最新の観てきた!クチコミ一覧

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いないいないなぁ!

いないいないなぁ!

匿名劇壇

扇町ミュージアムキューブ・CUBE01(大阪府)

2023/10/28 (土) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めちゃめちゃ面白かった☆そこに「いない」んだけど「いる」の!ミステリー、ホラー、サスペンスの要素がありつつコメディとも解釈出来るPOPさが匿名劇壇の魅力やと改めて感じました☆「いない」相手との会話劇を成立させる出演者達のスキルの凄さは言わずもがな☆「いない」必然性に対する真相も何重もの謎が隠されてて唸る程お見事!カテコでぬまたぬまこさんを見て劇中登場バージョンも見たいなと思ったけど、それじゃ成立しない作品なんだよね♪それが面白いなー♪

Here Come The Angels!

Here Come The Angels!

ぷろじぇくと☆ぷらねっと

ブディストホール(東京都)

2023/10/25 (水) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

色々と考える事が出来る内容でした。
いただきますの一言の深い意味をあらためて実感しました

忍たま乱太郎 第13弾再演~ようこそ!忍たま文化祭!~

忍たま乱太郎 第13弾再演~ようこそ!忍たま文化祭!~

ミュージカル「忍たま乱太郎」製作委員会

シアターGロッソ(東京都)

2023/09/29 (金) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

忍たま乱太郎の明るく、楽しく、ゆかいな部分が盛大に盛り込まれたミュージカルで最高に楽しかった。明るいコミカルな歌とダンス、そして、背中を押されて涙が出てくるような楽曲、異国な曲、爆笑してしまう程の面白い演技や日替わりネタや、袋槍、寸鉄、縄鏢 等の色んな武器で迫力のある大立ち回りなど色々と盛りだくさん過ぎる目が足りないけど、最高に面白くて楽しすぎるという言葉が合うミュージカルだなと思った。

人外探偵結社

人外探偵結社

お茶の間ゴブリン

萬劇場(東京都)

2023/10/25 (水) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/10/28 (土) 14:00

座席2列中央番

価格4,500円

今までタイミングが合わなくて、配信で観ていたのですが、今回やっと劇場で観ることが出来ました。
前回の公演の話から続いているとの事で、始めから終わるまで、目が離せずにのめり込んで観てしまいました。
もっとじっくり楽しみたいので、配信でも楽しみたいと思います。
次回作も期待して観に来たいと思いました。

ネタバレBOX

吉成さんは他の劇団に出演されて知っていたのですが、やっぱり強面でも良い人の役でしたね。
パレードを待ちながら

パレードを待ちながら

劇団未来

未来ワークスタジオ(大阪府)

2023/10/27 (金) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/10/27 (金) 19:00

文化庁芸術祭優秀賞、関西えんげき大賞優秀作品賞W受賞作品。再演作品。生活環境の異なる5人の女性を劇団未来の女優陣が存在感溢れる演技で魅了。第2次世界大戦中の銃後、それぞれの思い、生き方が重く伝わる。他国でも日本の隣組のような活動組織があった事に驚き恐怖を感じた。非常時、カナダ政府が否定していた徴兵制の導入が当然のように施行される怖さ、これからの日本にないことを祈りたい。
メンズトルソー(マネキン)を各々の人物に想像させるなど、しまよしみち演出はいつも楽しみです。

サンタクロースが歌ってくれた

サンタクロースが歌ってくれた

キャラメルボックス・ディスカバリーズ

新宿スターフィールド(東京都)

2023/10/26 (木) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Xチーム観劇。何回か観たことのあるキャラメルボックスの代表作。今回は若手中心のキャストで、ちょっと粗削りだけど、フレッシュな感覚がいいですね。

フィアース5

フィアース5

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2023/10/27 (金) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

猛烈な5人。フランスのラファエル・ボワテルさんが伝統的サーカスをオマージュし、「現代サーカス」の核となる“融合”を無声映画的に演出。テーマは日本のことわざ「七転び八起き」。5人に加え、クラウン的役回りの山本浩伸氏と技術監督的役回りの安本亜佐美さんが舞台を補佐する。

