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舞台 兎狩りC200の闘劇視察

舞台 兎狩りC200の闘劇視察

SIGNALWORKS

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2023/10/25 (水) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/10/25 (水) 13:00

座席1階H列1番

初日に観劇しました。B席で最後列でしたが、それでもステージから遠くなく、音響も問題なし。
どの席から見ても十分楽しめそうです。

舞台は、いままで見たことが無い独特の世界観で、特にバニーの美しい姿を前面に押し出したビジュアルは刺さりました。
スポットライトを浴びて立つ、バニーの美しい姿はこの世のものとは思えない美しさです。
この極上の世界を見ないのはもったいないです!!!

P.S
私がこれを書いているのは公演3日目の夜、残すところ公演は明日と明後日の合計4回のみです。
まだこのコメントを見て行くかどうか迷われている方がいるなら、騙されたと思って行ってください。間違いなくその価値はあると思います。あなたもその目で確かめて!

ヘンリー四世

ヘンリー四世

G.Garage///

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2023/10/26 (木) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

二部作を一晩でやってしまうのだが、原作のエッセンスを巧く抽出して欠けるところなく面白く魅せてくれる。演者の特徴によるのか、なかなか機知に富み狡猾な側面が引き立つフォルスタッフ像で、なるほどと思わされる。リチャード二世の時と同様、あの狭く細長い舞台でシェイクスピアの遠大な作品世界を創造してしまうとは、まったく恐れ入る。素晴らしい公演。

激流ノ果テ-再演-

激流ノ果テ-再演-

劇団東俳

あうるすぽっと(東京都)

2023/09/30 (土) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/10/01 (日) 15:00

昨年の池袋演劇祭大賞受賞作品。

セットの両端が切れているように見えるのは、昨年の劇場でのセットをそのままあうるすぽっとという大きな舞台に設置したためか。

(以下、ネタバレBOXにて…)

ネタバレBOX

現代の女子高生・咲良が自死しようとしたが、その意識が終戦の年に米軍の空襲から逃げようとして高台から転げ落ちた妙子の身体の中に転移する。記憶喪失と見做された妙子として生きながら、戦災孤児となった武子と清子の幼い姉妹の面倒をみる中で生きることの意味を見出していく…。

登場人物が多いこともあって、圧巻の舞台ではある。

が、回天という兵器(というか人間魚雷)について何の説明もないままでただ「回天」と言うだけで、現代の観客に通じるのだろうか。
また、海軍兵士の敬礼が陸軍式のものだったのは残念。海軍の敬礼は(軍艦内の狭い通路ですれ違うため)脇を締め、肘を身体に寄せて行なうのだ。演出家にそういう知識が欠けていたのか。これだけの内容の作品を創ろうというのであれば、もっと詳しく調べるべきだったろう。

高い位置から妙子を見守る咲良役の中島明子の台詞がはっきりせず、時折聴き取り辛かったのも残念だった。
人生交換Ⅱ

人生交換Ⅱ

劇団たいしゅう小説家

萬劇場(東京都)

2023/09/13 (水) ~ 2023/09/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/09/17 (日) 12:00

CoRichで毎公演チケットプレゼントを行なっているものの、全くといっていいほど観劇後の「観てきた!」投稿が無いため、実際にはチケットプレゼントなどやっていないに違いないとユーザー間で疑惑が囁かれている劇団。
今回の私もチケットプレゼントに応募してみたが、やはりハズレた。

劇場に入ってまず感じたのは観客層がよくわからないこと。様々な年代の幅広い客層は小劇場というより商業演劇のそれに近いかもしれない。
舞台セットが照明の効果もあって美しく、かつSF的な感じもうまく出している。
5分遅れで開演、上演時間1時間45分。

(以下、ネタバレBOXにて…)

ネタバレBOX

地球担当を押し付けられた宇宙人が狂言回し的な役柄。
ダンサーや格闘家、ブルジョアのお嬢様、県会議員、ホームレス、トーヨコキッズにおカマ…といった9人の男女が集められ、この宇宙人から人生交換を持ちかけられるのだが、それが地球の破滅を救うことになるかもしれないという設定がまず不可解。
このレベルの、しかも少人数の日本人のテストだけで地球全体の運命を決めるということへの、説得性のある説明がないのだ。

