End of the day〜あすくる〜
激富/GEKITONG
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2023/05/26 (金) ~ 2023/05/28 (日)公演終了
WE HAPPY FEW
劇団昴
Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)
2023/05/20 (土) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
いかにもイギリスの実話ベースらしいウエルメイドプレイである。
第二次大戦中、男優が戦地に出征して、俳優はもとより表方も裏方も手が足りなくなって、家で裁縫編み物をするとされていた女性たちが職場に進出してくる。その実例は今までもいくつもの映画で見てきたが、これは女性だけで劇団を作ってシェイクスピアをはじめさまざまな演目をもって国中を回ろうという移動演劇の劇団が素材になっている。
2004年の初演(イギリス)と言うが、構成は昔のウエルメイドプレイのスタイルで、一幕はその運動が一応の成功を収めるまで、二幕は、その後彼らはどうなったかという物語で、全体としては保守的だったイギリスの女性観の中でジェンダー問題を問うドラマになっている。結局劇団員は7名で活動するのだが、それぞれのエピソードも丁寧で一幕1時間半、十分の休憩で二幕1時間20分。合計3時間。日本だと「紙屋町さくらホテル」のような話なのだが、向こうは苦労はしたろうが戦勝国、こちらは完敗。ひがむわけではないが、ウエストエンドで受けそうな愛国モノの調子もあって、日本人が今見るのはかなりつらい。戦時中のドラマはどうしても戦争の行方が影を落とす。
それはおくとして、登場人物十五人も居る集団劇を観客80名くらいしか入らないこのPitで上演している割には、焦点が定まらない。演出は外部演出の千葉哲也だが、狭いところで健闘しているが、話の流れはよくわかるが、結局女だけの劇団という事実以上の魅力に乏しい(上述の本のせいもある)。俳優も近いところで見ているので、技量の程がよくわかる。全員、自分の役をつかもうと懸命だが、全体に貢献する華のある俳優がいない。これだけ出れば、一人や二人、目立つ俳優がいるものだが、いない。
この劇団は新劇系の中でも、あまり前衛的でもないメジャー系の翻訳劇を取り上げてきたのは評価できるのだが、演出者をいつも借りてくると言うのでは、カラーが定まらない。
日頃稼いでいる吹き替え調になってしまうのもやむを得ない。残念なところだ。
野郎ども! 島が見えたぞ! 2023
劇団 FREE SIZE
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
鑑賞日2023/06/01 (木) 19:00
価格5,000円
Sチーム初日観劇。
従来の海賊像とは少々異なる、海賊たちのお話。
La Vita é Bella ──とある優等生と壊れた世界
劇団東京座
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2023/06/01 (木) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白かったです。
若者達の葛藤、悩み、何とも言えないモヤモヤ等が丁寧に描かれ、観応えがありました。
そして、人生は思い通りにはいかないけど、自分だけの人生なんだな・・と感じました。
役者さん達の熱演は、一生懸命さが伝わり、とても好感が持てました。
色々考えさせれる所が多々ある、とても良い舞台でした!
