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音楽劇「ブンとフン」

音楽劇「ブンとフン」

NHKエンタープライズ

よみうり大手町ホール(東京都)

2023/06/15 (木) ~ 2023/06/23 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

井上ひさしの、お偉いさんを揶揄し(「権威がなければ皆ただの人間」)、戦争にあきれ(「魂がないと人間は」)る歌の数々がおもしろい。フン先生(橋本良亮=イケメン)のパソコンから飛び出した=50年前の原作の設定がアップデートされている=ブン(浅川梨奈=かわいい)の奇想天外の大泥棒の話である。「ブン、どこにでもいるブン、誰にでもなるブン、ふしぎなブン、ゆかいなブン」のブンの歌を聴いて、「ブン=文=ことば」なのだと初めて気づいた。井上ひさしは芝居に演劇論をおりこむように、小説に文学論を入れていたのだ。言葉こそ、何でもできる不思議で愉快な存在なのだと。しかも原作の小説よりも、この歌が長く、内容を膨らませている。この脚色のおかげで、一層井上ひさしの隠し味がくっきりした。(権威を盗め」の歌も、拡充している)

ブンが誰にでもなるところを、フン先生以外の俳優が、入れ代わり立ち代わりブンになって見せる演出も面白かった。
ブン逮捕のため呼び出される悪魔(松永玲子)が、弾けた演技でキャラが立っていて面白い。今回トップの怪演である。

ピアノ(かみむら周平、音楽も)、ギター、ヴァイオリン(鹿野真央、出演も)の音楽をバックに、朗読劇としては十分に質の高いものだった。ナレーターは升毅。

ネタバレBOX

ブンとフンは愛し合うようになる展開は、小説だと親子のような愛情だが、舞台では恋人同士に。俳優に合わせた自然な変更だ。おかげで若い人気俳優二人のロマンスで舞台もロマンチックに。ロマンスは芝居の脚色なので「ただ好きなのさ 理屈はいらない」の歌もは脚色かと思ったら、原作にあったのは意外だった。原作の持つの幅の広さ、人生の知恵の豊かさは半端ない。

ラストは小説とは違っていた。裁判で有罪になったブンは、北朝鮮とロシアのブンと衝突し、危なくなる。それを救おうと、フン先生が小説に新たに手を入れよう、というところで幕。原作では、刑務所は嫌なものという常識を覆し、「ブンにならって盗みましょう、みんなで仲良く盗みましょう」「はいりましょうよ 刑務所天国良いところだよ」と、さわがしい大団円?になる。

今ふと思ったが、井上ひさしのこのラスト、ひさしの個人的ナンバーワン映画「ミラノの奇跡」に似ていないか? 「ミラノの奇跡」は、バラックのユートピアを警察に追われた貧民たちが、みんな揃って天国へ登っていく。
夏至を待つ

夏至を待つ

遊気舎

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2023/06/15 (木) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/06/17 (土)

おばあさんの住んでいた古い家でドラマは展開します。いくつもの時代を経た家族の愛と人生の物語です。文学的な香りのお芝居でした。

少女都市からの呼び声

少女都市からの呼び声

新宿梁山泊

花園神社(東京都)

