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明日葉の庭

明日葉の庭

ことのはbox

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2023/10/19 (木) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

高齢化社会を生き抜くため、
新しいコミュニティのあり方を模索する人々を描いたヒューマンコメディ。
を丁寧に90分でまとめあげていた良作でした(^-^)

客層も話に準じた感じの年齢層で
作品の登場人物達も根っからの極悪人とかも出さずに
綺麗な寓話風だったなぁ と感想

ネタバレBOX

一級建築士の夫の元を離れてひとり
シェアハウスに来た女性さん
その元夫の聞きわけが良過ぎたなぁとは感じました
なんかエピソードとか入れた方がーとかね
「私の面倒は誰がみるんだ」という捨てられ夫さんの台詞が重いのに
ラストで離婚届も出してリフォームまで手伝ってくれる
心の変わりようは寓話的にしても
洗脳レベルで理解が追いつかないよー何かしら入れましょうー
さもなきゃ出さないとか ね

シェアハウス開設に伴って
同名のアシタバを植えた鉢の植物が
だんだんと育ってゆく演出は良かった

「ばかやろー」口癖の隣人さんも
なかなか自分的には好ましかった

こーゆーほのぼのとした作品は
ハッピーエンドが力技でも好きなので
星数はサービスしますよ~♪
『ダイジェスト・ユアライフ』

『ダイジェスト・ユアライフ』

TCOC

OFF OFFシアター(東京都)

2023/10/19 (木) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

あらすじ

近未来。不運の星のもとに生まれた影山大地は
いつものように最低の一日を過ごしていた。
自宅の鍵を忘れて締め出された深夜、
公園で出会った謎の男に誘われるがまま、
とある試薬の治験に参加する。
それは情報(データ)の錠剤(タブレット)化によって、
口から飲むことですべてを知ることができる薬
データドラック=通称=DD=の臨床試験だった。
あらゆるものがコンテンツ化し
次から次へと消費される世界で、
影山は見失った人生を取り戻すため
実験にのめりこんでゆく。
効率化の果て、タイパ重視の
時短の連続に振り回される男のSFサスペンス。

と公式にある荒筋で物語は展開していきます

世界はクソだと毒を吐き続ける主人公の
薬に振り回される人生の一端を描いた90分の作品

まぁレトロな感じのSF感は好ましかったかなぁ と感想
全席自由

ネタバレBOX

DDは段階があって
最初は幸せな家族関係をデータで味わって
だんだんとレベルが上がってゆくと
DDのデータ上の家族が不幸になり
まぁ人の不幸は蜜の味って感じで
精神の安定を薬に依存してゆく主人公さん
DDのレベルは4までのはずが実は最高レベルは5で
知り合った女性の転落家族人生を追体験しているという
話でした・・・・OPで逃避行してる主人公は
海外へ逃れる為の飛行機が墜落してENDのはずが
実は公園で寝ていて夢だった=薬をもらう前=でした
という感じで終わるも
続くエピローグシーンでは
クソな世の中で生きてて
状況は変わらずも実はDDを飲んでいて
ここはデータの中?それとも・・・?で終演です
謎な終わり方でオープネンドにして観客に結末を委ねる形ですね
古典SFではよくある手法ですけど
それなら最初の方には飛行機での逃亡とかのシーンは入れなくても~
とかは思えたね=逆にDDで時間的なモノを混乱させるならアリかしら=

長方形の骨組み箱を用いての
シンプルなセットと
状況=場所=説明に持ってきたり置いたりする
小物なミニチュアセット手法は面白かった

また配信=動画=メインな昨今で
倍速で今作を観ると
また違ったものが見えてくるという話を
OPでしてきたとかもユニ~クでしたんで
星数はオマケします(^-^)
明日葉の庭

明日葉の庭

ことのはbox

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2023/10/19 (木) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Team葉を拝見。もっとコッテリした人情話を予想していたけど、小品的な味わいの舞台。前日にたまたま漫才協会のサイトを見たばかりなので、下地きく乃さんてピン芸人載ってたかなあと思ったら「うぐいす餅」の人かあ。

ミラクルライフ歌舞伎町

ミラクルライフ歌舞伎町

亜細亜の骨

サンモールスタジオ(東京都)

2023/10/20 (金) ~ 2023/10/25 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

戦前・戦後から歌舞伎町の発展に関わってきた台湾華僑の人たちの話を、現代の老人ホームと時制を行き来しながら出演者6人で描く。制作のきっかけになった本の一つだという「台湾人の歌舞伎町」、6〜7年前に出た本だったと思うが、当時気になったまま買い漏らしていたので、探して読んでみよう。