まあ作品として面白くはあるのだが、設定に加えて内容も表面的で掘りが浅く、かつ予定調和的な展開に終始する。

何かやりきれない感じで劇場を後にしたのだった。
MARIONNETTE(東京公演)

MARIONNETTE(東京公演)

劇団The Timeless Letter

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/10/01 (日) 12:00

ダブルキャストのteam FAKEを観劇。

関西の劇団で、4年ぶりの池袋演劇祭参加だという。関西の劇団で池袋演劇祭といえば、2014年に池袋演劇祭初参加にして大賞を獲得した京都の劇団ショウダウンを思い出さずにはいられない。それもシアター風姿花伝という不利な立地の劇場での2時間に及ぶ一人芝居でだった。

The Timeless Letterという劇団は初見だが、シアターグリーンのBIG TREE THEATERでの公演というのにまず驚かされた。かなりの集客力がなければ赤字必至となるであろうからだ。この回は観客に指定されていたのはセンターブロックのみで、上手側と下手側の両サイドは使われていなかった。となると、6割程度の入りか。

(以下、ネタバレBOXにて…)

ネタバレBOX

劇場に入ってまずそのセットの見事さにしばし見とれた。当日パンフの図解によれば正面の十字架と円形のステンドグラスはロザリー教会、上手はスコットランドヤード殺人捜査課の部屋、下手はローガン製薬の社長室だという。20世紀初頭という時代がかった雰囲気も良く出ている。
これらのセットについては3人の女優による前説でもギャグを交えながら説明が行なわれる。
ただ気になったのはローガン製薬社長室のデスクの上に蛍光灯スタンドのような形の卓上照明器具が置かれていたこと。20世紀初頭だとまだ白熱球の時代であり、デザイン的にああいう形のものはないはず。
時代的におかしいといえば、葉巻を吸う場面も同様。ジッポー型のライターで着火しているが、このタイプのポケットライターは米国のロンソンが1927年に、同じく米国のジッポーが1933年に発売したものがその始まりであり、20世紀初頭にはまだ生まれていないのだ。

序盤で黒いドレスの5人の女によるダンスがあり、それが終わると舞台中央に赤いドレスの女が倒れており、その傍に2本の薔薇が置かれている、という場面が秀逸だ。そして第二、第三の殺人が行なわれ、薔薇の本数も7本、13本と増えていく。物語はテンポよく進み、舞台への集中を途切れさせない。照明と音響がさらにその効果を強めている。

伏線も見事に回収され、かつ「悪魔のくちづけ」というサブタイトルもきちんと活かされている。

2時間ちょうどで終演となり、カーテンコール。事前に上演時間は2時間10分と説明されていたのだが…と思っていると、カーテンコールの最後に中央奥からハケようとした新人巡査のハンナが(千穐楽のカーテンコールということで直前まで涙を流していたのだが)十字架のところで立ち止まり、いきなり笑い出す。そして明かされる驚愕の秘密…これが更なる伏線の回収となっており、それが終わったのは開演から2時間10分後、思わずは~っという感嘆の溜息が出た。
役者陣の演技も含め(殊にハンナ役の愛恵―“まなえ”と読むらしい―が印象的)、素晴らしい舞台だった。

が、いまひとつ残念だったのはロープにダニエルの指紋が付いていたという個所。スコットランドヤードでも1901年から指紋が犯罪捜査に用いられるようになってはいたが、21世紀の現在でも布地から指紋を採取することはほとんど不可能なのだ。ましてやロープからなど…。
ミラクルライフ歌舞伎町

ミラクルライフ歌舞伎町

亜細亜の骨

サンモールスタジオ(東京都)

2023/10/20 (金) ~ 2023/10/25 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

感想遅くなりました。とっても良かった。面白かったです。役者の皆さんのあの、若者から老人への早変わり、圧巻でした。内容も歴史もその時の時代背景も分かりやすくて、ほんと引き込まれました。途中の歌の場面が入り方がわからなくて…あそこはみんなで歌うとこ…だったのかな。ども、本当に知らない歌も多くて。
内容演技、そして熱演。素晴らしかったです。よい時間を過ごせました。

煙突もりの隠れ竜

煙突もりの隠れ竜

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2023/08/18 (金) ~ 2023/08/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

