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近代 ⇄ 現代作家コレクション 朗読劇「ラブ・レター」

近代 ⇄ 現代作家コレクション 朗読劇「ラブ・レター」

J-Theater

シアター711(東京都)

2023/11/06 (月) ~ 2023/11/07 (火)公演終了

実演鑑賞

あと一~二段くらい完成度をあげてほしいなとは思いました。

あと主題歌が下手だった。
声は良いのだけど、ピッチが悪い。

とはいえ原作が良いですから、悪くない。

GIRLS TALK TO THE END vol.4

GIRLS TALK TO THE END vol.4

藤原たまえプロデュース

OFF OFFシアター(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

男子的には、実害がなかったので楽しく観れましたが、恐いですね~!?
表と裏、実は...が凄いですね
女子の間では、常にこんな感じなのでしょうか?
感想が恐いしか出てこなかったです

近代 ⇄ 現代作家コレクション 朗読劇「ラブ・レター」

近代 ⇄ 現代作家コレクション 朗読劇「ラブ・レター」

J-Theater

シアター711(東京都)

2023/11/06 (月) ~ 2023/11/07 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

何度も映像化された名作であり、内容は知っていますが、やはりグッときましたね。吾郎さんじゃないけど、家人を亡くした喪失感はすごく感情移入してしまいます。しかしながら、主題歌賑やか過ぎないか?

眠くなっちゃった【10月1日~10月7日昼公演中止】

眠くなっちゃった【10月1日~10月7日昼公演中止】

キューブ

兵庫県立芸術文化センター 中ホール(兵庫県)

2023/10/26 (木) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/10/26 (木) 18:00

記憶。
夫(ロボット)との思い出に生きるノーラ(緒川たまき)。他人の記憶を取り込み創造力を広げる音楽家(篠井英介)。ノーラの記憶を全て取り込みその重さに苦しみ堪え難く死ぬ音楽家。様々な記憶から開放され「私、眠くなっちゃった」とほっとして安らぎの世界に行くノーラの姿は印象的だった。
記憶の重さ、ノーラの人生に思いを馳せる。

ハムレット

ハムレット

明治大学シェイクスピアプロジェクト

アカデミーホール(明治大学駿河台キャンパス)(東京都)

2023/11/04 (土) ~ 2023/11/06 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです。
役者さん達の演技も良かったし、舞台美術、衣裳、音響も素晴らしかったです。
そして、受付から観客へのアテンドまで丁寧でした。
学生さんのパワーを感じ、丁寧に一生懸命作られた舞台に感動でした。
観る事が出来て良かったです!

金夢島 L’ÎLE D’OR Kanemu-Jima

金夢島 L’ÎLE D’OR Kanemu-Jima

東京芸術劇場

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2023/10/20 (金) ~ 2023/10/26 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ギリギリまで迷って結局観てきた。フランス発のかつて世界的に話題をさらったというこの劇団が、今存在していたとて、往時のものとは変わってるだろうし「過去」のネームとは切り離して観るのが正しいのでは?とか、でもそれだと観る価値も半減するなあとか、ぐじぐじと考えていたのだが、思い切って足を運んでみて良かった。
大局的には劇団とは時代や潮流から生まれ出るもの、だがその特徴を担う演出家なり作家、スタッフまたは俳優が作るものでもある。太陽劇団は演出家が健在で、老体を鞭打って作っているのだろうが口は闊達な女性がアフタートークで「今も作り続けている」現役の喋りを繰り出していた。
舞台は休憩込みで3時間超に及び、装置、舞台機構、仕掛けや俳優の技を惜しみなくぶち込んだ趣向の数々で、日本の佐渡島(金夢島)に居る、と思い込んでいる女性(演出家)がベッドの上で夢見る風景が芝居になっている。だからジャポネスクなデザインも中途半端だったりてんこ盛りだったりカリカチュアしても成立する。中々なアイデアである。
内容をだいぶ忘れてしまったが、金夢島に利権を漁りにやってきた「おぬしも悪よのう」な悪役を出し抜いたり、佐渡島らしく能舞台をそのイベント会場としたり(そこそこ広いその舞台は可動式のピースを瞬く間に組み替えたりはけたりする)。喜劇調が基底にあり、時に辛辣な批評性高い場面を織り込んだりする。その部分は新鮮であった。例えば、あるデモか集会の様子を実際の音声で聞かせたり(その場面はそのまま暗転し観客に投げ切りとなる)、様々な言語で詩が読まれたりする。訳語を字幕で追うのみだが、魂の叫びが聞こえる。終盤、眠っている老女(金夢島に居ると思い込んでいる演出家)と夢の中の相手?と、詩的な言葉の断片を投げかけ合うゲームをやる。その断片が勿論訳語であるが鮮烈な印象の連鎖となって浮遊していく。
演劇が総合芸術であることを実感させる気合いの入った舞台で、多彩なものを織り込んだこれに該当するタイプを思いつかないが、舞踊作品の抽象性に匹敵し、かつ物語性もある。規模の大小を問わねば総花的・寄せ鍋的な舞台は日本産のを観ていそうだ。初めての感覚というのでなくある種のセオリーに則っているが、個々のアイデアは目が覚める。機構的な演出は宮城聰を思い出した。日本の伝統芸能のエッセンスが、日本人以上に(外部からアプローチするからこそのざっくりな捉え方で)デフォルメして表現されたりするのは楽しい。カタコト日本語を飛び交わさせる場面もあり、笑いを起こすような「いかにも」な場面がチョイスされてるのもセンスである。4、5回コールがあって、演出家が呼ばれて漸く収まった。

