最新の観てきた!クチコミ一覧

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ダ・ポンテ

ダ・ポンテ

東宝

THEATRE1010(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

素晴らしくて大絶賛ということはないが、地味に良い舞台だった。音響が良くて歌もセリフも明瞭に聞こえる。小編成オーケストラの生演奏も素敵だった。ダ・ポンテ役の海宝直人さんの歌声は朗々と響き、後半の一曲でこの舞台全体の満足度を一段上げてくれる。モーツアルト役の平間壮一さんはセリフは良いが歌声は力が入りすぎて潤いに欠けていたかも。

演出では歌の終わりの拍手の求め方が下手だ。これは音楽劇の基本だと思うのだが他の舞台でも設定をしっかり考えていないなと思うことが多い。この舞台では拍手を求めない曲では間髪を入れずセリフが発せられるのはうまくできていたが、この曲で拍手はないでしょうというのもあった。あの沈黙が辛い。俳優さんには地獄だろう。

ロレンツォ・ダ・ポンテ(1749-1838)は、イタリアの詩人で台本作家。モーツァルト(1756-1791)の3つのオペラの台本を書いたことで知られている。『フィガロの結婚』1786、『ドン・ジョヴァンニ』1787、『コジ・ファン・トゥッテ』1790。(ウィキペディアから抜粋)

このダ・ポンテ氏、なぜか日本で人気で昨年には
音楽劇『逃げろ!』〜モーツァルトの台本作者 ロレンツォ・ダ・ポンテ〜
が上演されている。ダ・ポンテは天才ではなかったという設定で音楽もロックだったが本日の舞台では彼は天才であり音楽もクラシックである。

この公演はこの後は名古屋に移り再び東京に戻ってから大阪でフィナーレとなる。
カーテンコールの写真撮影がOKだった。「追記」これはプレビュー公演だけの特典で続く本公演では撮影禁止となった。

池袋Brilliaホールの本公演も行ったが完成度がずっと上がっていた。上で苦言を呈した平間壮一さんも全く問題のない仕上がりだった。また何度かBrilliaホールは音響が悪いと書いたが今回はコーラスの一人一人が聞き分けられるのにしっかり融合していて文句のつけようがない。オーケストラの音が明瞭なのも素晴らしい。どうやらホールのせいではなく音響技術者の問題のようだ。この池袋公演の満足度は星5つ。納得のスタンディングオベーション。

カーテンコールでの観客の動きが面白かった。2ndで立つ人が中段席でチラホラ、しかし前方席は微動だにせず(まあここは私も早いと思った)そして3rdで全員起立。リピーターなんでしょうね。NYの本屋の場面で奥さんが歌った後で食い気味に拍手を入れていたのも彼女らなのだろう。普通は短すぎる歌なので戸惑ってしまう。全体に拍手をするかどうかに困るのは相変わらず。16日の東京千秋楽は2ndで全員起立となると予想。

当然の結末

当然の結末

シベリア少女鉄道

俳優座劇場(東京都)

2023/06/17 (土) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

演劇というよりも長尺のコントって感じ?

独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜

独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2023/06/15 (木) ~ 2023/06/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

箱チーム観劇
アリスを現代にアレンジした感じで、面白かったです!

『消えなさいローラ』『招待されなかった客』2本立て

『消えなさいローラ』『招待されなかった客』2本立て

Pカンパニー

西池袋・スタジオP(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/22 (木) 14:00

毎回とても楽しみにしているPカンパニーの「ベツヤクづくし」第3弾。去年の「いかけしごむ」「トイレはこちら」はいかにも別役実というイメージ(私の勝手な思い込み。裸電球の電柱がその象徴)だったのだが、今作の2作品は少し趣が違う。両作とも登場人物は2人。この2人のかみあわない会話劇、真剣に聞けば聞くほど睡魔に襲われるというとっても危険な不条理劇だ。

