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路地裏の舞台にようこそ 2023

路地裏の舞台にようこそ 2023

一般社団法人アラヤシキ

EARTH,SPACE★HOUSE,成田屋,Traveler's Bar Osaka tacos,リヤカー屋台のおでん,アメシスト,ココルーム,太子会館 老人憩の家,ひと花センター,東田ろーじ,西成永信防災会館,日之出湯,こいさん路地,イチノジュウニのヨン,釜ヶ崎芸術大学,ホテルバクロ,なでしこパーキング,市営萩之茶屋北2号棟,FP HOTELS難波南,opencafe ロック亭,MATSUJYU LAUNDRY,新世界まちなか案内所,スペースkirin,Cafe TONARI no TONARI他(大阪府)

2023/09/15 (金) ~ 2023/09/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ちんどん通信社さんが「open cafe ロック亭」まで足を延ばして応援に!
陽気な音楽に、ハイポーズな偶然、とても愉しかった。
これからも盛り上げていってください。

うそつき

うそつき

劇団六風館

大阪大学(豊中キャンパス)(大阪府)

2023/09/15 (金) ~ 2023/09/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

六風館さんが好きそうな、アマヤドリ:広田淳一さんの脚本。
小都市国家カルタゴを巡るキナ臭さ、迫りくる戦争…
どこまでが真実で、どこからが嘘なのか?
初めて拝見する演目で、演技もしっかりされていて、とても楽しめた。面白かった。

六風館さんらしい、本格派のお芝居、もっともっと観たい!
応援してます。

ブルーシート

ブルーシート

演劇研究会はちの巣座

イカロスの森(兵庫県)

2023/09/09 (土) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

千秋楽観劇。
東北大震災…
生きる事、産まれる事、死んでしまう事、これからの事…
高校生目線の普段の会話、とても新鮮で、考えさせられた。

”はちの巣座”さんらしい演目で、とても良かった!

そして新人さん8人入部🎊
新人の皆さん、とてもよい演技でした。
次作がメッチャ楽しみです!

人生、君とサステナブル

人生、君とサステナブル

劇団それどころじゃない

神戸三宮シアター・エートー(兵庫県)

2023/09/09 (土) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

千秋楽観劇。
サステナブルが叫ばれる現代、
だが500年未来は滅亡のカウントダウンが!?

どの役者さんもしっかり場を作り笑いを産み、1本筋が通った演技をされていて…
お話も超ド級エンタメ本格SFで、級どストライクで、愉しすぎ!
無茶苦茶、面白かった!
是非是非是非是非、またの復活願う!

リトルワンダー

リトルワンダー

MEHEM

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2023/09/09 (土) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

楽日観劇。
十周年おめでとうございます。
大樹を信仰する白の民と
信仰しない黒の民。
恵みの大樹を巡る戦争、
停戦後の留学生…

白黒どちらの民にもドラマがあり、
大樹から始まる壮大な物語。
リトワン舞台、137分、むちゃくちゃ良かった。

で、イズミやリュウゴの出生は?
特異体質?
まだ秘密が隠されてる?
気になる!

MARIONNETTE(東京公演)

MARIONNETTE(東京公演)

劇団The Timeless Letter

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

お初の劇団さん。

ネタバレBOX

連続殺人事件を巡るミステリー。

素敵なセット。
照明も窓から差し込む光など、凝ってました。
【香梅】Braggart cards 〜乱れ咲き誇る〜

【香梅】Braggart cards 〜乱れ咲き誇る〜

天華楽喜

新宿スターフィールド(東京都)

2023/09/27 (水) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

美人さん イケメン 妖艶で、でも笑えて、めっちゃ楽しかった!

Letter2023

Letter2023

FREE(S)

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/09/30 (土)公演終了

実演鑑賞

役者さん方の熱量がひしひしと伝わってくる、思いにあふれた素敵な舞台でした。
いろいろ改めて考えさせてくれる作品だと思いました。

柔らかく搖れる

柔らかく搖れる

ぱぷりか

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/09/20 (水) ~ 2023/10/04 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

役者の実力は太鼓判を押す。
これだけの演技力があると違和感なく物語の世界に没入することができて心地よかった。

但し、観終わって心に引っかかるのは、ある種の戸惑いだ。人様の家庭内事情を根掘り葉掘り覗き見ただけの罪悪感。所謂、田舎の強烈な"おやじ"が亡くなった後の家族模様を過去や現在を織り成しながら話は展開するが、"おやじ"への憎しみや愛が語られるのでもなく、同性愛やギャンブル依存症にある種の姿勢を示すでもなく、なんだか皆さんそれぞれ大変ですね、に感想が留まる戸惑い。なんだろ、覗きをしてしまったと警察に出頭しようかな(苦笑)

