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ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~

ガラパコスパコス~進化してんのかしてないのか~

Bunkamura

世田谷パブリックシアター(東京都)

2023/09/10 (日) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ノゾエ征爾は名前は聞くが、今まで代表作を見たことがなかった。彼の戯曲は、5年前に短編「踊るよ鳥ト少し短く」を下北沢の地下の小さな劇場で見ただけである。でも、天井の扇風機に髪が絡まって動けない女性という奇抜な設定で、今でも印象は強い。

今作は再演を繰り返しているノゾエの作・演出の代表作。「チョーク一本で芝居はできる」という斬新な演出に彼の真骨頂があるらしい。この作品の初演の翌年、「〇〇トアル風景」で岸田戯曲賞を受賞したが、こちらもチョークを使った芝居らしい。

舞台の壁面も床も真っ黒で、ここに人物がチョークで文字を書きながら、芝居が進んでいく。冒頭は、路上でピエロしている派遣の青年(流星涼)のもとに、特養を抜け出した老女(高橋惠子)が転がり込んでくる様子を、パントマイムで見せる。青年の部屋を兄夫婦(藤井隆=好演、山田真歩)が訪ね、部屋に女がいるのを見て共起するところから、芝居になっていく。物語の一本の筋に収れんするのではなく、互いに関係の薄い5-6組の2人組のコントがつながっていく。オムニバスの作り。特養のダメ職員の二人(体の大きい山口航太、眼鏡の山本圭祐)派遣の新入社員(芋生悠)にちょっかい出す先輩(青柳祥=好演)、老女の娘と孫、中学の先生と結婚した女性等である。
チョークでは、青年が電灯やテレビの絵を描いて部屋を造り、藤井隆が「兄」、山田真歩が「妻」と書いて役柄を示し、山本圭祐が人生と進化について語って「生赤少青中老死」と一生を凝縮して見せたりする。セリフで説明しないで(あるいは語りながら)文字で見せるのは斬新。ただ、演出で済ませられる分、セリフがやせ細っていく。チョークの内容は戯曲でどこまで指定してあるのか。

青年と老女の同居生活には大きな波乱はないが、周囲の人々の細部の動きや、個々のコントに見どころがある。(青年が電動ベッド=上半身が起き上がるやつ=を買い、その動きを二人でやるところは笑えた。老女がおもらしして、ベッドはさっそく汚れて、青年は怒るのだが)でも、最後に、何か大きな人生的感慨や、掘り下げた人間観の手ごたえが欲しい。井上ひさしがニール・サイモン「おかしな二人」に、「傑作だがやはり一つ物足りない」と注文を付けていたように。そこが、うまい作家と井上ひさし・永井愛・野田秀樹ら「うまいだけではない作家」との違いだろう。

ネタバレBOX

最後、老女は施設に戻り、青年はスーツに着替えて部屋を出る。それを取り巻くように、「ボレロ」の音楽に合わせて、俳優陣が列となって足音高く練り歩く。進化の行進であり、人生の一歩一歩の日々を感じさせる。

そして、「バスに乗れない女」に奇跡が訪れ、ついにバスに乗る。この女性、全体との脈絡は何もなく、なぜ何度もバスに置いてきぼりになるシーンがあるのだろうと思ったら、その無駄が最後に生きる。そのバスに、青年も含めた全員が乗り込み、なんと「ウイ・アー・ザ・ワールドの大合唱。ちょっと調子を外したり、青年一人だけ置いてきぼりにしたりして、単純な感動の盛り上がりをあえて外すのはノゾエ流。人は同じ地球号に載った仲間、同じ街・同じ時代の乗り合い客だ、声を合わせ、協力してやっていこうというメッセージともうけとれる。
ミュージカル『スクールオブロック』

ミュージカル『スクールオブロック』

ホリプロ

東京建物 Brillia HALL(東京都)

2023/08/17 (木) ~ 2023/09/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/09/03 (日)

