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アビリティイレブン

アビリティイレブン

Monkey Works

シアターサンモール(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/03 (土) 18:00

ここまでくだらないステージは久しぶり(←悪口じゃなくて褒め言葉!)。限界を超える絶叫に圧倒されて、無理矢理、楽しまされた感がパない。

引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/03 (土) 19:00

悪天候の後、交通機関の遅延などが心配されましたが
無事に上演時間に間に合いました。今回は「引き結び」の紬チームを観劇。
紬ぎ結ぶは命の糸…自分たちが今この場に居られるのは、遠い遠い血縁者のおかげ。
人間に生まれる確率が1400兆分の1から辿り辿って…と、コンセプトは壮大です。
開場から暖かい雰囲気で、前説あり物販ありの盛り上がりが熱いです!

以下、公演について

ネタバレBOX

主人公の一輝が、初めて出来た彼女(香澄)を妊娠させてしまう。
出産を覚悟した2人が互いの家族、友達、同居人の幽霊もろもろの絡みが
笑い・涙を織り成すコミカル作品。

そもそも少年漫画のような設定で、キャストの関係性と筋道を
ハッキリと認識出来る感覚になるまで時間がかかった。
個性派役者たちの、よく分からない新喜劇を見せられているような状態。
台本に統一感がなく、シンプルな物語に色んなネタを肉付けしている印象でした。
大衆的なエンターテインメントに近いかな。

役者陣は、総じて声を前に張ろうとする意識が強いです。
大きな小屋ではないのですが、音響は結構大きめ。そのせいもあるかもしれませんが
連日キャストの役者は喉を傷めやすいだろうと心配になりました。
若さ溢れるパワーに押されたせいか、終幕では生まれてきたかった命や
幽霊の正体とお別れのシーンに、切なく涙をさそわれました。癖強めの劇団です。
鳥山探偵事務所〜朝起きたら事務所に死体があった件について〜

鳥山探偵事務所〜朝起きたら事務所に死体があった件について〜

劇団えっぐ

天満天六・音太小屋(大阪府)

2023/06/03 (土) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

満足度

内容もしかりだが、観る環境が整っていない… 制作も対応悪いし…
最悪😞⤵️⤵️

引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

結 拝見しました。この、引き結びシリーズはとても大好きで、笑いあり涙アリでギュット詰め込まれた2時間でした。ストーリーは何となくわかるのに、それでもうるっとしたり、役者の皆さんの演技力なのかな。雪江役の高橋さん別の舞台でどちらかと言うとおしとやかな役をやられていたのを拝見してて、今回は元気で、役者さんすごいなと思ったりしてました。とにかく、とてもよいお話、よいお芝居でした。次回も楽しみで。

水槽

水槽

シアターノーチラス

RAFT(東京都)

2023/06/01 (木) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

好きな団体さんの1つで、久しぶりの公演、堪能しました。ジワジワ締め付けられるような雰囲気、会話、展開で、胸が苦しくなりました。
誰にでもある心の葛藤もよく表現されていて、本当に面白かったです。役者の皆さんの力量も素晴らしかったです。次回作品も必ず見に行きたいです。

引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

昭和・・・う~ん平成初期の
青年漫画みたいな設定の主人公が
妊娠出産について考えさせられる物語
といった2時間10分超えの作品です
衣装替えが凄いなぁと
感心しきりでした