東京支部を初めて大阪で観た。
コロナ挟んで数年ぶりって集客難しいね。
メルヘンな類は苦手な私なので、初見序盤こそは入り込めずに苦労したが、世界が広がっていくうちにのめり込み、後にテーマ曲特定してダウンロードするまでに中毒性がある作品だった。
壱劇屋でしか観れない、雄弁な殺陣、表現は流石だ。
コンスタントに大阪に来て欲しいなぁ。

屋根裏のバーニャカウダー

屋根裏のバーニャカウダー

劇団6番シード

新宿シアタートップス(東京都)

2023/10/25 (水) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

シアタートップスに出現した屋根裏部屋で繰り広げられるある家族の物語。そのバタバタさに大いに笑いました。暗転後の明転で見える景色に笑ったり驚いたり。
そしてアフタートークで披露された裏話にさらに笑いました。配信にはこのアフタートークと現場では見られなかったその後のゲストトークもあるそうで、うーん見たいですね。次回見に行ったら、絶対あそこのシーンは気をつけて見てみます。

MaNNequiN -マネキン2023-

MaNNequiN -マネキン2023-

もんぴぐ

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2023/10/26 (木) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

タイトル通りのマネキンたちのファンタジー。神も仏もいて、歌ありダンスあり。楽しかったです!(追記予定)

サンタクロースが歌ってくれた

サンタクロースが歌ってくれた

キャラメルボックス・ディスカバリーズ

新宿スターフィールド(東京都)

2023/10/26 (木) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

(Xチーム)

全く期待していなかっただけに驚く程良く出来ていた。
ウディ・アレンの『カイロの紫のバラ』という傑作がある。大の映画ファンのミア・ファローが大好きな映画を観に毎日映画館に通い詰める。すると登場人物の一人がずっと自分を見詰めているミアのことが気になってくる。到頭スクリーンを抜け出てミアに話し掛けてしまう。映画内は登場人物が欠けた為、進行出来ずパニックに。そんなてんやわんやのコメディ。今作はそれを踏襲している。

『ハイカラ探偵物語』という映画を観に行く主人公(中尾彩絵〈さえ〉さん)。誘った友人(石森美咲さん)が来ないので遅れて一人で観始める。全く不人気でしかもクリスマス・イブの為、観客は主人公一人。内容は大正の華族の洋館に怪盗黒蜥蜴からの犯行予告。警部(田中のぶと氏)、若き日の芥川龍之介(辻合直澄氏)、平井太郎(後の江戸川乱歩)〈齋藤雄大氏〉がそれを阻止する為集まる。だが・・・、重要な登場人物が突然いなくなってしまった。どうも捕まるのが嫌で映画の外に逃げ出したらしい。

ヒロインの和田みなみさんが昔女優を目指していた知り合いに似ていて感慨深い。彼女はハッピーな展開を迎えて欲しいもの。
令嬢役の南澤さくらさんは白目を剝いて女・函波窓といった怪演。
警部役の田中のぶと氏は無声映画の一人アクションで場内を大いに沸かす。
石森美咲さんはベテランの手堅さ。
芥川龍之介の婚約者役の環幸乃さんは流石に場を回す。
挟まれるダンスが可愛らしい。

劇団の代表作と謳われるだけあって、工夫が凝らしてある。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

観客が主人公一人の為、大きなパニックにならないのが演劇らしいが勿体無くもある。映画から人が飛び出して来たのだから、とんでもない事件にならないとおかしい。まあその辺が難しい塩梅なのだが、この大事件の中でキャラクターの恋愛の真相解明の為に登場人物達が駆けずり回るアンバランスさを売りにしても良かった。
声に生きる!

声に生きる!

声のプロダクション キャラ

扇町ミュージアムキューブ(大阪府)

2023/10/26 (木) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

満足度★★★★

声を仕事にする人(ナレーター)の話
内容はベタであったが、隣の女子?はめっちゃ泣いてたけど、そこまで…だった
が、ランタイム二時間弱はあっという間でした❗
満足🈵😃✨

無関係のジョバンニ

無関係のジョバンニ

妖精大図鑑

吉祥寺シアター(東京都)

