第1弾。自分は3年前の舞台に続いての鑑賞だ。今回はレコード店「オデオン座」夫婦の息子で脱走兵という役柄を、ミュージカル俳優として進境著しい村井良大が演じた。

「青空」など当時の流行歌がふんだんに歌われる舞台。ラストシーンの日付は先の大戦の開戦日の前日、12月7日。嫌がおうにも戦争に巻き込まれていく日本国民の生活が、レコード店夫婦の家庭を通じてクリアに描かれる。直接物語とは関係ないが、舞台の日めくりを見ると開戦の年の8月15日という日もある。4年後に日本が破滅するという運命を、客席は呪わずにはいられない。
ただ、庶民が一方的な犠牲者であるという描き方もしていない。すき焼きを食べるシーンでにおいが外に漏れると「あの家は何かよからぬことをして儲けている」と密告されるから雨戸を閉める、という場面がある。隣組もそうなのだが、庶民がお互いを監視し合う世の中が戦争を後押ししたわけだ。これは最近のコロナ禍でもあった自粛警察を思わせるし、この舞台を見れば現代が新たな「戦前」であることは明白に分かる。
前回の上演で紀伊國屋演劇賞を受けた松岡依都美の演技はやはり、見事だった。さらに、その義理の娘を演じた瀬戸さおりもよかった。村井良大はこまつ座初出演とのことだが、きれのいい演技と歌はとても安定感があった。こまつ座作品への今後の出演も期待できるのではないか。

米国に追随して兵器を爆買いし、今にも戦争が起きるのではないかと不安が募る今だからこそ、戦争前夜の国民生活がどうだったかを知るためにも、ぜひ若い世代に見てほしい舞台だ。こまつ座のお客さんはやはり高齢者が主体で、今回もそうだった。多少、演技が荒っぽくても若い世代にアピールする俳優をあえて起用しても、上演を繰り返してほしい。

『餅好き × カラ/フル』

『餅好き × カラ/フル』

火曜日のゲキジョウ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2023/04/11 (火) ~ 2023/04/11 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

生きている者に生気が無い 舞い降りた者に生気がある
年に一度の七夕、過去と合って、
メイクが薄くなって見た目にもその境がぼやける
この演出が芝居を作る。
天に届くハルカスは過去の人とつながる道
人の心の優しさを感じた。

本人たち

本人たち

小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク

STスポット(神奈川県)

2023/03/24 (金) ~ 2023/03/31 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

言語の仕組みに対する意欲的な考察

 「コロナ禍の時代の上演」を前提として2020年に始動し、何度か上演されてきたプロジェクトの現時点での到達点を示す二本立て公演である。

ネタバレBOX

 第一部「共有するビヘイビア」は出演者である古賀友樹から聞き取りを行ったテキストで上演された。古賀は客席に向けひとり語りを続けるが、なにか意味のある内容を話しているというよりは、心に留まった言葉をダジャレや連想を交えてリズミカルに紡いでいく。客席に向けて「ようこそいらっしゃいました」と語りかけ、観客とじゃんけんに興じたりと終始客席に注意を向けていた。膨大なセリフをよどみなく発しながらなめらかに動いていく様子は達者であり、作・演出が課した高い要求に応えていたことは見事だったが、舞台と客席の間に見えない壁があるように感じた。むしろひとり語りの場面よりはコンピュータの音声と対話するくだりのほうがイキイキしているように見えた。終盤になると場がほぐれてくるからか、照明が点灯したままの状態で観客に目を閉じろと促す「念力暗転」のくだりは面白いと感じた。

 第二部「また会いましょう」では二人の女性(渚まな美、西井裕美)が思い思いに発話を続け舞台上を所狭しと歩き廻る。こちらもまた客席に向け話しかけたかと思えば相手に対し好きな映画について問いかけたり犬を見つけた話をしたりする。しかし対話が成立することはごく稀で噛み合いそうで噛み合わず、基本的には延々と好き勝手にひとり語りを続けているように見える。語りの切り替えはとてもスムーズで聞いていて心地が良い。まるで発話という音楽に合わせたダンス作品を観ているような心地になった。話が袋小路に行く場面がおかしみにまで至ればなお良いのにと思った。

