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無駄な抵抗

無駄な抵抗

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2023/11/11 (土) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

予想通りの展開で物足りなさを感じる舞台だった。
先の展開が読めてその通りに進んでいく、
それが物凄く丁寧に描かれているせいか
テンポが悪い。それはわかっているから早く
先に進んでくれと何回も思ってしまった。

物語の内容も昔の昼ドラみたいで、
私には合わなかった。

ネタバレBOX

そもそもお兄さんに寝取られた時点で、産まれてきた子供のを目の敵にするはずなのに
なんで?兄に逆らえないようになんていたのか?

なんもない駅前の広場でカウンセリングみたいなことするか?
守秘義務どころか周りに筒抜けで...。
ハロー、妖怪探偵社

ハロー、妖怪探偵社

ザ・プレイボーイズ

小劇場B1(東京都)

2023/11/22 (水) ~ 2023/11/28 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/11/23 (木) 19:00

いつの間にかストーリーに引き込まれていた。
妖怪が暗喩に感じられ刺さるものがあった。

INDEPENDENT:23

INDEPENDENT:23

INDEPENDENT

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2023/11/23 (木) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

満足度★★★

初日参戦
一グループ目は、誰の目からも江本さんだったと思います 一人芝居は江本さんの右にでる人いないのでは…
二グループ目は、以外にも名古屋のデスリフトが良かった❗最後が、西原さんで期待していたが、歌が多用されて芝居とは…内容も僕には刺さらなかった…
落語やサムライはなぜここに出てくるのか…予選敗退者の方が断然だったけど…

たわごと

たわごと

穂の国とよはし芸術劇場PLAT【指定管理者:(公財)豊橋文化振興財団】

ロームシアター京都サウスホール(京都府)

2023/11/23 (木) ~ 2023/11/23 (木)公演終了

満足度★★★★

余命少ない父(小説家)と、仲の悪かった兄弟(学習塾経営と前科もちの亀とウサギ)の仲や看病を取り持つ医者(オランダ人の母と日本の父の為か、受け入れ先がない)と看護士(スナックも経営) それと元父の秘書兼タイピストと元弟の恋人で今は兄の妻が織り成す家族の相続と関係修復の話
職業、立場こそ異なるも、どこにでもあるありきたりさはあるが、観せるために深く掘り下げられている
外国人に対する差別、前科もちに対する差別、血のつながりだけを重視する偏見 等々だけでなく、親の思い通りに子供を育てることの難しさなど余りある位の問題が提起され、最後には…
ハッピーエンドではあるが、兄弟の確執はこの後も…

KEY LOCK

KEY LOCK

コメディアス

OFF OFFシアター(東京都)

2023/11/22 (水) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/11/23 (木) 17:00

あまり観ないタイプの作品も思いの外面白かった。
謎解きが主体でストーリーを追う訳ではないのが逆に良い。
見ず知らずの人が一つの目的に向かう様々な描写がまさに人間関係の縮図と感じた。

Pass the buck

Pass the buck

歌をあなたに

両国門天ホール(東京都)

2023/11/17 (金) ~ 2023/11/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。俳優の皆様の演技の質が高かったので安心してみることができました。
特に車椅子の妻役、セリフは少なかったのですが、感情表現がすばらしかった。

「慈善家-フィランスロピスト」「屠殺人 ブッチャー」

「慈善家-フィランスロピスト」「屠殺人 ブッチャー」

名取事務所

「劇」小劇場(東京都)