2023/06/11 (日) ~ 2023/06/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

唐十郎らしい初期の作品だ。
唐十郎もすっかり現代演劇古典の一角を占めるようになって、この唐節満載の舞台にも観客は慣れている。ことに今回は、このテント公演を皮切りに、続いて、渋谷のおしゃれの先端パルコ劇場で、ジャニーズやタカラヅカ、さらにはナイロンの人気者を迎えてひと月(30公演)の公演を控えている。秋にはこの本で劇団新宿梁山泊の新人公演をザ・スズナリでやるという。この興行形態もかつてない挑戦的な試みである。昭和後半以降の劇作家で、小から大まで、どんな劇場でも上演できる作品が描ける作家は数少ない。
赤テントの継承劇団では最大の劇団の首領・金守珍の演出で、続くパルコ公演も、ほとんど脇は同じキャストでやるらしい。他の継承劇団がもっぱら唐作品だけしかやらないのに、新宿梁山泊は、キムの作品をはじめ韓国作品など手数も広く、テントに変わる主劇場・すみだパーク倉もある。今回は始祖の地、新宿花園神社の境内に紫テントを張って夜だけのの16回の公演である。
「少女都市からの呼び声」は初期の唐の奔放な劇的世界がよく現われた作品だ。
主人公の名は、いつもの田口。舞台が開くと田口(六平直政)は原因不明の病で倒れ、緊急手術の手術台の上にいる。緊急手術の結果、田口の腹の中からはふさふさとした女性の髪の毛が摘出される。それは、双子として生まれるはずだった妹、雪子(水島カンナ)が田口の体内で育った髪の毛だった。田口は幻の雪子を探して旅に出る。
さすがに作者だけのことはあって、唐十郎本人の雪子の説明はうまい「男が起きるときだけ起き上がるもろいガラスの少女、自分の変わりに生まれていたかも知れない少女、舞台には、いつも、損阿はかなく美しい妹が潜んでいるのです」。かくして、ガラスの体をもった少女は、満州の荒野をさまよい、オテナの塔を目指した旅する田口の前に清純と淫靡のさまざまな姿で現われる。
満州に君臨するフランケ醜態博士(金守珍)、日本軍の連隊長(風間杜夫)、彼らを支える看護師たちや兵隊、乞食老人が紡ぎ出す幻の世界を縫って蝶の羽を背に一輪車に乗った子供のような島田雅彦(染谷知里)が駆け回る。
話の筋はよくわからない。しかし見ていれば、舞台に引き込まれてしまうのが唐マジックである。奔放なイメージで次々に現われるシーン、言葉の力。何かにとりつかれたような俳優の演技、押し被せるような大音響の音楽。かつての暴力的な力は薄くなっているが、それでも、舞台はテントを圧倒する。
ここには出発点の唐の演劇が残っている。それが、あの、パルコ劇場は移ってどうなるか。一部の俳優が変わるだけで、唐を引き継ぐこの演出が大きく変わるとも思えないが、たのしみではある。


ネタバレBOX

戯曲が手に入りやすい形で出版されている。読むとなるほどとよくわかる。早川書房刊の演劇文庫。
雨の世界

雨の世界

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

二度目のSPIRAL MOONは前回に同じく「劇」小で。ウテン結構作品を初めて取り上げた上演の由。一時間余の小編である。私としては物語の要素を回収し切れたのか?という戯曲の問題が残ったが、若い作家の若い作品をSPIRALの手で端正な舞台に仕上げた、と見るべきだろうか。

ネタバレBOX

雨男、雨女に着眼した意欲的な作品だが、Spiral所縁のはせひろいち氏ならばどう書いたか、前川知大なら?などと想像する。SFや空想科学なフィクションで重要なのは設定で、役者がその世界を生きられているか。私が観た組はその存在である主役は秋葉女史。初日だったせいか台詞の一瞬のまごつきも(ステージが間近なだけに)見えたが、役の存在を人生観にまで落とし込めていたか、あるいはそれが可能なテキストだったか、気になった。彼女にとって雨は小さい頃からイベント毎に降られていたものだった、とすると、それが彼女自身にどう影響したか、また通った小学校は不運な年代として全校児童が共有する記憶になるものだろう。実は百発百中ではない、という事であれば、本人も周囲も奇異には感じなかったという事があるだろう(個人的にはその線で行きたい)、そうすると四人組の友達でやった「実験」の結果の捉え方もより緩やかになろう。それがある確信に至るまでもう一プロセス必要だろう、とか。
エピソードは面白い。恋と友情の青春時代、そして雨女の由来に迫り「立ち向かう」人生の師として現れた姉の存在等。その人の人生にはいつも雨が降っている、というイメージは強く感覚に訴えるものがある。舞台はそれを意識した感があった。
が、上記諸々により終演時に浄化へ到達しなかった後味である。以後のステージではどうなっているか、また別の組もあるとの事で、見てみたい気持ちはある。
独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜

独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2023/06/15 (木) ~ 2023/06/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

演出も役者の演技も良かったです。
演出は場面ごとにテイストを変えていて良かったです。

雨の世界

雨の世界

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い。
秋葉舞滝子 女史は演出の魔術師か、そんなことを改めて感じさせる素晴らしさ。
舞台雰囲気の統一感、そこに漂う優しさ、温もりがじわっと広がる。丁寧な演出は いつも通りだが、「雨の世界」という独特の世界観を抒情豊かに紡ぐ。