圧倒的体験。憂鬱なんて吹っ飛んでしまう。超絶身体能力の5人が目の前で神業を披露。バスター・キートンやジャッキー・チェンの世界観。香港功夫映画の組手、詠春拳のような動きが散りばめられている。痛快なパンクバンドのLIVEのように鮮烈。特殊能力を持って生まれたミュータントのような5人が、その能力に悩み苦しみながら宿命を背負って歩き出す。

①綱渡り、吉川健斗氏。冒頭から手に汗握るバランスの妙味で観客の心を鷲掴み。
②エアリアルフープ、長谷川愛実さん。空中から垂れ下がる輪っかに掴まり、まるで体重なんかないように高速回転し続ける。舞踊の域ではなく、体操競技のように。
③ジャグリング、目黒陽介氏。何かに取り憑かれたようにジャグリング(お手玉)を繰り返す。
④エアリアルロープ、アンブローズ・フー氏。浅沼圭さんとの二人羽織風演武ダンスも見事。
⑤ワイヤーワーク、浅沼圭さん。ステージ上に撒かれたパウダーの上でズルズル滑りながらの軟体ダンス。ハーネスを装着して皆に引っ張り上げられながらの空中舞踏。下半身に血が通わず、痺れて激痛らしい。

ジャッキー・チェンに夢中だった日々の事を思い出す。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

前半が余りにも凄すぎて後半は見慣れてきてしまう。「序破急」のスパイスが欲しい。
アフタートークで明らかになったのはわざとパウダーを撒いて床を滑りやすくする理由。非常に危険な為、出演者が本気になってそれに立ち向かう様を表現したかったとのこと。全員脚の筋肉がパンパンに腫れ上がっているそうだ。まさに成龍魂。
幸福な島の夜

幸福な島の夜

円盤に乗る派

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/10/26 (木) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/10/27 (金) 19:00

初見のユニット。不思議な感触の芝居だった。89分。
 先端テクノロジーが当たり前になったらしい近未来を舞台にした、基本は会話劇のようでありながら、物語が辻褄を合わせず、動きも奇妙。

Here Come The Angels!

Here Come The Angels!

ぷろじぇくと☆ぷらねっと

ブディストホール(東京都)

2023/10/25 (水) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

頂いたチケットで、ぷろじぇくと☆ぷらねっと『Here Come The Angels!』(築地本願寺ブディストホール)観て来ました。話は難しかったんですが、星乃まみちゃんって子が可愛かったです。ありがとうございました🙂

MaNNequiN -マネキン2023-

MaNNequiN -マネキン2023-

もんぴぐ

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2023/10/26 (木) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 華5つ☆ ベシミル! 本編以外にも様々な小イベントが上演前後に在るかも知れない。27日マチネにはあった。

ネタバレBOX

 板上はかなりザックリ作られている。観客席とホリゾントの中ほどに嵩上げした踊り場、踊り場奥に手すりのような絵が描かれた壁。踊り場中央に階段が二段設けられているがピンやデュオで生歌を歌う者や場の中心になる役者が上がって用いる。大人数のダンスシーンが可成りあり手前の板上で群舞が披露されるが、個々の役者のダンスの切れも良く群舞としてのタイミングも合い振り付けのセンスも至極良い見事なものである。
 更に手前は、物語が展開するデパート内のテナント店内として用いられもするので踊り場下手手前には商品棚、そして商品の洋服を掛けた移動式ハンガーが置かれている。他に上下のみに板を張った箱馬が数個。色は白だ。上手は店舗への入口と想定されているので商品棚を除く小道具が置かれている。箱馬1つとってもセンスの良さが窺われる。この直観は正鵠を射ていた。演劇作品の根幹を為す脚本も素晴らしい。ダンスシーンを取り入れたり歌唱を作品内に取り入れる舞台は可成り見受けるが、今作ほど各要素が互いに嵌入し見事に呼応し合う相関関係を通して深みと味わいと強さを増し観る者に迫ってくる舞台は観たことがなかった。これは卓越した演出と出演陣皆のレベルが高いことに起因しているのだろう。
 拝見するまでタイトルから想像できるマネキンは二通りあるのでどちらだろうと思っていたのだが今作で現れるマネキンは人形の方である。場転もスムースで全く物語を邪魔しない。衣装変えも出ずっぱりの役者以外はかなり頻繁に変えテキスタイル関連作品としての流行り廃りをも表現していると感じさせる。役者陣はキチンと役を生きているので観客は自然に劇中に魂を紛れ込ませ乍ら単に観劇するというより劇中に恰も参加しているように没入している自分を感じることができた。諸般の事情で取り敢えず“解散”ということであるが、発展的解消ということのようである。中心になった3人は気もあうようであるし、今後も情況さえ許せば力を合わせた公演を拝見できるかも知れない。出演していた役者陣全員に今後も期待している。スタッフの対応も合理的できめ細やかである。無論、音響・照明もグー。
フートボールの時間