にしむくさむらい

にしむくさむらい

劇団まっとーば~

シアター風姿花伝(東京都)

2023/10/20 (金) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

朗々としたセリフの発声、生気のない行進、何度も繰り返されるどこか遠い所を見つめるシーン、生演奏などによってこれまた独特の雰囲気がある別役芝居になっている。

レイディマクベス

レイディマクベス

TSP

よみうり大手町ホール(東京都)

2023/10/01 (日) ~ 2023/11/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

たいへん抽象的な芝居。マクベスを下敷きにしているということを知っているし、天海祐希だからかろうじて見ていられる。天海祐希はりりしく格好いいが、孤軍奮闘という感じ。バンクォー(要潤)はマクベス夫人の幼馴染であるとか、国王ダンカン(栗原英雄)の従姉妹のマグダフ(鈴木保奈美)とか、「マクベス」からはみ出した設定もいろいろ。マクベス夫妻の娘(吉川愛)は、この殺風景な芝居にふく、一陣の春風であり、せめてもの救いだった。

戦争をやめるため「反撃しないことはできないんですか」(マクベス夫人)などなどの願いが、「国も文化も滅び、我々は奴隷になるだろう」(ダンカン)と恐怖と脅しによってはねつけられるなど、現代の戦争に通じるところもある。そこは評価しなければと思う。2時間15分(前半1時間15分、後半45分。休憩15分込み)

ネタバレBOX

ダンカン王の寝室に忍び込むのはマクベス夫人の方で、寝ている王の周りで「私にはできる」と自分を鼓舞しながら、なかなか手をくだせないのは、見せ場である。
王冠がマクベスへ、そしてマクベス夫人へ、最後は娘へと、王位に就く者が次々殺され、その殺したものが王位を継いでいく様子は、ダークな黙劇だった。
同盟通信

同盟通信

劇団青年座

新宿シアタートップス(東京都)

2023/10/13 (金) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

日本の戦争の過ちを、いくつもの戯曲に書いてきた古川健の新作。いわば戦争については専門家なので、史実に裏付けられたドラマは非常に安定した出来である。対米交渉は成功の眼があったのか?南部仏印進駐をやめればまだ交渉はいくらでも可能だったが……というくだりなど、「帰還不能点」を思い出す。
今回は同盟通信社の「戦時調査室」という史実を提示してくれた。戦争に懐疑的な記者たちの隔離部屋だったが、終戦工作のための情報収集集をやり、終戦の決定にも貢献したと。

松本重治、加藤万寿男の実在したジャーナリストを配しつつ、「国のための宣伝」ではなく「客観事実の報道」をすべきだと悩む若手記者の葛藤が、一見すると書生論だが、しかし否定できない議論として訴えるものがある。

多重露光

多重露光

(株)モボ・モガ

日本青年館ホール(東京都)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

なんといっても稲垣吾郎のための芝居。そこにいて声を出すだけで舞台が成り立つ。他のキャストは出入りが多い中で、稲垣吾郎だけほぼ出ずっぱりであることに、この芝居の構造が集約されている。間口の広い舞台なのに、まったく隙間を感じさせないオーラは、やはりスターである。
したがって、泣いたり叫んだりのオーバーアクションをしない、彼の自然体のたたずまいが舞台のトーンを決める。稲垣の独白の多い戯曲とあいまって、安定して落ち着いてみられる芝居だが、激しい衝突や修羅場も、意外とあっさり終わってしまうのは否めない。

冒頭、橋爪未萠里がキャンキャンせめて場を盛り上げ、竹井亮介が、天然のボケに徹して笑わせに行くのだが、、どうも笑いがはじけない。それも稲垣吾郎の、柳に風と受け流すのがあまりに自然だから、周りが浮いてしまうからだろう。

ネタバレBOX

いくつか仕掛けが仕込まれているが、その生かし方がもったいない。一つは純九郎(稲垣)が、小学生時代、仲睦まじい近所の一家に憧れて、家族写真を盗み出してしまっていたこと。これを後半で麗華(真飛聖)がその写真を見つけて、責める。しかし、観客にはあらかじめ純九郎の独白で明らかにしているので、驚きが弱いし、麗華の責め方も中途半端になってしまう。
もう一つは、戦場カメラマンの父親(相島和幸)が生きていたこと。これも、途中の母親(石橋けい)の回想シーン(ここだけ稲垣吾郎はいない)でネタバレしている。母親が昔、急に寝込んだことがあった、きっと父の死の知らせを受け取ったのだろう……だけで寸止めしておけば、クライマックスの父帰宅の意外感がもっと違っただろう。母との回想も最後にとっておいてもいいのではないか?