代わりの男のその代わり

代わりの男のその代わり

アマヤドリ

スタジオ空洞(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/10/06 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/09/30 (土) 15:00

座席1階

非常におもしろい会話劇だった。劇が進むにつれて解き明かされる物語もあって、謎解きの要素もある。ドメスティックバイオレンス(DV)による離婚を扱っているが、一方的に男性側に非があるわけでもなさそうだ。さまざまな要素を3人だけの登場人物で編んでいく高等戦術。ワープロ書きのパンフレットには「定食屋さんがお米を炊いてそれだけを出してみました」という作品だそうだ。コメ(俳優)の旨さ、炊き方(脚本)の旨さだけで客席に迫ってくる。

アマヤドリが本拠とする池袋の小劇場で、客席と俳優の距離が圧倒的に近い。冒頭、開幕前から長いすに喪服の女性が座ってあくびをしたり、寝転んだり。別れた夫の三回忌だということがまもなく分かる。客席のすぐ脇を通って入ってきたのは彼女の弟。彼女は弟の運転で田舎にある元夫の実家に来たようだが、最初に話題になったのは弟が会社を首になりそう、という話だ。女性には元夫との間の息子、再婚した夫との間に娘がいることも会話の中身から分かってくる。
もう一人の登場人物は亡くなった元夫の弟で弁護士。この弁護士が女性に意外な提案をするところから、話は回り始める。
おもしろいのは、会話のキャッチボールを通して相手がどんな感情を持っているか、また、それがどう変化していくのかを丁寧に描いているところだ。女性の口調も七変化。離婚した元夫やその家族に対する微妙な感情の揺れが、波のように客席に伝わってきた。

アマヤドリを主宰する劇作家の広田淳一は、役者との対話を通して台本を練り上げていくという手法を採るという。このような絡み合った家族関係、人間の心の動きをけいこに参加した俳優たちと作り上げたとすれば、どのような会話がけいこ場で交わされたのか。そんなメイキング映像があったらおもしろいのではと想像した。
けいこ場のような小さなスペースなので仕方がないかもしれないが、もう少し舞台美術に手をかけてもよかったと思う。

雨の終わりかけに怒鳴りたて

雨の終わりかけに怒鳴りたて

劇団東京座

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

観劇初心者には難しかったです。場内が寒くて2時間32分は辛かった

Letter2023

Letter2023

FREE(S)

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/09/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

タイムスリップものもあり、戦争当時の背景や台詞が現代に近すぎて少し違和感を感じた。

Letter2023

Letter2023

FREE(S)

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/09/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

終戦直前にタイムスリップするお話。
抗えない時代の無言の圧力と自己で変えられない「死」に向かう心の表現に、涙しました。
つくづく、平和な時代に生まれた幸運をかみしめました。
Letterというよりも、手段はどうであれ真の「心の声」を伝えあうことの重要性を再認識しました。

女性の方のセリフが早口でキーが高くて聞き取りづらく、また、戦闘機のプロペラ音等にセリフが重なるところは役者さんの声が負けてしまっていて、肝心のセリフが聞き取れなかったのが、残念でした。

世代によっていろいろと思うところがある作品だとは思いますが、観てよかったと思いました。

最悪の場合は

最悪の場合は

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2023/09/27 (水) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
タイトル「最悪の場合は」は、説明の世間と宇宙、本音と建前、不正と隠蔽、そして希望と現実を表している。そして前作「星の果てまで7人で」と繋がるような物語。少しネタバレするが、日本宇宙開発機構-JSA(ジェイサ)が舞台というのが妙。表層の面白さ、その奥には職場愛と人間愛が詰まった人間関係・仕事群像活劇、観応え十分。

そこで起きたであろう不祥事にどう対処するか。初演(2018年)時は日大アメフト部が不祥事を起こしていたが、再び日大アメフト部が不祥事を起こした時期に再演する偶然。またジャニーズ事務所の性加害問題を始め不祥事に係る記者会見が開かれている。なんとタイムリーな内容(公演)であろうか。公演では、宇宙という夢と希望を担う職場における悪夢と現実(最悪)を上手く繋ぎ、勤め人(組織人)の共感を誘う。立ち位置の違いによって不祥事への対処方針が異なる、その濃密な激論が見どころの1つであろう。