2023/11/17 (金) ~ 2023/12/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「屠殺人ブッチャー」2017年度の読売演劇賞を受けた作品の、これは三演で、演出が生田みゆきに代わった。前舞台を見ていないので、つい比べたくなる悪い癖を免れている。新鋭の才女はご贔屓だか、一、二演は見ていないから偏見なく見られた。よくできている。見事な演出である。1時間半息をのむ間もないサスペンス劇である。それでいて3時間の芝居を観たような重さだ。
中東あたりの旧ソ連邦国家群の辺地にある警察署の、雨の降るクリスマスイブの話である。分裂している民族国家の一方の旗頭とみられている将軍(高山春夫)が拷問のあともあらわに担ぎ込まれる。言葉が通じない。急遽女性看護師(万里紗)が通訳として呼び出される。警察署の刑事(清水明彦)、その地域の弁護士(西尾友樹)が、将軍の身元を明らかにしようとするが、その裏には、恐るべき葛藤が秘められていた。
その仔細はスジを語るより、やはり芝居は目前で人間が演じるのを見るのが一番である。次々と明らかになっていくこの辺地の民族紛争に現代社会の災厄の根幹が隠されている。それが、現実になって吹き出すクリスマスの夜の事件だ。
この事件には、ウクライナの紛争にも、イスラエルの戦争にも共通する現代の災厄の原型がある。現代の世界に生きる人間にとっては、その存在を保証する生存の原則はない、いつかお互いに憎み合う、そして憎しみを忘れない。こうして紛争は多分無限に続く。
その現実を辺境の地の一夜の物語に圧縮してみせる。その仕掛けはなかなか周到で、カナダの地方演劇にこういう本が上演されていると言う事実に驚いた。「世界演劇」だな、と思う。俳優は皆訳をよくつかんで隙がない。
長年カナダの商社で普通の仕事をしてきたサラリーマンの芝居ずきの人(訳者・吉原豊司)がカナダ演劇を我が国の舞台に紹介してきたということにもある種の感慨がある。逆に、学生上がりの若いカナダ人が文楽に入れ込み70年代に文楽の舞台を映画撮影した作品が当時の良い時代の文楽の唯一のカラー映像だと言うこともある。現代に生きる市民にも文化に歴史を刻むことはある。言葉は安いが、一見を勧める舞台である。



ジャイアンツ

ジャイアンツ

阿佐ヶ谷スパイダース

新宿シアタートップス(東京都)

2023/11/16 (木) ~ 2023/11/30 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ほとんど完璧な舞台観劇感想をヴァンフルーさんが述べられているので、付け加えることは何もない。長塚圭史が、このような作品で阿佐ヶ谷スイイダースを引っ張っていくことなんか、全く想像できなかった。人間年の功というものはあるものである。老獪な物語の構造が時々観客の手の外へ行くのが、唯一の欠点か。

KEY LOCK

KEY LOCK

コメディアス

OFF OFFシアター(東京都)

2023/11/22 (水) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 誰が何の為に? の解は明かされないが、この解の類推は比較的容易い。論理的に詰められるからだ。

ネタバレBOX

 板上横長の箱の上部に掌をかざすと機能する機械が1台置かれ、ホリゾント中央上部に小型モニター、その下の壁左右に開けられた開口部。更に劇場入口から板へ延びる壁面に大型のモニターが設置されている。出捌けはホリゾントに開けられた開口部2か所。
 物語は誰が何の為にこのようなことをしたのか、最終的に一切明かされないものの、一種の知的ゲームのような作品に纏め上げられている。1室、モニターにキーボードと?マークが描かれた升目5つが表示された部屋。他は各部屋に1人、兎に角目覚めたらサイズも部屋のレイアウトも据え付けられている機器も完全に同じで掌を翳した後機械下部から排出されるアイテムのみ異なる仕様の部屋。因みに各部屋は微妙に色彩が異なる。部屋総数はずっと不明、建物のある場所も部屋総数も、このように人々を閉じ込めた者の意図、正体、目的も一切謎である。然しアイテムは配置された部屋に入った者専用で他の者が機械に掌を翳しても反応しない。こんな具合に少しずつ謎が解き明かされる。小さなモニターには様々に配置された黒点が、異なる数レイアウトで表示されている。訳が分からないので自然に登場人物たちは壁に開けられた穴の向こうに何があるのか調べに行く。こうして互いが出会い、各々の受け取ったアイテムが異なることを知り、施設自体がロックされており、このロックを解除しなければ解放されないことを理解する。此処迄理解できるとロック解除に必要なことは暗号を解くことだと知れた。各登場人物が彷徨いつつ徐々に知り合ってそれぞれが入手したアイテムを用いて暗号を解く。暗号を解く為には総ての情報を入手してデータを分析、解き方を考え実際に解かねばならないから、正解を得るのは最終盤に入ってからである。この過程の試行錯誤や未知に遭遇せざるを得ないシチュエイションから生じる疑心暗鬼や恐怖、直ぐ正解に辿り着けないことから来る焦りや死への恐怖が上手く配置され、観ている者たちも緊張感を持続して観ることができる。面白い。
ザ・スコテッシュプレイ