東京建物Brilla HALLにて ホリプロ『スクールオブロック』を観劇。
売れないロックバンドのギタリストが名門進学校の臨時教師になりすまし、生徒たちにバンドを組ませるストーリー。ここまでロックな楽曲で構成されたミュージカルを観たのは初めてかもしれない…。ストーリーの面白さに加え、惚れ惚れするカッコ良さ。実にエネルギッシュで見応え満点の作品でした。
2003年に公開されたという映画版の『スクールオブロック』は観たことがなかったので、今回の舞台版で初めてストーリーを知ったのですが、破天荒な生きざまの主人公が教師となり、国語、英語、数学などの“学問”とは異なり、通常の学校・教師では教えないような“大事なこと”を生徒達に伝えていくストーリーは、今年3月に観て心を揺さぶられたトム・プロジェクトさんの舞台『ソングマン』にも似た部分があり、今回も非常にメッセージ性が強い作品だと感じました。
いつの時代であっても、秀才、エリートといわれる人生を送る人は一定数いますし、そうなるための努力は凄まじく、当然敬意に値すると思いますが、様々な学問・知識を身に着けることが第一なのかと考えると、決してそうではないと思います。今回のような作品を観ると特にそう感じます。脚本家ジュリアン・フェリウズ氏のコメントにあるように、「私たちが生まれながらに持つ、純粋でアナーキーで恍惚した炎。社会的圧力を感じても、それを育てていくことが大事」というメッセージにはとても共感を覚えました。年齢に関係なく、自身の可能性を信じ、自身の"好き"を追求し、型にハマらず挑戦し続けることは人生の永遠のテーマであるような気がします。でも何事も一人の力だけではどうにもならず、やはり協力し合って助け合って生きていくことも大事であるともつくづく感じました。今回の作品が、一人一人が重要なパーツとなり、一つの音楽を創っていくというロックバンドを映し出した作品であったから尚更そう感じたのかもしれません。
今回はチームコード班の公演を拝見させていただいたので、デューイ役は柿澤勇人さんでしたが、一見すると脱力系のようにも見えつつも、実は熱い魂の持ち主であるという人物像に映りました。独特の雰囲気があり、非常にカッコ良かったです。濱田めぐみさんが演じた完璧な校長先生からの人間らしい一面を見せる後半にかけての流れも良かったです。子供キャスト達の好演も印象的でした。これはエネルギーチャージにはピッタリの素晴らしい作品。やはりロックって良いなぁ、、バンドも良いなぁ、、。興奮・感動が連続するミュージカル作品でした。お見事!

俺たちはどう生きるか!

俺たちはどう生きるか!

株式会社L4

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/09/06 (水) ~ 2023/09/12 (火)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

チョークで描く夢

チョークで描く夢

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2023/09/07 (木) ~ 2023/09/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

あまりに胸がいっぱいに、感動に包まれ終演後しばらく席を立てなかったです
長きに渡って知的障害者雇用を続けてきた企業の物語ではありますが、社会生活を営むうえで、全ての人に共通する大切な考え方がギッシリ詰まった公演であったと強く思いました
できるだけ多くの方々が、可能であれば一緒に働く会社の人達と(学生さんであればクラスメイト達と)観劇して感想を共有することが出来たのなら、かなり貴重な体験になるのではないかと願いにも似た気持ちになりました

TRASHMASTERSさんの公演であるから徹底した取材をもとにリアルな迫力をもって訴えかけてくる作品であろう事は過去の公演で実証済
なので障害者雇用に伴う問題点やその会社の奮闘ぶりを部外者の立ち位置からドキュメンタリー的な観点で堪能するつもりだったのですが、いつの間にか一緒になって解決の糸口を見つけだそうと躍起になっている
登場人物それぞれの想いを噛みしめてはどうすればいいのかと困り果て、どっぷり作中にハマり込んでいました