 本公演に貫かれているのはセリフに込められたリアルな感情の再現ではなく、どこまでも醒めてシステマティックな言語の仕組みに対する考察であると私には感じられた。第一部の雑念まみれの客席への語りかけは、人間が発話するまでに交錯する感情の流れを追体験するように感じられたし、雑念が言葉になり発話したところで他者がそのまま受け止められるとは限らない、むしろ誤解されることの方が多いということを第二部で表明していたように思う。言語でしか世界を把握できない人間の哀しさを舞台で観られたのは、他では得難い体験であった。

 ただこの試みは満場の客席を湧かせる大きなうねりのようなものにまで至っていなかったように思う。加えて、第一部で自己開示をしている割に古賀が客席に対し恐れを抱いているかのような目をしていた様子であるとか、第二部で俳優が互いにマスクを外し素顔を見せたときの恥じらいなどのリアルな表現はいかにもナマっぽく、この作品の乾いた感触からは浮いているように見えた。
きく

きく

エンニュイ

SCOOL(東京都)

2023/03/24 (金) ~ 2023/03/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/03/24 (金)

発話をめぐる哲学的な洞察

 白壁にアートや落書き、スウェットなどが掛けられた殺風景な空間の真ん中に席が六つ設けられている。「演者のテンションやコンディションで上演時間が変わります」。開演前のアナウンスがかかると男女が席に座りはじめるがなかなか芝居が始まらない。彼・彼女らの関係性は明示されず、なぜそこに腰掛けているのかも不明である。

ネタバレBOX

 そこから他愛のない会話が始まり、物語の主軸は母親が癌と告知された男性A(小林駿)になる。皆はAに「はあ」「そっかぁ」などと声をかける。いまお母さんと一緒にいてあげないと一生後悔するよと声をかけた男性H(オツハタ)に対し、Aは「そんなのわかってるよ」「勝手なこと言うなよ」と怒声を浴びせる。そこからAが身の上話を始めるのだが、じょじょに話題の主軸が他の俳優にずれはじめていく。Aが自身の祖母に言及すると女性B(浦田かもめ)が耳の悪いおばあちゃんの話を始める。やにわに男性C(市川フー)が自分の祖母に関する事実を打ち明ける。BとCの話は重なるようで重ならず、そこにまたべつの女性G(二田絢乃)と男性E(zzzpeaker)が会話に入り込み、以降も主たる発話者の話題をもとにして別の発話者へと主軸が入れ替わっていく。途中で舞台の映像が背景に投影されたり、言及された音楽の映像が流れたりする。果たして主軸はAへと戻っていくのだが、他の人物たちが自分の話をほとんど聞いていなかったことへの怒りを吐露するものの、それをBにたしなめられる。

 私が面白いと感じたのは発話者の主軸が連想ゲームのように切り替わり、ひとつの流れを形成していた点である。他人の話題からまったく別の連想をするというのは日常誰しも覚えがあることだが、そのことを他者に示すということは行われないことだろうし、雑念だらけの内面をそのまま口にしてはただの垂れ流しになってしまうだろう。本作品では俳優の発話方法を対話/独白/傍白などで区切らず、むしろ観客の視点の移動を利用し、その時点で物語の展開の中心にいる人物に話をさせて観客の注目を集め、流れを作っては位相をずらして壊し、また作っては壊しという円環構造が出来上がっていた。これは立派な演劇批評だと思うし、言語で世界を把握する人間の限界を示す哲学的な洞察になっていたと思う。

 しかし後半になってくるとこの流れがやや単調で冗長に感じたということも否めない。ところどころ入れ込まれたギャグや動物を模した動き、終盤で長い筒を用いて「聞く」という動作を立体化して見せた試みなど手数は多いのだが、それがこの作品で用いられた発話者の主軸をずらす方法論の提示とうまく噛み合っていたとは思えなかった。

 とはいえ実体験をもとに他者の話を聞くことの困難さを、こうした形で作品化してみせた長谷川優貴の企みはとても興味深い。終幕にどの観客も覚えたであろう、話をすることの傲慢さやバツの悪さを含めて他では得難い観劇体験であった。
松竹亭一門会Ⅱ 春の祭典スペシャル

松竹亭一門会Ⅱ 春の祭典スペシャル

afterimage

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2023/03/17 (金) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/03/17 (金)

色物としてのコンテンポラリーダンスの可能性

「異常事態です」

 松竹亭白米の引き合いで口上を述べる松竹亭ごみ箱が開口一番会場の笑いを誘う。それもそうだ、コンテンポラリーダンスのカンパニーが落語会を催すとはいかなるものか、すんなり想像できる観客はそう多くはなかっただろう。私は3月27日に「すし組」「そば組」両プログラムを鑑賞した。

