フローズン・ビーチ
あるいはエナメルの目をもつ乙女
APOCシアター(東京都)
2023/08/30 (水) ~ 2023/09/05 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/08/31 (木) 19:00
昨日に続いて【WHITE】を観劇。タイトな作品を2日続けて観て疲れたが、満足感もある。65分(13分休み)35分,20分。
役者が変われば芝居の印象も変わるのは、ある意味で当然だが、本作では特に市子の演じ方がちょっと違う印象がある。【BLUE】の小林桃香が静的な壊れ方で、【WHITE】の村上弦はアクティブな壊れ方、とでも言おうか。最も壊れた役の印象が違うので、他の役にも影響が出て、市子を演じた【BLUE】の石澤希代子と【WHITE】の林揚羽の違いも際立った。全体に、王道の【BLUE】、変化球の【WHITE】かと思う。
旅のマシーン
実弾生活
駅前劇場(東京都)
2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
2023年1月5日、インコさんがパーキンソン病を公表。それすら笑いにする姿勢に、「何かこの人凄いな」と感じ入った。
新作オムニバス・コント、インコさんの独特のセンス。右手は小刻みに震えている。信者が集った初日、求めるのは他に替えが効かない唯一無二の世界観。もう笑いよりも心地好さを求めている気がした。この座組に観客席から参加して、また次回も行きたいな、と。確かに次も気になる。彼の笑いのアンテナに何が引っ掛かるのか?
物販の綺麗な娘(小山まりあさん)が最高だった。おっさん達は財布の紐が緩みっ放し。
是非観に行って頂きたい。
七曲り喫茶紫苑
劇団芝居屋
劇場MOMO(東京都)
2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
昭和の時代を思い出させるような街の喫茶店。小劇場の芝居でよくある、スナックや喫茶店で、様々な人間が織りなす日常の物語。決して新しさはないのですが、「芝居って良いなあ!」と感じさせます。大詰めの喫茶店のママ(増田恵美)の語りで、BGMを入れませんでした。安易にBGMで雰囲気作りをしなかったこと、私は好きです。
新・ワーグナー家の女
Brave Step
アトリエ第Q藝術(東京都)
2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/08/31 (木) 14:00
価格5,000円
ジークフリート・ワーグナーの妻であるヴィ二フレッド・ワーグナー。
彼女の証言を聞くため、バイロイトで開かれた委員会。
そこには証言台に立つ娘のマウジ(フリーデリント・ワーグナー)と再会し、
当時ヒトラーのナチス政権、ユダヤ人迫害などの真実を独自の視点で物語る。
ピアノの生演奏とR.ワーグナーの楽曲が散りばめられた、クラシックファンにも嬉しい世界観が広がります。上演時間は休憩なしの2時間ちょい…少し長かったかな。
親の顔が見たい
劇団昴
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/08/31 (木) 19:00
価格5,500円
「いじめ」から考え得ることの大切さを痛感させられる秀作。
テーマは重いのですが、話の筋はとても分かりやすい。
自殺した中学生の残した手紙(遺書)には、当時の仲間達が名指して書いてある。
そこで学校側は事情を聞くために、急遽会議室へと集められた親たち。
それぞれが自分の子どもを擁護し、保身に走る余り様々な行動を見せ始める。
いじめ→自殺→そこから見えた親たちの本当の顔とは…まさに親の顔が見たいよ!
親の顔が見たい
劇団昴
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
本当にその場で起きているかのような舞台でした。
目を離せないリアルな演技を目の当たりにしました。
こういう演技は個人的に憧れてます。
自分もこういう演技をしてみたいと。
最初に出てくる役者さんの第一歩目から目を皿のようにして勉強させていただきました。
社会的なテーマにしろ何にしろ役者には知識というものが必要なんだと改めて考えさせられました。
だから常にニュースやドキュメンタリーなどで今起こっていること、問題になっていることにアンテナを張っていかないと演技の深淵には辿りつかないなと思いました。
ロリコンとうさん
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
座席G列1番
2時間10分、長いかな?と思ったが、いろいろ仕掛けがあって長さを感じさせず楽しめた
最後に仕掛けがハッキリして納得
桑田佳澄の台詞が似合っていて良かった
イクロヒデアキは相変わらずクセが強い
セリフにさり気なく被ってくる音響も良かった
やり方によっては際どいテーマをサラリと面白く見せてくれた
引き結び
ViStar PRODUCE
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2023/08/23 (水) ~ 2023/08/27 (日)公演終了
それなのに楽しいと言う
The Stone Age ヘンドリックス
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
妄想ホテル 508・509号室「ねじれた数え歌」
アートプロジェクト集団「鞦韆舘」
藝術工場◉カナリヤ条約(大阪府)
2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
今回はあの名作 そして誰もいなくなった をダンスパフォーマンスを交えながら、とても上手く表現していました‼️
ダンス💃の切れもさることながら、内容も楽しめた(ミステリーファンには物足りないかも)
回を重ねる毎に、上手くなってル
今後も期待できる劇場です!
