フートボールの時間
(公財)可児市文化芸術振興財団
吉祥寺シアター(東京都)
2023/10/26 (木) ~ 2023/11/01 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
殆ど完璧と言えるほどに女子たちの心情、立場、目の前に立ちはだかった時代の通念への思い、素直な発見への喜び、相手への依頼心を含めた友情、胸に秘めた切望が、丸ごと伝わって来る。
彼女達の一挙手一投足が胸を打って来るが、これは弱者に対する優越性のなせる「感動」の類だろうか。。(と自問する程に琴線に触れまくりだったのだが、、彼女らの無念さへの共感と、理不尽さへの怒りとやるせなさ、そして人は変われるものでもある微かな希望という言葉にすればお芝居の定番メニューのような感想が口から出てくる。素直に吐露して良いものか逡巡してしまう。)
ala collectionは10年程前に発見してより頑張って2、3回に一度ほど観てきたが、やはり良質な作品を作る。
幻想振動
イデビアン・クルー
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2023/10/27 (金) ~ 2023/10/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
抽象性の高いパフォーマンスが「ハマる」というのはどういう現象なのか自分でもよく分からないが感覚している自分がいるのは事実で実に不思議。
井手氏本人の踊りは初めて。イデビアン・クルーは三度目。身体の動きは心情、感情を伴っており、そこが井手氏の特徴だろうか。ビニルシートを取っ払うと六畳一間の畳部屋の台。周囲は砂利を敷く代わりに白い無機物が敷かれた畔のような筋が、その左右に奥へ向かって伸び、奥では上奥袖から下奥袖まで一本伸びる(上から見ると鳥居のような)。最初、舞台の舞踊エリアの対角線に男女が立ち、目線が合うと、男女の関係だと分かる。カップル同士の営みが時に面白おかしく、時に虚しく、切なく、冷淡だったりノリノリだったりが演じられて行く。
動きのバリエーションは(井手氏っぽい動きというのはあるようだが)多彩と言え、先述した如くそれらは心情・感情のバリエーションを意味する。そして心地よい。
舞踊には楽曲も不可欠だがスタイリッシュ。一曲目のヴィヴァルディの曲が微妙な強弱が少し入ったと思うとエコーが微妙にかかったり、鳴り方が変わったり(ステレオ全開が局所でAMラジオの音、になったり)、空振りパンチ攻撃に合わせて効果音の「空を切る音」を入れ込んだりと忙しく、嬉しい。一曲目は唐突に終わり、突如ベース音がリズムを刻みスローなドラムに、二人の揺らぐ身体が揃う。理屈抜きに相性抜群な瞬間だ。
音楽は5,6曲程だったか。ボレロも流れる。人生のあらゆる場面だったり、想像の世界を遊ぶ時間だったり、どちらかの見る夢だったり・・。
延々と続く二人の風情への既視感は、最後に種明かしがある(その作品を知らなきゃ分からないが)。
1時間と少しと舞踊作品としては平均的だったが、もっと長く、めくるめく時間を過ごした感覚である。
同盟通信
劇団青年座
新宿シアタートップス(東京都)
2023/10/13 (金) ~ 2023/10/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
久々の古川健戯曲の舞台鑑賞。やはり歴史物(とりわけ戦争責任にまつわる)をやらせると右に出る者無しではないか。戦時中実在した通信社のの「戦争」と共に歩んだ軌跡を、ジャーナリズム精神の視点から批評的に描いた力作。
登場人物中、海外からの情報を参照する語学力と現状分析力に長けた加藤という人物が、彼の提供した情報にも関わらずこれを無視したとしか思えない戦争続行の決断または停戦交渉を怠った不作為への批判を可能にする。「知りえた情報」を前に、それをどう受け止め、これ以上の犠牲を出さないための判断ができるか・・厳しくこれを問わなかった陸海軍を悪しき先例とするなら、科学的精神の発露を尊重し、知に対する畏敬を育むことがこれに応える一つと言えそうだが、学術会議や大学改革などを見る限り現状はそれに逆行する。
損得利害を離れた領域が、今や聖域と化しつつあるようで・・知に謙虚に問うてみる科学的態度の大きな後退が
見られた例が、東電による「処理水」海洋放水を巡る反応であった。
大手メディアさえ政府・東電の説明に疑問も挟まず看過した。日本は十分に戦前化しており、その事にあまりに無自覚である。
写真
劇団普通
カフェムリウイ「屋上劇場」(東京都)
2023/10/19 (木) ~ 2023/10/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