昨年、ウテン結構第6回公演「雨の世界」(サブテレニアン)を観ているが、やはり劇場・演出・役者等が違うと全く印象の異なる作品が出来る、ということを再認識。比べるのも どうかと思うが、終演後 秋葉さんと話した際、熟女が演じた と。ウテン結構は瑞々しさ、一方 SPIRAL MOONは、大人女性のしっとり感、その違いこそが作風であろう。
コロナ禍で厳しい状況が続く演劇界、それでも<生>の演劇の醍醐味を存分に味あわせ 楽しませる、そんな<気概>を感じさせる公演。
(上演時間1時間20分 途中休憩なし)【月組】

ネタバレBOX

舞台美術は、暗幕で囲い 上演前は中央に木製の椅子1つが置かれているだけ。床は切紙が敷き詰められている。場面に応じてテーブルや椅子を搬入 搬出もしくは配置換えをすることで情景・状況を変化させる。始めに運び入れられた木製の玄関ドア、それ以降に運び込まれるテーブルや椅子も形状こそ違うが 全て木製である。床の切紙が照明によって色づいた枯れ葉のイメージ、また木立の中を思わせる情景 といった全編<木>の温もりを感じさせる。同時に山奥か と思わせる。下手には 紫陽花の鉢植。

物語は サスペンス風に始まるが、いつの間にか女同士の少し痛い友情物語に変転する。俗信の雨女、その悲哀と雨天(嵐)ゆえに知り合った女性の話を交差させ、「雨」をテーマにした物語を抒情的に紡ぐ。更に雨女になった謂われ といった家系的な繋がりを描くことで、更に深刻な悲哀を表出する。
嵐の夜、1人の女・しおり(斎木亨子サン)が助けを求めて館のドアを叩く。館の主は幸子(秋葉舞滝子サン)といい、快くしおりを館の中へ入れる。冒頭、強風と雷鳴の音響、黒のフード付きマントを羽織った幸子の老婆風の佇まいや喋り方で怪しげな雰囲気が漂う。世間話をしているうちに、幸子が若いということが分かる。そして自分は「雨女」と言い出す。

場面は 幸子の学生時代、親しかった友人4人(男2人、女2人)との思い出話だが、必ずしも楽しい思い出だけではない。運動会・野外行事などのイベントが雨で中止になったのは、4人の中の誰かが「雨女」もしくは「雨男」だからだという。さらに友人カミーユ(環ゆらサン)との恋愛を巡って仲違いをする。
一方 しおりは、何でこんな嵐の夜に慣れない運転をしていたのか。幸子がしおりの様子から、状況を推理し始める。父親からの虐待、逃避行動するために嵐の日を選んだ。しおりが学んでいる心理学、その学問(心理)的な場面を「過去<幸子>と現在<しおり>」の物語として挿入する。幸子の回想としおり の現状が直接繋がる訳ではなく、それぞれの話を交差させ「雨」に纏わる物語を紡ぐ。

興味深かったのは、「雨女」は家系でもあるような説明。農村地域、そこで雨乞いを司る家があったという。現象「雨」は、人によって、または時と場合によって捉え方(大切さ)が異なる。が、幸子の姉 福子(最上桂子サン)は小学校の教諭をしているが、学校行事のたびに雨が降り、自分の存在そのものが邪魔者扱いされる。自分ではどうすることも出来ない理不尽な宿命、家系・血の呪いのようなものを感じて、ついには…。

演出で面白いのが、降水現象をパネルを使用した科学的な説明をする 一方、フロイトの心理学を、しおりと幸子の会話で説明していく。具体性と抽象性を交錯させたような描き方。
音響は、暴風雨・雷鳴のサウンド・エフェクト、場面転換時はピアノの優しい音色。照明は全編薄暗い色調、そして話す女性の心象を浮き立たせるための、淡いスポットライトが実に効果的だ。
役者は女優4人、男優2人の静かだが力のこもった演技で、不思議な世界へ上手く誘ってくれる。ラストは暗幕を開け 心象風景に光が差すような…。
次回公演も楽しみにしております。
夏至を待つ

夏至を待つ

遊気舎

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2023/06/15 (木) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

太宰治らしい穏やかな時間が流れる情緒的なお芝居。
悲哀や葛藤の演技に惹き込まれて
役者さんの台詞を聴き入る。
懐かしさや素朴さが感じられる
不思議な展開に最後まで楽しめました。