10分間の休憩を挟んで演じられる両作は薄汚れた壁に囲まれたほこりだらけの部屋に鎮座するテーブルという共通した舞台セットだ。最初の「招待されなかった客」は、魔女の家に招待状を持ってやってくる神父との会話劇。テーブルの上には汚れたままの食器類、ミニチュアでしつらえた街が置いてある。魔女と神父はこの街でつながっていて、神父は魔女狩りで何人も火あぶりにしたが教会の方針が変わって追放されたという男だ。
一方の「消えなさいローラ」も朽ち果てた部屋にあるテーブルと汚れた食器は共通していて、ローラと母が住んでいる。そこに訪ねてくる葬儀社の男。実はローラの母はもう死んでいるのではないかと疑っている探偵社の男だったりして、突き止めようとする男を絶妙な会話ではぐらかしていくところがおもしろい。ローラと母がクロスオーバーしていて、どっちが死んでいてどっちが生きているのか、そして、砂時計のように落とされる砂に埋もれていく動物のミニチュアに生と死を投影させる。「何だこれは」という、この不条理極まりない展開も、別役ならではの筋書きなのだろう。ここが見どころだ。

自分はこれまでこの二つの別役作品を見ていなかったので、何だか別役の違う顔を見たような気がした。冒頭に書いた私の思い込みが少し、薄れたような感覚が残った。

仮名手本忠臣蔵

仮名手本忠臣蔵

花組芝居

小劇場B1(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★



「仮名手本忠臣蔵全十一段」を一気に見せる、花組芝居ならではの総集編だ。
敵討ちの進行と、それに関わった人々のドラマを90分二本の前後編にまとめて見せる。
すべての段から有名場面はもとより、見栄えの良いところは全部とっている。大歌舞伎でもあまり見ない段まである。それでいて、無理矢理現代ぶっているところや楽屋落ちがない。様式的な統一もあって、きちんとした古典の一つの現代上演になっているところが素晴らしい。花組もまた、木ノ下歌舞伎とは明確に異なるコンセプトで歌舞伎古典に挑み、三十年、これだけの成果を出したことは誇って良いと思う。花組を入り口に古典に親しむようになった、という観客は少なくない。古典の底辺はこうも広がる、ということを、原点を損なわずに現代につなげた功績は大きい。今回もよく出来ている。








テラヤマ音楽劇★くるみ割り人形

テラヤマ音楽劇★くるみ割り人形

シアターRAKU

駅前劇場(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

無料招待券があれば鑑賞するかもしれない。知り合い・昔からの馴染客以外にはエンターティメント性が極めて乏しく、大変厳しい演劇だったと言わざるを得ないものでした。
 役者・演出家が頑張っていればいい、というのであれば、手術が下手な合併症だらけの「がんばっている」外科医も非難せず拍手を送らなければならないだろう。
 とっても残念です。寺山修司を見たくて行きましたが、、、。印象批評はするつもりはありませんので、ネタバレに以下記載させていただきます。

ネタバレBOX

出だしでヴァイオリンを引く女性が現れる。本物のバイオリンを持ちながら、弾くかと思いきや音響でカバー。弾いているフリ(このフリも酷いものでした)。観客に一瞬期待をもたせる、のが演出の目的であれば成功したかもしれませんが、笑いは一切起きませんでした。緊張と緩和を目的とした演出であれば、失敗でした。変な期待を持たせないのであればおもちゃのバイオリンを持たせても良いのにと思いました。なぜなら、この演出だけで『もう見たくない演出』かもしれないという胸騒ぎを感じたからです。それは、当たっていました。

 平均年齢が69歳の方ががんばっている。それは素晴らしいことだと思います。ただ、それにお金を取る行為はいかがなものでしょうか。ラインダンスも揃っていませんし、コロス的な歌うたいも酷いものでした。がんばっているから、という応援として観るべきなのであれば、もう何も言いません。お金は返してほしいという思いを、演劇で初めて感じました。

 寺山修司が好きで、彼の言葉だけでもと思い最後まで観劇しました。言葉自体は素晴らしいものでしたが、演出への共感的羞恥が強く、何度も鳥肌が立ってしまいました。

最後の舞台挨拶で、演出家はがんばっていた役者については一言も触れず、自分の本を延々と紹介し続けるところに、この劇団の行く末が容易に想像できました。もし「シニアでも驚くような演劇を」というものを作ろうとしているのならば、最後の舞台挨拶では彼らが主役として褒める時間をなぜ設けなかったのでしょうか。自分の書いた本をそんなに紹介したかったのでしょうか。とっても残念でした。

プロジェクトマッピングの演出は良かったと思います。時間の流れや舞台などを効果的に視覚で演出しており、場面展開が理解しやすいものとなっていました。
 ただ音響の入りがかなり唐突な部分があり、観客の驚きを意図しているのなら成功していますが、不快でした。
 寺山修司の演劇に対する印象を根底から悪い意味で覆したこの演劇を、早く忘れたいです。
キムユス氏