開演15分前からの
座の温めはいつも通りで楽しめました
=撮影タイムにもなっていましたし=

ネタバレBOX

実年齢を叫びながらの
割と恥ずかしい衣装での登場は
インパクトあったデスよー
さておき
ちょっと冴えない感じの大学生が
初めてできた彼女に舞い上がり
周囲の仲間がいろいろ絡んでの話ながら
初Hで彼女が妊娠~本人達は出産に前向きながらも
周囲の反対がーという流れで
いやぁ彼女が医学生という話でしたが
それだったら生殖行為に対してゆるすぎじゃねとかは
強く思ったねー
生理痛とか酷い方とかは低用量ピルの服用とかもあるだろうし
いろいろと設定がほんに青年漫画風に緩かったかなぁ
で主人公さんには昔からユキエという女性の幽霊が見えてて
何かと生活に介入してきて迷惑がっている風な設定もあり
賑やかな笑いをとりつつも堕胎とか子育てとかの話しを盛り込み
まーそういった話の簡易提供としては良く出来たと評価できた
妊娠彼女の母親が産婦人医という設定でシングルマザーなんだが
それにしては本当に生殖についての知識がお粗末な彼女だなぁと再び思うわ
で当然堕胎するように娘に迫るのだが当然だなぁと思えた
でもまぁハッピーエンドに持ち込む団体さんでもあり
そこは力技でも嬉しい方向ではあるが
わたしが最終的には生れた孫の面倒をみるしかないかぁと
諦めたんだろうと思えたわ=金はあるだろうし=医者だし
開業医か勤務医かは知らんが
開業医ならそこそこ稼げているだろうし
今回の娘の出産で保育室でも作るかもねーと変な納得しました
それにしても
自分が同様の立場なら
机上論と感情だけで結婚出産をゴリ押ししてくる男は
鼻もちならんなぁ=主人公の事ですが・・・

綺麗なカラーパンフには
登場人物らの相関図も描かれて
作品世界の概要が分かりやすくなってました

話的には実は主人公が見ていた学友の一人が
また幽霊さんで
20年前に主人公らと同じように学生結婚したんだが
その時の子が幽霊さんの正体で
死産だったか堕胎だったかは明確に語られず
母を求めたその幽霊さんが妊娠彼女を連れだして
あわやというところで
本当の母や父と会えて成仏し
主人公に憑いていた幽霊も
実は・・と北海道から出てきてくれた
主人公の両親が「おまえには姉がいた」と話し
その子が幽霊さんの正体で
家族に囲まれた幽霊っ子も成仏し大団円となるのでした

ラストに
いままで真っ黒い衣装だった学友幽霊氏が
真っ白な衣装に変えて
幽霊っ子と共赤い紐で中央に立つ
新米家族=赤子と両親=紐を緩く巻くところで
綺麗に終演を締めていてビジュアル的には満点だったかなーと
それで星はオマケしまする

まぁ現実的に考えると
彼女は将来的な稼ぎを考えると医学生は休学し継続
主人公は大学辞めてもいいけど
しっかり稼いで
ふた親から資金援助してもらって
完全保育補助での生活かなぁと想像しますわ

いつも登場のもじゃ様は
今回は霊的なものの支援での
もじゃ神様立場というか使徒でしたかな
女医さんの手下としての主人公探索もしていました
フィクション・モテギモテオ 2023

フィクション・モテギモテオ 2023

ライオン・パーマ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

黒を基調とした舞台セットは
白い水玉模様=大きな白い円が描かれたシンプルな感じ
話は説明通りに
一人身の同僚の誕生日を祝う会社の同僚
そのもてなしに今回利用したのが
モテギモテオの提供するモテサービス
そこから展開するモテギワールドを堪能する2時間超えの作品です
大雨の中
我も含めて結構な人数が
来てたなぁと感心しました
だいたい男女比はトントンで
開演前のBGMは昭和歌謡…
懐メロかなぁ
1時間10分✕2で
2時間20分休憩挟んでの長丁場です

ネタバレBOX

まぁ再演ですので
話は変更無く前回の感想と
ほぼ一緒なんですけど
割と単純な話といえるんですけど
回り道に類するエピソードや
差し込まれる細かな笑いを楽しむ作品と云えますでしょうか
定番の舞台セットギミックは
影絵のシャワーシーンが一番インパクトあったなぁ
着痩せするという設定での底上げが何とも笑いとれてました
ラストでのアルファモテオが
ネーミングセンス良かったが
まぁやはり2時間は長いかなぁとも感じたかな
前回同様であるんだが
ラストのどんでん返しを前作の記憶忘却してして
素直に楽しめたんで
星はオマケしました
フィクション・モテギモテオ 2023

フィクション・モテギモテオ 2023

ライオン・パーマ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。
ふんわり不思議な雰囲気で、ちょっと怖いような感覚が絶妙でした。
何気なく挟み込まれているギャグも、自分の笑いのツボでした。
役者さん達は、それぞれのクセのあるキャラを好演していて、とても良かったです。
面白くて大満足の舞台でした!

