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ずれ

ずれ

m sel.プロデュース

シアターシャイン(東京都)

2023/10/12 (木) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

東京のはずれ街にあるシェアハウスが舞台。そこで様々な事情を持った者の過去と現在を交錯させ、色々な<思い>を描いた群像劇。或る日、シェアハウスに1人の女が戻っ(現れ)たことによって不協和が…。その女の目的というか存在が肝で、それによって話の捉え方、解釈が違ってくるようだ。まさしく観る者にとっては感覚的な<ずれ>を思わせる内容だ。

繊細な演技で愁いを表し、口遊む歌(故郷<ふるさと>)と相まって郷愁ー抒情的な紡ぎ方をしているかと思えば、嫉妬や嫌味といった激情的な描きという メリハリある観せ方。登場人物の性格や思い、そして今の状況が炙り出されるような展開…ここで先に記した女の関りをどう捉えるか、なかなか手強い公演だ。

当初、シェアハウスの家族と共同生活をする人々、その二組の話を交差させた展開かと思っていたが、いつの間にか交錯し不気味な様相を呈していく。その意味ではミステリーといった雰囲気をもつ不思議な公演。出来れば人物相関図がほしいところだが、それを示すとネタバレしそうで難しいのかも。
(上演時間2時間 途中休憩なし) 追記予定

ネタバレBOX

舞台美術…上手はオブジェの木(金木犀)とテーブル・椅子、下手は階段といくつかの棚板が無造作に立ててある。全体的に白と黒といった色彩で何となくスタイリッシュな印象。ここはシェアハウスのリビング、又は ある公園になる。

冒頭、公園のベンチで1人物思いに耽っている女性、この公園の名は…思い出せない そんな謎めいたシーンから始まる。
Strangerーよそ者ー

Strangerーよそ者ー

劇団 Rainbow Jam

シアター711(東京都)

2023/10/11 (水) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

Strangerーよそ者ー

Strangerーよそ者ー

劇団 Rainbow Jam

シアター711(東京都)

2023/10/11 (水) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

賑やかで楽しい舞台です
皆さん個性あふれて素晴らしいです
舞台に歌があるのは華やかで良いですね

Strangerーよそ者ー

Strangerーよそ者ー

劇団 Rainbow Jam

シアター711(東京都)

2023/10/11 (水) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

揉め事のあれやこれやも丁寧に描かれていて良い舞台でした。
一人一人の個性も活かされて見応えがありました。
おすすめです。

My Boy Jack

My Boy Jack

サンライズプロモーション東京

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2023/10/07 (土) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

『ジャングル・ブック』の作者、ラドヤード・キップリング。彼は愛国者で祖国イギリスの為に戦争に行く使命感を国民に鼓舞した。勿論息子のジョンにもそれを求めるも重度の近視の為、兵役不適格。だがノーベル文学賞を受賞した国民的作家の名声を活用し、入隊させることに成功。時は第一次世界大戦、ドイツ軍との戦闘の為フランスに派遣された息子は行方不明になってしまう。

第一次世界大戦の英国軍の記録としては、ピーター・ジャクソンが記録映像をカラー化し音を付けた『彼らは生きていた』というドキュメンタリー映画がある。ひたすら劣悪な環境で塹壕戦を戦う我慢比べのような戦場。何年もの膨大な日々を爆撃や毒ガスの恐怖に怯えながら泥の中で過ごさなくてはならない地獄。(擬似的)ワンカット映画『1917 命をかけた伝令』も同時代の話。そして終戦後、やっと故郷に帰っても仕事はなく誰も相手にしてくれない虚しさ。

主演のラドヤード・キプリング役眞島秀和氏、この役は終盤になるにつれ味わい深く熟成していく。国民の規範たる父親像を示さねばならない義務感と、果たしてそれが本当に正しかったのか脳裏で呻き続ける苦悩。
少尉として第2大隊で中隊を率い塹壕戦を戦ったジョン・キプリング役は前田旺志郎氏。お笑い芸人には見えない妙に雰囲気のある俳優。印象に残る清冽な存在感。
妻であり母親でもあるキャリー・キプリング役倉科カナさん。女優としてレヴェルが更に上がった。前半の母親振りはシェイクスピア劇のよう。後半が少々大仰過ぎたか。
娘のエルシー・キプリング役は夏子さん。いいスパイスとなって作品に効いている。スタイル抜群。
佐川和正氏は物語の核心部、クライマックスを担う見せ場が待っている。