フートボールの時間

(公財)可児市文化芸術振興財団

吉祥寺シアター(東京都)

2023/10/26 (木) ~ 2023/11/01 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

殆ど完璧と言えるほどに女子たちの心情、立場、目の前に立ちはだかった時代の通念への思い、素直な発見への喜び、相手への依頼心を含めた友情、胸に秘めた切望が、丸ごと伝わって来る。
彼女達の一挙手一投足が胸を打って来るが、これは弱者に対する優越性のなせる「感動」の類だろうか。。(と自問する程に琴線に触れまくりだったのだが、、彼女らの無念さへの共感と、理不尽さへの怒りとやるせなさ、そして人は変われるものでもある微かな希望という言葉にすればお芝居の定番メニューのような感想が口から出てくる。素直に吐露して良いものか逡巡してしまう。)

ala collectionは10年程前に発見してより頑張って2、3回に一度ほど観てきたが、やはり良質な作品を作る。

ネタバレBOX

満点を付けておいてナンだが(つっても☆5は主観以外の何者でもないが)、一つこれは書いておかずば正直でないというのは、終盤のクライマックスのこと。

この物語には、女子らの成長、学び、前途にとっての障害として立ちはだかる(当時の社会通念を象徴する)三人の人物がいる。三名の内二人は、最後にある種の変化を起こす。
一人目は写真館の主人で、娘の強い意志を前に受動的になし崩し的に、もう一人は最後に見せ場を飾る事になる堅物の女性教師が、ある事を機に思考過程の中で導き出した結論を実践する形で・・。
残る一人はダブル配役のため登場せず、正にこいつをギャフンと言わせたいのだがそこに居ないという事になる。
問題は女性教師である。

台詞の端々に見られる、この女性教師がある理解に至り、良心が発露するまでの過程が美しく描かれるが、最後の長台詞の中にやや時系列の飛躍があり、それがこの人物のリアリティに決定的な躓きとなっている、と感じたわけである。
高校演劇においては、ざっくりとした人物造形をノリでカバーし、大きな物語を伝えるミッションを遂げていたのかも知れぬ(原典を読んではいないが)。
が、この舞台の作りでは、リアリティの緻密な構築が必要になる。

良妻賢母を育成するという女学校の存在目的があり、それは結婚を前提としているため、女性が手に職を付けたり自立の方法を手にすること、即ち、学校生活においては様々な発見と成長を実感できること、が否定される構造がある。
この根本的な問題は、彼女らがその時点に至る十五年間、校長のこだわりから実現していた「女子フートボール部」(今のサッカー部)に、熱中できる対象を見出した三年生二人(北原日菜乃/谷川清夏)、一年生二人(桜木雅/庄司ゆらの)がその道を断たれる事になる後半に浮上してくる。それまでは女子たちの生き生きと羽ばたく姿が描写される。米国の女性シンガーソングライターの曲が折々に流れ、自由へと開かれて行く予感が彩られる。この音楽の力も大きい(ジョニ・ミッチェル「コヨーテ」は珠玉)。
このフートボール部を率いるのが若い女性教師(堺小春)である。他の教師に、小春に期待をかけている校長(おかやまはじめ)、教育委員会の出先機関のような副校長(近江谷太郎)、裁縫を教える堅い中年女性教師(林田麻里)がいる。
そして冒頭から登場してサイドストーリーの主役として併走する、父の写真館を手伝う娘(井上向日葵)が、小春と対をなす。その父役は、副校長の近江谷氏が兼任する。
芝居の冒頭、写真館の娘は、父の事故・入院により、学校行事の写真を自分が代わりに撮る事を申し出る。父は他の業者に頼むことをじつは娘に言い置いていたのだが、それに背き、「父から是非にと頼まれた」と学校に言いにやって来たのだ。その時、彼女の採用を後押しするのが小春。今度の山登りも含めて一ヶ月お試しをやり、ダメなら考え直せばいい、と校長他の教員を説得する。
井上の写真を、小春は褒める。これが「同じ女性として応援する」だけでなく本心から良い写真だと思っていた、と後半に分かる。井上は自分の中に「撮りたい」欲求が沸々とあって、欲求のままに被写体を焼き付ける行為に没頭していく、という事がある。