純九郎が高校の運動会の撮影をすっぽかすのも、やりようによってはもっと修羅場になるところだ。
蛇姫花伝

蛇姫花伝

ヅカ★ガール

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/10/21 (土) 18:30

鏡チームを観劇。
ファンタジーな世界に誘われ楽しめました。
衣装やメイクが華やかで素敵でした。
鹿島田さんの舞いを久しぶりに観る事が出来て嬉しかった。

舞台「かげきしょうじょ!!」

舞台「かげきしょうじょ!!」

「かげきしょうじょ!!」製作委員会

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/10/21 (土) 12:00

原作を観てはいませんでしたが、楽しんで観られました。
もう少し歌唱のシーンやダンスのシーンがあっても良かったと思いました。

水の手紙

水の手紙

チーム・クレセント

ザムザ阿佐谷(東京都)

2023/10/20 (金) ~ 2023/10/23 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

踊りがすばらしく、水の手紙がいっそうひきたったと感じます。

ネタバレBOX

水をいろいろな観点から捉えたメッセージは強弱、説得力があり、水の持つエネルギーを感じました。最後の歌はとても感動し魅了されました。
写真

写真

劇団普通

カフェムリウイ「屋上劇場」(東京都)

2023/10/19 (木) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「そうでしょうよ。」
「いい〜よ。」
「なにい?」
「な〜んだろ。」
「いいでしょうよ。」

後藤飛鳥さんは青春事情の『ちーちゃな世界』で若年性アルツハイマーの役が強烈だった。八木亜希子っぽい。
その夫、近藤強氏はやたらガタイがよく、晩年の木村政彦を思わせる。
後藤飛鳥さんの弟は用松亮氏、今作では岡田斗司夫っぽかった。

茨城の片田舎に家を建てた姉夫婦、子供はいない。自動車整備工場で働く独身の弟がたまに顔を出す。

旬の天才を味わえる稀有な空間。東京03がずっとやっていくとここに行き着くのでは。笑いを求めないコント。じゃあ何を求めるのか?それは観てのお楽しみ。

ネタバレBOX

やはり登場人物は先の話をする。老後、介護、その先は死。語るべき話なんて身の回りの細々とした出来事を話し終えたら、それしか残ってない。「誰かいい人いないのか?」「この先どうする気なんだ?」
滅びていく家族の話にやたら拘る作家。大丈夫、みんな滅びるよ。消えて無くなるよ。
「アカルサハ、ホロビノ姿デアラウカ」
明日葉の庭

明日葉の庭

ことのはbox

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2023/10/19 (木) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

中高年群像劇といった趣が新鮮。
東京都だけど離れ小島、という場所の設定も絶妙で脚本の巧さが光る。
いろいろあって島のシェアハウスへやって来た6人の中高年女性たちが
いろいろあって”家族のように”なっていく過程が楽しい。
公演を重ねてそれぞれのキャラがもっと深いところから立ち上がったら
さらに素晴らしい舞台になると思う。
それにしても「明日葉」というのは良い名だ。

ネタバレBOX

若い女性が、かつて両親と住んでいた築70年の家を
シェアハウスとして貸し出すことにした。
申し込んできた6人の中高年女性たちは、皆それぞれに事情を抱えている。

独身を通した人、バツ3の人、熟年離婚、酒飲み、
専業主婦で料理上手、散歩とブログが大好き・・・、とバラエティに富んでいる
”事情”があって当たり前、それが人生、というおおらかな前提が心地よい。
ことさらぶつかり合う展開でないのが反ってリアルで共感できる。
島の人々も何だかんだ言いながら関り合い、手伝ってくれるようになる。

台風で大きな被害を受けたシェアハウスだが、
協力を申し出てくれる人々のおかげで再開のめども立ち、
やや物わかり良すぎる感もあるがハッピーエンドでめでたしめでたし。

高齢者問題というには少々若すぎる面々だが
シェアハウスといい、女性の人生観といい、
イマドキ感あふれる、なかなか面白いテーマだった。
(ただし実際の女性たちはすでにもっと先を行っているかも)

心優しい展開だけに、登場人物のキャラの味付けがあと少し濃くなると
旨味と味わいがぐっと増すはず。
中高年群像劇というジャンルの面白さを再認識した気がする。
春の遺伝子

春の遺伝子

テノヒラサイズ

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2023/10/20 (金) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