障害者と健常者、いやそれだけでなく色んな立場の人間が己の利益や尊厳をかけてぶつかり合うのは至って自然な事
現実にはもっと自己中心的な人間(他者の事情を一切気にかけない人間)がいて、ただでさえ難しいコミュニケーションを修復不可能にしてしまう事もあり得るわけで、その方がよりリアルかと一瞬思ったりしましたが、あえてそこまでの配置をしなかったは見事な英断
全ての事には意味がある
とことん他者を理解しようという意義と難しさ
その先に待ち受けている「幸福」がテーマであったと思えました
力強く とことん深い、素晴らしかったです

おとこのはなし

おとこのはなし

朗読ひとり芝居

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2023/09/11 (月) ~ 2023/09/11 (月)公演終了

満足度★★★★★

隣のバカ女はずっと船こいでて鬱陶しかったけど、その鬱陶しさを吹き飛ばす程良かった‼️
一人の男性(五島出身)が大阪でホームレスになって死んでしまうのだが、死後本人が人生の経緯を語り始める
最後の母に対する描写や言葉で涙した…😭
台本欲しい❗

『幸せな時間』『心のかけら』『君へ』

『幸せな時間』『心のかけら』『君へ』

T1project

小劇場B1(東京都)

2023/09/07 (木) ~ 2023/09/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 拝見したのは「君へ」。今作も華5つ☆ ベシミル! ほんの少しだけ追記。2023.9.16

ネタバレBOX

 上演中のMEMORY三部作のうち今回拝見の2作目・「君へ」を拝見。前回「幸せな時間」の観てきたでも述べたことだが、友澤氏の脚本は深い。更に詳しくは後に記すが、彼の脚本傾向について少し語っておこう。
 作品内容が深いということは、本質的だということと殆ど同義である。それは哲理が通っているということだけを意味しない。演劇脚本である以上、それは実人生の様々な経験知を通しても納得のゆくもの・ことの連なりであり、因果でもあるから、伏線の敷き方はそれが結実するまで殆ど気付かれることのない形で提示されていなければならないし、気取られてもならない。
今回も若い役者が大変活躍しているが、若者の多くがT1projectが主催する24ヶ月プロジェクト修了生であり、今回MEMORY三部作には16名が参加している。
 さて、友澤作品の深さは、このような若手にとって可成りハードルの高いものであったハズである。というのも若さには人生経験の乏しさというのっぴきならない事情があり、人生の深みを本当に理解するには、経験が必要なケースも多い為、良い演技をしようとすれば頭でっかちになりすぎ、間の取り方や台詞回しに不自然な調子や不適当な取り方が出易いからである。多くの役者が極めて長い年月を掛けてこの難問を解決する為に努力するのだが、
T1project出身の若者たちは、ベテランに対してもと迄はいかない部分があっても、若者ららしい傷つきやすい感じ等が出ており極めて自然で説得力のある演技をものにしている。このようなことが僅か2年で達成できるのは、適格な指導とサジェッションの他に各役者の個別の才を適格に見抜きそれぞれに合った育て方をしてきた友澤氏の力もあったと同時に作品が簡単に理解できるほどありきたりな発想で書かれておらず、演じてみたいと個々の役者に思わせるだけの力を持って居る為だろう。役者のインセンティブがこの作品をやってみたいという個人的な欲求をベースにし得た時、役者は、役を生きることに没入できる。このように基本的なプラス要素が、役者個々人の年齢や人生体験を超えて一つの舞台創造に対しプラスの連鎖を引き起こしているからこそ、素晴らしい舞台を形創っているのである。このことは、舞台美術、照明、音響、小道具に至る迄総てに言えるし、裏方の案内等も理に適っている。以下、今作のほんの触りだけ挙げておく。観て頂きたい作品群である。
 開演前、鳥や獣たちの発する声が流れ、楽曲も組み込まれてずっと流れているのは、今作が私設動物園を舞台にした物語であるからだ。7年前、先代の園長から経営危機に陥っていたこの動物園を継承したのは、歯科医であった現園長の花川慎太郎と妻・凛であった。花川らは私財を擲ってこの危機を立て直したが、それから7年の月日が経ち、動物園は、借金園となっていた。そんな中、園長に「余命3か月」の診断が下された。既に胃のみならず骨に迄転移しており、回復は見込めない。然も園長は尊厳死を望んでいる。このことを巡っても、また借金園となった動物園の今後についても逃れられないドラマが複層的に構築されているのは無論のこと、1人とても興味深いキャラが登場し、物語に先鋭的な緊張感を持続させ続けると同時に、このキャラクターが何故そのような行動を取るのかもさりげなく示されており、これも納得のゆく内容である。
 出演者それぞれの演技力というか役を生きる力が素晴らしいが、脚本に極めて上手に対立項を拵えている(とんがって体験的就業を主張する若い女子)のが、今作の素晴らしい点である。小道具でラストシーンが夫婦の愛の深さを象徴している点も、その演技(田中 理美子さん)も素晴らしい。
俺たちはどう生きるか!