一方フートボール部は、正式な試合が出来るように部員を増やそうと盛り上がる。今度の運動会で、フートボールは試合ではなくプレゼン的にデモンストレーションをやるので、それに参加する人を集める事が目先の目標だ。女子ともあろうものが股を広げて球を追いかける「はしたない」競技、と眉をひそめる父兄もいるが、四人の生徒が部活動の時間を愛している事実の前には、何者もこれを取り上げる事はできない、と観客にも思わせる輝きをもって描写される。
だがこのフートボールが取り上げられる時がやってくる。
あるとき小春が他に二つの部活動の顧問も受け持つよう申し渡され、これに対し「では給料を上げて下さい」と要求したのが事の始まりであった。

芝居の時系列としては、小春が呼び出されると、校長が突如辞職し、副校長が校長に昇格すると言う。副校長は校長の方針である「女性も心身の成長のために運動に親しむべし」を引き継ぐが、フートボールは廃止すると告げる。今ある8個のボールは痛みも激しく交換時であるが、そんな予算はない、しかも反対の声もあるとし、ボールを廃棄するよう林田に指示する。
「承知しました」と退席する林田を追いかけ、小春は談判を持ちかけ、「せめて自分の手で廃棄したい」と言う。ところが林田は今回に至った事情を知らない小春に呆れ、以下を説明する。
昇給を当然の権利だと主張する小春に対し、副校長は反対し、林田も「私はそのような要求はしない、雑用は自分の本分だと心得ている」と己の考えを述べる。
だが校長はこの要求を取り上げ、上の管轄機関に伝えた。だが小春がフートボール部をやっている情報も上がり、解雇が検討される。校長はそれに抗い、彼女を辞めさせない代わりに自分が辞職すると申し出た、校長は貴方を守ったのだ、と言う。
一言も返せず呆然と立ち尽くす小春。
このお膳立てがあっての、終盤である。

林田の中に起きる変化の第一は、生徒たちと遭遇した際のやり取り。生徒は「折角好きなもの、打ち込めるものを見つけたのに・・」とぶー垂れていた後、林田が現れたので思わず、「先生は自分が好きなことってあるんですか」と聞く。「あるわよ。裁縫がそれ」と言い、自分がこれと出会ってから、いかに心を注いでいるか、を思わず顔をほころばせて語る。生徒たちが去った後、彼女はハッと何かに思い当たった顔をする。
その後のシーンでは、己の無力に打ちひしがれる小春が無言で涙を流し、中庭を歩く姿を月明かりの下に見る。いずれも無言のシーンでの林田の「変化」の兆しが胸を打つ。
一方、写真館の主人は思ったより早く退院して来て、娘・井上が他の業者に頼まず自分で写真を撮っていた事をなじり、叱る。やはり不許可での無謀な行動だったと知れるが、父の態度に彼女は大きな壁(父だけでない社会という)を感じ、絶望する。彼女の写真を期待していた小春に、もう自分は写真は撮れない、と告げに来る。
そして場面は運動会の日となる。井上も父に付き添って荷物を持って現れている。その前に林田は小春に、「私は貴方のようにはならない。けど、私は私なりのやり方で、物を言う。」と告げる。驚く小春。何らかの相談があった後、辞職した校長も「これだけは見ないと」と会場を訪れている。この後である。