舞台は近未来だけど派手さはなく小説を読み進むかのように1枚ずつページをめくりながら進んで行く感じがジリジリヒリヒリして「凄み、不安、恐怖」が蓄積されて行くんです☆でもラストシーンは小説より舞台だからこそのインパクトで人間の醜いエゴは未来にも存在するんだろうなと感じてゾーッとしました☆今作で新しいテノヒラサイズ作品の振り幅を感じたんで次回公演が既に楽しみになりました\(^o^)/

明日葉の庭

明日葉の庭

ことのはbox

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2023/10/19 (木) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

色々な事情を抱えた住人たち。集まれば面倒な事はつきものだが、それでも情愛は芽生えるもの。それが人間だもの。

春の遺伝子

春の遺伝子

テノヒラサイズ

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2023/10/20 (金) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/10/21 (土)

とっても良かったです。脚本の良さに加えて、役者さんのレベルも高かったです。いつもはコメディをメインに公演されているようなので、そちらも観てみたくなりました。というわけで、お気に入りの劇団になりました。

明日葉の庭

明日葉の庭

ことのはbox

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2023/10/19 (木) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

中高年女性向けのシェアハウスで共同生活をすることになった女性の過去と今後、これからの生き方を見つめた人間ドラマ。入居にあたって過去は詮索しないといったルールはいつの間にか無くなり、それぞれの人生を語り出す。

公演は、説明にある「高齢化社会を生き抜くため、新しいコミュニティのあり方を模索する人々を描いたヒューマンコメディ」であるが、同時に今でも蔓延っているであろう男女の意識の違い 桎梏も描く。勿論 小さな島における地元住民とのトラブルもあるが、そこは あまり掘り下げない。あくまで明日葉に<明日を生きる>といった意を込めた思いを中心に描いている。人の温かさ優しさ、そして地元(島)の人たちの素朴さ、そんな人間愛に溢れた作品である。
ただ、少し気になったことが…。
(上演時間1時間30分 途中休憩なし)【team箱】10.23追記

ネタバレBOX

舞台美術は、明日葉ハウスの共同スペース(ダイニング)、中央にテーブルとイス、上手は玄関・中央に暖簾 奥はキッチン・下手は階段 へ通じる出ハケ口がある。柱や梁があり簡素な造りだが、物語を紡ぐには十分。

卑小…先に 気になったことを記すが、それは時の経過が はっきりしないこと。たしかに 暗転させシェアハウスに集まってきた女性達が暮らしに馴染んでいく様子、会話の変化、さらに島の人々とのトラブル等、ドラマは展開していく。しかし「明日葉ハウス」の経営者(管理人)である清野日菜子の衣裳がほとんど同じ・・いつも黄色薄手の上着とパンツルック。主役であるため多くの場面に登場するが、見かけの変化がない。またハウスで暮らす女性達の衣裳も同じようで、時季の移ろいが感じられないのが惜しい。伊豆諸島、都心に比べ過ごしやすいといった(気候)台詞はあるが…。

物語は、明日葉ハウスに入居した個性豊かで色々な事情を抱えた中高年女性とハウス経営者(管理人)や島の人々との触れ合いや摩擦を通して、新たなコミュニティを形成していく過程を面白可笑しく描く。
観どころは、入居した女性たちの性格・生き様を語り合うところ。沢木京子(阿部由美恵サン)は、独身で下訳をしていたがペットロスで孤独を感じ、大曽根真紀(荒井ぶんサン)は、有名なインド俳優との叶わぬ恋に破れ、西久保 綾(瀧山貴美子サン)は、酒好きで 離婚3回という男依存症のよう、古谷良美(浅見恵子サン)は、ずっと専業主婦で、夫が亡くなり 息子と同居したが嫁姑の問題、出口久江(秋元和子サン)は、島内巡り・写真撮影・ブログとマイペースな行動、そして樫山智恵子(上村正子サン)も専業主婦だったが…。どこかで見聞きしたような性格や事情を点描し、多様な人生を連想させる。

最初は距離を置いた関係が少しずつ自己表現する。縁もゆかりもない土地で新たな生活を築くのは、相当な勇気がいるだろう。一人では寂しい、しかし他人との煩わしい関係は避けたいといった心持が透けて見える。敢えて小さな島での共同生活、時にぶつかり合うが、穏やかに過ごしたい。そして台風によって半壊になったハウスを<家>と実感する迄が本筋。