前作が宇宙での出来事(地球への思い)を描いているとすれば、本作は地球(地上)において宇宙への思いを馳せる。しかし現実に目を向ければ危機回避に追われる姿。そこには不祥事をどのように収拾するかといったドタバタの裏に 生活という のっぴきならない事情を垣間見せる凄(惨)さ。

会見をする組織の内幕だけではなく、それを報道する機関の在り方にも 一石を投じる幅広さ。冒頭、社外から招聘したリスクマネージメント・コンサルタントが謝罪会見の目的などの蘊蓄を語るが、実際 謝罪会見を行うのは人であるから思惑通りにならない可笑しみが…。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし) 

ネタバレBOX

舞台美術は、中央に横長テーブルと椅子があるだけ。舞台(職場)は日本宇宙開発機構という政府関係機関。そこの理事が接待 賄賂を受け取ったという疑惑がもたれ、それの釈明会見をする準備(リハーサル)をしているシーンから始まる。その担当が広報部第二課で、いかに上手く釈明会見ができるか、リスク・マネージメント・コンサルタントからアドバイスを受ける。一方、第一課は もうすぐ地球に帰還する衛星探査機マリナの記者会見準備をしている。同じ広報部でも役割分担によって陰・陽のように地味か華々しい会見内容になる。

二課の釈明会見は理事が開き直り、釈明どころか賄賂を受け取ったことを認め紛糾する。その際、内々にしていたマリナ帰還を口走ってしまう。慌てる一課と二課の騒動を通してセクト意識が顕わになり、同時に責任の擦り合いが始まる。そん時、マリナの異常(故障)が分かり、地球への帰還が危ぶまれる。いや 地球へ帰還する場合は都市部へ墜落する危険が…。広報課として、どのように情報提供するか喧々諤々の論争が始まる。そして どちらの課が担当するのか。

一課の課長は JSAのプロパー職員、一方 二課の課長は中央官庁からの出向職員という立ち位置が、その発言に表れる。一課長は、宇宙事業に携わっている自負、危機管理の観点から地球(地上)墜落を周知する、対して 二課長は、不確かな情報で国民を混乱させないため周知しない、それぞれの主張で激論する。この誰のため 何のため、その方法と効果はといった深みある議論が見所。そして 出向者という事勿れ主義、責任を負いたくないという立場が露呈する。

JSAで宇宙事業に携わっているとはいえ、生活の糧を得る職場であることに変わりはない。マリナが墜落するかも知れないという 不確実な情報で国民からのバッシング、その結果 職を失うかも そんな不安もよぎる。出向者(二課長)は、出向元の官庁へ戻り安泰という構図が<立場と責任>に重なる。そしてJSA内に東西TVディレクターが出入りしており、内部情報を独占的に得ている。その内々(秘密)情報の公開 有無の判断も気になるところ。

舞台技術、特に照明の諧調によって情況や状況を表す巧さ。壁際に 等間隔に立っている衝立への照射角度によっては鯨幕に観える。その意味ではシンプルな舞台セットながら実に効果的な造作になっている。その衝立を職場の壁に見立て、覗き 聞き耳を立てといった身近で現実味のある光景が…。
次回公演も楽しみにしております。
MARIONNETTE(東京公演)

MARIONNETTE(東京公演)

劇団The Timeless Letter

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

大阪公演も観ましたが、観たからこそ?!どうしてもまた観たくて東京まで来てしまいました!!
まずは09/29(金)TRUTHを観れたのですが、かっこよさも面白さも切なさも哀しさも驚きも、ダンサーさんの妖艶さや不気味さ綺麗さも、全てがパワーアップしていて素晴らしかったです!
客席の傾斜のおかげかG列(前ブロック最後列)でもとても観やすかったです!!
今日も観劇出来るのでとてもワクワクしています。