後半にある回想シーンが美しい。父親の創ったお話しを楽しみに聴く幼い兄と妹。インド風の色鮮やかな衣装。無限の想像力だけで何処までも行けた。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

第一幕ラスト、黒幕がアイリスアウトして少尉一人になる演出効果が素晴らしい。死と向き合う、実存と向き合う感覚。

第一幕の流れは退屈。演出もホンも跳ねない。何かが足りない印象。状況説明ばかり。休憩時、結構帰る人がいた。第一次世界大戦のイメージが日本人には馴染みない。
第二幕は段々と面白くなる。

自分の息子の死をどうにか理性と叡智を駆使して正しい形に治めようとする父親の葛藤。その一見冷徹な姿に失望する母親。
砲弾で顎を吹っ飛ばされ、余りの激痛で立ったまま泣いていた少尉。その光景を克明に思い浮かべ、気が狂わんばかりになりながらも理性で浄化する方法を必死に模索する。何とか意味のある、価値のある、美しい物語に息子の死を昇華しないことにはとても耐え切れない。

「My Boy Jack」
ああ、私にどんな慰めがあるのでしょう?
この潮流では何もない
どこの潮流にも有りはしないんだ
けれど彼は仲間達に恥をかかせなかった
あの風の中でも、あの潮の中でも

実際はユトランド沖海戦の英雄、ジャック・コーンウェル少年に対しての詩とされている。

日本的美学だと、息子の死の報に顔色一つ変えない三船敏郎が、泣き叫ぶ香川京子に酷くなじられる。その夜更け、一人外でさめざめと泣いている三船を目撃してしまう妻。貰い泣きしながらもぐっとこらえ、見て見ぬ振りをする。
ずれ

ずれ

m sel.プロデュース

シアターシャイン(東京都)

2023/10/12 (木) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

劇団初見。ちょっと分かりづらくてもどかしいけど、終わってみれば、なるほどのミステリー。ラストの解釈は分からないままですが。

Strangerーよそ者ー

Strangerーよそ者ー

劇団 Rainbow Jam

シアター711(東京都)

2023/10/11 (水) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

劇団初見。Rの回観ました。元気がもらえる楽しい舞台ですね。お姉さん、おばちゃん、お兄さんの会話が絶妙にイイ。主演の女優さん2人とも素敵です。

Strangerーよそ者ー

Strangerーよそ者ー

劇団 Rainbow Jam

シアター711(東京都)

2023/10/11 (水) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

フランチャイズ契約スーパー・サンエー府中東店のバックヤードが舞台。説明にもあるが、コロナ禍、そして近くに大型商業施設がオープンしたことで経営は危機的状況。何とか乗り越えようと店長の息子とパート達が奮闘するが…。正社員ではなくパートという立場が妙。

公演では、コロナ禍やパワハラによって既にあった問題、すなわち経済格差(貧困)や労働問題などを揶揄する。パート(非正規雇用)が職を失ったりセクハラを糾弾した社員を経営不振の店に送り込んで といった理不尽さ。社会的弱者に対する社会の歪を面白可笑しく皮肉る。けっして挫けない、そして明るく元気に明日を迎えようとする、そんな勇気がもらえる好公演。

危機的状況を打開しようと皆で知恵を絞る。今まで言われたまま仕事をしており、<全力>で何かをしたことがない。色々な事情や葛藤を抱えたパート達、そんな彼女達が一致団結して困難に立ち向かう。その意味では登場人物の成長譚とも言える。それをミュージカル風に歌や踊りを盛り込み、現代社会の再生エンターテイメントとして観(魅)せる。
(上演時間1時間30分 途中休憩なし) 【J】

ネタバレBOX

舞台セットは、中央にテーブルと丸イス、上手下手にドア 通路そしてミニ棚があるだけ。サンエー府中東店の休憩室といったところ。

物語は、この店の社長(実質は店長)が書置きを残し 突然出奔したところから動き出す。それまでは いつものように屈託のない談笑で日々を過ごしている。開店前の無駄話のような中に 各人が置かれている状況や悩みが分かってくる。将来への(老後)不安、障がい児を抱えた苦労、夫婦不仲などを盛り込み、身近にある問題を点描していく。一方社長の息子(愛称 坊ちゃん)はパートに慕われる存在だが、どこか頼りない。