カフェムリウイは二度目。表からは建物の判別にまた手間取ってしまったが大方の距離感を頼りに辿り着いた。大風の吹く中、三人の会話劇が始まる。畑のある田舎、のどかな風景が窓外に広がってるだろう部屋のテーブルに弟を挟むように姉夫婦の姉が弟の向かい、夫が隣に居る。
劇団の常連かつ茨城弁芝居に不可欠?の用松亮は毎度の親父キャラと思いきや今回は少し違い、登場時点からいつにない目付きを見せ、小柄だが強い姉(後藤飛鳥)に逆らえない弟役。その姉の「でっぱり」分を「ひっこめ」る塩梅が夫婦の秘訣、といったような姉の夫(近藤強)。
短めの芝居という事で以前映像で観た感じの「切り取った」写真のような劇だろうかと想像していたが、その通りの作品だった(思わず「写真」と書いたがたまたま。「写真」は芝居でちょっとだけ出てくるアイテム)。
キャラといい会話の間のリアルさといい、噛んで味がするこの幸せな時間は何だろう。この路線、掘って行ってほしいとは個人的願望。
失われた歴史を探して
新宿梁山泊
ザ・スズナリ(東京都)
2023/10/12 (木) ~ 2023/10/15 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
同作者による「旅立つ家族」(文化座)を今年はじめに観たばかり。植民地時代と戦後、韓国と日本と二つの時と国をまたぐ話を、今回と同じ金守珍が冴えわたる演出で壮大なドラマに仕上げていた。苦悶の内に他界した朝鮮人画家イ・スンヨプの魂の彷徨であったが、今回のは同じく日韓現代史の断面を切り取った劇でも題材はあの関東大震災時の朝鮮人虐殺だ。これを劇化した日本人作家は不勉強ゆえ知らないが、題材が題材だけに、実際存在しないかもしれない。
作者は、渡日朝鮮人の従業員たちと、彼らに理解ある社長、及びその家族というコミュニティを真ん中に据え、大震災というエポックが彼らに何をもたらしたか、という視点で歴史を叙述した。芝居は劇中劇の形を取り、冒頭とラストには現代シーンがある。件の社長の手記が百年後の現代、古本屋に並んでいたのを「高かったが背に腹は」と入手したライター志望?の女性(水嶋カンナ)が、友人(杉本茜)と聖地巡礼=社長の実家を探しに田舎町を訪れているのだが、このシーンで映画「福田村事件」のパンフを持って熱っぽく語ったりする。重いテーマの芝居への軽やかな導入を趙氏又は金氏が追加したのか、原作にもあったのかは不明。
本編の劇では、社長(ジャン・裕一)の息子(二條正士)と、朝鮮人職長(趙博)の娘(望月麻里)との男女関係、それを見守る娘の弟がいる。社長の家族は二人の関係を正統なものとして受け入れようとしている。他には朝鮮で叶えたい夢のため切り詰めてお金を貯めている従業員(ムンス)、博打に目がない従業員(青山郁彦)、彼を追ってやって来るヤクザ者(藤田佳昭ら)、通報があったと刑事(大久保鷹)も登場する。彼は震災での混乱の中で良い働きをする。だが夢追い人は無惨に殺され、朝鮮人を留置所に匿ったと非難された刑事は彼らを追い払うも、火をつけられる。息子の許婚は実は子を宿していたが、一度逃げ出すも絶望に襲われなぜか炎の中へ飛び込んで行く。
工場に匿われていたのでは迷惑がかかると飛び出て行った朝鮮人従業員の内、職長と博打好きは最後には生きて戻り、娘の死を知らされる。危機が迫る中、相手の息子との結婚を社長夫妻に申し出られても一旦持ち帰ると答えてしまった己の不覚を悔いて泣く。
この歴史事実で看過してならないのは「流言」が意図的に、公権力から発された事だが、金守珍演じる何とか大臣と管轄下の警察のトップの太々しいやり取りが書きこまれている。
全体には梁山泊らしい演出であったが、唐十郎のような詩であり幻想である「フィクションでしかない」作品世界には悲壮な色を帯びた(大貫誉の音楽に象徴される)演出は適しているが、史実を扱い、史実である事が重要である作品においては果たしてどうか・・というのは残った。
よね牛の1人でやってみたQ
COWCOWシネマ
北池袋 新生館シアター(東京都)
2023/10/27 (金) ~ 2023/10/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
本日拝見しました。一人で映像もうまく使って、飽きさせることなく良かったです。元気なお芝居何回もの衣装替え大変ですね。でもよくまとまっていて面白かったです。映画も撮っているとのこと。機会があれば拝見しますね。頑張ってるのが、伝わってきましたよ。応援してますね
朝劇「恋の遠心力」
朝プロダクション
NOS Bar&Dining 恵比寿(東京都)
2015/08/19 (水) ~ 2024/12/31 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