ヒトラーを画家にする話

ヒトラーを画家にする話

タカハ劇団

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

ヒトラーが画家になっていればユダヤ人虐殺は起きなかった、それなら、タイムスリップしてウイーンに行き美術学校に合格しなかったヒトラーを上手な絵描きにして画家にしてしまおう。それで世界は救われる、ト現代の画学生三人が、タイムスリップする話である。
こんなハナシを作者が思いついたのは、今の若者(といっても高羽もまだアラフォーティのはず)があまりにも第二次大戦中のナチの暴走を知らないから、知らせないと、ということで自分も勉強してこの本を書いたという。客席はほとんど、三十歳前後の男女の客で埋まっていて、この劇団としては満席の盛況である。
満席はめでたいが、戦前生まれで昭和反省の時代を生き抜いたこちらとしては、こんな安易な取り組みで若者に戦争を理解されてもかえって逆効果ではないかと思う。
600万のユダヤ人の命を救う、ト一口言っただけで話は始まってしまう。タイムスリップした画学生たちも志がまるで見えない。志がないのは良いとしても(よくはないが)それに代わる600万の命に対抗できるようなモノがないと、ただのおふざけになってしまう。ヨーロッパで上演したら、小劇場でも、批判を浴びるに違いない。もちろん遠い日本でやってみるというのも表現の一つとしていいのだが、表現者の責任もある。高羽彩は若い女性たちの本音をうまくすくい上げる作家で、こんな素材には向いていない。ヒトラーが絵を捨てて、得意な演説に向かっていった本音はこれでは誤解されるだけで、まるでうかがえない。それにしても、現代のシーンに出てくる若者たちはみんなこんなにチャラいのだろうか。ドタバタ喜劇にしてもこの設定もちょっと偏見のような気がする。

Letter2023

Letter2023

FREE(S)

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/09/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

昨日拝見しました。ありがとうございました。とても心に染み入りました。戦争、説くに特攻隊ものは本当に心が痛みますが、この時期に拝見して、いろいろ、現代の状況が本当に幸せなのかも含めて考えさせられました。皆さんの演技も熱演で良かったです。できればラストは起きた歴史は仕方ありませんが、主人公を含めた現代は幸せになってほしかっかな、と思いました。

「HATTORI半蔵‐零‐」

「HATTORI半蔵‐零‐」

SPIRAL CHARIOTS

シアターサンモール(東京都)

2023/09/27 (水) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 Aキャストを拝見、途中10分の休憩を挟み2時間45分。全く飽きさせない。(追記2023.10.1 )

ネタバレBOX

 時はアズチモモヤマ、群雄割拠の戦国時代である。残ったのは尾張・織田ノブナガ、三河・徳川イエヤスを始め武田シンゲン、上杉ケンシン、伊達マサムネ、毛利モトナリら六将。各将軍は天下布武を目指し覇を競っていたが、三竦みならぬ六竦みの状態が長く続いてきた。この局面を打破し天下布武を為す為に彼らが目を付けたのが伊賀の里・赤目に暮らす忍者集団であった。この里出身の忍者達の力、一騎当千と噂されジパング統一を目指す各将軍は中でも最も優れた忍者を召し抱え自軍の勝利を得んものと里の上人に世話を頼んだ。忍びの定めは例え親子・兄弟、恋人同士でも仕えた者の敵とあらば己の受けた任務を果たすことである。即ちヒトであるより先に忍びであることを強制されそれに従ってくることによって忍者集団として生き延びてきたのである。各将軍の下に配属された忍びは各々得意な術を誇り、各将軍の下に散った。物語はこれらの忍びと各将軍とが係る戦、各将軍と忍びとの関係等を通して各々の人間性、忍び同士の人間関係、里の赤目との関係を本質を突いた台詞と華麗な衣装と見事でソフィストケイトされた殺陣で表現してゆく。殊に忌み子として育ち絶えず石をぶつけられたり、時には手裏剣すら投げつけられる伴左衛門(サエモン)は傷の治りも早く多くの術が効かぬとされたが、彼の術は表向き唯一つ、人を惚れさせる能力であった。然しその術は六人の忍びの中でも最も高いレベルにあった。その彼が命を懸けて愛したくノ一、カズラはイエヤスに仕え、サエモンはノブナガに仕えたのである。戦国末期を代表する両雄に、愛し合う純粋な若い忍びの恋が絡み序盤から最終場面迄強い吸引力を持ち続ける。同時にノブナガの明晰な頭脳の能力の高さ、例えば状況把握の的確、驚嘆すべき分析、パースペクティブの広さと深さ、揺るぎない意思、実行力等に対抗するにイエヤスは天下泰平をスローガンに民を理解することを最優先事項と定め、民を富ませフランクに対応しようとする。ノブナガの面白い点はヒデヨシの言によれば、非道無情と悪評が立つこと自体、仮に両雄が争ってノブナガが敗れた場合には、非道無情の将を討ったということでイエヤスは英雄視されその後の治世に安定を齎すということまで読んだ上で戦うことを考えている、とのことが語られる。他の将たちもそれぞれ魅力的な側面を持つ、例えばマサムネ支配の城下では、各々の将に付いた密偵が集まる茶屋の如き商家があった。当初、密偵達は互いに探りを入れ合い可成り剣呑な状態であったものの、暫く同じ商家で働き、共に食い、共に飲んで徐々に互いの警戒心や疑心暗鬼を解きフランクな付き合いをするようになっていた。一種のユートピアが実現していたのである。これも将軍としての独眼竜・マサムネの魅力を示す事例である。モトナリは頭脳派。権謀術数に長け多くの他家をその冷徹の餌食にしてきた。ケンシンは毘沙門天を崇拝し毘沙門天の恩恵を民に分け与えることを目指していた。シンゲンは豪放磊落の武将として名を馳せていた等々である。
 舞台美術。基本はシンメトリックな作りであるが、板上平台の奥に更に重ねた平台の左右に階段を設け下手側にのみ、二階部分が設けられている。中央奥ホリゾント側に両開きの襖。これらの造作が強いプロジェクター画像の照射によって下地が見えないほどに造形されて千変万化の情景を見せる。出捌けはホリゾンントの襖、その手前の高い踊り場の上、下手側。板の下・上手の五カ所。衣装は豪華で流麗、殺陣も先に述べた通り、流麗でソフィストケイトされた見映えの良いものである。厳しい戦国の世の忍びの掟の宿命に翻弄されつつ、常に人間的で優しいサエモンの生き方は、人間としてかくありたいと思わせるような靭さを持ちながら、一歩引いてカズラに対する愛の形が余りに美しく哀しい。その実際の愛の形とは、男が命を懸けて愛する女を護る姿である。
 然し六将が忍びを探した時点では未だ初心であったカズラには疑念が湧いた。その疑念とはサエモンの他人に惚れさせる術であった。カズラは自らもどんどん惹かれ恋人という関係に立ち至ったことがサエモンの術による結果なのか、それとも本当に人間としての恋の結果なのかが分からなくなってしまっていた。それが赤目最強と言われた彼女がイエヤスの求めに応じた理由である。かスラの判断が正しかったか否かはもう一つの秘密同様殆ど最終場面に至らなければ明かされない脚本もグー。
MARIONNETTE(東京公演)