2023/10/13 (金) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

同じ吉祥寺シアターで複数のダンスユニットによる短編企画で観たのが初(このユニットが目当てで観に行った)。次が桜木町で今回やっと三度目とまだ少ないが注目しているグループだ。多摩美時代から活動し、脚本の飯塚うなぎと振付の永野百合子が台詞シーンとダンスとその中間と、勇剛しづらい両者が渾然一体となった一つの世界観を作り上げ、どくじである。両名とも舞台に立つ。
10周年記念という本作、初見の時と同じく吉祥寺シアターの劇場機構を活用して水を得た魚のようであった。
実は昼間にも関わらず電車でまさかの寝過ごし(さっき「恵比寿〜」とアナウンスが耳に入ったから今着いてる駅は恵比寿かせいぜい渋谷だと発車を待っていたら、ドアが閉まって「次は池袋〜」新宿であった)。
15分遅れで入場する際、案内の方に「恐らく抽象的な舞台だろうから途中から見ると解らないのでは?」と冒頭からのシーンについて聞くと、(逆に)「一つ一つのネタがバラバラですからどこから観てもきっと楽しんで頂けます」と笑顔。
「そんなものかな?」と思いつつ観始めると成程、クスッと笑かす場面が数珠つなぎに続き、時折舞踊が入る。踊りもセンスを感じさせつつコミカルな、世を超越した目で描かれる芝居もどきに呼応した動きが繰り出される。直裁なメッセージがダンスに込められ、芝居に属する表現はひたすら婉曲に何かを言わないために作られてるかのよう。笑える場面や言葉で間を埋めながら、どこかに向かってる感は描写されている。
何しろ20分近く見逃したので何とも言えないが、ここでない別の世界(ステージ奥のシャッターを境界に広がるパラレルワールド)を探検気分で探してる雰囲気だが、別の世界を「切望する」文脈に読めるワードが一瞬チラッと織り込まれていたような、いなかったような。
狐につままれた気分で劇場を後にしたが、注目の度合いは変わらず。ユニットもこの路線を益々確信をもって邁進する模様である。

へたくそな字たち 【東京公演】

へたくそな字たち 【東京公演】

TOKYOハンバーグ

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2023/10/25 (水) ~ 2023/10/26 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すごい舞台。
シナリオと演出が傑出している。

同公演は何度も観てきたが、今回は仕上がりがまた異なる。
どの場面も素晴らしいがそれらが連結し積み重なり、舞台を観終わった時には衝撃が強く言葉が出ない。
これが感動なのだと思い知る。

同じことを感じた人は多いようで、終演後に無言で座席でアンケートを書く姿が多数。
ロビーに出るとさらに驚いた。
20人?30人?が小さなテーブルや階段の段差に向かって黙々とアンケート用紙に記入している。

過去の同作を観た人なら舞台全体がよりまとまり昇華されている印象を持つと思う。
演じられる人物の繊細さや深みは過去公演の方が琴線に訴えるものがあるように感じるのだが、今回の公演の方に深く動かされた。
どうして?

淡々と語られる深く切ない各登場人物の背景、時にコミカルな演出、ハイテンポの掛け合い。
引き摺り込まれる。
大西弘記氏の力量に感嘆する。

無理して観に行って正解だった。
すげえな。
これまじすごい。
明日の(今日か)の三鷹の楽か北海道が残ってるが、演劇が好きなら観た方がいい。
北海道はどうしても行けないので悔しい。
観た人は感想を教えてください。お願いします。

恋の焔炎

恋の焔炎

ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団

日本橋公会堂ホール「日本橋劇場」(東京都)

2023/10/17 (火) ~ 2023/10/18 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/10/17 (火) 19:00

 フラメンコ公演というと普通はスペインの舞踏団とかを思い浮かべる。更に今までは、有料でフラメンコを見たことが一度もなかったが、今回は日本人によるフラメンコ公演でしかも有料で、日本の伝統芸能とのコラボということで、何もかもが初めて過ぎて、正直不安のほうが勝っていたが、公演を見終わったあとは、スペインのダンサーが一人も入ってない割には、かなり良くできた仕上がりだと思った。
 ただ、やはり、本場のスペインのフラメンコダンサーと比べると到底比較出来るレベルには到達できているとは言い難かったが、踊っているのが日本人だと考えると、切れもあり、頑張ったほうだと思う。