キムユス氏

フカイジュンコのプロデュース

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/21 (水) 19:30

フカイジュンコ名義での初プロデュースは、キムユスの一人芝居。深井の前説を含んで58分。
 キムユスの自分史、と思わせる展開で進む物語で興味深く観た。マネキンを小道具的に使うのも巧いが、仲間内の話みたいな感触はやや居心地が良くない。開演前の深井の盛り上げ方は流石。

兎、波を走る

兎、波を走る

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2023/06/17 (土) ~ 2023/07/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/06/20 (火) 19:00

野田秀樹の新作だが本作も刺激的だった。(3分押し)126分。
 アリスに加えピーター・パンやチェーホフにブレヒトも出てくる仕掛けは壮大。前半はエンターテインメントを意識し、後半で社会性のある話題に繋ぐ手法は、ここしばらくの野田のパターン。本作ではアナグラムも出てきて『ゼンダ城の虜』を思い出してしまった。シャッターのような仕掛けや鏡を使う美術も見事だが、八百屋舞台は大変だろうなぁ、とか思った。

白眉濛濛

白眉濛濛

海ねこ症候群

王子小劇場(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

絵を描くことが大好きな主人公・坪田実澪(みれい) さん。売れることや評価されることは余り気にしていない。ある日、街なかで画商の河合陽花(はるか)さんに声を掛けられる。彼女の主催する絵画のオークションを見学することに。そこでは物凄い額で絵が取引されていた。発奮した主人公、画商の所有するシェアハウスに住み込んで絵の制作に打ち込むことに。

画商の河合陽花さんを『坊っちゃん嬢ちゃん』のマタハルさんだと誤解していた。どちらもイケメン女子。
主人公の坪田実澪さんはマリアのイーちゃんが物真似する小雪風味の愛嬌でチャーミング。

オークションのシーンがダンスでテンポよく面白い。シェアハウスの世話係・新里乃愛さんがまだ二十歳!「忙しい忙しい」とそこら中をはたきながら、雀を何羽も乗せる。かなり巧い役者だった。オレンジの家政婦・神尾りひとさんがキュート。劇団の主催であり、司会者役の作井茉紘さんも目立つ。
熊本や石川から大きな花束を持って駆け付けるファン達にRespect。

ネタバレBOX

物語のテイストが『 U-33project』っぽい。だが作品に哲学が足りない。高額で絵画が取引される様は価値観の本質の風刺だと思うのだが、もう一歩突き詰めたい。

好きなことを好きでいられる才能というものがあると思う。やっぱり人間、飽きてくる。昔、夢中だったものをふっと思い出した時に、ずっと好きのままだった奴等にRespect。人間の嗜好性なんて変わっていって当然。それでも螺旋のようにまた巡り逢うことも事実。

シリアスなシーンが退屈。観せ方が下手。画商と主人公の出会いも適当。シェアハウスのくだりも意味がない。悪人を描けないのだろう。エピソードはぬるい友人関係ばかり。あやふやな言葉とあやふやな感情、全てすり抜けてしまうだろう。

画商の本当の目的は才能がないのにやめられない人間を見付けて諦めさせること。オークションで全く相手にされなかった主人公は踏ん切りが付いてやめる。だがしばらくするとまた描き出す。何故か?人は意味や理由があって生きている訳ではないからだ。ただ生きる。ただ描く。

※3日目に扁桃炎で信國ひろみさんが降板、作井茉紘さんがその日の二公演の急遽代役に。
4日目に他の出演者のコロナ陽性が判明し、以降公演中止。
瀬戸内の小さな蟲使い

瀬戸内の小さな蟲使い

桃尻犬

OFF OFFシアター(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/28 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

あのシチュエーションで展開されるお芝居、よく思いついたなーと感心する。設定だけですでに面白い。あり得ない場所で言い争うカップルの口論。とはいえ男性と女性の言い分にはそれぞれの立場に即したリアリティと説得力があった。90分弱ほどの上演時間もちょうど良くて久しぶりにお芝居を心から楽しめた。
座席と座席の間を10センチ程度離してくれていたおかげで隣の人に身体が当たる事もなく最後まで集中して観ることができた。客数を多くするために隙間なく椅子を並べる劇場も散見するけど、それだと隣の人が腕を動かしたときに必ずと言っていいほど私の身体のどこかに当たってその都度集中力が削がれる。些細なことだけど私にとっては大変重要で、今回の座席配置はとてもありがたかった。