へたくそな字たち 【神奈川公演】

へたくそな字たち 【神奈川公演】

TOKYOハンバーグ

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2023/10/12 (木) ~ 2023/10/16 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

追記をしようと思ったら、未投稿だった。何度か推敲して送らず下書きが残っていた。
・・以前この作品を観た印象から随分変わったのが、(戯曲の若干の改変も恐らくあったのだろうが)芝居の質感と言おうか、演劇的作為にも関わらず生々しさが微妙に勝っている肌触りである。劇場も異なり、今回は俳優を間近で凝視した。勿論俳優の布陣も異なり、良い座組であった。

同じ作演出で今春、一人芝居を打った松熊つる松を、間近で見ていたにも関わらず気づかず(この人いい感じで演じてるな~、と)、観劇後にパンフを見てあっと気づいた。役を見せる優れた器であり、この人の風貌は中々視覚的に覚えられない(普通は顔より名前が覚えられないのだが逆に名前は十年以上前の初見から覚えている。まあ特徴的な名前であるからして)。
ベテラン女性教員に槌屋絵図芽。毅然とした姿が感情豊かなキャラ、これがさほど多くない台詞の合間の風情から立ち上っている。これ以上ないキャスティングだ。この役については後述。
新任教員の片平喜録との対象も、おいしい。
廃品回収のトラックを転がす兄貴(つうかオヤジ=甲津拓平)、そこに上から声が掛かるので見るとノッポの孤児出身の青年(山本啓介)が建築現場で鳶をやってる。脇からもう一人中国訛りのシュッとしたの(脇田康弘)が覗く。内装業者として入ってるのだという。学校以外のプライベート(というか仕事)の時間に、三人が揃う絵に描いたよなシーンが、演劇表現の「省略」とも、偶然の出来事のようにも見える両義性が、何気に高度である。
今時の若者(と言っても舞台は1980年代だが)を吉本穗果が演じ、ヤンキーが入ったキャラが周囲に存在を許されてるのが救いにも見える生硬さが、あるとき、動物園に親戚が居るという新任教師の手引きで彼らだけに「それ」の見学を許された日に、忘れ難い変化を刻む。吸い込まれるように「それ」を凝視する彼女は、犀(だったかな)の出産に説明不能な感覚を覚える。人ではないその存在が、嘘で覆いようのない実在を、自分もそのように生まれたという否定しがたい事実と重ね合わさるようにして、だろうか、彼女を打った事が伝わってくる。
授業中にお喋りな中国人男性が歴史についての自説を語り、韓国からのニューカマー(橘麦)もまじえて論争になるのもいい。言い合う事の醜さ、ではなく清々しさがある。
現役を引退して中学に入学した天ぷら職人のおじいさん(山本亘)が、ある意味で中心的な役柄となる。小さな工務店社長である彼の息子(飯田浩志)に連れられ学校を訪れるのが冒頭のシーン。応対する副校長(藤原啓児)の真面目でお間抜けなキャラで冒頭の笑いを掴み、彼がハケた後で現われるおじさん(宇鉄菊三)が先生に間違えられ、気を良くして暫くそこに居続けるという古典的な笑いも。中盤その背景となる回想場面では、夜間中学の先輩である鳶の兄貴の嫁さん(これも孤児出身の肝の据わった姉貴=橋本樹里)との二人の部屋を訪ねて来たのがその息子。兄貴の建築現場の現場監督で、夜間中学の相談を切り出すまでにその兄貴が字が読めなかった経緯を蒸し返して語り出すので、聞いてる内に戦闘モードに入った姉貴が彼に詰め寄るというエピソード紹介である。(これで全員出たかな?)もう一人。町屋圭祐氏演じるのが軽度の障害を持つ青年。片足が不自由で引きずって歩き、顔をゆがませて喋るが自分でやれる事を淡々とやり意思が明確で自分の意見を持つ、集団の成立が実はこういう存在に助けられている事が多い、ムードメーカー。