MARIONNETTE(東京公演)

劇団The Timeless Letter

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

『team TRUTH』

「OK、それじゃあ、えー、お前等が日本で一番にしてくれた、最高のRock ’n’ Rollを贈ります!Marionette!」
今作のタイトルの綴りにNが一つ多いのはフランス語の為。
教会のステンドグラスをイメージした舞台美術。上手はスコットランドヤードの殺人捜査課、下手は製薬会社の社長室。雰囲気があるセット。西本卓也氏は良い仕事をした。

女性の絞殺死体、傍らに数本の薔薇。連続殺人事件の捜査に当たる三浦求氏と船橋輝人氏。三浦求氏はシャーロック・ホームズに憧れているようで観察眼に味がある。第一の現場となった教会の、怪しい雰囲気を持つ牧師は吉田恭平氏。(ステンドグラスなどの装飾はカトリック教会なので、神父と呼ばれることが多い。牧師はプロテスタント)。後ろ暗い過去を持つ製薬会社社長の野田裕(ひろし)氏。その息子の大学生(高畑昇汰氏)は新任講師の林里栄さんに夢中。

特筆すべきは池内得裕氏の照明と羽田兎桃(はたともも)さんの振付。PERFORMERの5人が抜群に良い。(高尾静奈さんは体調不良で降板)。もっと彼女達を警部達が戦う“見えない敵”の象徴として作品内に活用した方が良かった。第二次UWFを彷彿とさせるスモークのレーザーショー。あやつり人形の視覚化。古き良き80年代。

凄く丁寧に作られているので好感。

ネタバレBOX

女カメラマン(奥田明日香さん)の立ち位置が判り辛い。双子の妹のエピソードも唐突。

何か急にわらわらと湧いた人々が口々に絶賛を書き連ねる作品は、逆に警戒してつまらなそうに感じ観たくなくなるもの。すぐサクラのステマだと感じてしまう昨今。Amazonのレビューなんかも、クーポンと交換に星5を付けさせる中国企業が横行。レビューを見抜く力量が必須なこの時代。心のないゴマスリにはうんざり。
だが今作には何か妙な魅力を感じた。°RUM(=ドラムと読む)さんのキラキラネームも気になるところ。(確かに可愛かった)。