俺たちはどう生きるか!

株式会社L4

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/09/06 (水) ~ 2023/09/12 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ワイルドチームを観劇。舞台上にはほぼ何もない状態なのだが、それを生かした演出でした。
ブラックが強めのコメディで特に「アンドロイドケータイ」は今後ありそうでちょっと怖い。

ニューアナログな君へ

ニューアナログな君へ

劇団ヒラガナ( )

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2023/09/07 (木) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

かなり細かい設定のマニアックな世界。ストーリー展開についていけない所もありましたが、いずれはAIに取って代わられる仕事をしてる身としては色々と考えさせられ、結構楽しめました。

地上の骨

地上の骨

劇団アンパサンド

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2023/09/01 (金) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前半に与えられた情報から、後半の展開をどう解釈していいのかわからなかった。
のどに刺さった骨、○○化していく同僚たち、これが何を意味しているのかずっと
考えたが明確な回答を導き出すことはできなかった。

台本より考察本が欲しい。

俺たちはどう生きるか!

俺たちはどう生きるか!

株式会社L4

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/09/06 (水) ~ 2023/09/12 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ロマンスチーム観劇。かなりのドタバタコメディなのですが、なかなかにシニカルでニヤリとさせられますね。色んな作品のパロディorオマージュも楽しい。

濫吹

濫吹

やみ・あがりシアター

新宿シアタートップス(東京都)

2023/09/07 (木) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/09/10 (日) 17:00

いつもながら巧妙で緻密な作劇。111分。
 ある小学校ではコロナ下に活動を縮小したのだが、それを進める者・反対する者、さらに、協力しつつ商売を盛り上げようとする地元商店街、などが入り交じり、さまざまな事件が…、の物語。中国の故事に基く漢語をベースに、故事の物語をちょっとやりつつ、展開される辺りは面白い。どの人にも理解できるところがありつつも賛成できないところもあり、なワケだが、謎の部外者を演じた加藤睦望の存在が大きい。と同時に、ちょっと事情を俯瞰するポジションのカナ(チカナガチサト)とナツ(端栞里)がいい。作・演出の笠浦は小学校事情に詳しいと思えないのだが、こんなに「ありそうな」物語を描けるというのはスゴイ。

トラベルモード

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sitcomLab

上野ストアハウス(東京都)

2023/09/04 (月) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです!
ばれそうでばれない嘘、何とも可笑しい勘違いの連続に、どんどん惹き込まれました。
登場人物が、すごく個性的で、役者さん達は、その濃いキャラを生き生きと演じていました。
笑いの中に、何だか感動もして、あっという間の時間でした。
本当に面白かった!大満足でした!

超・フィクション!

超・フィクション!

劇団ろうそくだんす

中野スタジオあくとれ(東京都)

2023/09/09 (土) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

太宰治の未完の作品「グッド・バイ」の続きはどうなるの?と、興味津々で観劇しました。
癖のある登場人物達を、役者さん達は好演していました。
楽しいストーリーの中に、考えさせられる事もあり、ラストは意外性もありました。
面白かったです!