最も紹介したかった場面は、野外授業である。
段々とグループに分かれて、分からない漢字を書き取る。「あれは何?ええと、○○とあるから、ああで、こうで・・」と言い合うのだが、観客にすればこれは連想ゲーム。正解まで親切に言わせないのがいい。結局分からないものもあったが、ギリギリ、辛うじて「あああれか」と分かったものもあった。クイズを解くというよりは、彼らの未知の物を探る「目」に同一化して行くこれはプロセスになる重要なシーンだ。

そうした彼らの「学校」生活も終わりを迎える。その場におじいさん生徒はいない。代わりに卒業証書を受け取りに来た息子が挨拶をする。そして読み上げられるのが、彼ら一人一人に出されていたが、提出に至らず置かれていたので持って来たという「自分の手で書いた手紙」の宿題。おじいさんの言葉を卒業式で聞く。吉本が「何のための学校だったのか」と荒れる。そして劇中、ある授業で先生が出した質問におじいちゃんが答えたその答えが反芻される。

実は終盤、おじいさんが教室に居て、授業が中々始まらない、副校長が槌屋先生を慌てて呼びに来るが居ない、どうしたんだろうという場面がある。最初はのんびり構え、やがて何かを察した生徒らが全員いなくなった後、おじいさんが黒板の空白に書かれるべき字を書いて去るのであるが、照明変化に気づかなかったためか、おじいさんは「実在している」と見てしまった。だから槌屋先生が何に、誰に(どの緊急事態に)向かったのかを終劇後まで探っていた(何か見落としたエピソードあったっけ・・と)。
だから終わりへと進んで行く劇に本当は付いて行けてなかったのだが、おじいさんは既に亡くなった後か、または息を引き取る前、魂がこの教室を訪ねた、という事だったのだと解釈した(実はそれで合っているのかも自信がないが、まあ多分合ってるでしょう)。
山本氏はあの山本学、圭兄弟のその下の弟だと言う。兄二人程には映画・ドラマに出なかったが俳優を続けて年輪を刻んだ人だったのだな。

ネタバレBOX

槌屋絵図芽女史演じる教員の姿を見て、想起したのは(例によって引用恐縮)宮台真司が最近よく言う「空気を変える人」の事だ。

日本人は「平目キョロ目」で自分の主義主張や思考で物事を決められない人間が多い、という事から、その弊害として、空気を読まずに勇気を持って本当に思っている事(正しいと思う事)を発言する事に困難が生じる。
ある調査によれば、貴方はクラス(集団)に何人の味方(又は頼れる人)がいたら、曲がった事を正そうと提案する勇気を持てるか? という設問に対して、諸外国では2,3人または数人いれば言える、と答えたのに対して日本は「クラスの半分」だったそうである。
事程左様に日本では、いじめをやめろ、と言える人間が(全員がそう思っているので)少ない。つまり悪い事態を良くしようと提言する発言そのものが出づらい土壌がある、という訳だ。
だが例外がある。そのクラスを導く教師が対等性を重んじ、公正さを重んじ、小さな意見にも耳を傾けようとする、毅然とした態度を貫ける人間である場合に、ガラッと空気が変わる。生徒は物が言えるようになる。
それは地域のリーダーにも集団や組織のリーダー的存在、引いては国のリーダーにも言えるかも知れない。安倍が自分を批判する人間を敵と見なして我が方に付く者と批判する者とを分断するタイプの政治家だったことは、上記の条件とは真逆。寄らば大樹と寄りかかる人間を作り出し、己の考えを貫く人間にとっては困難な空気をより押し広げた。
人の道を重んじる「大人」がそこに居るか否かで空気が変わり、人の振る舞いが影響されてしまうという事であるが、日本では、そのキーマンがいなくなったら、元の木阿弥となるのが悲しい。
自律的な振る舞いに慣れていないのが日本人のスタートラインだとすれば、この意識の変革には歳月を要するだろう。