河村唯さんゲスト出演。2022.1.10
あすか:真綾
大隈:大野清志
さくら:馬場史子
神代:船戸慎士
ダイチ:森谷勇太
伊吹:野村龍一
ヒロインのアンドロイド「あすか」役はこれまで八木麻衣子さん、森田涼花さん、関谷真由さんの3パターン観劇してました。今回は真綾さん。初めて拝見しました。歴代と遜色なし、独自の色も出してらっしゃって、素晴らしかったです。
朝劇西新宿では入口のドア、シャッターを閉めることが演出になってました。地球に到着するとそれが開きます。会場の「GLASS DANCE西新宿」ならではの演出でした。
そもそも西新宿ではレストランの客席の間がステージでした。時に目の前に演者さんがいらっしゃる、とても近くてスリリングなものでした。
コロナ禍になり、いろいろ制約ができてしまったのは残念です。会場を変えたのはそのあたりの事情があったものと思います。
しかしながらこの「NOS恵比寿」も素敵な会場です。いずれここで、客席を走り回る本来の恋の遠心力を見たいです。
ゲスト出演の河村唯さんはアフタートークにも参加。「浅草DOG DAYS」など、他の朝劇についての話も楽しかったです。野村さんの「天才劇団バカバッカ」の話題では、小泉瑠美さん出演の「ファミリー・ウォーズ」の裏話もありました。そんなことがあったんだ、と。貴重なお話でした。
野村さんは長くやって年齢を重ねると、自分よりずっと若いあすかに「好きだ!」というのが変な感じになってきた、というようなことをおっしゃってました。あすか役の真綾さんは2001年生まれ。なるほど。
Here Come The Angels!
ぷろじぇくと☆ぷらねっと
ブディストホール(東京都)
2023/10/25 (水) ~ 2023/10/29 (日)公演終了
ハリウッドは大騒ぎ
ミュージカル座
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2023/10/25 (水) ~ 2023/10/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
もっと大きな舞台で上演しても良いと感じました。
大きな舞台のほうが観ごたえあると思いました。
今日の舞台では、次のセリフに期待して女性弁護士さん頑張ってー!と言いたくなりました。
その時しかない編集できない瞬間なので十分楽しめました。
定番かもしれませんがウエスト・サイド・ストーリーを演じているところも観てみたいと思いました。
楽しかったです。
有難うございました。
サンタクロースが歌ってくれた
キャラメルボックス・ディスカバリーズ
新宿スターフィールド(東京都)
2023/10/26 (木) ~ 2023/10/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
キャラメルボックス・ディスカバリーズ「サンタクロースが歌ってくれた」SHOWROOMで、なかおさえちゃんが宣伝してたんですが、話が「映画の世界のキャラが飛び出して来る」という、僕の「怪人家族の総選挙」と同パターンだったので興味を持ち観て来ました。話も面白く、若い役者さん達が輝いてました🙂
サンタクロースが歌ってくれた
キャラメルボックス・ディスカバリーズ
新宿スターフィールド(東京都)
2023/10/26 (木) ~ 2023/10/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。
キャラメルボックスの代表作…クリスマスイヴの物語ということもあり、上演前からクリスマスに係る曲が流れており まずは雰囲気作り。劇中劇ならぬ銀幕から上映中人物が飛び出してくるという突拍子もない設定が妙。現実(2人の女性)と虚構(映画「ハイカラ探偵物語」の人物)、現在と過去(大正5年)、実人物(芥川龍之介と後の江戸川乱歩)と 役 といった 時間と場所と人物を交錯させ、不思議な世界観へ誘う。表層的な面白可笑しさの中に 人間---特に文筆家としての才能、その嫉妬心が浮き彫りになる。ちなみに 江戸川乱歩は大正5年に早稲田大学を卒業するが、別意味で その卒論が「競争論」だったような。
公演の観どころは、脚本の面白さは勿論だが、演じる俳優陣の観(魅)せるといった意気込みが凄い。豊かな表情、躍動感ある動き、そして情感溢れる気持を表(体)現し、物語の世界へグイグイと引き込む。ディスカバリーズ…キャラメルボックスの若い劇団員たちによる公演。そして同俳優教室の生徒やゲストを加えた総勢14名(Yキャスト2名含め)が 夫々の役を生き生きと演じており、フレッシュで活力に満ちた劇になっている。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし)【Xチーム】