ザ・スコテッシュプレイ

劇団五期会

ABCホール (大阪府)

2023/11/23 (木) ~ 2023/11/25 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/11/23 (木)

欲にまみれた人間は、「選べれし者」と囁かれるとしたり顔になる。それがマクベス。「綺麗は綺麗、汚いは汚い」のだ。

『日曜日よりの使者』『明日のハナコ』

『日曜日よりの使者』『明日のハナコ』

feblaboプロデュース

Paperback Studio(東京都)

2023/11/22 (水) ~ 2023/11/23 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/11/23 (木) 13:00

座席1階1列

価格3,500円

日曜日よりの使者は石巻公演以来。同じメンバーでしたね。名作は勿論ですが陸男の汗だくがいつも気になるんだよな。今日もカモメは強くつついてあげたよ笑

明日のハナコはとにかく圧巻。こんな作品があるんですね。まず誰が書いたのか気になり聞いて納得。これは演劇でしか見れないし、そもそもこれが演劇。「いまを生きる、いまを生きたい」を原発と演劇の両面から見せた味付が好き。憤りは客席からも同様。私も暴れたかった。

クロノスとカイロス

クロノスとカイロス

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2023/11/21 (火) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

時空や次元を超えて人の思いを紡いだヒューマンドラマ。常に寄り添い見守るような 優しいまなざしの母、言葉少なく不愛想 不器用な父、そんな両親の下に生まれた三人姉妹(長女 辛沙奈サン、次女 鈴木沙綾サン、三女 神咲妃奈サン)が、それぞれの性格や立場を表し、抱いている思いと苦悩を吐露するように展開していく。

「人は何のために生きるのか」といった旨の哲学めいた台詞もあるが、物語は タイトル 説明にある「『時』と『時間』同じ刻を表す言葉『時間』は一瞬一瞬を表し、それが積み重ねられて『時』となり・・・」という内容を準え、答えのようなものが浮き彫りになる。時の積み重ね=生きることによって 初めてそれが分かるのかもしれない。

家族にとって自分の存在が重荷になっているのでは、と悩む女子高生(三人姉妹の三女)、どうして彼女が苦しんでいるのかが物語の肝。しかし早い段階で、彼女を見守る人、その様子から何となく想像がついてしまうが…。
(上演時間1時間40分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は、やや上手にパンケーキ店 オカリナ、店先に並んだ樽の上に瓶。下手にハナミズキ、所々に生い茂った葉。シーンによって店内にテーブルや椅子を運び入れる。この劇場の特徴、出入り口近くに別場所(公園か?)を設える。

物語は、三女が高校を卒業してハナミズキに向かって感謝の言葉を言うところから始まる。<感謝>するということは、見えない思いや行為に向かって発する言葉。
店にたびたび来ては、食べないで帰っていく謎の女。立ち退きの嫌がらせか といった憶測をする常連客や三女以外の家族、一方 立ち退き話を知らされていなかった三女の疎外感が絡んで物語が立ち上がる。

母は三女が3歳の時、一緒に出かけた店の火事で、自分を庇い死んだ。自分のせいで と自身を責める。しかし 長女は、自分も一緒に出かけており、母は二人の娘を助けるためにといった事実をいう。この火事現場に生きることを見失った中学生がおり、それが謎の女の正体。娘を助けようとしている女性(母)を助けることも出来ず、死のうとしていた自分が助かってしまう。その理不尽というか嫌悪への贖い(あがない)のためオカリナへ来ていた。<生きること>は一瞬一瞬の時の積み重ねであり、相手を思いやること …あまりにキレイ過ぎるような気もするが。

ちなみにハナミズキの花言葉は「永続性」「私の思いを受けてください」「返礼」らしい。何となく、生きる、自分自身を大切にする、そして相手を思いやる(別エピソードの待ち人や結婚の約束など)に通じるよう。それを 総じて若いキャストが溌剌と演じ、脚本・演出 そして父親役の下出丞一さんが渋く重みをもってまとめている。全体的に重苦しくならずポップな印象の公演、楽しめた。
次回公演も楽しみにしております。
舞台「有頂天少女」