劇に戻れば、夜間中学では損得を度外視して「関わる」人の輪がそこにあった。芝居はその事が裏付けを持って感じられるものだった。
時代設定は1980年代後半で、既に高度成長期を終え不況~バブルを迎えたあたり、競争原理が可視化された「偏差値」教育の場とは一線を画した、夜間中学という場所がそれをもたらしている事は明白で、ぶつかる時はぶつかる本音のコミュニケーションが書き込まれ、美化されていない。関係が自然に成立している事の裏付けがディテイルで充実していたのが、前回観たバージョンを超えてたなと感じた部分。
吉良屋敷

吉良屋敷

遊戯空間

シアターX(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

スタイリッシュな時代劇。色々と不明なことが多い歴史的事件ですが、吉良サイドに立った本作は実に見事な解釈でした。

江古田駅をミナミへ

江古田駅をミナミへ

劇団二畳

FOYER ekoda(ホワイエ江古田)(東京都)

2023/10/27 (金) ~ 2023/11/03 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

A+Cの回観ました。前回も観ましたが、この短編集の企画実にイイ。Aは勘違いの話。感謝は口にしないとね。死んでからではもう遅い。Cは亡き人への追慕の話。昨年家人を亡くしただけに身に沁みるなー。

GIRLS TALK TO THE END vol.4

GIRLS TALK TO THE END vol.4

藤原たまえプロデュース

OFF OFFシアター(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いやはや何とも密度の濃いガールズトーク。笑いとシリアスがミックスしたミステリー風で、二転三転する展開に目が離せない。大いに楽しめました。

未踏

未踏

wonder×works

座・高円寺1(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

お見事!の一言。途中休憩を挟んで3時間弱の長丁場ですが、全く飽きさせない。サンドアートも素晴らしい。

光への道は遠く

光への道は遠く

オフィスリコプロダクション株式会社

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/11/02 (木) ~ 2023/11/15 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

​「帝銀事件 ー獄窓の雪ー」

2020年初演。
ベートーヴェンの交響曲第7番第2楽章が効果的。これを聴くと宿命に対し厳かに死んでいくモノクロの隊列を感じる。自分ではもうどうしようもないことを粛然と受け入れるしかない弱者。多かれ少なかれ人間誰もが無力で何一つ出来やしない。思えばこの世の出来事全てが謎だらけ。皆、その真実からひたすら目を背けてきただけ。見なければ無かったことになる、と固く信じて。

昔の自分は元731部隊の諏訪中佐が犯人だと信じ込んでいたが、最近の研究では全然そんな人物は該当しないことに驚いた。GHQの圧力で捜査にストップが掛かり、適当に容疑者をでっち上げたんじゃなかったのか?
熊井啓の映画を観たりした筈だがもう全く記憶にない。当時の警察は(今も?)本当であろうと嘘であろうと犯人をでっち上げて事件を終わらせてきた。真実の解明ではなく、対世間に対しての申し開き。冤罪だろうと無理矢理自白させてしまえば同じ事。兎に角終わらせること。

テンペラ画とは、卵と顔料(着色に用いる粉末)を混ぜて絵具を作り描画する技法。油絵より劣化が少ない。

昭和23年(1948年)1月26日、帝国銀行(現在の三井住友銀行)椎名町支店。閉店直後に現れた厚生省技官を名乗る男が赤痢の予防薬をそこにいた16人に飲ませる。薬は青酸化合物で12人死亡。現金と小切手、現在の価値で500万円程が盗まれていた。

偶然生き残った4人が犯人の男について供述する場面から開幕。
実質主人公でもある堂ノ下沙羅さん。表情が可愛らしくキャラクターのキャパが大きいのでいろんな役をやれそう。藤野涼子みたいな実力派。岸本加世子路線、井上ひさし系が合うのでは。表情一つでガラッと印象が変わる。華と陰、両方を併せ持つ。
初舞台のグラビアアイドル、桑島海空(くわじまみく)さんはコメディリリーフとして活躍。深刻な世界に笑いを注いで和ませてくれる。
その相方ともいえる杉浦一輝氏。名アシスト。
三原一太氏は一種異様な雰囲気でこの事件のおどろおどろしさを醸し出す。