アメリカの怒れる父
ワンツーワークス
駅前劇場(東京都)
2023/10/26 (木) ~ 2023/11/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
今、上演される意味のある作品だと思います。
看板俳優の奥村さんの自在な演技もさることながら、
脇を支えるメインキャスト陣のしっかり地に足のついた演技、
アンサンブルの力の支えがあって非常に見応えのあるお芝居でした。
決して明るく楽しく元気よく!という内容ではないですけど、
観劇後に自分が感じたことを大切な家族に話したくなりました。
ラスト★アクションヒーロー ~地方都市に手を出すな~
劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)
サンシャイン劇場(東京都)
2023/10/19 (木) ~ 2023/10/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/10/27 (金) 13:00
SETの最新作は、著名俳優などの客演を求めず劇団員を中心に構成したアクションもの。タイトルから、三宅裕司と小倉久寛によるアクションが「ラスト」なのかと思ったが、きっとそうではない(今後も期待)。これまでの舞台で、高齢者は高齢者なりのアクションを披露してきた二人だが、今作では派手な立ち回りはなく、若手俳優が切れ味鋭い戦闘シーンを披露し、世代交代を印象づけた。
パンフレットで三宅と小倉がかつて自分たちが行ってきたアクションの訓練を振り返っていておもしろい。中心となった二人の若手俳優たちも相当なけいこを積んできたと思われ、高い身体能力と若さゆえのパワーも加わって圧倒した。派手に舞台美術をぶっ壊す場面が続き、仮面ライダーとかテレビの刑事物とか今ではあまり見られなくなったアクション場面を生の舞台で堪能できる。当然、想定外のことも起きるわけで、そのあたりはちゃんとカーテンコールの場面で振り返ってくれる。
想定外なのは「高齢」俳優がせりふを飛ばしたりする場面だ。今日はせりふを口ごもったのに続いて言うべき言葉を失念した微妙な空白に、客席は大爆笑で応えた。やはり、SETの舞台でおもしろいのはこうした役者たちの素の演技だ。
そういう意味では、客席が(私が)いつも楽しみにしている三宅と小倉の掛け合いが今日は少なかったような気がする。もともと台本がそうなっていたのかもしれないが、少し残念。ラストシーンはギョッとする場面で終結する。小倉さん、このまま終わりにしないでね。
検察側の証人
俳優座劇場
俳優座劇場(東京都)
2023/10/22 (日) ~ 2023/10/28 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
クリスティはフーダニット劇と名付けられている犯人探し劇を作り発展させた作家だが、それはもう半世紀以上以前。「検察側の証人」は犯人探し、というより、裁判劇として知られているが、いかにも古い。いまでもロンドンでは上演されている名作と言うが、昔の実際の法廷を使ったロケ舞台として上演されている由だから、半分は遊園地の名物興行だろう。
作品が知られるようになったのは、多分、チャールス・ロートンと、ドイツ女のマレーネ・デイトリッヒ、若手随一の人気だったタイロン・パワーの大顔合わせでビリーワイルダーが監督した喜劇タッチの映画が大当たりしたからだろうし、日本でその後当たったのは、フランス帰りの大女優岸惠子に、売れ筋監督の市川崑の舞台初演出で流行り物として西武劇場が、上演したからだろう。当時の翻訳現代劇としては珍しく、一月近く上演していた。多分これがクリスティ劇としては最高の当りである。
やはり、役者とか、仕掛けとか、もう一つのプラスワンの要素がないと、ミステリ劇はなかなかお客を呼べない。よく知られている割りには上演の機会も少ないし、やってみると客は薄い。今回の「検察側の証人」は俳優座プロデュースの制作で、ここは、ミステリ劇系の上演を長年やっている。東京で新劇系の中堅の俳優をキャステキィグして、それで地方を回る。「罠」(トマ)とか「夜の来訪者」(プリーストリ)とか、スタッフ・キャストを入れ替えながら長年やっている。いまは文学座始め各新劇団も中堅の俳優・演出を出し合ってそれなりの座組になっている。台詞はしっかりしているし、地方で新劇を見てももらえるし新人教育にもなるだろう。生活の基盤にもなる。良い企画だ。これに、「検察側の証人」が加わったわけだ。
俳優座で上演するのは二十数年ぶりと言うが、確かに最近見てはいない。地方周りの企画にするにはミステリ劇は8人前後の出演者でこじんまり娯楽劇に作らなければいけないのに、二十人以上の出演者がいる。舞台も裁判所法廷を始め何杯もあって、座組が大きい。