『亡国ニ祈ル天ハ、アラセラレルカ』

『亡国ニ祈ル天ハ、アラセラレルカ』

E-Stage Topia

ザ・ポケット(東京都)

2022/03/09 (水) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

麻衣愛さん出演。
麻衣愛さんはTVレポーター「おきまさこ」役。パンフレットでは「沖正子」なのですが、SNSで出ている情報を総合すると、どうやら「興正子」が正しいようです。台本は持ってないですが、きっと「興」と書かれているのでしょう。

沢田美佳さんが望月海羽さんから改名された方だと知らず、気づきませんでした。この8か月後に観劇した「黄泉の国でも愛してる」でも気づかず、その終演後に知ってびっくりしました。「家族と呼ばないで」「朧雲」「宇宙SORA」などでとても印象的だった方なのに。遠目だったので許してください。

チャレンジングな脚本だと思いました。「この物語はファンタジーだ!私達に直面した、リアリティあるファンタジーでなくてはならない!」とあります。なるほど。冒頭でそれを叫んだのは榎あづささんだったかな。うーん、もう一度見たくなりました。DVDまだ売ってますかね。。。

ネタバレBOX

最後の皇族である女性が結婚するときのドタバタを描いたもの。政治的なドタバタですね。
現行法制のままだと、皇族がゼロになってしまうのです。そのあたりに対してはとくに意見ありませんが、確かにその状況になったらいろいろドタバタするでしょう。このお話のように、物理的なドタバタがあるかも知れません。

皇族女性の婚約者が唯一の男性キャストでした。オタクというのが良かったです。庶民的な話にして、感情移入しやすいものになったかと。「筋トレマン」でしたね、佐藤信也さんピッタリでした。

冒頭のシーンはずいぶんと長かったですね。舞台の6年前に発表があった「おことば」のほぼ全文を表現したかったという意図は分かります。たくさんの人が左右に歩きながらそれを暗唱する。間を持たすための苦肉の策にも見えましたが、迫力があって良かったと思います。役者さんほぼ全員参加していたのかな。よく記憶できたなあ、と感心しました。

そういえばこれは再演なんですね。初演は2017年ということは「おことば」の翌年。当時はホットな話題だったことでしょう。
土がくれたほほえみ

土がくれたほほえみ

劇団東俳

あうるすぽっと(東京都)

2023/09/02 (土) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/09/10 (日)

あうるすぽっとにて劇団東俳『土がくれたほほえみ』を観劇。
毎回、子役からベテラン俳優まで幅広い年齢層の役者さんが出演し、本格的且つ王道の演劇作品を制作されている印象が強い劇団東俳さん。たまたま拝見した2016年公演の『まなざし』が好印象だったこともあり、以降も定期的に拝見させていただいています。昨年の『激流ノ果テ』に続き、今回で通算5作品目の観劇となりました。
今回は老舗芸能事務所のマネージャー、スキャンダル騒動を起こした売れっ子俳優、自然農園の辛口園長、訳ありの元カリスマシェフ、母親の愛情に飢えた小学生など、個性的なキャラが多く登場する人間再生をテーマとしたような作品。登場する人物それぞれに様々なエピソードがあり、特定の誰かだけにスポットが当たる訳でもなく、程好いバランス感で物語が進んでいく展開は見応えがありました。その中でも2幕が始まって割とすぐの芸能マネージャーと自然農園の園長による2人の会話は印象に残ったシーンの一つです。園長の「怒りで解決することは少ないけど、笑顔で解決出来ることはたくさんあるのでは」や「心が死んだら体も死んじゃう」という言葉はなかなか重みがあると感じました。
“笑いは良薬”という言葉があるように、人間やはり笑うことは大切なのだと思いますが、かといって、自分の想いを内に秘め、偽物の自分を演じるのではなく、ありのままを吐き出し、本当の自分でいられることが大事。世の中一人一人がおおらかな心を持ち、互いを理解し合って、リスペクトし合って生きていくこと、助け合って生きていくこと、人と人の繋がりを大事にしていかねばならないことなど、当たり前であってもなかなか難しい大切なことに気付かされるような内容であったと思いました。欲を言えば、それぞれのエピソードにもう一捻りというか、あと少しだけ複雑な絡み合いがあると尚良かったかなと感じました。また、東俳さんは自社で所有されている劇場も素敵な空間だと思いますが、今回はあうるすぽっとでの公演ということもあり、よりスケールの大きな、良質な作品に仕上がっていたと感じました。ダンスシーンも迫力がありました。
キャストでは、ゲストの藤田弓子さん、永井大さんはやはり存在感がありました。藤田さんは劇団でん組、永井さんは東京セレソンDXの作品で拝見して以来かな。相変わらずオーラがあります。マネージャー役・倉持聖菜さんは、序盤の“仕事が出来るマネージャー感”からの、人間誰もが持っているであろう“弱い部分”の見せ方というか、表情というか感情表現が上手いと感じましたし、少しハスキーな声も個性的でインパクトがありました。売れっ子俳優役の関修人さんはどんな役を演じられてもビシッとハマる印象。小学生役の村山輝星さんはテレビで見たトライアスロンのイメージが強かったですが、ダンスも演技もレベルが高く素晴らしい。三浦修さん、植野瑚子さん、三谷貫太さん、三小田芳樹さんらも印象に残りました。江畑達也さん、深沢優希さん、菊川陽子さんによるアフタートークも10分では足りないほど充実しており、最後まで楽しませていただきました。60周年おめでとうございます。