ココノイエノシュジンハビョウキデス

ココノイエノシュジンハビョウキデス

日本のラジオ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#宮崎雄真 #日野あかり
#澤原剛生 #神山慎太郎
(敬称略)犬組2回目。
作品の隅々に腐臭が漂う。腐っているのは肉。腐っているのは精神。腐っているのは思考。腐っているのは関係。
幼い少女に見つけられてしまったコト。幼い少女には見ることができなかったモノ。見られてしまったのに見られていなかったコト。見てしまったのに見えてなかったコト。
その人は生きているのかいないのか。存在しているのかしていないのか。
大切で愛しい人の喜びを喜べないなら、関係は腐っているのかもしれない。人間の喜びは未来を約束するコトなんだ。そこで自己存在価値を確認しているのかもしれない。生きていてイイんだと思うのかもしれない。
だから、誰かと未来の約束をしよう。またねぇ。

お待たせしました

お待たせしました

吉祥寺GORILLA

吉祥寺シアター(東京都)

2023/06/02 (金) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/03 (土) 19:00

ゲストにキャラメルボックス鍜治本さん出演回を観劇。
とても面白い演劇だった。ストーリーも良かったし、出てくるキャラクターが魅力的でした。
中野亜美さんの演技に魅かれた。

風景

風景

劇団普通

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2023/06/02 (金) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/03 (土) 14:30

座席1階

会場はほぼ満席。全編茨城弁の舞台も定着してきたように思える。今作は実家のおじいちゃんが亡くなり、孫たち(実家の父母の娘と息子)が配偶者を連れて実家に戻ってきたという場面から始まる。劇団普通の真骨頂である、「これは自分の家のことを語っているのではないか」と客席が実感するごく普通のありふれたエピソードが語られる。

一番印象に残るのは、結婚5年たっても子どもをつくらない長女(実家の父母から見て)に母親が「将来二人だけでは寂しいよ」と説教?する場面だ。茨城弁は少々とげがあるというか、厳しい言い方になるらしいが、厳しい口調なのだが説教の仕方が婉曲的なのがいかにもあり得る、という現実感を漂わせる。親は言いにくいことははっきり言わないのだ。特に、自分の娘がいつまでも子どもをつくらないという親にとっては不都合な現実に、なんだかんだと理屈を付けて迫ってくる。
ただ、この長女が自らの意思でつくらないのか、不妊なのかは舞台では明らかにされない。本音で聞いてしまえばいいのに、と客席に欲求不満が募るのも、この劇団普通の会話劇の特長であるのかもしれない。

物語は祖父の葬式の日だけでなく、その後数年たった時点での家族の会話へと続いていく。はっきりとした舞台転換がないため、客席はその「何となく」という雰囲気や役者の衣装などから時間の経緯を知る。今回は舞台の後ろに大きな壁があり、これを若干斜めに動かすという演出がなされるが、この演出が何を意味しているのかも分からなかった。
さらに、長女が子どものころに経験した祖父の兄夫婦の家に連れて行かれたというエピソードも、なぜこうなのかという種明かしもないままに終わる。自分としては、これらの語り方や幕引きの仕方には少し疑問がある。欲求不満もほどほどに、といったところだろうか。

今回もお父さん役を務めた用松亮のとぼけた演技が光る。お父さんがしゃべるたびに笑いが出るというのは、これまでの作品「病室」などの演技の延長として進化を続けているあかしだと思う。

引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしい時間でした。始まりから「んっ」?このお芝居はと
引き込まれていきました。命大切です。家族大切です。
温かい気持ちになり本当に良い時間でした。
次回作楽しみです。ありがとうございました。

らんらんかくかくこうこう

らんらんかくかくこうこう

王様企画

難波サザンシアター(大阪府)

2023/06/03 (土) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

満足度★★★

多分変化の無い毎日を変えてくれるキッカケが、光✴️であったのだろうけど、あれで彼女は変われたのだろうか…
中々変われないのが…
変わるためには、かなりパワーがいる

だから君はここにいるのか【舞台編】【客席編】

だから君はここにいるのか【舞台編】【客席編】

調布市せんがわ劇場(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

第12回せんがわ演劇コンクールグランプリ受賞公演。
昨年はコンクール参加ということで、【舞台編】だけを40分の時間(コンクールの規定)で上演したが、本公演では55分と少し長くなっている。その時間だけ やはり物語における状況が分かり易くなっている。そして【客席編】と併せて約2時間の公演、どちらも観応えのある二人芝居、これぞ<小演劇-真骨頂>と言えるもの。