舞台「有頂天少女」

バードランドミュージックエンタテインメント

バルスタジオ(東京都)

2023/11/22 (水) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/11/22 (水) 19:00

若手女優がフェルマーの定理を題材の芝居をする、というので観に行った。数学歴史ファンタジーとでも呼ぼうか。予想外の展開で面白い。91分。
 歴史教師が高校時代の同級生の誘いで、高校時代の修学旅行時の事故で消えた同級生のカイを探す回想の旅へ…、のファンタジーな展開。謎そのものの解決はややチープだけれど、それを、フェルマー予想が解決されて定理になるプロセスと重ねるという展開が面白い。ピタゴラスやフェルマーの名前が出てくる芝居にはしばしば出会うが、カントール,エイダ(ラブレス),ヴォルフスケール,谷山・志村,ワイルズといった名前に出会ったことはなく、ビックリした。ピタゴラス教団の話とかも一定程度正確だし、歌やダンスを交えた楽しい舞台だし、布をダイナミックに使う演出とか、見応えはあった。タイトルにも意味があるのだけれど、それほど活きていなかったのは残念。

クロノスとカイロス

クロノスとカイロス

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2023/11/21 (火) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

お互い誤解のないように、傷つかなくていいように、ちゃんと話をすればいいのに・・・と思うのですが、家族ってその辺りが難しいものです。わかっているだろうとか、話すことに照れがあったりしてなかなか話せないものですね。本当はお互いを思い合っているのに。周りの人たちも暖かくてよかったです。
帰りにパンケーキを買ってしまいました。

ネタバレBOX

舞台に慣れている人ならあのお母さんは幽霊だとすぐにわかると思いますが、そうでもない人はどうなんだろうと思ってしまいました。
ほっこりとしたラストにも思えますが、車椅子のお父さんを見ていたら、3姉妹の今後が心配になりました。競馬好きのお姉さんはお仕事しているのでしょうか?
せっかくの当パン?なので簡単でいいですので、キャスト表が欲しかったです。
クロノスとカイロス

クロノスとカイロス

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2023/11/21 (火) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

プラネタジャッジから、新撰組のお話、前作のLetterと、拝見させてもらいましたが、今回の作品もとても面白かった。家族愛にとても感動です。正直にまっすぐ伝わりました。不器用だけど愛一杯の父さん共感しました。心暖まる素晴らしい時間ありがとうございました。

ENJOHJI

ENJOHJI

ヒューマン・マーケット

WAKABACHO WHARF 若葉町ウォーフ(神奈川県)

2023/11/20 (月) ~ 2023/11/23 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

Familyシリーズはここ数作品続けて拝見させていただき、作品のほのぼの感、家族の愛がしっかり描かれ、また役の固定された役者の皆さんの演技の素晴らしさで、本当にに近所にいる玩具屋さんを見ているようで大好きです。今回、番外編は初めてでしたが、雰囲気本編そのままで、笑いあり、涙あり、本当に楽しかった。来年一月のFamilyも、いつもの0番倉庫で、楽しみです。

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人間嫌い

イズモギャラリー(東京都)

2023/11/22 (水) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ビジネスホテルに泊まる4組の女子、彼女達の生態を『フォー・ルームス』のように描写。4つのストーリーが繋がるような繋がらないような。

A かつて文藝賞を取ったが単行本化もされず、SNSのインフルエンサー的立ち位置でエッセイストとして雑誌の仕事をこなす今井未定さん。締切が迫る中、担当(桜田実和さん)が発破を掛けに来る。
B バカ彼氏の発言に怒った武田紗保さん、ビジネスホテルに家出して来た。友人の村上桜佳(おうか)さんが励ましてくれる。
C 東京店の応援勤務で出張に来た二人。女子力高いあべまなさん、大学生バイトの井澤佳奈さん。
D ハードな仕事で会社とビジホを往復する川勾(かわわ)みちさん。過労死寸前の社畜はXで呟く。