演出も脚本もそれなり。作家には山田風太郎の『明治バベルの塔』、「万朝報暗号戦」をお薦めしたい。
Letter2023

Letter2023

FREE(S)

渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/09/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2023/09/29 (金) 19:00

 2023年から1945年にタイムスリップしてしまった青年。 そして1945年から2023年へ届いた一通の手紙・・・。 そこには、ある人に宛てた切ない恋心が書かれていた。 その手紙と現代から太平洋戦争末期にタイムスリップした青年の成長していく姿が核となっていく物語。

 劇中において、特攻隊員や予備員たち、それから隊長含めの恋人や奥さんにかける愛情、ハーフの特攻隊員が社会から差別され蔑まれながらも、妹を愛おしく思う気持ちなどが丁寧に描かれ、最初は奇妙がられていた現代からタイムスリップした青年も段々と特攻隊員たちと打ち解けたり、友情を育んだりと、特攻隊員たちの日常を丁寧に描き、タイムスリップした青年の眼を通して現代と比較して描いているところは良いと思った。

 だが、まず、衣装に関して言わせてもらえば、第二次世界大戦中の日本において、富国強兵と同時に、貧富の差に関わらず、贅沢は敵だといったスローガンが出回るきっかけとなった贅沢品の製造·販売の制限七·七禁令が1940年(昭和15年)には出され、さらに米の供出と配給が始まっている事実から考えて、きらびやかな着物や色が派手なもんぺ、また中流かそれ以上の家庭であっても、とにかく物資が不足している訳だから、ご飯ももちろんのことながら、一汁三菜食べれたとは到底思えないところからもリアリティーに欠けると感じた。
 また、特攻隊のなかから志願した特攻隊員や特攻隊長が覚悟を決める場面において、表面上は家族や恋人、仲間を心配させまいと思って平静を装ったり、ワザと冗談をいったりして場を和やかにさせていても、心の奥底では、不安と恐怖に苛まれいても立ってもいられないといった一見矛盾しているかのように見えるが、実は一番人間らしい心の機微を、演劇なんだから、独白という形で表すべきだった。独白場面を入れずに、表面上の部分だけを切り取っていたのは非常に残念。特攻隊長や隊員の特攻しに行く覚悟や、特攻前夜の奥さんや恋人、妹との温もりあり、悲しみありな所に重きをおくのも良いが、それ以上に特攻隊長や隊員の心の奥底の声を拾い上げたほうが、簡単に切り替えて自分の命を軽んじているように、さらには、特攻という行為を劇全体として美化しているような在り方に、違和感を感じた。

 劇の最後の方で、2023年からタイムスリップした青年が、結局自分は特攻の人たちを助けることができない、どうしたらと思った時に、自分も特攻隊員として志願し、敵機に突っ込む覚悟を決める。それがおじいちゃんになる予定の人を救う唯一の方法でもあると思い決行する。でもこれは、この青年が散々言っていた、お国のため、家族を守るため、奥さんや彼女を守るためといくら美辞麗句を並べたところで犬死に、無駄死にするだけだ、命を粗末にするなと言っていたこととも矛盾する。友達になり、脱走を図り殺された特攻隊員に夢を諦めるなと言われ、一回持った信念は曲げるなと激励されたにも関わらず、どう考えても道理に叶わず、腑に落ちない終わり方に疑問を抱いた。そして青年がどう言おうが自殺行為に他ならない特攻隊員として敵機に突っ込むことが、夢を諦めないこと、信念を曲げないことに無理やり繋げて、皮肉にも、美辞麗句、特攻礼賛、靖国礼賛といった終わり方に、むしろ腹が煮えくり返りそうなほどの激しい憤りと悲しさを覚えた。

 特攻という題材が難しいのは分かるが、もうちょっとちゃんと向き合って欲しいと感じた。最低でも、命は何者にも変え難いものだと思うので、主人公の青年は周りに流されず、ほだされず、生きることを選択すべきだった。一人でも多く生き残ることが、10代後半で散っていった人たちも多い特攻隊員たちの無念を晴らすことにもつながると感じた。あと何度でも言うが、特攻に行くことはたとえどんな理由を当てつけようとも、正当化されて良いはずがない。ましてや、特攻に行ったことが現代になっても英雄しされるような描き方は前代未聞だと感じた。

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