ネタバレBOX

遊園地は昔の神戸ポートピアランドか姫路セントラルパークがモチーフ?私は昔、兵庫県内の大学に通っていたのでなんだか懐かしかった。
「山兄妹の夢」では終盤、役者全員で「LEMON」を大合唱するシーンに大笑いしたけど、今回はあいみょんの曲に笑わされた。
タイトルに出てくる「蟲使い」はキーワードではあるものの、主となるテーマではなかった。最初は「蟲使い」が出てくるファンタジー要素のあるお芝居なのかな?と思っていたので、せっかくの内容が、このタイトルで必要のない誤解を招くところはあると思う。
とにかくとても楽しませてもらった。面白かった!!
樫の木坂 四姉妹

樫の木坂 四姉妹

夏の川企画

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2023/06/15 (木) ~ 2023/06/21 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

夏になると、必ずこの手の反戦・平和路線ドラマを上演するのは旧新劇時代からの日本の演劇風物詩である。懐かしい感じだが、いまいかにプーチンが核を使いそうだといっても、その迫力を失っていることも事実で、かつては何本も量産されていたのに、現在は数少ない。上演あれても、こう言うオーソドックスな型どおりの筋書きにかわって、例えば、チョコレートケーキやパラドックス定数の政治劇では、かなりリアリティのある人民側にたった物語の上に納得できる現代の人間像が描かれている。
だからといって、こう言うドラマを上演する演劇人たちも、この芝居も見るだけで反繊運動に参加した気分になる観客も、批判しようとは思わないが、ファンタジーの世界に酔っているのはいかがかと思う。少しは迫力のある企画を考えた方が良いと思う。政治劇は時代を外すと途端に時代遅れになる。
一夜の芝居としても、結構新劇大劇団のトップクラスの俳優が参加して、演出者も青年座から出ているのに、物足りない。大きく問題点は二つだと思う。まず脚本。十年ほど前に俳優座が上演したという創作劇だが、そのときと今とはずいぶんこのテーマに関する周囲の状況が変わっている。そこがつかみ切れておらず、古いままやっている。きめの細かい作家ではあるが、こう言う素材なら、ウクライナ問題があり、コロナが流行って、政府が国民に何事も平気で強制し、国民が唯々諾々と従うようになった現在が見えないと懐メロになってしまう。俳優は新劇団を代表する劇団のトップ俳優が出ていて、それなりの実力は見せてくれるが台詞回し術だけに止まっている。台詞でいやというほど人物の背景説明しているのに役にリアリテイを持たせる演技の工夫をほとんどしていない。過去のシーンが出てくる必要があるとは思えない。それよりも、もう老年になった三姉妹の生活のリアリティだ。これは演出にも責任がある。ここが第二。話にリアリティを持たせるセット(美術)の工夫もない、例えば、せっかく写真家の第三者を置き、写真という小道具まで言っているのにドラマになっていない。
久しぶりに新百合ヶ丘の小劇場へ行ったが、約6割の入り。ここまできた甲斐があったといえないところが残念。

瀬戸内の小さな蟲使い

瀬戸内の小さな蟲使い

桃尻犬

OFF OFFシアター(東京都)

2023/06/21 (水) ~ 2023/06/28 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/06/21 (水) 19:30

80分。休憩なし。

『ザ・ロンゲスト・スプリング 熱海殺人事件』『熱海殺人事件 Girls, be glamorous.』

『ザ・ロンゲスト・スプリング 熱海殺人事件』『熱海殺人事件 Girls, be glamorous.』

劇団『横浜組曲』

STスポット(神奈川県)

2023/06/17 (土) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/06/18 (日) 12:00

熱海殺人事件 Girls, be glamorous.
125分。休憩なし。

少女都市からの呼び声

少女都市からの呼び声

新宿梁山泊

花園神社(東京都)

2023/06/11 (日) ~ 2023/06/26 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/21 (水) 19:30

主人公田口(六平直政)が手術中に見る夢(ランダムに出てくる場面は仕方なし)、水子となった妹への思い、大陸での連隊長(風間杜夫は風格があった)とのやり取りなど様々な思い出が舞台上に現れその人物逹が意思を持って動き回る。唐十郎初期の作品で上演時間が100分で開演時間が午後7時30分だった。いつもより30分遅いので要注意。