ホテル・ミラクルThe Final

ホテル・ミラクルThe Final

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

REST verを観ました。

ネタバレBOX

ホテルの一室で起こりうる5編のドラマのうち、特に、初めの2編「シェヘラザード」「よるをこめて」がおもしろかったですね。ドキドキする場面、話の展開が引き付けられるものがあり、目が離せませんでした。休憩をはさんで、「きゅうじっぷんさんまんえん」「グリーブランド」「獣、あるいは、近付くのが早過ぎる」は前半に比べて、雰囲気が変わり、静かな、そして、落ち着いた様相に感じました。もう少し大きな逸脱するような展開がほしかった気がしました。
雨の世界

雨の世界

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

本日月チーム拝見しました。以前に別の団体さんでこの演目を拝見したことを観ていて思い出しました。でも、また違う感じで楽しめました。舞台ってこうだから面白いですよね。本団体さんは一つ一つ丁寧に作られている感じがして大好きな団体さんのひとつです。今回も、楽しく拝見しました。いつもいただく袋も使わせてもらってます。

独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜

独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2023/06/15 (木) ~ 2023/06/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Team葉初日を拝見。ことのはさんは大好きな団体さんで複数回拝見してますが、今までにあまり当たらなかったジャンルと言うかテイストでした。新しい発見的な感じです面白かったです。しのだみさん応援なので見られてよかった!楽しい時間を過ごせました。また次回も楽しみにしてますね

『工場』『夜景には写らない』

『工場』『夜景には写らない』

世田谷シルク

座・高円寺1(東京都)

2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/16 (金) 14:00

『工場』を観た。いろいろと考えてしまう。95分。
 「日本に似たある国」の工場の分析課に、「移民」の男がやってくる。言葉の問題や習慣の違いから起こるいろいろだが…、の物語。描かれている出来事は、ありそうだな、と思えるが、今はこんな風に対応しないよな、とも思う場面も少なくないけど、多分それは堀川には問題ではなくて、異文化との接触はこういう風に進むかもしれない、という例を示しているように思う。後半、別のタイプの新たな移民や吃音者の登場があり、個々に対応されることなんだろうな、と思った。堀川は2008年から観ているのだが、パフォーマンス寄りの演劇者であることを改めて確認した。

楽園

楽園

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★


#豊原江理佳 #土居志央梨
#西尾まり #清水直子
#深谷美歩 #中原三千代
#増子倭文江(敬称略)
これは子宮の話だ。
子宮は世界だ。
子宮は宇宙だ。
子宮は深くて広くて温かい泉。
子宮は神秘。
何が善で何が悪なのか。
政治がゲームのようで、そこに渦巻く権力争いも、なんだか『はないちもんめ』の数取り合戦。
神に捧げる祈りの歌と踊りが、ソコを刺激する。
確かにソコに宿るモノを可視化させた土居志央梨さんが素敵だった。
とっぽくてヤンチャ風な若者が真っ直ぐに世の中を見つめ、大上段に構えて正論を振り下ろす。そのギャップを豊原江理佳さんが見事に立ち上げた。
暗躍する権力者の嫌味を清水直子さんが好演。あの感じは、そう容易く演じられるモノではない。嫌われる空気をしっかり纏っていた。
作・演出の山田佳奈さんの作品の中で一番良かったかもしれない。
意外性はなくとも、王道の展開が楽しめる。
もっとたくさんの方に届いてほしい。

スイートホーム

スイートホーム

制作「山口ちはる」プロデュース

シアター711(東京都)

2023/06/07 (水) ~ 2023/06/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/06/16 (金) 19:00

こりつち舞台芸術チャンネル(オオイリ)プレイガイドで紹介があり観劇しました。ダンボール箱にガムテープを貼る意味深のシーンから始まり舞台はどんでん返しが何回もあり、さらなるダメ押しで大いに楽しく観ました。面白くおかしく、怖さ(妻の愛憎)ありの時間があっという間に経ちました。

ホテル・ミラクルThe Final

ホテル・ミラクルThe Final

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 Stay ver.を拝見。短編作品のオムニバス。もう一つのヴァージョン、Rest ver.を含めHotel MiracleのTheater Miracleでの最終公演となる。拝見したStay ver.の演目は以下の通り。途中5分の休憩が入る。
「噛痕と飛べ」「THE WORLD IS YONCHAN’s」「スーパーアニマル」「愛(がない)と平和」「最後の奇蹟」(追記2023.6.17)