権力の威圧感を纏った検事は妹尾青洸(せのおせいこう)氏。
暴力の匂いをぷんぷんさせる刑事に藤井陽人(あきと)氏。
孤立無援の弁護士に酒巻誉洋(たかひろ)氏。
そして平沢貞通は中田顕史郎氏。

毒物を飲まされて死にかかった堂ノ下沙羅さんが平沢貞通は犯人でないと一人証言する。嘘の犯人をでっち上げることは本当の犯人を逃がすこと。彼女の孤独な戦いが今作品のテーマ。
堂ノ下さん演ずる竹内正子は本当面白い人で、当時のインタビューを読んでも痛快な女傑。
その母親役はかんのひとみさん。

何故これ程冤罪事件が発生するのか?そして国家や警察検察は自らの誤りを認める事を一切しない。認めてしまえば前例となってかなりの訴訟を受ける恐怖からだろう。この国には真実を調査する機関が必要。建前と権力の自己正当化、弱肉強食の論理ではいつも弱者が泣き寝入り。今、人間は聞こえの良い嘘より真実を必要としている。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

堂ノ下沙羅さんは東京大空襲で父を亡くしていた。帝銀に現れた男がどことなく父の面影に似ていると思ってぼんやり眺めていた。だから、平沢ではないと確信できた。この設定が巧い。

平沢貞通の絵が必要。彼が獄中で描いた絵が物を言う。獄中生活39年で三千点余りの絵を描き続け獄死した。面会に成功した初対面のカメラマンに彼が言ったのは「今欲しいのは画材、特に色紙と麻紙です」。ラストに彼の獄中で描いた絵が大量に映し出されたら作品に説得力が出る。

当時、捜査主任だった甲斐文助刑事が捜査会議の時に書いたメモ「甲斐捜査手記」。
登戸研究所(旧第九陸軍技術研究所)所長、伴繁雄「帝銀で使われたのは登戸研が開発した青酸ニトリールに間違いない。犯人は提供先の誰かだろう。青酸ニトリールは遅効性の青酸化合物。5分で発症、10分で死亡。遺体には青酸しか残らない。集団自決用に開発。青酸カリは即効性で最初に飲んだ人が悶え苦しむ。それを見たら後の人が怖気づいてしまうので遅効性の物が必要とされた。揮発性が高く保存は瓶に入れグリセリン等の油分で上部を厚く覆う必要が有る。犯人が第一薬を飲んでも無事なのは上部の油分の所だけを飲んだからだろう。」

前年10月と事件の一週間前にも似たような出来事が別の銀行で起きていた。集団赤痢の予防薬を飲ませようとする謎の男。一度目は薬を飲ませたが何も起こらず、二度目は行員に疑われて退散。
平沢貞通は何らかの形でこれらの毒物事件に関与しており、そのことについては一生話すことはなかった。そこがこの事件を覆った昏いカーテン。事件後、平沢の偽名の口座に預金された13万4千円もの大金、現在の貨幣価値で300万円以上。平沢は春画(ポルノ浮世絵)を極秘に描いており、その報酬だったがそれを恥じて言わなかったと支援者達は考えている。

帝銀事件の実行犯は某歯科医〈奥山大助(庄助)や能口ヒロシなど仮名が付けられている〉を挙げる人が多い。平沢貞通は未遂事件の犯人で、グループの一員だったと。
ハムレット

ハムレット

明治大学シェイクスピアプロジェクト

アカデミーホール(明治大学駿河台キャンパス)(東京都)

2023/11/04 (土) ~ 2023/11/06 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

学生演劇としては、重厚にして心情豊かな表現力で感心した。愚かしくも切ない人間、その姿を浮き彫りにすることで観ている人の心を揺さぶる。「ハムレット」はシェイクスピアの四大悲劇の一つとして有名で、その演出によって面白さが左右されると言っても過言ではないだろう。