どちらの作品も劇場が主体となり、そこに現れる舞台の関係者が紡ぐ話である。その劇場で上演されるであろう架空の公演チラシを配付するという手の込んだ演出、笑えた。また共通しているのが照明…どちらもモノトーンで舞台上の役者(心情)に焦点をあてている。
(上演時間各55分 休憩兼転換10分)

ネタバレBOX

【舞台編】
昨年のコンクールを観た時の感想は次の通り。
「冒頭は、観念的といった印象。舞台は、劇場の公演準備前の舞台。仕込みが遅れている舞台上で、一人の俳優が、スタッフのために缶コーヒーを両腕に抱え待っている。と、台本の台詞を正確に喋る見知らぬ男が現れる。その台詞は、舞台上にいる俳優が喋るはずだったもの。すでに削除され無になった台詞と台詞がなくなって出番が無くなった俳優が いつの間にか同化してくる不思議感覚。劇に登場しなかった登場人物(台詞)とその役を演じるはずだった俳優の物語はシュール。他方、台詞とは誰のためのものか?観客に向けてであれば、観客不在の前説は何なのか。スタッフが声のみ出演という劇中内の前説アナウンスが笑える。」と記した。

今回の【観客編】と併せて観ると、その面白さは倍加する。やはり両作品あって、その相互作用が演劇としての深みを増す。

今回観て補足する。
1人の男が 上演前に口笛を吹き 鼻歌を歌いながら舞台装置を調整している。「満月だったんですね、今夜。だからこんなに明るいんですね」(満月伝)という台詞がなくなって、出番がない<缶コーヒーを持つ男>がスタッフ業務をしている。そこへビニール傘を持った<ヒーローに見えない男>が客席通路から現れる。台詞がないヒーローとは、その存在価値を巡る問答を通して人の悲哀が浮き上がる。<缶コーヒーを持つ男>が話す 暗闇での自分犠牲の他者救い の例え話に納得する<ヒーローに見えない男>。
登場しない主人公は、映画「桐島、部活やめるってよ」を連想し、最後まで存在が気になった話題作だったが…。

【客席編】
舞台は、幕が閉じたままで、客席前方の2列を舞台に見立て紡いでいく。舞台関係者という男と観劇2度目という女性観客(客席通路から登場)との二人芝居。男は、「沈黙の森」(再演)を観に来た彼女に向って、再演と言っても まったく同じ作品が上演されるわけではないと。暫し演劇論、やがて例え話のように 森の中の木が倒れた音を聞いた、いや聞こえないと言った比喩問答へ変転する。舞台上から見える光景と、客席から見える光景は違う、その相容れない位置関係を同一視するため、彼女を舞台にのせ客席側に椅子を向ける。

<三日月を背にする男>と<A-6の女改めA-5の女>の奇妙な会話は、女の恋愛話へ。前に観た時同様、自分の隣席に別れた彼?が座るかも、そんな願望を<再演>へ込めたかのよう。まるでヨリを戻せるかのような。
さて前説のアナウンスに、携帯電話の電源はオフに…など聞き慣れた説明のほか、「お客様の姿は、劇の登場人物には見えておりません。上演中は、劇の登場人物に話し掛けたりせず、驚かせないよう静かに見守ってください」と。当日パンフにも記してあるが、この言葉が肝。そう言えば、舞台転換時に幕の奥から騒めきが聞こえたが、【観客編】とあるから観客がいると思わせるためかと思っていたが、幕が開いてアッと驚いた。そういう理由(ワケ)だったのか。

一貫して唯一無二、存在するか否かといった舞台(虚構)の世界…同じものはない「たったひとつの かけがえのない世界が 劇の数だけあるのが 劇場なんです」…来た時とは反対側の客席通路を通って帰る女性、見事な劇中劇だ!
次回公演も楽しみにしております。
最後にご招待ありがとうございました。
壊れた風景