ネタバレBOX

 何れの作品も脚本作家が異なり結構大人のお色気や手練れと初心、年配と若者(思春期を含む)等の取り合わせの妙もあって面白いが、自分は「最後の奇蹟」が最も気に入った。
 登場人物は2人、中年の花火師とJKである。物語が展開するのはラブホで他の4作と変わらない。ところでこれだけ世の中が狂ってくると、まともな神経をしている人たちはもうとっくの昔に世の中に完全に嫌気がさし現在世の中を動かしている権力者や金持ちなど、所謂力のある者たちの施政や経済運営にはうんざりすることにすらすでにうんざりして、とっくに匙を投げてしまったように思われる。そしてそのように匙を投げる他なかった自分たちの無力と現実的効果は持たなかった幾つかの提案にも絶望し本当に魂の深い所では、人間の創り出してしまった地球環境の破壊に善処し得なかったのみならず、今作に描かれた結果を招いたヒトという地球上の食物連鎖最上位者の一員最後の務めとしてせめてその害を齎した我々自身と共に総てを無に帰することを希っていることまでは誤魔化すまいと脱出船搭乗を拒み為政者たちが更地にするこの地球に他の生きとし生けるものたちへの歪んだ愛情と自らの非力を罰する為に居残った。そんな2人が交わす最後の会話は、ヒトが死ぬ前に走馬灯のように見るという全人生のパノラマにも似て、今作で描かれた他の総ての作品の中で2人が各作品各々の登場人物として出会ってきた思い出として展開するが、それはこの劇場シアターミラクルが今月限りで閉館することと重なっているのは無論偶然ではあるまい。様々な念や人生の一齣、一齣を形にして届けてくれたこの劇場への劇場方、観客方双方の様々な想いも交錯している。願わくはこんなに素敵なシアターミラクルを創り長きに亘って運営してきた総てのスタッフが更に大きな箱に移って、また観客である我々に新たな観劇の機会を与えて下さることを願っている。長い間、素敵な時間を本当にありがとうございました。
ノーウッドの建築士

ノーウッドの建築士

シアターOM

シアターOM(大阪府)

2023/06/16 (金) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

満足度★★★

犯人は誰だ❗みたいな演劇ではない
犯人はいるのだが、依頼人の要望を聞いていくなかで、謎を紐解いていく感じ
ミステリーファンには少し物足りないかも 笑える場面もあるし、稲森さんが良い味出してました(いつもか)

キラメキ 2023

キラメキ 2023

関西演劇集団 Z system

駅前劇場(東京都)

2023/06/15 (木) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/06/16 (金) 19:00

120分。休憩なし。

幸演会

幸演会

オパンポン創造社

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2023/06/15 (木) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

幸演会というフィクションを見ながら、自分を演劇を、いや何かはわからないけど追い求め続ける姿に心が揺さぶられた。幸演会の人々の人間味にも圧倒された。

点滅する女

点滅する女

ピンク・リバティ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2023/06/14 (水) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/06/16 (金) 14:00

座席1階

「点滅する」とはホタルのことだ。ホタルのようにはかなく点滅しながら、亡くなった家族が生きている家族の間を飛んでいく。そして、家族の間にあった微妙な関係が変化していく。現世と天国がクロスオーバーする異色の会話劇である。

家族は工務店を経営する父に、少し気の強い母、兄と姉妹である。姉は5年前に事故で亡くなっているのだが、この姉がまったく知らない女性に取り憑いて家族のメンバーが持つ秘密を暴いていく。幽霊をストーリーテラーにしたのは非常に面白いし、成功している。
作者は、家族というどこにでもある人間関係に小さな緊張、微妙な擦れ違いやあつれきを見いだして、家族のメンバーが持つエピソードを非常にうまく構成している。幽霊だから(もう死んでいてこの世にはいないから)ズケズケと真実を指摘していくのだ。死んじゃった家族が天国から見ているもの、それは絶対家族には言えない秘密なのに、それをこの世で暴露されては生きている家族はたまらない。そういう意味ではかなり残酷な会話劇でもある。

自分にとっては物語の切り口がとても斬新に思えた。ピンク・リバティはこのようなスタイルで過去作もやってきたのだろう。もっと早く見ておくべきユニットだった。

幸演会

幸演会

オパンポン創造社

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2023/06/15 (木) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

オパンポン好きです。

しかし先週Youtubeで見た、ビートたけしの教祖誕生を思い出した。

雨の世界

雨の世界

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/06/16 (金) 14:00

星チーム。80分。休憩なし。

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