その前に、他のエピソードも紹介すれば、三年生の二人、北原と谷川はでこぼこコンビで、谷川は甘えん坊で北原を追いかけてる格好だが、芯が強く無駄な言葉を吐かない北原が師範学校へ行って(小春の後を追いかけて)女性教員になる夢を持ち、谷川はその北原と同じ目標を本気で追い、いつか北原が勤める学校と自分の学校のフートボール部が試合をする夢を温めている。女子同士のキャピキャピとした会話の中でではあるが、フートボールを介して彼女らが「本当に向かいたい方向へ歩いていく」尊さを実地で学び、夢を描くことの純粋さと強さが印象づけられる。
だが、北原は結婚のために学校を退学する。実は一年前に決まっていた事だった。せめて学校生活の中では思い切り夢を描いていたい、そういう時間にしたいと願っていた。谷川は自分に一言もなく去った北原を恨み、腐るが、挨拶に行く。疑似恋人のような二人の会話も切ないが清々しさがある。
一年生の二人の内、背の低い庄司は感情を直線的に放出するタイプだが、おませで「青鞜」を読み、平塚らいてうの「元始、女性は太陽であった」を諳んじる。それを聞きながら女性が輝く未来を遠く見つめる四人の姿。もう一人の桜木は庄司に言われてイヤイヤ部に入ったが実は最も才能があり、ドリブル、パスの場面を主導的に疾駆する(と行きたいのだろうがまあ頑張ってボールを蹴る)。

どんな巻き返しがあるのかと期待が高まる最後、運動会の執行と挨拶を任された林田は、フートボールの廃部そしてボールの廃棄について語る。
私の願望を言えば、ここは黙って残ったボールを一つ取り出し、「最初の種目は、例年通り、フートボール」と紹介する、で良かったと思う。ここでの長台詞は原版を尊重したと見たが、今回の流れでは、うまく嵌まらない。
林田が「気づき」を得る過程は、ボールの廃棄がとうに済んだ後である。だが台詞では自分がボールに穴を開けている内に、自分の心臓を針で刺すような苦痛を覚えはじめた、と吐露する。これは演技にも拠るかも知れないが、自分がそのような苦痛を覚えていた事を「今になって気づいている」、という吐露が時系列的にも適切ではなかったかな・・。
そういう風なニュアンスに変換して自分の中で整合性を付けたようにも思うが、やはり浮いてしまった後味は否めなかった。

クライマックスだっただけに惜しいのであるが、しかし各場面の作り、張り合う必要のない境地に立った女子たちの純粋そのものの群像が、信じられる形で描かれた事は今も嘆息が出る。
運動場にて、井上演じる写真館の娘は一つも笑わなくなったらしく、父は弱気になり「笑ってくれよ」と頼んでいる。「撮った事を責めたんじゃない。嘘をついた事だ」と言うが「じゃ私が頼んだら許可してくれたか(そうでないだろう)」と無表情に答える。
と、フートボールが始まる。位置取りを確認する父。と、パスを始めた彼女たちを遠景として撮っている父を差し置いて三脚を抱えて井上が走り出す。中央でパスに興じる彼女らの真ん前に陣取り、シャッターを切る・・。
暗転後、現代とおぼしい風景の中に、小春は青いユニフォームを着て選手として、井上は望遠レンズが装着されたカメラを手に恐らくスポーツカメラマンとして、立つ。

それにしても何気に進歩的な校長の「貴重さ」は飾らない風情に溶けていい感じであった。闘いとは息の長い営みなんだと、ある種の諦観へ促されている気がする。
幻想振動

幻想振動

イデビアン・クルー

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2023/10/27 (金) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