ココノイエノシュジンハビョウキデス
日本のラジオ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
[犬組]
作家に何か見覚えがあったが『ザ・フラジャイル/ライト』の人だった。
日野あかりさんを久し振りに観たが、こんなに美人だったか?と驚く程綺麗だった。(役柄もあると思う)。
箱馬で作った書棚に並んだ古書、日本人の文学全集が多い。
神経質そうな店主(宮崎雄真氏)、その弟(神山慎太郎氏)、目の悪い妻(日野あかりさん)、訪れる客(澤原剛生〈ごうき〉氏)。江戸川乱歩のような美しい文体で紡がれる物語。
萩原朔太郎のオノマトペを効果的に使用。
例えば、『猫』という短い詩。
『おわあ、こんばんは』
『おわあ、こんばんは』
『おぎやあ、おぎやあ、おぎやあ』
『おわああ、ここの家の主人は病気です』
深夜の屋根の上、二匹の猫の会話の内容が自分のことを話しているように聴こえてくる萩原朔太郎。強迫性障害とアンビバレンス(両価感情)に長い間苦しめられた。
のをあある とをあある のをあある やわああ (犬の遠吠え)
とをてくう、とをるもう、とをるもう。 (鶏)
文学的な上品な会話の中に突如組み込まれるオノマトペの不安感。
澤原剛生氏は岡崎体育に似て、発達障害っぽい不自然さ。
何か増村保造っぽいな。日野あかりさんが若尾文子に見えてきた。
好きな人には堪らなく好きな世界。
La Vita é Bella ──とある優等生と壊れた世界
劇団東京座
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2023/06/01 (木) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
ココノイエノシュジンハビョウキデス
日本のラジオ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
#宮崎雄真 #日野あかり
#澤原剛生 #神山慎太郎
(敬称略)犬組初日
綺麗なお姉さんが好きなら観なきゃ損。薄幸の美女が健気に生きる姿なんて、オトコにはこの上ないご馳走のはず。堪らない。薄幸の美女は、文字通り闇をかかえている。いや、闇に包まれている。それも真っ暗闇ではなく、薄ぼんやりとした靄のかかった闇。彼女は人生を手探りで生きている。それを支えるのは天使か悪魔か。
そこにいる人も居ない人も、人は皆それぞれの闇を抱えている。生き辛さの中でもがいている。
彼らは闇から抜け出すのか。アナタは⁉️
La Vita é Bella ──とある優等生と壊れた世界
劇団東京座
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2023/06/01 (木) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
La Vita é Bella ──とある優等生と壊れた世界
劇団東京座
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2023/06/01 (木) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
タイトルにイタリア語がつかわれていることから察しがつくように、プッチーニ等の曲が使われる等選曲のセンスがグー。時代設定はバブル崩壊後、“リーマンショック”を経て日本に淀んだ空気と、何の未来も感じることができなくなった閉塞期に高校2年になった少年、少女たちの話である。若者たちが育った時代は、自殺者毎年3万人超え、中でもポスドクの自殺率は異常に高く確か当時平均の十数倍に上った。タイトルと物語のギャップに注目して観るべきだろう。追記後送
La Vita é Bella ──とある優等生と壊れた世界
劇団東京座
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2023/06/01 (木) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「La Vita é Bella」…イタリア語を邦訳すると さしずめ「人生は美しい」だろうか。
しかし、物語はそう美しく簡単なものではなく、今を生きる若者たちの<現在>ある世界(情況や状況)ができる背景や要因について、その親の世代が若者だった頃に起きた<出来事>に遡ってリアルに描く。バブルに浮かれ、その崩壊で人生が狂う。今あるのは失われた20年の世界、これから真面目に生きても夢や希望が持てるのか。いや そもそも「真面目」に生きるとは…その価値基準は誰がどのように決めるのか。今の高校生たちは生き方を模索し始める。
少しネタバレするが、物語は1988年から2008年頃の社会情勢とか世相を背景に、高校生という年代特有の悩みや葛藤を軸に瑞々しく描く。そして今後の人生の選択をどのようにするのか。黒猫 幽霊の予言…お前の世界はもうすぐ壊れる。そして<扉>を見つけるだろう。その扉を開けるか否か。