本公演は、心情表現を丁寧に描いており、それによって夫々の境遇や立場が鮮明になっている。有名な台詞「To be or not to be,that is the question」に象徴される選択肢のない苦悩が痛々しい。そして 当日パンフ表紙は「-行こう、僕の運命が呼んでいる」という言葉だ。しかし、殺された父の亡霊に復讐を果たそうと決断するまでの<心の過程>があっさりとしており深みが今一つ。亡霊は本当に父なのか、そして本当に叔父が父を亡き者にしたのか、更に自分が叔父を制裁するほどの正義があるのか、といった苦悩が弱いのが憾み。1階ほぼ中央で観ていたが、ハムレットの猜疑心が本物になる、その心情を表す台詞に 音楽が被さり聞こえ難かったせいか。
(上演時間2時間30分 途中休憩なし)

春の遺伝子

春の遺伝子

テノヒラサイズ

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2023/10/20 (金) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

4年振りの公演、コメディ要素はほぼ0(無理矢理ボケをかましてたが…)、だけど…

やっぱ、テノヒラさん、演技、上手っ!
近未来SFサスペンス?
本当に起こっても不思議じゃない。
とてもリアリティがあって、SFと言うよりヒューマンドラマ要素強めで、引き込まれた!

complex [コンプレックス]

complex [コンプレックス]

劇団とっても便利

ABCホール (大阪府)

2023/10/13 (金) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

千秋楽観劇。
complexに集う芸能界·政界の裏表、ダメ男に、ピュアな恋!
最後は前に進む勇気貰えた!
皆さん歌上手っ!
からの福田さんの一人語り、人が人形に扮した文楽って?完成度高!
これミュージカルですけど?
愉しすぎ!

そして高嶺ふぶき&上田亜希子さんの♫スペシャルカーテンコールに鳥肌!

満足じゃ!

邂逅

邂逅

関西大学劇団万絵巻

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2023/10/14 (土) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

お久の万絵巻さんはオリジナル長編に挑戦!
貧しいマンホールチャイルド、ギャングの支配、腐敗した警察、軍が治安維持に乗り出すが…

見応えある内容。
沢山の内容を、其々の立場で多面的描かれ、面白かった。
ただ少し纏まりに欠けた感じが少し残念だが、力作だった。

霧笛の音が聞こえたら。

霧笛の音が聞こえたら。

関西大学演劇研究部 学窓座

関西大学千里山キャンパス内凜風館4階小ホール(大阪府)

2023/10/14 (土) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

事故で挫折した役者が一通の手紙に誘われテアトルヌーベルホルンへ…

ハチャメチャなノリの黒部のキャラが実に良い!
なのに霧笛って…
ジーンと胸熱で、伏線回収も見事!

ムチャクチャ面白かった!
良いお芝居だった。
そして元気貰えた。
私も霧笛に成りたい!

ハムレット

ハムレット

明治大学シェイクスピアプロジェクト

アカデミーホール(明治大学駿河台キャンパス)(東京都)

2023/11/04 (土) ~ 2023/11/06 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/11/05 (日) 12:00

年々グレードアップしています。
今回20回記念公演のハムレットは、
全キャストに光が当たり、客席も余すとこなく素晴らしい演出でした。
ストーリーさながら、舞台セットが圧巻。
明日も観たいが仕事で残念!
難しいシェイクスピアをわかりやすくしてくれています。

洋館ミステリ劇場 江戸川乱歩「闇を這うもの」10月公演 @青山ビル

洋館ミステリ劇場 江戸川乱歩「闇を這うもの」10月公演 @青山ビル

G-フォレスタ

青山ビル(大阪府)

2023/10/14 (土) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

乱歩デビュー100周年記念@青山ビル、地下のダンスホールから屋上庭園の4階まで、色んなお部屋を拝見!
Gフォレスタ さんの見事なお芝居に、今回も全く歯が立たなかった推理、とっても楽しかった!
あっと言う間の2時間でした🥳

イエ系

イエ系

北九州芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2023/11/04 (土) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

国内外、そしてドラマや映画で取り上げられる「家族とはいかなる存在なのか?」を正面から
取り上げた作品。作・演出の「サンプル」松井周らしい奇妙な部分はありつつも、物語的には
結構ストレートでかつ笑いの要素も強いのでかなり入りやすい作品になっているかと思います。