抽象性の高いパフォーマンスが「ハマる」というのはどういう現象なのか自分でもよく分からないが感覚している自分がいるのは事実で実に不思議。
井手氏本人の踊りは初めて。イデビアン・クルーは三度目。身体の動きは心情、感情を伴っており、そこが井手氏の特徴だろうか。ビニルシートを取っ払うと六畳一間の畳部屋の台。周囲は砂利を敷く代わりに白い無機物が敷かれた畔のような筋が、その左右に奥へ向かって伸び、奥では上奥袖から下奥袖まで一本伸びる(上から見ると鳥居のような)。最初、舞台の舞踊エリアの対角線に男女が立ち、目線が合うと、男女の関係だと分かる。カップル同士の営みが時に面白おかしく、時に虚しく、切なく、冷淡だったりノリノリだったりが演じられて行く。
動きのバリエーションは(井手氏っぽい動きというのはあるようだが)多彩と言え、先述した如くそれらは心情・感情のバリエーションを意味する。そして心地よい。
舞踊には楽曲も不可欠だがスタイリッシュ。一曲目のヴィヴァルディの曲が微妙な強弱が少し入ったと思うとエコーが微妙にかかったり、鳴り方が変わったり(ステレオ全開が局所でAMラジオの音、になったり)、空振りパンチ攻撃に合わせて効果音の「空を切る音」を入れ込んだりと忙しく、嬉しい。一曲目は唐突に終わり、突如ベース音がリズムを刻みスローなドラムに、二人の揺らぐ身体が揃う。理屈抜きに相性抜群な瞬間だ。
音楽は5,6曲程だったか。ボレロも流れる。人生のあらゆる場面だったり、想像の世界を遊ぶ時間だったり、どちらかの見る夢だったり・・。
延々と続く二人の風情への既視感は、最後に種明かしがある(その作品を知らなきゃ分からないが)。
1時間と少しと舞踊作品としては平均的だったが、もっと長く、めくるめく時間を過ごした感覚である。

同盟通信

同盟通信

劇団青年座

新宿シアタートップス(東京都)

2023/10/13 (金) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

久々の古川健戯曲の舞台鑑賞。やはり歴史物(とりわけ戦争責任にまつわる)をやらせると右に出る者無しではないか。戦時中実在した通信社のの「戦争」と共に歩んだ軌跡を、ジャーナリズム精神の視点から批評的に描いた力作。
登場人物中、海外からの情報を参照する語学力と現状分析力に長けた加藤という人物が、彼の提供した情報にも関わらずこれを無視したとしか思えない戦争続行の決断または停戦交渉を怠った不作為への批判を可能にする。「知りえた情報」を前に、それをどう受け止め、これ以上の犠牲を出さないための判断ができるか・・厳しくこれを問わなかった陸海軍を悪しき先例とするなら、科学的精神の発露を尊重し、知に対する畏敬を育むことがこれに応える一つと言えそうだが、学術会議や大学改革などを見る限り現状はそれに逆行する。
損得利害を離れた領域が、今や聖域と化しつつあるようで・・知に謙虚に問うてみる科学的態度の大きな後退が
見られた例が、東電による「処理水」海洋放水を巡る反応であった。
大手メディアさえ政府・東電の説明に疑問も挟まず看過した。日本は十分に戦前化しており、その事にあまりに無自覚である。

写真

写真

劇団普通

カフェムリウイ「屋上劇場」(東京都)

2023/10/19 (木) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

カフェムリウイは二度目。表からは建物の判別にまた手間取ってしまったが大方の距離感を頼りに辿り着いた。大風の吹く中、三人の会話劇が始まる。畑のある田舎、のどかな風景が窓外に広がってるだろう部屋のテーブルに弟を挟むように姉夫婦の姉が弟の向かい、夫が隣に居る。
劇団の常連かつ茨城弁芝居に不可欠?の用松亮は毎度の親父キャラと思いきや今回は少し違い、登場時点からいつにない目付きを見せ、小柄だが強い姉(後藤飛鳥)に逆らえない弟役。その姉の「でっぱり」分を「ひっこめ」る塩梅が夫婦の秘訣、といったような姉の夫(近藤強)。
短めの芝居という事で以前映像で観た感じの「切り取った」写真のような劇だろうかと想像していたが、その通りの作品だった(思わず「写真」と書いたがたまたま。「写真」は芝居でちょっとだけ出てくるアイテム)。
キャラといい会話の間のリアルさといい、噛んで味がするこの幸せな時間は何だろう。この路線、掘って行ってほしいとは個人的願望。

失われた歴史を探して

失われた歴史を探して

新宿梁山泊

ザ・スズナリ(東京都)

2023/10/12 (木) ~ 2023/10/15 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