壊れた風景

劇団かに座

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2023/06/02 (金) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 舞台セットはコの字を左に90度回転させ空き部分を広げたビニールシートで蔽いその上にピクニックで用いる飲料、食材、それにレコードプレーヤー迄が置かれた空間を囲むようにホリゾント側に道が、コの字の上下(カミシモ)に階段が設えられ、これらの手前客席側が板の端になった構造で、無論回転させたコの字の空洞部分は横長で長方形を為しており、今作の内容と極めて調和的な、よく考えられた舞台セットである。作品は2部構成になっており、パート1と、パート2の内容が可成り異質ということもあって、尚更この舞台美術の意味する所が実に効果的に作られていることに感心させられる。パート1と2の合間に10分の休憩を挟みトータル105分程と尺も申し分ない。台風の中、土砂降り、ずぶ濡れになって出掛けた甲斐があった。

ネタバレBOX


 別役作品は、作品を観れば作者がすぐ分るほどその作品の特徴が顕著であるが、この特徴は作家が学生時代に権力と対峙していた経験から来ているように思われる。権力というものは、無論抽象的には機能しない。必ずその末端には実力を以て権力を行使する暴力装置が存在し、これらの暴力装置は例えば法という形を採った抽象を具体的な犯罪なり、罪なり、刑なりを構築し、その実態と化してゆく為に働く。(言っておくが、被験者は政治犯のみを意味している訳ではない。広義に解釈すれば、あらゆる犯罪は、反権力的である)即ち軍や警察機構がこの任に当たる訳だ。必然的にその対象は、国家権力等の公権力に抗った者たちということになり、この罪等を構築する主体はあくまで軍・警察など公権力の末端側である。当然、対象とされる者たちとの間には、構成要件やその根拠を為すモノ・コト等を巡る丁々発止の遣り取りが存在する。そして、このような背景が示唆するもの・ことは極めて気味の悪い、時にグロテスクでさえある、人間存在そのものに対する侵害、暴虐、圧制、支配のオンパレードだ。確かに体制によって完全に馴致されるに至った者たちにとっては普段一切感じることもないグロテスクではあろう。然しながら本質に於いての反逆者たちにとっては日常茶飯の感覚なのであり、それがベースとなって作品化されていることによって日本を代表する不条理演劇の作家という評価が別役氏に与えられ作品に冠せられることになったのではないか? 筆者はそのように思っている。
 ところで、この「国」の政治及び上位裁判所裁判官らの多くが日常的に犯す犯罪的詭弁は、今作で終始曖昧で主体を誤魔化す話法によって自己正当化を図る倫理的退廃者たちのディスクールそっくりである。この事実の意味することこそ、今作のタイトルに凝縮された“壊れた風景”即ち壊れた健常な精神そのものだ。そう感じるのは筆者のみでないことを祈る。
壊れた風景

壊れた風景

劇団かに座

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2023/06/02 (金) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

台風で大雨警報の中、びしょ濡れになりながら集う人達。しかも別役実の不条理劇。

鳴海悦子さんと浅川こころさんの母娘が山の散策の途中、道に迷う。地図と実際の風景がどうも合わない。自転車を置いて軽い口論。そこにはピクニック用のレジャーシートが広げられ、ピクニックテーブルの周りにはありとあらゆる食材が用意されている。ポータブルレコードプレイヤーからは掛けっ放しの明るいクラシックが流され、今にも楽しい食事が始まりそうな様子。だが、誰もいない。
そのうちレコードは針飛びを起こし、同じ部分を無限にリピートし始める。イライライライラする不快感。和服姿の鳴海悦子さんはそれが気になってしょうがない。
そこにトランク一つで通り掛かるのは薬売りの三上和之氏、駅に向かっている。何十年も通った道だから間違える訳がないと地図を手に取り、現在位置を教えようとするもどうもおかしい。更に大会途中で道に迷ったマラソンランナーの村上達哉氏も現れ、喧々諤々の会話が延々と続く。いや、そもそもその地図がおかしいんじゃないか?と思いつつ。