 フラメンコと日本の伝統芸能である、日本舞踊、女義太夫、津軽三味線、歌舞伎の附け打ち、太鼓が見事なコラボレーションをしており(もっともフラメンコと日本の伝統芸能側双方がお互いに妥協した部分が多少あったにせよ)、観ているうちに、不思議なことにはフラメンコと日本の伝統芸能の組み合わせがさほど気にならなくなった。
 また、日本語の歌詞に合わせたフラメンコの舞踏や詩、義太夫節の物語に合わせて、フラメンコダンサーと日本舞踊の踊りての組み合わせ、狂気や執念の肉体的表現に心揺さぶられ、いつの間にか常軌を逸した物語状況の中へ引き込まれていった。

春の遺伝子

春の遺伝子

テノヒラサイズ

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2023/10/20 (金) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

しくしくと進むストーリー!
役者さんの重たい演技、世界観
途中にウィットにとんだ台詞も挟みながら展開していく。
重たい内容でしたが最後まで惹き込まれる作品でした。
最後の叫びが未来を予感して心に響きました。

確かにテノヒラサイズの違った面が観れたお芝居。

金夢島 L’ÎLE D’OR Kanemu-Jima

金夢島 L’ÎLE D’OR Kanemu-Jima

東京芸術劇場

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2023/10/20 (金) ~ 2023/10/26 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

二十年ぶりとなる太陽劇団の来日公演は時事ネタから、世界中の言葉と伝統芸能もどきまで演劇ごった煮の華やかな大興行。前回の新国立劇場の普段は客席としては使わない裏の道具部屋(?)で上演した文楽もどきの公演から、プレイハウスの大舞台へ、時代の変化を実感させる公演だった。
かつての禁欲的な辛気くささは全くなく、時代表現のためには何でも取り入れる。
舞台は種々雑多、何でもあり、音楽、伝統芸、浮世絵から西欧絵画のドロップに世界各地(中東からアメリカの懐メロまで)あらゆる種類の現代に生きる人のどこかにひかかりそうな表現手段と、人種を越えた俳優を総動員したエネルギッシュな現代の演劇表現である。これが世界演劇の潮流だとよくわかった。確かに、昨年来日したルーマニアのブルカレーテの「スカーレット・プリンセス」(櫻姫)にも、野田が海外で試みた公演にも、国内公演では、それと知らずに足並みが揃ったのか知らないが、KERAの「カフカ第4の長編」にもこのように何でもありの手法で、演劇がこの世の真実つかもうとしている現代演劇の最先端の姿があった。
二十世紀演劇から次の時代への足音が着実に聞こえる大公演である。
舞台の上(俳優)だけで五十人ほど、裏方まで入れると百人はいようかという引越し公演である。これで6回しかやらない? 赤字はフランスのシャネル、日本の京セラなどが支援する。これでは官僚天下りの公立劇場で税金をチマチマ分け合って身内のことしか考えない公立劇場では太刀打ちできない。フランスまで行かなくても良いし、字幕(読みやすい)まである客は大もうけである。
自国民となってみると、ヨーロッパの日本ファンの、こそばゆいような誤解もあるが、そこも又今の世界に生きる人間としては受け入れてさらに、理解を福かめていかなければならないと思う。その過程が大事なのだ。フィナーレの甘ったるい音楽ではないが、そうして人間は僅かな幸せや希望をもって今の世に生きている。

舞台「けものフレンズ」Re:JAPARI STAGE ~おおきなみみとちいさなきせき~

舞台「けものフレンズ」Re:JAPARI STAGE ~おおきなみみとちいさなきせき~

avex live creative

クラブeX(東京都)

2023/10/20 (金) ~ 2023/10/31 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

擬人化された動物に扮するコスプレなエンターテインメント、なかなかに楽しめました。

ヒモのはなし

ヒモのはなし

ヒモのはなし製作委員会

ささしまスタジオ(愛知県)

2023/10/17 (火) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

東京組と東名組は演者が違うとこうも違うか!という感じでしたが、名古屋組は演出と演者が違うと全く別物!
名古屋組は現代人にとっつきやすいというか、すっと入ってくる感じでした。

ミラクルライフ歌舞伎町

ミラクルライフ歌舞伎町

亜細亜の骨

サンモールスタジオ(東京都)