現象グラデーション
Oi-SCALE
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2023/08/28 (月) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
林さん、健康に気をつけて。函館山で夜を明かし、明け方山を下っていたら、チロンヌップを見た経験があります。
By the way,別項でも書いた通り、解釈/・評価は観た者次第。知見やその人の持つイマジネーションや世界観の差で全く異なる評価になる。
現象グラデーション
Oi-SCALE
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2023/08/28 (月) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
板は打ちっぱなしのコンクリートのような長方形のスペースだが客席は入口のある短辺を除く三方を高くしてコの字型に囲い椅子を配置。従って出捌けは劇場入口1か所が併用される構造だ。板上は基本フラットであるが薄緑色に発光するコーンが板周縁を取り巻くように配置されているのはいずれの作品も共通。
ところで、作品が観客に届き、それを観客が受け取った時から作品は観客の解釈そのものである。先鋭的解釈をする者にとっては面白い作品群だ。
七曲り喫茶紫苑
劇団芝居屋
劇場MOMO(東京都)
2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
芝居屋の芝居はいつも温かい
ベテランたちが演じる市井の人々のてんやわんや
皆表情が良い
昭和ノスタルジーの世界が展開される
「挽歌」という言葉が浮かんだ
外部の状況を表現する音響がピタリとはまる
まあ観る人の世代によって思いは異なるだろう
「横丁」ってなくなっていくんだろうなぁ
しょんべん横丁、思い出横丁・・・
久しぶりに新橋烏森にでも飲みに行こうかな
ゲイバーのマスター役の吉田祐健が良かった
フローズン・ビーチ
あるいはエナメルの目をもつ乙女
APOCシアター(東京都)
2023/08/30 (水) ~ 2023/09/05 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/08/30 (水) 19:00
【BLUE】を観劇。ケラの代表作を丁寧かつ大胆に演じて面白い。(5分押し)67分(13分休み)33分,29分。
石澤希代子が立ち上げたユニットの旗揚げは、ケラの代表作。いろいろな団体でしばしば上演され、私もナイロンの再演から観てて、何回か観てもいるが、出色の出来だった。毒のある物語と、ちょっと壊れた人物達が登場するのだが、その毒と壊れ加減が半端なく描かれて、面白いと思いつつゾクゾクしながら観てた。4人の女優陣の熱演が光る。初日ということもあって、レコードに針が乗ってないのに音が出るとか、死体がある部屋でカーテンが動くとか、若干の不手際はあるものの、とにかく圧倒された。
いつぞやは【8月27日公演中止】
シス・カンパニー
シアタートラム(東京都)
2023/08/26 (土) ~ 2023/10/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
新しい演劇がくっきりと姿を見せた。
これまでさまざまな形で、書かれ上演されてきた加藤拓也の現代劇の今の時点での集大成のような作品である。今の時代を表現しようとするに演劇が、さまざまな面で自在に具体化されて、舞台に上がっている。うまい。面白い。涙を流さないで感動できる。
描かれるのは「今の」社会の中軸であるべきアラサーの人々の「今の」心情や生活などであるが、そこから今を生きるすべての人々の心情に広がっていくところがすごい。
主人公は小さな劇団の主宰者らしき作家(橋本淳)で、ふらりと訪ねてきた昔の仲間(平原テツ)から、自分のことを芝居に書いてくれとせがまれる。実は彼は大腸がんのステージ4で、余命宣言を受けている。
以後芝居のスジは、この仲間の青森への帰郷とそこでの生活が点綴されていくわけだが、同世代の仲間たちが男女関係や家族をつくり、仕事を進めていく中で、それとさりげなく(と見えるように)関わりながら生涯を終えるまで、なのであるが、そこが、今までの難病ものと全く違う。平原テツの快演もあるが、そこには、すべて命ある人間が必ず通っていく道、そこに人間の喜怒哀楽すべてある、とクールに(しかし冷笑的ではなく)提示されている。野田の本には必ず最後に大逆転があり、ケラには必ずフィナーレで芝居の中の人生を納得させられるが、この舞台は現代の小さな世界を素材にして、現代の姿を、ジェンダー問題から老親問題、就職問題まで幅広く自然なカタチで取り込みながらくっきりと描ききっている。
日本の現代劇のレベルを示す作品である。
数年前からこの作者と付き合ってきたシスカンパニーの見識もたいしたモノだ。パンフレットが500円だが、内容充実。これだけでもシスを評価できる。こちらも十分面白い。
1時間45分。満席。半立ち見席も混んでいるが、チケット代の安さも魅力である。
ヨーコさん
演劇集団円
吉祥寺シアター(東京都)
2023/08/26 (土) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
佐野洋子さんのことは名前を聞いたことがあるくらいで、この劇を観に行ったのは演劇集団「円」の作品だからである。皆さんが書かれているように完成度は高い。主演の谷川清美さん(現在の演劇集団円の代表取締役)はさすがの圧倒的演技で会場を制圧していた。休憩なしの1時間50分
しかしながら佐野さんのことをほとんど知らない私は最後までとうとう入り込めなかった。何も書けないので佐野さんのことを調べていて気が付いた不思議なループを書いておく。
佐野洋子はジュリー(=沢田研二)のファン(とこの劇の冒頭で言っていた)
ジュリーのファンと言えば悠木千帆(後の樹木希林)
悠木千帆の夫は岸田森(その後離婚、岸田森さん懐かしい!)