サンエー本部から府中東店へ店長代理として派遣されてきた清水(Jチーム 涼花美雨サン)、勿論 タイトルにある<よそ者>である。今迄 家族のように和気藹々とした中に他人が入り込んで、波風立てるのではないかと疑心暗鬼になる坊ちゃんやパート達。一方 彼女は本部でセクハラを訴えたことで、敢えて昇格させて経営不振の店舗の立て直しを命ぜられる。体のいい厄介払い パワハラに悩んでいた。

働くとは、生きるとはといった根源的な問題、しかし それを大上段に構えず また深堀もしない。ただ夫々が<出来ること>をする、そこにはパートとか正社員といった区分を超えた関係を築く。他人がいつの間にか家族のような、そんな温かく優しい展開へ。敢えて表層的な描き方にしているようだが、それは謳い文句にある「日本の現代社会の再生エンターテイメントSDGSミュージカル」として愉しませることを優先したからか。

店再生へ色々なアイデアを出すが、株の(資産運用)相談や夜はカラオケスナックにするアイデアなど、突っ込みどころも多々ある。それでも今日・明日を頑張る人々の姿は凛々しい。50歳のパートリーダ 斎藤菊(福島宏実サン)の力強く説得力のある言葉=まだまだこれから…。
次回公演も楽しみにしております。
誘拐犯

誘拐犯

WAO!エンターテイメント

アトリエアーサム(大阪府)

2023/10/04 (水) ~ 2023/10/12 (木)公演終了

満足度★★★★

設立間もないのに、実績も実力も着けている劇団
フィクションなのかノンなのかはおいておいて、可能性はあるな〰️と思える内容 
法律では解決できない日本の闇を、とても上手く表現していた
今後も目が離せない

眠くなっちゃった【10月1日~10月7日昼公演中止】

眠くなっちゃった【10月1日~10月7日昼公演中止】

キューブ

世田谷パブリックシアター(東京都)

2023/10/01 (日) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ケラの世界にどっぷりつかる3時間半。筋が3つも4つも絡んで、芝居はパッチワークのようだ。一つの話が進んだかと思うと、別の話に変わり、と変化が多い。一つ一つの場面がよく作りこまれていて、完成度が高い。そのせいか、3時間半(休憩15分)の割には、全然長さを感じさせない。そこは芝居作りが上手なケラ・チームである。しかし、だからどうなの? と終わってみて考えると、何か核になるものが弱い。井上ひさしがニール・サイモンを評して言ったことが当てはまる気がする。あるいは、全体よりも部分に凝る「土着世界観」的芝居と言えよう。

乳飲み子を抱えた女(篠井英介)が、門番にミルクを求めるプロローグ、回想のサーカス(サーベル飲み、ナイフ投げが見事)。本編が始まって、主人公ノーラ(緒川たまき)の貧しい家。夫(音尾琢真)が言葉を全く同じに繰り返すから、何か変と思うと、実はロボット…というのも面白い。そこに管理局の男(北村有起哉)がやってきて…。これがプロットの第一の柱。

娼婦(依田朋子)が、息子の密告で逮捕される街頭(このシーンはこれだけで終わる。残念)、第二の柱は、娼婦シグネ(水野美紀)がマフィアのゴーガ(山内圭哉)に囲われてる部屋。シグネの夫(斉藤悠)が監禁されてるが、この夫、ボロボロになってる設定で、ほとんどセリフない。なのに後半はライナスの毛布のように連れまわされてかわいそう。手下のナンダ(野間口徹)はダークな道化と言えよう。「これナンダ!」「はい」「お前じゃない!」というような、ボケ役である。

第3の柱は大家のウルスラ(犬山イヌコ)の家族、その周辺(マザコン男とその母、遺書を見せ合う男女)。屋根の上に上ったノーラとナスカ(奈緒)が、下にいる男女の遺書をのぞき聞きする場面は、映像も生かして面白い。

この近未来の管理社会(舞台の照明・色調も終始くらい)で人々はひっそりと生きている。そこに、歌手のボルト―ヴォリ(篠井英介)が、ウルスラの記憶を盗もうとゴーガをけしかけ、ウルスラたちの逃避行が始まる。