井澤佳奈さんが強キャラ。この人、男だったらかなり売れてる筈。同性から絶大なる支持を受けるポテンシャルを備えている。売れて欲しい。田舎者の強味。

川匂みちさんも強い。出てくるだけで笑いが起きる。

MVPは武田紗保さん。凄い攻撃力。ボイスロイド風読み上げも馬鹿受け。本当はどういう人なのか気になる。男のイメージする馬鹿女のカリカチュアライズ。

あべまなさんの訛りもいい味。

ネタバレBOX

話はあってないようなもので女子の生態を味わう感じ。同世代の女性が観るべき作品なんだろうが、客席はおっさんと同業者が占める。伝えたい相手が観に来ないという小劇場の永遠のテーマ。
無駄な抵抗

無駄な抵抗

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2023/11/11 (土) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

コロナ下での「外の道」以来、イキウメの異色作が自分の深奥に届く。時代を捉える感覚というか。
今回は世田谷パブリック主催公演で、ギリシャの叙事詩「オデュッセイア」を題材とした前作「終わりのない」(まだ四年前とは・・随分昔に思える)に続き、ギリシャ悲劇「オイディプス」を下敷きにした作品との事だが、そんな前宣伝は全く知らずに観た。
(結論的な事を言えば、この悲劇の悲劇たる核心の「現象」が今作では現代の悲劇に置き換えられているのだが、原典の物語の副題と読めば納得なタイトル「無駄な抵抗」は、今舞台では痛烈な批評の語になる。)
前川戯曲に盛り込まれる「不思議」は初期はそれが眼目のような所があったが、その「仮想」は問いを含む。言わば形を変えた現代批評。であるゆえに問いの投げ方により「不思議」の入り方が変わる。前作「人魂を届けに」では「魂」が実体化したらしい奇妙な物体であったが、物語の最初の一歩を刻むこの存在は、物語本体が進むにつれやがて霧消し、象徴的存在として最後には「処分」された。
今作の「不思議」は、いつしか電車が止まらなくなった駅(なのに駅として稼働しており「電車が通過します」のアナウンスが時折流れる)の存在、なのだが、効率化と省力化が進んだ先の、僅か先の未来と見えなくもない。少なくとも現代の感覚ではそれはあり得ないから「不思議」に属するが、一歩間違えばそれはあり得るかも知れない。
物語本体(幾つかのエピソード)が進み、あるいは共有されるこの駅前広場が、冒頭大道芸人(浜田)に紹介される(円形劇場の客席のような円弧を切り取った数段ある頂上の高い造作)。そこから劇は始まる。
場面乗り入れの演出も「不思議」との微妙な距離感を作る。平場でのやり取りを、人が遠巻きに座っていたりして、円形劇場風の階段から見るともなしに「見ている」ようで別の次元にいる風である。役を演じた後は椅子に座って役者自身に戻るアレにも似るが、ギリシャ劇風にコロスと呼ぶのが近い。結果的にギリシャ悲劇の筋書きが、円形劇場の中、皆が揃った前で成就するのである。
各エピソードは、会話により語られる対象であるので、その場所は必ずしも「この場所」である必要はない。が時折、語る人物らによってふと意識されるのがこの駅前広場であり、「電車が停まらない」現象についても言及される。そしてカフェを開く青年(大窪)や警備員(森下)の存在があり、とある社会の一角である事を意識させる。
今一つの「不思議」は、場面が閉じられるタイミングで浜田が「○○はこんな夢を見た」と言い、人物らが場所不特定な存在となり夢の構成に動員される(コロス的)。夢判断=深層心理のレベルへ観客を誘う。
かくして全方位的演劇の世界が具現し、「次の瞬間」への集中力が否が応にも鋭さを増す。

ネタバレBOX

謎が少しずつ「謎」と意識され始め、その解明へと静かに動き出すミステリーではあるが、人間世界を俯瞰する視点が絶妙に確保されている。クライアント(池谷のぶえ)と旧占い師・現カウンセラー(松雪泰子)の対話が中心だが、一見関わりのない他のエピソードが徐々に関連を帯びて来る。それと共に、物語の濃度は加速度的に高まる。
最後に残った結ばれないピースを、探偵(安井)の「目星はついてます」の一言で繋ぐ見事な終幕。
オイディプスとの関連を知っていたら、結末は読めただろうか・・?分からないが、無理くりにねじ込んだ設定とは感じなかった。