岸田森の父の兄は岸田國士
岸田國士の娘は岸田衿子(と岸田今日子)
岸田衿子の夫は谷川俊太郎(その後離婚)
谷川俊太郎の妻は佐野洋子(その後離婚)
ヨーコさん
演劇集団円
吉祥寺シアター(東京都)
2023/08/26 (土) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
『100万回生きたねこ』も作者の佐野洋子さんも全く知らずに観劇。役者も全く分からない。お父さん役が『ペリクリーズ』の主演・石原由宇氏だったのは判った。
主演の「ヨーコさん」役の谷川清美さんは圧倒的。桃井かおりみたいな感じで好き放題ステージに君臨する。ガチガチに構築された空間を縦横無尽に泳ぎ回る魚。参った。
もう一人の「ヨーコさん」、6歳の自分であり同じ名前の猫役の大橋繭子さん。いや凄え女優がいるなあと驚いたが、『ペリクリーズ』で一番気になったヴァンプだった。うわマジか?同一人物か?この劇団に恐れをなす。
「ヨーコさん」が憎んで憎んでどうしようもなく憎んだ母親役は清水透湖(とうこ)さん。堪らなく胸が痛む。例えそれが母親ではなかったとしても、観客一人ひとりがそれぞれの痛みの記憶を喚び起こす。
早逝した天才の兄役は岩崎正寛(まさのり)氏。「蛙を窓から飛ばせ!」「時間の尻尾を捕まえろ!」、名言多数。
中野風音(ふうね)さん演ずる岸田今日子がドッカンドッカン受けた。
音楽の西井夕紀子さん作曲の名曲揃い。歌と踊りは最高。ジョリー!
作品の完成度が物凄い。西原理恵子✕80年代小劇場。作家や『100万回生きたねこ』を知っていればもっと楽しめた筈。やはり帰りに絵本を買ってしまった。
母親との関係にトラウマ(のようなもの)を抱えている女性は絶対観た方が良い。この圧倒的な演劇空間は体験して全く損はない。
是非観に行って頂きたい。
ロリコンとうさん
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
スズナリで観る事の多い(というか殆ど)NICE STALKERの最初の記憶は同じくロリコンをタイトルに付した作。作中おじさんが「ロリコン魂」に開眼する(自認する)その対象となる役であった白勢女史が、今回も出演というのが楽しみの一つ。同じネタを(非難の目も顧みず)またやるからには余程のこだわりが?というのも一つ。その期待と予測はある意味で裏切られつつも最終的に納得な内容である。
ロリコンとうさん
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
プロトタイプ版を観劇。
客層の男女比率は半々くらいでした。
個人的に変わった事や挑戦的な舞台が好きなので
★5を付けました。序盤からあれ?これって、どういうこと?って感じで進行していき、最後に謎が解けるのが心地よく、素敵でした。
ダンスシーンや飽きさせない仕掛けが満載なのも良かった。
ロリコンという難しいテーマを取り扱いながら
笑いあり、感動させるものがあった。
観劇しながら自分自身の考えがロリコン側、ロリコン否定側になったりと色々考えさせられる内容でした。
あと、個人的に野口さんの美声が良かった。
神と凡人は紙一重
名城大学劇団「獅子」
ナンジャーレ(愛知県)
2023/08/25 (金) ~ 2023/08/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
オムニバス形式の3つの短編作品集。
今どきの悩みだったり、恋愛事情、将来にかける夢、希望・・・
70分くらいのお芝居でしたが、テンポもよくオチもあって
結構練られた作品だと感じました。
それぞれ学生さんらしい視点で描かれ面白かったです。
『神』と『紙』を引っ掛けているのも洒落てました。