ネタバレBOX

水子となった妹の死の象徴が、最後の舞台テント崩し(流れる水の中で死んだ妹が浮かび上がる場面)は印象に残った。
殺意(ストリップショウ)

殺意(ストリップショウ)

ルサンチカ

アバンギルド(京都府)

2023/06/20 (火) ~ 2023/06/22 (木)公演終了

満足度★★★★

最前列の桟敷席で拝見
内容は何度か見たが、演技の迫力はナンバーワン 
タダ、桟敷席での100分超えはきつい
基本女優の一人芝居だが、素晴らしいの一言

独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜

独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2023/06/15 (木) ~ 2023/06/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

千秋楽の《Team葉》を観劇。
初日のコメントでこのチームの演技の硬さが指摘されていたが、楽日はテンポよく観ていて特に気になる点はなかった。私自身、ファンタジーには興味が湧かないので、物語自体をどうこう言うつもりはないが、奇抜な服装や声高な会話は「奇妙な世界」を表現するには十分だったと思う。今回の収穫はアタシ(アリス)を演じた花房里枝さん。歌も良かったが、終盤の独白シーンの最後のセリフ、「一人でも笑って生きていくわ」(正確に覚えていないがこんなニュアンスだった)。これが圧倒的な説得力で軽い衝撃を覚えた。今後の彼女に注目したい。
この団体の鑑賞は今回で3作目だが、毎回、作品の持つ魅力を最大限に引き出し観客に提示しようとする姿が感じられるし、キャスティングの妙も光っている。

独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜

独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2023/06/15 (木) ~ 2023/06/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ことのはboxさんらしい、丁寧でしっかりした演技の舞台でした。
しかしながら、じりじりと孤独に落ち込んでいる三十女としては、アリスが綺麗で可愛らしすぎる!同じような感覚を持ったことがあるおばさんとしてはどうしても"はぁ?何言ってんの?"と思ってしまう。また、ファンタジーの毒を感じさせるにはファンタジー感が薄い。リアルを感じる部分が多いのではとも思う。まじめに作ってしまったがために遊びがなく、笑いを呼ぶであろう部分もやや硬めに感じてしまった。
遊◎機械/全自動シアターに衝撃を受けた世代としては、どうしても別物として考えることが出来ず、ついつい比べてしまったことは申し訳ない。

ホテル・ミラクルThe Final

ホテル・ミラクルThe Final

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い!〈R15指定〉 千穐楽観劇
新宿シアター・ミラクルの(ラブ)ホテル・シリーズ、この劇場の最後を飾るのに相応しい公演。
シリーズ過去作と新作の5本立…<面白がってもらえる、観せてナンボ>、つまりサービスに徹した作品を厳選している。描写や状況設定がバラエティに富んでおり、観客の興味を逸らせない構成が巧い。ラブホという謂わば禁断の空間、そこに居るのは男・女もしくは女・女という極めて少数(基本は二人芝居)で、彼ら彼女らの個々の性格をしっかり描き、裸になった人間の本性を曝け出させる。

ホテル・ミラクル…身体を観ず 言葉を交わさなくとも、彼・彼女の裸を思い浮かべという、本来はその甘美な刺激を空想に求めるところ。が、そこは舞台、覗き疼いてしまうという背徳感に酔う。そして物語の肝は、シャレた会話にある。その内容は人物の血肉となり肉体化し、どこにでも居そうな人物像を立ち上げる。普通の人々の秘密めいたコトゆえに 一層覗き観たい欲望=人間の本性、その欲求を上手く発散させる。

男女はもともと互いに魅かれあう存在。しかし人には建前のような取り繕い、個人的・社会的な様々な制約に心が縛られ、自由な<性>を楽しむことが出来ない。その もどかしい気持を解放する、そんなエネルギーを感じさせる好演。各作家による短編だから引き出しが多いのは当たり前だが、どの引き出しも優れており、それを巧く構成した演出(池田智哉 氏)が見事だ。これがラストだと思うと残念!
(上演時間2時間45分 途中休憩5分)【STAY ver】