ネタバレBOX

結局、最後はほとんどみんな死んでしまうが、からっとした終わりである。ハッピーエンドは嘘くさくなりやすいが、アンハッピーエンドにするのは実に簡単だと思った。シグネが息子(人形)を燃やされたことにキレテ、ゴーガに復讐するなど、若干唐突なのだが、決して嘘くさくはない。
新編 糸桜

新編 糸桜

新派の子

日本橋公会堂ホール「日本橋劇場」(東京都)

2023/10/12 (木) ~ 2023/10/13 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

地味な題材だが、美しいせりふと、花のある役者を得て、いい舞台だった。波乃久里子が一本気な江戸っ子を、べらんめえ調(と言っても女性なので抑え気味だが)で小気味よく演じる。養子の繁俊(尾上菊之丞)に、芝居の本読みをしこむ「第五夜 雷鳴の夜」は絶品。床に就くところなどかわいげもある。第2幕「第一夜 三つ巴の日々」の親子喧嘩の波乃久里子もよかった。

勘当されたヤクザな三五郎(石橋直也)も、真面目な人ぞろいのなかで、ちょいと斜に構えた小ワルを粋に演じて印象が強い。彼のセリフは黙阿弥のような七五調やべらんめいを取り入れて、心地よい。尾上菊之丞は初めての芝居とは思えない存在感がある。新人の勢い、新鮮さとともに、芯のある安定したたたずまい。姿勢がいいのは日本舞踊の踊り手だからだろうが、声もいい。二人の女中役(村岡ミヨ、鴫原桂)も、わきで舞台を支えてよい感じだった。

今回「新編」ということで、前の上演台本に手を入れた。一番大きな変更は、関東大震災で母子妻がはぐれて、炎のなかを逃げ惑うシーンと、再会の場面を入れたところ。それぞれの必死の姿に迫力があり、メリハリがついて、動きのある芝居になった。幕開けも、震災後の糸と繁俊から始まる。(前の上演では、「人形の家」の稽古から、坪内逍遥の養子縁組話という流れだった)

バックの箏曲、太鼓・笛も生演奏でぜいたくな音響。雰囲気を盛り上げた。2時間30分(休憩10分、前半80分、後半60分)

ネタバレBOX

地震の火災の様子を目にして、繁俊が「鬼が引く炎の大八車」云々と、比喩も豊かに描写するのは一つの見せ場。ただ、状況の緊迫感にあうかどうかという賛否はあるだろう。糸の晩年、夢に見た黙阿弥の前で、「おとッつぁんがほめてばかりいるから、こんなのができちゃったじゃないか」は、波乃久里子の実人生からとられている。黙阿弥の娘・糸と17代目中村勘九郎の娘・波乃を重ねてのセリフに感心した。

客席の最後列に尾上松也と渡辺えりがいたし、ほかにも女優・俳優が結構見に来ていた。作・演出の齋藤雅文さんの人徳だろう。
My Boy Jack

My Boy Jack

サンライズプロモーション東京

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2023/10/07 (土) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

テーマが重い。
でも観てよかった。

主演2人の年代別の演技の幅も素晴らしい。
他のキャストも実力派でとてもひきこまれた。

EPAD Re LIVE THEATER in Tokyo

EPAD Re LIVE THEATER in Tokyo

EPAD事務局

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2023/10/11 (水) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/10/12 (木) 19:00

座席1階

岸田賞加藤拓也のヒット作「綿子はもつれる」を映像で見た。
既に破綻している夫婦が妻の不倫をきっかけにもつれた糸を結び直そうとする物語。ふとしたきっかけで、築き上げようとした楼閣がガラガラと破滅する。主人公を演じた安達祐実はさすがの演技。生で見たら相当な迫力があったと思われる。

たしかに映像でもそれなりに楽しめる。舞台を映写化した作品を大きなスクリーンで映画として見たのは初めてだが、結論から言うと、やはり舞台は生で、という当たり前の結論に落ち着いた次第。どの場面を回想しても、「あぁ、これが生の舞台だったら」と考えてしまう。

いい作品だった。それだけに、映像では見たくなかった。物語を追うだけならいいが。

Strangerーよそ者ー

Strangerーよそ者ー

劇団 Rainbow Jam

シアター711(東京都)