永遠に続くような何とも言えない不毛な遣り取りは、第二幕から登場する夫婦(馬場大希氏と大谷友子さん)によって更なる加速を見、狂乱の宴の果てへと。

ネタバレBOX

ラストは演出の馬場秀彦氏が刑事役で登場して幕を閉じる。
正直、何かが間違っていると思って観ていた。浅川こころさんと村上達哉氏はもっと強烈な個性を出した方がいい。人間関係のプロレスをやっているのだからキャラ立ちさせないと見ていて退屈。遣り取りに感情が見えた方がいい。「ああ、こういう奴いるな。」と観客に内面を覗かせていった方が。
第二幕から勝手に他人の物に手を出して食いまくる流れになる為、食べ物をもっと美味そうな見栄えにするべき。劇の始めから、観客も演者もそれが気になって仕方がない程。一家心中の最後の晩餐にしてはヴィジュアルがしょぼすぎる。とにかくキンキンに冷えた飲み物を呷り、御馳走にむしゃぶりつく妄想を刺激させる。『千と千尋の神隠し』の両親が豚化するシーン、一度食い物に手を出したら止まらなくなる感じで。
どんどん壊れていく人間模様は『家族ゲーム』っぽい。もっと酔っ払って暴力的でよかったのでは。堰を切ったように各々の人間性の醜さを決壊させて欲しかった。
引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

大雨という悪天候だったが、<ReStart>観に行ってよかった。
テーマは明確…副題にもあるようにー紬ぎ結ぶは「命」の糸ー。
子は親を選べないというが、本当はこの親のもとで生まれ育ちたいと、そんなことを思わせる物語である。この世に生をうけた命もあれば、そうでない といった愛憎の観点で描かれているが、現世にいるか いないか いずれにしても親と子の命の紬ぎ にかわりない。

中盤までは ドタバタと慌ただしいが 緩い観せ方、しかし 終盤は「命」という重い、そして思いテーマがしっかり伝わる感動劇へ。少しきれいに纏めた感があるが、説明あらすじ にある「生まれた時からなぜか一緒にいる”雪江”」の存在がラストに明かされ、涙腺がゆるむ。
(上演時間2時間 途中休憩なし) 【結チーム】

ネタバレBOX

舞台美術は、左右非対称のカラー(アイボリー、ピンク、ブルー)箱を階段状に積み重ね、二階部へ通じる。手摺があり屋上という設定であり、別場所の道路でもある。舞台は、主人公 高松一輝が通う ホシノ大学構内であり、彼に関わる人々の生活空間。この上り下りがスピード感・躍動感を生みテンポ良く展開していく。

故郷 北海道の地を離れ念願の一人暮らしを始めた一輝。同じ大学(医学部)に通う彼女 後藤香澄ができ幸せキャンパスライフを送るはずが…。大学の友人、不思議な存在(もじゃ神様)原田、そして雪江、個性豊かというかキャラの濃い人々が巻き起こす騒動を面白可笑しく観せる。大声、緩い笑いは日常の光景を表したかったのだろうが、少し冗長に感じられた。

一輝と香澄の間に子が授かり、まだ学生同士で産み育てることが出来るか。それぞれの親の生き・考え方、そして今後の2人の対処を通して<命>の紬を描く。特に香澄の母 香織(産婦人科医)も学生結婚をしたが、早くに夫と死別し 1人で彼女を育ててきた。それだけに経済的・精神的な苦労は身に染みて分かっていた。

物語では、一輝の友人 望といつも一緒にいる雪江の存在が肝。香織の大学先輩の雨宮夫婦も学生結婚。妻は妊娠症状を訴え、夫は気遣っているが…。望の本心が知れてから、物語は大きく動き出す。実は望と雪江は、この世に生まれてくることが出来なかった「命<霊>」である。しかし雪江と望の思いと行動は逆で、そこに愛憎の深さを描きこむ。さて雪江、望の両親は…劇場で。

舞台技術…ラストの照明は、ピース模様で人と人の繋がりを表すようだが、少しばらけている。そこに色々な出会いがあるような。音楽は優しいピアノの音色に癒される。衣裳…雪江はフワッとした白地服、望はピッタリとした黒地服で対照的に表し、同じ霊という存在だが思いの違いを示す。最後は望も白地服、そして2人が赤い糸ならぬ紐を持って人々を紬(繋)ぎ結ぶ。実に清々しい印象、余韻を残す。
次回公演も楽しみにしております。
引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

大学生役なんかは役に近い年代の人、もしくは見える人が演じた方がいいんじゃないかな。とは思いました。

カストリ・エレジー

カストリ・エレジー

劇団民藝

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2023/05/26 (金) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

全体的にオーソドックスな演技・演出の印象だが、水の音が絶えずしているのは興味深い。
紀伊國屋サザンシアターは、収容数の割にはトイレが少なく休憩がある公演では休憩時に長蛇の列ができるし、夜公演ではエレベーターでしか降りられず順番待ちになるので、このホールにはなるべく行きたくない。

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