電車の止まらない駅では、人身事故が起き、脱線、追突事故まで起きる。愚かな人間の作ったシステムが愚かな結果を生む。それは恐らく、間違いなく、正にその愚かの極致にある「今」に向けられている(破壊的な顛末にその含意がありありと読める)、と感じる。
物語の結末に辿りついた人物たちは、そんな社会の象徴でもある「電車の停まらない駅」に対する同情、理解、擁護を止め、一種蔑みの視線を向ける(舞台正面上方を見上げる)。彼らの中に希望を見出す自分がいる。
YSee

YSee

BATIK(黒田育世)

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2023/11/09 (木) ~ 2023/11/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

つい先日観たイデビアン・井手茂太氏もゲストの一人で出演との由(他に奥山ばらば等)、そして舞踊家・黒田育世は一度再演(若手にレパを踊らせる企画)を目にし、もっと観てみたいと思った人。
ただ事前に紹介を読んで調べた上でなら行かなかったかも?・・ というのは、本公演のタイトルはジョアンナ・ニューサムという女性シンガーのアルバム・タイトルから取ったもので、全編にこの少し幼げな響きのあるハスキーボイスが鳴り渡る。舞踊はその伴走者となる音楽が大きな要素であるが、この歌手の世界が「自分に合わないな」と感じながら観る事になった。中盤から民族音楽的アレンジの長尺曲が流れたりと、好みに重なる部分も出てきたし、眼目となる後半の出し物は集中して観れた。ただし音楽に酔う舞踊鑑賞とはならなかった。

厳密に言えば、音楽だけが理由という事でもなかったかも知れない。舞踊家それぞれ振付の傾向があり、今回は黒田女史の傾向を知ったが、冒頭の演目では感情的な衝動、「床叩き」や「自分叩き、ないしは動作の突然の中断」が挟まり、怒りや自傷の衝動が表出して見えた。苦悩が表現されている。
だがそうしたネガティブな感情は文脈を要すると思う所である。恐らく曲の歌詞の中にそれはあるんだろうと想像されたが、歌詞を知らない者にも届く舞踊表現としては、年輩の踊り手の機敏な身体性、技術を感心して眺める事にはなったが、作品としては「分からなさ」の中へ沈んで行った感じだ。他に覚えているものでは井手氏と奥山氏二人の「熊と猿」という曲で実際に前者が猿、後者が熊を演じ、ユーモラス。その井手氏と黒田氏のデュオも男女カップルの恋模様といった風で微笑ましい。大勢の若手も含めた群舞は見応えあったが、具象的な動きが混じるその示す所を掴み切れず、これも歌詞を見ないと分からないものかな、と。
バリエーションの幅があり楽しめる公演であったが、終わってみてもやはり音楽の要素は大きかったかな。

君は即ち春を吸ひこんだのだ

君は即ち春を吸ひこんだのだ

新国立劇場演劇研修所

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2023/11/07 (火) ~ 2023/11/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

新国立主催公演以上の成果が視られる事のある研修所公演。今作は卒業生の補助無し、18期生のみの舞台だったが、出色。老齢の役があるが、年齢差のハンディはむしろ「にも関わらず」の域。主役の正八(新美南吉)、幼馴染のちゑ、教え子の初枝の風情がいい。「日本の劇」戯曲賞受賞記念の公演よりも作風に迫っていた。(私がしばしば不評を言う田中麻衣子が演出。見直した。)
童話作家として評価されて行く新美南吉の評伝劇というより、内的世界の軌跡を眺める趣きがあり、そこにスポットを当てたくなる人生であったりもする。彼を通り過ぎた「事実」は衝撃であったりするが、周囲ほどには彼は騒がず、飲み込む。だが観客はその心模様を想像する。それは舞台上の風景やちょっとした彼の仕種や数少ない台詞の中に痕跡を残し、彼が文字を書いた実績によるのでない、彼の内的世界が「存在した」事の中に、意味がある、と感じられてくる。
そしてその事を確かめるために、彼の童話をこれから、開く事があるのかも知れない。

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