ネタバレBOX

 オープニングでは、カンパニー5名が口上の並びのまま上下に首や手先を傾けた落語の所作や扇子を口に含む動作を振付にした工夫と形の綺麗さがまず印象に残る。各自そのまま立ち上がり股を広げ脚を開いてと群舞が始まるが、足袋姿のまま固い床を踏み、裾に絡まりそうになるくらい高く脚を上げる動作にハラハラした。

 すし組のトップバッターは松竹亭撃鉄。映画のサウンドトラックのレコード盤を見せながら、自身の映画愛やランキングをマクラに、ランボーやインディ・ジョーンズ、ジェームズ・ボンドの吹替声真似で、「まんじゅうこわいfrom Hollywood」を披露してくれた。映画のエンドロールに見立てた巻物の小道具も気が利いている。

 すし組二人目の松竹亭青七は古典落語「今戸の狐」である。自身のばくち好きのエピソードをマクラに噺にはいったが、好みを爆発させていた撃鉄を聞いた後なだけパンチに欠けていたように思う。生来生真面目な性格なのだろう、註釈を多めに噺を進めてくれたが、あまり内容に入っていけなかったのは残念である。

 対してそば組一人目は白米。素朴な植木屋が裕福な隠居を真似ようとして起こす滑稽噺「青菜」を、柳かけのくだりでワンカップ大関を出し、鯉の洗いのくだりで缶からシーチキンを出して食べるなど大胆な変化球を入れつつ、ごくごく素直に披露してくれた。

 そば組の二人目、afterimage主宰の松竹亭ズブロッカは、なめらかな口調で「蒟蒻問答」を披露してくれた。六兵衛と僧侶の問答が白熱すると、なぜか舞台上から人形が降りてきて踊りだすという展開に客席は大いに湧いた。ただこの場面は人形ではなくぜひ人間で見たかったと思う。

 仲入り前最後のゲストは両組共通、名古屋で落語会を主宰している登龍亭福三である。名古屋弁の話題から竹川工務店が名古屋城を作ったというオチにつながる「名古屋城築城物語」(すし組)、四つ葉のクローバーを差し出す霊がチャーミングな「善霊」(そば組)、ふたつの新作で力量を示してくれた。

 仲入り後に始まる「ダンスで分かる三方一両損」は本公演のハイライトである。金太郎(撃鉄)が拾った三両を持ち主である吉五郎(ズブロッカ)に返そうとするも、一度落とした金だからと受け取らず、喧嘩するこの二人を大岡越前(白米)が機転を利かせて和解させるという有名な筋を、ナレーションに合わせたダンスでこなしていて度肝を抜かれた。大岡越前の衣装がロボットアニメの敵キャラのように戯画化されていておかしい。

 両組共通でトリはごみ箱の「居残り佐平次」。さすがにほかのダンサーと比べて表情が豊かで間もよく、一番の見応えがした。特に佐平治が身の上話をする瞬間の空間の切り替え方、鮮やかさが印象に残っている。

 椎名林檎とトータス松本の「目抜き通り」をバックにエンディングはゲストを除く5人の群舞である。オープニング同様にハラハラしたが、好き放題やったあとの多幸感とでもいう明るさがあってさわやかな見ごたえがした。

 本公演はダンサーたちが意外なほど愚直に落語に取り組んでいる落語会である。本職と比べ見劣りするのは是非もないが、合間に挟まるダンスプログラムが彩りを添えていた。私はかつて立川談志の独演会で、前座が日本舞踊を踊っていたことを思い出した。最近は寄席や落語会で舞踊を見る機会はあまりないが、噺の合間に漫才や紙切り、モノマネなどと同様にダンスが入れば、演芸の裾野がより広がるようにも思える。そうした意味で私にとっては発見がある興行であった。

 ただ劇場の使い方はいかにも殺風景で物足りない。例えば入り口に演者の名前を染め抜いた昇りを出したり、劇場内の黒壁に寄席に見立て木目調の壁紙を貼るなどの工夫があってよかったのではないだろうか。
ナイゲン(にーらぼ版)

ナイゲン(にーらぼ版)

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/11 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

何度も見ているナイゲンだが、しっかりとにーらぼ色がでていて面白く楽しめた。
この演目をやるのにとても合っている箱がミラクルだと思っていたのでとても残念。

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