ネタバレBOX

近未来の北九州では、独身の老若男女を集めて「父」「母」「息子」「娘」などといった
疑似家族を構成し、経済活動を行わせるというプロジェクトを行っていた。

プロジェクトは、少子高齢化そして人口減少が進む地域の経済発展に寄与する代わり、独りで
生きていくにはちょっとワケありな人たちが孤独死、または防犯治安上の問題にさらされる
ことなく、一定程度安全に生きていくことを保証される形なため、もしメンバーが
ねんごろになって子供ができた場合、コミュニティを追い出されるという罰則があるとのこと。

三上家もそうした疑似家族の1つであり、一家の大黒柱と目されている「父」和也のもと、
「母」真希、「長男」頼人、「長女」弥穂、「次女」つくし、「祖母」景子の総勢6人で
ラーメン店のオープンを1週間に控えている。

店はラーメン屋の親族を持つ市広報課・田中のバックアップを受けつつ、旧来の父親像に
こだわりがちな和也に各人が思うところありつつも、表向きは順調にいっている「家族」と
して順風満々とみなされていたさなか、お隣にやってきた大木家の「母」と「娘」が、なんと
和也が20年前に捨てた実の家族だと判明して……。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
大木家のことが家族にバレ、今までの各種ハラスメントも影響して、最終的には「父」から
家の「ペット」「置物としてのマスコット」まで転落した和也だけど、「和也に父親を辞めて
もらうか」の決では半分賛成だったのが、「和也に辞めてもらって、ラーメン屋はそのまま
続行する」ではほとんどの人が手を挙げていたのに笑った。和也嫌われ過ぎ、そしてみんな
ちょっと打算すぎるでしょ(笑

大木家の「娘」杏は血縁関係を持つ者こそが家族である、意味なす関係であるという立場を
変えず、自分の実の父が「父」を降ろされて、頼人が新しい「父」として店を
立派にまとめているのを知って家を捨てて出奔するの、ヘンなところで血って争えないなと
思ったし(作品のテーマじゃないんだろうけど意識はされているはず)、

父親もいる疑似家族コミュニティから出ていったの、「家族」って血筋とかじゃなくただの「役割」と
「コミュニティ」の複合物なんだな、って、子どものころから抱いてた思いが確信に変わったな。

「万引き家族」でも同様のことがあったと思うけど、血縁を逃れても今度は「役割」から逃れられず、
別の地獄に転がり込んじゃうことある……。本当の家族じゃないはずなのに、本当の家族並みの
息苦しさと不満が渦巻いてるの、どうしようもできない、と。

ただ、一家を束ねるには明らかに古臭くって不適格な和也が降ろされて、物静かだけど人を尊重する
ビジョンはちゃんとある頼人が新しい「父」になったとたん、店の雰囲気が良くなったのみると、
血縁の家族でも疑似の家族でも、その役割に向いてない人が長期間居座って権力を持っちゃうことが
問題なのであって、前者なら離婚や逃走、後者なら多数決での解任や役割移譲させることが最善で
ベストな解決法なんだろうか……?

家族ってポジでもネガでも特別な地位を与えられてるけど、ここまでいくと同じコミュニティである
「会社のメンバー」とあんまり変わらない気もしてきちゃって、あらためて考えさせられる作品
だったなって。

余談ながら頼人、口数少なすぎるから元引きこもりで自立した生活の一歩として疑似家族プロジェクトに
参加したのかと思いきや、途中でチラッとのぞかせる腕の入れ墨に「あ、修羅場をくぐってきた結果、
物静かな人になったルートなのね……」と違う意味でハッとした。各人の半生にいろいろ思いを寄せる
2時間でもあった(中には児童養護施設を卒業して行き場がないまま成り行きで参加したつくしみたいな
人もいる)。三上家や大木家以外にもアンティークショップやソバ屋もあるらしいけど、どんな家族なんだろう。

そして真希はヤバいよ……。「夫」の和也が無理だから家出て大木家の手伝いすることになって、でも「妻」で
「母」の間隔が抜けないから、新生三上家のラーメン屋の接客に理不尽な難癖付けて……。「あなたたちが
私を追い出したんだから」って言ってたけど、都合のいい風に事情を解釈することも含めて、「家父長制」って
なにも男性だけじゃなくて、「家婦長制」としての危うさも当然あるなって感じた。

よくよく考えたら男女で権限や権力握った後、対応や態度が性差で変わるってことあんまりないよな。個人の素質の方が大きいような気が。
そこ描いてくれたのも問題の根深さを理解しているようで良かった。

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