劇中、アコースティックギターを弾いたり イタリア音楽が流れる。抒情的なシーンが思春期の甘酸っぱさを演出する。
当初 2時間30分の上演時間(予定)が15分程延びているが、敢えて高校卒業後の世界まで観せたかったのだろうか。ラストの描き方は観客の好みによって評価が分かれるかも。
(上演時間2時間45分 途中休憩10分)
La Vita é Bella ──とある優等生と壊れた世界
劇団東京座
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2023/06/01 (木) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/06/01 (木) 18:30
「La vita è bella」これは「Life is beautiful」のイタリア語。
「人生は美しい」と言う直訳の副題には「とある優等生と壊れた世界」
一筋縄ではいかない人生には、自分の思い通りにならない事が沢山ある。
思春期ならではの葛藤、自己同一性、両価的感情、恋愛感など
想像以上に生々しい描写が舞台上で表現される。シンプルだが奥深い。
イタリアオペラの持つ、知的でずる賢いイタリア人女性と詩的で情熱的なイタリア人男性。
これを田舎の青年たちに照らし合わせて観てみると、より良作に感じられると思います。
アビリティイレブン
Monkey Works
シアターサンモール(東京都)
2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
超能力者たちが繰り広げる果てしなきバトル
久々にここまで馬鹿馬鹿しい演劇を観たな~って感じ
これが悪口ではないのは公演を観れば分かってもらえるはず
Monkey Worksさんは、こういうタイプのコメディーも演るのですね
(本当は笑いだけではないのだけれど、そこはネタバレ注意)
若くて元気な役者さんが沢山集まれば、確かにアリか と思えました
コスモポリタン
U-33project
王子小劇場(東京都)
2023/05/24 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了
海の木馬
劇団桟敷童子
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/05/30 (火) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/06/01 (木) 14:00
座席1階
終戦直後に福岡で起きた爆発事故をテーマにした「飛ぶ太陽」。この事故では大手メディアが報じず事故そのものがなかったことにされようとしたというが、今作で扱った海の特攻隊「震洋」の爆発事故もあまり報道がなく、歴史のかなたに葬られたという共通点がある。「飛ぶ太陽」では舞台のイメージは赤色だが、今作はブルーの舞台美術で彩られている。
結論から言うと、これも傑作だ。いつもの桟敷童子に比べれば派手な舞台美術や演出はないが、兵隊たちが「自分たちは死んで真っ白な砂になるんだ」という言葉を象徴するように、天井から幾筋もの白砂が落ち続ける。砂に無言で語らせる悲しみ、涙、怒り、そしてむなしさ。戦争という愚かな行為を告発し続けている。
特攻兵器「震洋」はベニヤ板に車のエンジンを積んだだけというお粗末なもので、これでは敵艦に体当たりするどころか、うまく沖へも出られないというシロモノだった。よしんば特攻が軍事作戦の一つとして認められたとしても、こんなものに兵士を乗せて出撃命令を下した当時の軍部はあまりにも無能で、作戦の指揮に値しない。軍事作戦として成立しない出撃で命を失った当時の若者たちは本当に気の毒で、涙が出る。
軍事機密と言って震洋から村人たちを遠ざけていたが、村人たちはとっくにこの兵器のあほらしさを見抜いていて、海に入っても進むことができない「海の木馬」と揶揄していた。爆発事故は天皇の玉音放送があった翌日、戦争は終わっていたのに、玉音放送が雑音が多くて聞き取れなかったためか、あるいは玉砕まで戦い抜くという狂気の軍幹部の命令か、情報は錯綜して出撃命令が出ては待機ということが繰り返される。そして、震洋の漏れたガソリンに引火したことをきっかけに次々と爆発が起こり、部隊はあっという間に壊滅する。
この物語を、老境を迎えた生き残りの兵士が当時の震洋基地と時代を行き来して語っていく。この兵士を八十歳の小野武彦が演じきった(お見事でした)。脇を固めた桟敷童子の劇団員たちは相変わらずの熱演で客席を満足させた。今回、自分としては、特攻隊員たちを宿泊させたことで交流が生まれた村人たち(主に女性)で、勤労奉仕隊副隊長を演じた板垣桃子が出色の出来だと思う。また、旅館を経営する夫婦の次女を大手忍が演じたが、これまで彼女が見せてきた強烈な演技からするとおとなしい感じもするが、注目度は抜群だ。
チケットは千秋楽までほぼ完売という。桟敷童子に対する客席の期待の大きさを表している。
La Vita é Bella ──とある優等生と壊れた世界