2023/10/11 (水) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Jを観劇しました。楽しかったです。

ネタバレBOX

重い内容なのに、明るく観れて楽しかったです。
Strangerーよそ者ー

Strangerーよそ者ー

劇団 Rainbow Jam

シアター711(東京都)

2023/10/11 (水) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 物語は、フランチャイズの加盟店、府中東店スーパーサンエーの休憩室で展開する。如何にもそれらしく下手客席側の側壁には着替えスペースに通じる通路。その目隠し用にクロスが床まで垂れ、通路沿いに荷物等が置けるようにボックス形式の凹みが幾つも作られている。ホリゾントの壁、下手側側壁、上手側側壁にはカレンダー等の他たくさんの張り紙。部屋の中央にテーブルと丸椅子。上手側壁壁際には様々な小物等が入った収納棚と予備の丸椅子。出捌けは下手のドアと上手側壁、着替え場所を袖として使えばここも出捌け可能である。尺は90分。RとJ、一部キャストは配役を入れ替えて演じられる。小生はRを拝見。(今回、挙げた場面で終わりではない、追記後送)

ネタバレBOX


 オープニング早々、早く出社してきたパート女性達が雑談の最中、経営者の息子、ぼっちゃんが血相を変えて飛び込んで来たシーンで急転。何でも父親(店長)が失踪したという。書き置きがあり、それには一言、ゴメンとだけ記されていた。やや遅れて到着した別のパートが駅で店長を見掛けたという。ぼっちゃんは近場の駅名を3つ挙げ、父を見掛けたという駅に大急ぎで駆け出してゆく。この頃になるとパートの人々も揃いぼっちゃんの応援をして盛り上がっている。ぼっちゃんが皆に好かれていることが良く分かるシーンだ。
 場転、フランチャイズ本社で代理店長への辞令が下される場面から、新任の店長として赴任して来た店長の挨拶。それから数日後のミーティングで、この店の置かれている状況が話されている中で新任店長がお仕着せの改革案を出すがこの地域の個別事情、各パートの事情等にも疎いことをパート従業員の中で最も冷静に世の中を見、論理立てて見解を述べることのできる太田(岬)から突っ込みを入れられる。侃々諤々があり元々優秀な新任店長も胸襟を開き皆と本音で対峙することとなった。自らの赴任事情、立て直しに与えられた時間、また立て直しに僅か3か月しか与えられないことの意味として業績の悪い店舗の整理であることなども明かされる。また、自らが派遣されたのは自分が上司から受けたセクハラを告発した為昇格措置を取られ別の部署に送られていたことなども話した。面白いのは、この会議の直前、それまでのメンバーは綽名で呼び合うことを正式決定していたことであった。但し綽名は呼ばれる本人が自ら気に入った綽名を選ぶのが基本だ。そうすれば気に食わない綽名で呼ばれなくとも良いからである。目的は互いの距離感を縮めることにあった。こんなこともあり、新任店長も綽名で呼び合う仲間として溶け合ってゆく。こうして地盤ができたところで新店長は全員からの忌憚のないアイデアを求めた。様々なアイデアが基本的にお客目線から提案され実行に移されていった。然し、フランチャイズ本部の部長から至急電話が店長に入った。内容は“業績回復が思わしくない。従って府中東店は今月限りでフランチャイズから外れて貰う、との内容であった。同時に新店長の進退も強制はできないものの、業績回復を果たせなかった者として進退を自ら決めて欲しい”というものであった。さて、どうする?
失われた歴史を探して

失われた歴史を探して

新宿梁山泊

ザ・スズナリ(東京都)

2023/10/12 (木) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/10/12 (木) 14:00