同作者による「旅立つ家族」(文化座)を今年はじめに観たばかり。植民地時代と戦後、韓国と日本と二つの時と国をまたぐ話を、今回と同じ金守珍が冴えわたる演出で壮大なドラマに仕上げていた。苦悶の内に他界した朝鮮人画家イ・スンヨプの魂の彷徨であったが、今回のは同じく日韓現代史の断面を切り取った劇でも題材はあの関東大震災時の朝鮮人虐殺だ。これを劇化した日本人作家は不勉強ゆえ知らないが、題材が題材だけに、実際存在しないかもしれない。
作者は、渡日朝鮮人の従業員たちと、彼らに理解ある社長、及びその家族というコミュニティを真ん中に据え、大震災というエポックが彼らに何をもたらしたか、という視点で歴史を叙述した。芝居は劇中劇の形を取り、冒頭とラストには現代シーンがある。件の社長の手記が百年後の現代、古本屋に並んでいたのを「高かったが背に腹は」と入手したライター志望?の女性(水嶋カンナ)が、友人(杉本茜)と聖地巡礼=社長の実家を探しに田舎町を訪れているのだが、このシーンで映画「福田村事件」のパンフを持って熱っぽく語ったりする。重いテーマの芝居への軽やかな導入を趙氏又は金氏が追加したのか、原作にもあったのかは不明。
本編の劇では、社長(ジャン・裕一)の息子(二條正士)と、朝鮮人職長(趙博)の娘(望月麻里)との男女関係、それを見守る娘の弟がいる。社長の家族は二人の関係を正統なものとして受け入れようとしている。他には朝鮮で叶えたい夢のため切り詰めてお金を貯めている従業員(ムンス)、博打に目がない従業員(青山郁彦)、彼を追ってやって来るヤクザ者(藤田佳昭ら)、通報があったと刑事(大久保鷹)も登場する。彼は震災での混乱の中で良い働きをする。だが夢追い人は無惨に殺され、朝鮮人を留置所に匿ったと非難された刑事は彼らを追い払うも、火をつけられる。息子の許婚は実は子を宿していたが、一度逃げ出すも絶望に襲われなぜか炎の中へ飛び込んで行く。
工場に匿われていたのでは迷惑がかかると飛び出て行った朝鮮人従業員の内、職長と博打好きは最後には生きて戻り、娘の死を知らされる。危機が迫る中、相手の息子との結婚を社長夫妻に申し出られても一旦持ち帰ると答えてしまった己の不覚を悔いて泣く。
この歴史事実で看過してならないのは「流言」が意図的に、公権力から発された事だが、金守珍演じる何とか大臣と管轄下の警察のトップの太々しいやり取りが書きこまれている。

全体には梁山泊らしい演出であったが、唐十郎のような詩であり幻想である「フィクションでしかない」作品世界には悲壮な色を帯びた(大貫誉の音楽に象徴される)演出は適しているが、史実を扱い、史実である事が重要である作品においては果たしてどうか・・というのは残った。

ネタバレBOX

出来事の連続としての物語の中で、人物に(ストーリーに直接関わらない)批評性を帯びる言葉を語らせる事がある。この作品の場合、植民地化、侵略の歴史に触れる部分。もっとも虐殺は日本の拡張主義と連動している。
社長の息子は兵役帰り。派遣先は三一運動の燃え盛る朝鮮。父親も同じく朝鮮の地へ日露戦争で赴いた。この過去が、父をして朝鮮出身の従業員への分け隔てない待遇をさせしめ、また息子をして婚約者に対する処理できない屈折した感情に埋没せしめている。
朝鮮からの帰還以来何かが変わった様子の息子を父は持て余し気味であったが、ある時(母(佐藤水香)のうまい計らいもあり)二人は酒を酌み交わし、息子は記憶から消せない出来事を語る。
映画「福田村事件」は朝鮮帰りの夫婦を登場させ、夫婦生活の危機の遠因となった出来事を夫が妻に語る相似形なシーンがあるが、震災後事件が起ころうとしたその時、妻は「あなたは今度もまた、何もしないの?」と夫を責める。彼は朝鮮でのその事件(堤岩里事件)で「何もしなかった」その前に余計な事をした。教会に閉じ込め火を放とうとした日本の官憲に、ある女性が抗議したので彼はその言葉を日本人憲兵に通訳した。自分が必死に覚えた朝鮮語を役立てようとその時初めて通訳を買って出たのだが、その事のために憲兵は女性を睨みつけ、その場で首を切った。
芝居に戻れば、親子が語るのは彼の地で犯した殺しの数である。父から思い切って息子に切り込んだ。話せない事を話す呼び水とするべく、「お前、何人殺した?」と訊くのだ。・・最初は抵抗があった。だが段々と慣れてきて、いかに多く殺すか、いかに残虐に殺すかを競うようなる・・。己自身が見せた姿におののき、平穏な日常生活の「裏」を覗こうとする。許婚から子どもができた事を知らされた息子(二條)は驚き混乱する。
「ゆきゆきて神軍」は今となるととてつもなく貴重な映像満載であるが、ここには人間のグロさを戦地にとどまらず現在にも引っ提げて異臭が放たれる様が映されている。
人間が負の側面を見なければならないのは何故か。果たして見なければならないものなのか?という問いにどう答えられるのか。
よね牛の1人でやってみたQ