昔の戯曲だから、当世風に変えざるを得ない。俳優座劇場で2時間45分、これでも十分長いが、かなり原作を切っている。それも時代にあわせて上手くテキストレジして上演台本にしている。今回一番の上手い工夫は問題の核になる検察側の証人・ローマインを原作の出を大幅に遅らせて1幕の幕切れに登場させて、そこで休憩を入れたことだろう。
この工夫で、前半犯人探しのミステリ劇、後半は国境を越える男女のロマンス犯罪劇の二つのカラーを判然と見せて、楽しめるようになった。演出は文学座の高橋正徳、この人の演出では古川健の「60‘sエレジー」というすぐれた現代劇があった。時代を芝居の中から上手くつかみ出して表現する。「検事側の証人」でも、東西冷戦時代のヨーロッパという広くもない地域で出会った男女のが犯罪に惹かれていくところが、ことによると原作よりも上手く表現されている。
すっかり古びてしまったクリスティの芝居を生き返らせた功績も評価したい。
Here Come The Angels!
ぷろじぇくと☆ぷらねっと
ブディストホール(東京都)
2023/10/25 (水) ~ 2023/10/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
Project★Planet20周年記念公演である。子供だけが罹る原因不明の奇病。片や対策を練る研究者グループ、そしてもう一方におばばと、おばばのもとに身を寄せるアリス。彼女らは、いのちのスープを作り続ける。(1回目追記)
Here Come The Angels!
ぷろじぇくと☆ぷらねっと
ブディストホール(東京都)
2023/10/25 (水) ~ 2023/10/29 (日)公演終了
MaNNequiN -マネキン2023-
もんぴぐ
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2023/10/26 (木) ~ 2023/10/29 (日)公演終了
煙突もりの隠れ竜
壱劇屋
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
大阪を観た上で東京へ遠征。
会場が変われば見え方が変わる。
コンパクトな劇場になったので、世界が劇場からはみ出しそうだった。
今作から客席降りが解禁され、観客の多くが既に壱劇屋ファンであるがゆえの一体感もあり、大阪公演より胸アツ。これだから一度の観劇だけでは我慢できない劇団だ。
昨年と異なり某演劇祭のCM大賞闘えなかったのは、既にチケットが売れてたからCMの意味が無かった理由は大きいだろうし、次の公演は好きなだけ観る事が出来なくなる不安から、もう人には勧めたくなくなってもいる。
舞台 兎狩りC200の闘劇視察
SIGNALWORKS
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2023/10/25 (水) ~ 2023/10/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/10/25 (水) 13:00
座席1階H列1番
初日に観劇しました。B席で最後列でしたが、それでもステージから遠くなく、音響も問題なし。
どの席から見ても十分楽しめそうです。
舞台は、いままで見たことが無い独特の世界観で、特にバニーの美しい姿を前面に押し出したビジュアルは刺さりました。
スポットライトを浴びて立つ、バニーの美しい姿はこの世のものとは思えない美しさです。
この極上の世界を見ないのはもったいないです!!!
P.S
私がこれを書いているのは公演3日目の夜、残すところ公演は明日と明後日の合計4回のみです。
まだこのコメントを見て行くかどうか迷われている方がいるなら、騙されたと思って行ってください。間違いなくその価値はあると思います。あなたもその目で確かめて!
ヘンリー四世
G.Garage///
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2023/10/26 (木) ~ 2023/10/29 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
二部作を一晩でやってしまうのだが、原作のエッセンスを巧く抽出して欠けるところなく面白く魅せてくれる。演者の特徴によるのか、なかなか機知に富み狡猾な側面が引き立つフォルスタッフ像で、なるほどと思わされる。リチャード二世の時と同様、あの狭く細長い舞台でシェイクスピアの遠大な作品世界を創造してしまうとは、まったく恐れ入る。素晴らしい公演。