劇団東京座
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2023/06/01 (木) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ギターの演奏がとてもよかった。
懐かしい感じで、自分の青春時代を思い浮かべながら観た。
観る前は高校生の物語で、ついて行けるかと心配したが、父母の話や、かなり大人っぽい話などもふんだんに入り、おもしろい。
高校生から年配の人まで観れる。
ストーリーもわかりやすくおもしろい。
2時間50分は長かった。
腰が痛くてバタバタしてしまいました。
もう少し短いと助かります。
個人的には、ギターを弾いていた風河駿さんの演技が、とても良かった。
いろいろなキャラの人がいて楽しい。
特に、[いつものくれ]と言っているおじさんがおもしろい。
お弁当の温めのところが、おもしろくて笑える。
[ライオン]は何を意味しているのか、今も考え中です。
これから観るかた、考えてみるとおもしろいかも。
フィクション・モテギモテオ 2023
ライオン・パーマ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
前回のモテギモテオは下北上演ということもあって、どこかサーフィンのような軽やかさを感じさせる若者向けの笑いが本当に世の中を席巻してゆくような爆発的な面白さが連続の舞台であったが、今回大人の街、赤坂となると笑いも擽りも当然仕込まれてはいるものの、もっと大人っぽい。丁度映画「トータルリコール」が味わわせてくれたような恐ろしさ、と哲学的な思考にも繋がるような深さを見せてくれた。間に10分の休憩を挟み、2時間半を若干超える長編。無論、片時も目は離せない。様々な仕掛けもあるので、ここから先は観てのお楽しみ。追記は楽頃。
Endless SHOCK
東宝
帝国劇場(東京都)
2023/04/09 (日) ~ 2023/05/31 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
本編を観劇しました。
歌・ダンス・フライング・殺陣・和太鼓・階段落ちと沢山の要素が詰まっていて、正にエンターテインメントでした。
主役の堂本光一さんは、喉の調子が悪いのか、歌が本調子ではないように感じましたが、素晴らしかったです。
揃ったダンスは圧巻で、オーケストラの生演奏も豪華でした。
チケット入手が困難な作品ですが、観る事が出来て良かったです!
死んだら流石に愛しく思え
MCR
ザ・スズナリ(東京都)
2023/05/26 (金) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
海の木馬
劇団桟敷童子
すみだパークシアター倉(東京都)
2023/05/30 (火) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。
物語は、海の特攻隊「第128震洋隊の悲劇」を 昭和20(1945)年初夏から同年8月16日迄を中心に描いている。”人の噂も75日”というが、今年で戦後78年になるが けっして戦争という<不条理>を忘れてはならないことを訴える。今まで観た桟敷童子公演に比べると舞台装置はシンプル。しかし それゆえ人物が焦点になり、心情が鮮明に浮かび上がってくる。
舞台は高知県の秘密軍事基地と周辺漁村。特攻隊員が出撃するまで民家に投宿したことで芽生えた心情、民間人との交流を通して自分の家族への思いを馳せる。電波状況が悪く玉音放送が聞き取れず、情報が混乱したことで悲劇が…。演劇という虚構と実際の出来事、その虚実を実に巧く紡いでいく。軍人・民間人それぞれの立場や情況等の違いによって抱く思いは異なる。その心情を情感豊かに演じる役者陣の演技が凄い!
「海の木馬」は、震洋一型と名付けられた機体が海上を進めない<木馬>のようだ と。名は、太平洋を震わす を意味するが、実態はお粗末な機体に人を乗せて特攻させる。そこには期待もなく、<死>だけが横たわる という皮肉が込められている。天井から一筋の滝のように流れ積もる砂、その高さの分だけ悲しみが…。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし)
ジャンポール・ゴルチエ『ファッション・フリーク・ショー』
ファッション・フリーク・ショー実行委員会
東急シアターオーブ(東京都)
2023/05/19 (金) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
舞台の衣装の数々を見る限り、今後もゴルチェの服を着ることはないと思いますがとても楽しかったです。使われていた楽曲も「ハートに火をつけて」「マイウェイ」「愛の讃歌」など思っていたより馴染みのものが多いし、ほんのチラッとピンクフロイドもあったりして嬉しくなりました。
ゴルチェの半生はそう詳しく描かれているわけではなかったですが、好きを通すことってすごいなと思いました。