煙突もりの隠れ竜

煙突もりの隠れ竜

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

可愛い幻獣たちの物語。だけじゃなく、悲しみや切なさ、そして笑いもある素敵なお話しでした。人がワードレスで、逆に幻獣に言葉があるのが新鮮で、何度も観たくなる、何度観ても泣けるそんなお話しです。

煙突もりの隠れ竜

煙突もりの隠れ竜

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

人間と幻獣、言葉や心で繋がろうとする優しいものたちに、たった一言で壁やすれ違いを生む存在がいて、分かりやすく悪役だったり可哀想だったり、でも共通してどのキャラクターも決して憎めないのがとてもいい。

濫吹

濫吹

やみ・あがりシアター

新宿シアタートップス(東京都)

2023/09/07 (木) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白いストーリー展開でしたが、私の理解力不足か、一部分からなかった。

ネタバレBOX

韓非子による故事成語、「濫吹」の春秋戦国時代のエピソードと、現代のPTAを巡るいざこざが交錯する。
現代のメンバーが代わる代わる南郭とその友を演じており、故事の追加エピソードと現代の対比があまり理解できていない。
南郭は竽が演奏できないことがバレる前に逃げたが、旗振りの斉藤さんはバレてなお旗振りを続けようとした。なおかつ斉藤さんはハナちゃんを誘拐?した。
一人で喋れないハナちゃん、という存在もどのような意図か。まだ理解できていない。
眩く眩む

眩く眩む

ムシラセ

劇場MOMO(東京都)

2023/09/06 (水) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

姫宮の「言うわけないでしょ」がとても好きです。この職場限りの話をしているわけではなく、かといって前職と混同しているわけではなく、彼女は人間について、命の話、個人を尊重する話をしている。
現実に横たわる問題を大きく取り扱うお話の着地点として、あのエンディングはとても好きです。ラストの一瞬も。

また、小さい劇場空間に緊張してしまうタチなのですが、優しい受付スタッフさん、優しい前説、優しい当日パンフ(ハラスメント描写が辛い時は無理せず退席をの文言)にとても励まされました。おかげで最後まで気持ちよく楽しむことができました。

超・フィクション!

超・フィクション!

劇団ろうそくだんす

中野スタジオあくとれ(東京都)

2023/09/09 (土) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

キャストが登場人物の個性的なキャラの特性をつかんで上手く表現していた
まあ個性的過ぎるから特徴だしやすいけど(笑)
人物名の名字の頭文字が一、二、三、四、五なのも可笑しかったが、特にその一、二、三の演技が良かったな
最後はホウと思わせるAIだったというエンディング
これも時代かねぇ

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