別に、樫山智恵子は偽名で、夫へ離婚届を置き家出するように行方を晦ませた。その夫がやってきて、口論が始まる。「誰のおかげで食えるんだ」と怒る夫に対し、仕事一辺倒で愛情のかけらも感じられない夫に嫌気がさして…。女らしさ男らしさといったジェンダー問題(ギャップ)もあるが、自分らしさ といった<存在>と向き合うことの大切さが滲み出る。キャリアを目指す女性もいれば、専業主婦として生き甲斐を見出している人もいる。そんな多様な生き方(他の登場人物も含め)を思わせる。例えば、主婦として生きてきた古谷良美を肯としている。本作ではラスト、夫の豹変ぶりに驚かされるが、それでもハッピーエンドとして 上手くまとめている。
次回公演も楽しみにしております。
DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

KUROGOKU

王子小劇場(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/10/20 (金) 19:00

「teamL」を観た。初見のユニット。如月小春1983年の戯曲を2度目の上演だと言う。よくできている。102分。
 いろいろなところで何回も上演されている如月の代表作の一つらしいが、観たのは初めて。女子中学生の集団自殺という実話ベースの物語らしいが、それを寄宿制の高校生の物語として構成する。同ユニットで2度目の上演だと言うが、手慣れた感じもあって丁寧な作りになっているし、女子高校生を演じた5人が本当に巧く「ジョシコーセー」を演じていた。ちょっと残念なのは、5人の女子高校生たちが抱える「もどかしさ」が浮き上がってこない感じがするのだが、そういうことではないのだろうか。
 ダブルキャストながら両方に出る役者もいるのだが、それが同じ役ではないことが分かり、もう1チームも観てみたいのだが、残念なことにコマが足りない。

明日葉の庭

明日葉の庭

ことのはbox

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2023/10/19 (木) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

自己主張が強かったり、ルールを守らなかったりと、なかなか集団生活はうまくいかない、癖のある人たちが繰り広げる、と個性の強い人の集まりでしたが、人情味あふれる内容で、心打たれました。

ネタバレBOX

シェアハウスを舞台に、前半はゆったりとしたペースで進んでいきますが、暗転のタイミングでの音楽がいいアクセントになりました。それぞれの人生の重みが随所に魅せられ、味わいを感じる舞台でした。最後が壊れた家屋を修理する業を、シェアハウスに入った女性の元夫が受け持つという締めは絶妙ですね。
DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

KUROGOKU

王子小劇場(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

〈team L〉
流石に打ちのめされた。
1982年12月24日夜7時10分、横浜市の女子中学三年生3人が磯子駅近くのビルから次々と飛び降り自殺をした。ごく普通の明るい子達、全く理由も分からず。
遡って1977年6月25日夕方、愛知県の五条川で同じく中学三年生3人が手を繋いで川へ飛び込んだ。二人溺死。
今作は1983年初演。これらの事件の真相を如月小春さんなりに解き明かしてみせたもの。
尾崎豊のデビューは1983年12月、時代はまだ見ぬ新しい価値観を欲していた。

聖子ちゃんカットの平均的少女は松井愛民 (あみん)さん。ニコニコ誰とも何となく付き合える。
ガリ勉優等生は藤山ももこさん。医師になる使命感が強い。
マイルドヤンキーは柊みさ都さん。独りで在ることをを凝視する人生観。
幼児性の強い甘えん坊は石田梨乃さん。リアル。
委員長的責任感の元山日菜子さん。水トちゃんっぽい。

この5人が私立高校の寄宿舎で同部屋で暮らした一年間を、事件後の大人達が調査する。彼女達に一体何があったのかを。

この作品は今の女子中高生にこそ観せるべき。
一体自分達をずっと苦しめ続けているものの正体は何なのだろう?言語化出来ずずっと感じてきたもの。どうも何かが決定的におかしい。
「あ、海が白くなってきた!」

是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

戦前の『死のう団事件』を思わせる少女達の呼び掛け。
自殺を完全に正当化する反転した主張は当時衝撃的だったろう。鶴見済の『完全自殺マニュアル』なんかもそうだった。そこに嘘がない。『囚われ』や『計らい』がない。『ライ麦畑でつかまえて』で一番印象に残るエピソード。寮で飛び降り自殺をした友達が着ていた、自分が貸したセーター。まるで自分の身代わりのように。

[team R]には身体ゲンゴロウの柳町明里さんが出演。気になる。
欲を言えば、傑作『ピクニック at ハンギング・ロック』のように消えていく少女達の永遠性を視覚的に表現して欲しかった。言葉では言い表せないものを顕現させる魔法。その余りの美しさに善も悪も溶けていく。

エレファントカシマシ『太陽ギラギラ』

どうした、その顔?皆楽しそうだよ
ああ、俺には分からない
ああ、本当に楽しいの?

空を飛ぶ鳥、愉しげで・・・
ああ、おそらく俺は幸せさ

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