ネタバレBOX

入口側に磨ガラスのシャワールーム。舞台美術は、壁際にミニテーブルと椅子2脚。中央にベット、サイドテーブル、ソファーが置かれている。テーブル・ソファ下の照明が室内を妖しく(ブルーに)照らす。
客席はL字型。ベットを横から、そしてシャワールームで着替える姿を観るには、奥角の席に座る方が観やすいと思い、【REST ver】の時と同じ場所に座る。
前説「ホンバンの前にThe Final」(池田智哉 氏)は女 女レズビアンがベットで交わす会話…携帯電話電源off、飲食禁止などの諸注意。既に始まっているので、トイレの話はなし。

①「THE WORLD IS YONCHAN’s」(河村慎也)
高校時代から好きだったヨンちゃんと酔った勢いでヤッたチェリ男。二人(下着姿)とも昨晩のことは全然覚えていないが、チェリ男は喜び舞い上がっている。一方 ヨンちゃんは元カレの先輩と経験しており落ち着いている。もしかしたら先輩が薬を仕込み、二人を前後不覚にしたのでは、との疑心暗鬼。チェリ男は絶体 ヨンちゃんを守ると意気込む。まさに純情青春ドラマ。

②「噛痕と飛べ」(加糖熱量)
女性(チーコとユキ)のお笑いコンビ、チーコがラブホでネタを考え書いている。それを見守る男 カナイ、実はチーコから頼まれサボらないか監視している。隠微な雰囲気に思わせぶりな態度、にも関わらず醒めた会話に終始する。女同士のコンビは解消まじか、いつもユキがネタを考えているが、最後にチーコが。ラブホへユキが現れ3人の不毛とも思える会話が…。カナイの思いが滲み出る熱血ドラマ風。

③「愛(がない)と平和」(古川貴義)
W不倫をしている男(平和)と女(愛)がベットの上で交わす甘美で濃密な会話。この世に男女の営み=愛という概念 がなければ、面倒な諍い・・嫉妬や浮気に悶々とした感情が起きない。が、やはり男と女という生理的に分かり合えない不思議な魅力を手放せない。愛が言う、子供ができたの…でも心配しなくてもいいわ 堕すわよ。リアルな会話は夜な夜な何処かで交わされているであろう 大人の会話(下着にバスローブが生々しい)。

④「スーパーアニマル」(ハセガワ アユム)
欲望(制服フェチ)に溺れた妻帯者の中年男 菅原、彼が夢中になっているのが聖花という若い女性。彼女とは援助交際、好きが高じて彼女の写真をエロ雑誌「スーパーアニマル図鑑」に投稿している。彼女は援助交際の他にコンビニでバイトをしており、店に内緒でビニールを破りエロ雑誌を見ていた。菅原の熱き思いを知れば知るほど切なさが、そして 聖花は そろそろ別れようとするが…(制服への生着替えがエロい)。

⑤「最後の奇蹟(最終形)」(フジタ タイセイ)
男と女の 「(眩しく光る)アイツが落ちてきたらいいのに」という投げやりな会話…初めて会ったのに、以前 何処かで逢ったかも知れない。SF地球最後の日のような…明日は来ないという走馬燈のように駆け巡る回想が切ない。周囲に馴染めずブルーハーツばかり聴いていた、その魘されたかのような台詞が迷える青春イメージ。この世(地)は一度清算して…は新宿シアターミラクルの再生を連想させる(終始 地響きのような不穏音が聞こえる)。

多くの良作を上演し続けた新宿シアターミラクル、またどこかで…。
ホテル・ミラクルThe Final

ホテル・ミラクルThe Final

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日にREST Ver.を初夜割引で観たので、もう1つのSTAY Ver.は千穐楽の今日、リピーター割引で。こちらも秀作揃いだった。

前説「ホンバンの前に」のあとは、「THE WORLD IS YONCHAN's」「噛痕と飛べ」「愛(がない)と平和 -Bagism by Love&Peace.-」、休憩後に「スーパーアニマル」「最後の奇蹟 最終形」の計5本。そういえば「最後の奇蹟」を「6」で初めて観たとき、トリアーの『メランコリア』を思い出したが、今日観た「最終形」はシアターミラクルのラストに相応しい出来。お疲れさまでした。

独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜

独りの国のアリス〜むかし、むかし、私はアリスだった……〜

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2023/06/15 (木) ~ 2023/06/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

【Team葉】観ました。こじれた女性のシニカルなファンタジー。ポップで楽しい舞台なのだけど、笑っていいやら悪いやら。色々と考えさせられますね。

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