座席1階

関東大震災から100年。発災後に起きた朝鮮人などの虐殺を真正面から取り上げた力作。韓国の大御所劇作家金義卿の作品を、金守珍が在日の視点で演出をしたという。

特徴的なのは、冒頭に登場する若い女性二人が、虐殺の被害者らが務めていた鉄工所の跡地を訪ねるという場面から始まることだ。100年前と当時を結ぶ演出で、多くの日本人が忘れ去ろうとしている歴史を今に記憶するという意味を持たせている。梁山泊らしい妖艶な演出で、女性たちが「自分たちは歴史を記憶するために何もしてこなかった」などとリフレインする。
物語は、当時の日本の植民地戦争で現地の人たちなどを殺害した男が経営する鉄工所が舞台。その贖罪の思いから、男は、日本人に土地を奪われて内地に移住してきた朝鮮人たちを積極的に雇用している。工員たちはその思いに感謝をしている。だが、トラブルを起こした若い朝鮮人従業員を追ってきたヤクザともめている時に震災が起きる。
男の息子も軍人で、地元の在郷軍人会の役員を務めていたが、従業員の朝鮮人の娘と恋仲となっていた、という筋立てが「失われた歴史」のもう一つの側面をあぶり出す。息子は軍人としての立場から娘との結婚に踏み切れないでいる。立場の溝が二人を引き裂くという物語を浮き彫りにすることで、日本人による朝鮮人への差別意識を舞台上に表現していく。差別している日本人の中に「朝鮮人から復讐される」という恐怖が生まれ、狂気に変貌していくという当時の空気だ。

今回はいつにもまして、出演者たちの熱演が光った。悲劇の朝鮮人娘を演じた望月麻里は見事だった。朝鮮人従業員のまとめ役を演じたパギやんはさすがの立ち居振る舞いだ。留置場に入れることで自警団の狂気から朝鮮人をかくまった刑事を演じた大久保鷹の演技は、いつも以上にいい味を出している。

劇中、インターミッションのようにパギやんが当時の朝鮮人たちの言葉遣いなどを説明する場面を作ったのは秀逸だ。スズナリの客席の半分以上を占める若い世代に効果的な解説だった。
梁山泊のテイストを保ちながら、金義卿の作品へのリスペクトを織り込んで演じた今作。次の100年でこの歴史を失わないために、絶対に見逃してはならない舞台である。

眠くなっちゃった【10月1日~10月7日昼公演中止】

眠くなっちゃった【10月1日~10月7日昼公演中止】

キューブ

世田谷パブリックシアター(東京都)

2023/10/01 (日) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

タイトルにつられたわけではないが、1幕の最初のところでちょっとうとうとしたのが失敗だった。例によって、KERAの芝居はいろいろなスジが入れ子細工になっていて、そこをつかみ損ねるとスジが腑に落ちない。それでも、総勢20名近いキャストクレジットの出演者たち、思わず見とれるマッピング映像、耳に新しい劇音楽などにつられて、次々と天井の高さを生かした背の高い舞台で繰り広げられるKERAカラー満載の芝居をぼんやり見ているだけでも芝居見物にはなる。どこも金がかかっていて、話は結局チープなところもあるわけだが舞台はゴージャスなのだ。
要は、現代のよくわからぬ管理社会へのKERAらしい批判ファンタジーである。管理社会に対して森のサーカス団とか、AIを搭載したヒューマノイドが官僚だとか、規律も宗旨も怪しい尼僧団や市民運動とか、地下の収容所や拷問室、とか、どれもそのシーンを見ている間は面白いのだが、そこを横断していく緒川たまきと北村有起哉がよくわからない。
それでも、12800円の一階ははびっしり満席だった。長い。1幕1時間50分 15分の休憩で後半2幕が1時間25分。併せて3時間30分。聞くと、開ける前に舞台機構の故障があって、丸一週間初日が遅れたとのこと、それならまだ開いて4日目だったのか。劇場のミスは全く見えなかったが役者はまだ少し堅い感じだった。

イェルマ

イェルマ

劇団昴

Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)

2023/10/06 (金) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

想い光芒、想われ曙光

想い光芒、想われ曙光

劇団25、6時間

萬劇場(東京都)

2023/09/06 (水) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

A班観劇
良かれと思ってやっていたことが⁉︎
側にいてくれる友人や幼馴染みは大事ですね!
そして、主人公の周りの人達が、みんな良い人でした。
ファンタジーも絡めながらも、良い結末で良かったです!

雨の終わりかけに怒鳴りたて

雨の終わりかけに怒鳴りたて

劇団東京座

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2023/09/28 (木) ~ 2023/10/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ラストを観ると、結局....な話なのですが、
実際はこんな感じなんだろうな〜という、
用意周到な段取りも含めて、面白かったです!
ただ、他の人も書いていますが、少し長かったのと、
会場の寒さが気になりました

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