2023/10/20 (金) ~ 2023/10/25 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
戦中・戦後と現代を往還させ、日本(内地)で生きる台湾人の艱難辛苦をエピソード…本「台湾人の歌舞伎町」にある章(年代 毎)?を参考にして綴った労作であり快作といった印象だ。夢や希望を見失った日本人、未来に夢見る台湾人といった気質の違いが鮮明だ。

戦後の焼け野原だった新宿 歌舞伎町の復興と活性化に尽力した台湾華僑の人々、そんなタイワニーズを6人のキャストが早変わりで複数の役を担って紡いでいく。また、歌(手話付)・ダンス(タップ・ジルバ等)・パフォーマンスで愉しませ飽きさせない。

公演の魅力は、戦後にも関わらず 明るく前向きな姿、それはコロナ禍で疲弊した現代だからこそ バイタリティ溢れる内容(虚実綯交ぜ)から元気と勇気がもらえる。描き方は、新宿歌舞伎町の老人介護ホーム「ミラクルライフ歌舞伎町」の老人たちの回顧録もしくは思い出話として懐かしむようだが、実は まだまだ恋バナをするほど明日を見つめている。

生きるといった生活臭や格調ある芸術の香、まったく違うエピソードを点描することで、時代というか世相が垣間見える面白さ。例えば 戦後闇市での取り締まりを掻い潜るシーン、小山内薫の自由劇場、無声映画「路上の霊魂」(ゴーゴリー原作 他)など幅広く取り上げる。勿論 現在ある問題ー高齢者に顕著な認知症ーから逃げることなく真摯に向き合う。しかし その描き方(説明)が、何となく栄養・医療の啓蒙のような気がして…。
(上演時間1時間30分 途中休憩なし) 10.28追記

ネタバレBOX

舞台セットは、正面上部にモニター、上演前は 収納付きBOX型椅子が横に5つ並んでいるだけの ほぼ素舞台。上演前からモニターにキャスト名をスクロールし映す。俳優6人が早変わりで多くの登場人物を演じるため、混乱しないよう モニターや当日パンフ(人物相関図)で説明するなど丁寧な対応。

物語は、戦後 引揚船の中で将来を語り合う台湾人の姿から始まる。そして焼け野原になった新宿の復興へ、といった関りを時代毎のエピソードを絡め点描していく。昭和20(1945)年から平成27(2015)年頃までの約70年という時を縦軸とし、年代ごとの出来事、例えば 新宿ムーランルージの再興などを横軸として描き 物語をリアルに立ち上げていく。

現実には、長い時間とそこで暮らす人々の喜怒哀楽があるはずだが、それを舞台化することで凝縮して紡ぐ。しかも 生きた人々の記憶を歴史資料で裏付けするような感じにだ。公演は、台湾人をメインにしている。戦前は"日本人"として暮らしていた多くの台湾人、朝鮮半島出身者が、サンフランシスコ講和条約によって日本国籍を喪失したが、それでも”外国人”として活躍している、そんな人々を生き生きと描いている。

公演は、「ミラクルライフ歌舞伎町」にいる人々の 回想もしくは回顧するような展開。時間軸を自在に変化させ、年代ごとに過去と現在を往還させ、歌舞伎町の時々の歩みを観せる。「台湾人の歌舞伎町」によれば、<虚脱から再起へ><理想と停滞><焦燥から光明へ><胎動から興隆へ>そして<爛熟、そして変容>といった単語で歌舞伎町の歴史を表す。そこには ヤサグレ者をも迎え入れる度量の広さや面倒見の良さ、多種多様な人々によって成り立つ街であることが協調(強調)されているようだ。

演劇的には歌(ロシア民謡・ウクライナ民謡・台湾軍の歌など)に手話を交え、ダンスで観(魅)せる。そこには 楽しませることは勿論だが、物語の底流にある生きる喜び、バイタリティ といったことを感じさせる巧さ。
次回公演も楽しみにしております。
DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

DOLL 全公演終了しました、ご来場ありがとうございました!

KUROGOKU

王子小劇場(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

如月小春が急逝して20年以上過ぎますが、当時、如月が綴ったコトバが、今の若い世代にも、しっかりと引き継がれていることを、うれしく思います。一方で、自ら生死を選択したくなる衝動のようなものが、今もなお変わらずに、誰にでも存在する現実に、目を背けてはいけないと改めて思いました。これからも、この時代に、如月のコトバを復活させてくれることを、楽しみにしています。

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