よね牛の1人でやってみたQ

COWCOWシネマ

北池袋 新生館シアター(東京都)

2023/10/27 (金) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

本日拝見しました。一人で映像もうまく使って、飽きさせることなく良かったです。元気なお芝居何回もの衣装替え大変ですね。でもよくまとまっていて面白かったです。映画も撮っているとのこと。機会があれば拝見しますね。頑張ってるのが、伝わってきましたよ。応援してますね

朝劇「恋の遠心力」

朝劇「恋の遠心力」

朝プロダクション

NOS Bar&Dining 恵比寿(東京都)

2015/08/19 (水) ~ 2024/12/31 (火)上演中

実演鑑賞

満足度★★★★

河村唯さんゲスト出演。2022.1.10

あすか:真綾
大隈:大野清志
さくら:馬場史子
神代:船戸慎士
ダイチ:森谷勇太
伊吹:野村龍一

ヒロインのアンドロイド「あすか」役はこれまで八木麻衣子さん、森田涼花さん、関谷真由さんの3パターン観劇してました。今回は真綾さん。初めて拝見しました。歴代と遜色なし、独自の色も出してらっしゃって、素晴らしかったです。

朝劇西新宿では入口のドア、シャッターを閉めることが演出になってました。地球に到着するとそれが開きます。会場の「GLASS DANCE西新宿」ならではの演出でした。

そもそも西新宿ではレストランの客席の間がステージでした。時に目の前に演者さんがいらっしゃる、とても近くてスリリングなものでした。

コロナ禍になり、いろいろ制約ができてしまったのは残念です。会場を変えたのはそのあたりの事情があったものと思います。

しかしながらこの「NOS恵比寿」も素敵な会場です。いずれここで、客席を走り回る本来の恋の遠心力を見たいです。

ゲスト出演の河村唯さんはアフタートークにも参加。「浅草DOG DAYS」など、他の朝劇についての話も楽しかったです。野村さんの「天才劇団バカバッカ」の話題では、小泉瑠美さん出演の「ファミリー・ウォーズ」の裏話もありました。そんなことがあったんだ、と。貴重なお話でした。

野村さんは長くやって年齢を重ねると、自分よりずっと若いあすかに「好きだ!」というのが変な感じになってきた、というようなことをおっしゃってました。あすか役の真綾さんは2001年生まれ。なるほど。

Here Come The Angels!

Here Come The Angels!

ぷろじぇくと☆ぷらねっと

ブディストホール(東京都)

2023/10/25 (水) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

ハリウッドは大騒ぎ

ハリウッドは大騒ぎ

ミュージカル座

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/10/25 (水) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

もっと大きな舞台で上演しても良いと感じました。
大きな舞台のほうが観ごたえあると思いました。

今日の舞台では、次のセリフに期待して女性弁護士さん頑張ってー!と言いたくなりました。

その時しかない編集できない瞬間なので十分楽しめました。

定番かもしれませんがウエスト・サイド・ストーリーを演じているところも観てみたいと思いました。

楽しかったです。
有難うございました。

サンタクロースが歌ってくれた

サンタクロースが歌ってくれた

キャラメルボックス・ディスカバリーズ

新宿スターフィールド(東京都)

2023/10/26 (木) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

キャラメルボックス・ディスカバリーズ「サンタクロースが歌ってくれた」SHOWROOMで、なかおさえちゃんが宣伝してたんですが、話が「映画の世界のキャラが飛び出して来る」という、僕の「怪人家族の総選挙」と同パターンだったので興味を持ち観て来ました。話も面白く、若い役者さん達が輝いてました🙂

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