シラの恋文
シス・カンパニー
日本青年館ホール(東京都)
2024/01/07 (日) ~ 2024/01/28 (日)公演終了
OUT OF ORDER
シーエイティプロデュース
世田谷パブリックシアター(東京都)
2023/12/07 (木) ~ 2023/12/24 (日)公演終了
兵卒タナカ
オフィスコットーネ
吉祥寺シアター(東京都)
2024/02/03 (土) ~ 2024/02/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
笑いとシリアスが程良く混ざった感じの
戦争悲劇かなぁ・・・
基本は台形状の舞台で
小道具等を持ってきたり配したりしての舞台美術は
なかなか面白かった~舞台上部には直径2m以上の銀の玉が吊るされてました
全席指定にして休憩二回の全三幕です
ジャンヌ・ダルク
キョードー東京/TBS/イープラス
東京建物 Brillia HALL(東京都)
2023/11/28 (火) ~ 2023/12/17 (日)公演終了
最高の家出
パルコ・プロデュース
紀伊國屋ホール(東京都)
2024/02/04 (日) ~ 2024/02/24 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★
反面教師の舞台である。大きくは三つ。
まず、本がだらしがない。この作家はメタシアター作りが得意の様だが、外枠もできていなければ、内枠もできていない。結婚生活に飽き足らない若い女性が、家出をして人里離れた山中の劇場(演劇)と出会う物語だが、ファンタジーなのか、青春後期モノなのか、色々取り揃えてやっているが、結局何をやっているのかさっぱりわからない。かつて新興都市の読書クラブという面白い設定の同じつくりの作品(ロマンチック・コメディ)があったから手慣れているのかもしれないが、これではメタにする意味も分からなければ、その効果もわけがわからい。同じ構造の」KERAの再演(スラップスチックス)もやっているが、こうしてみると、KERAの劇的構成力との間には天地ほどの違いが分かる。
二つ目。キャスティング。際立つ軸がない場合に、軸を作る努力がスタッフ全体にかけている。物語が頼りないうえに、観客がついていける主人公に魅力がない。周囲も一部の若者の人気だけでそろえているから、脇でまとめられる役者がいない。これでは2.5ディメンションと同じで、それならそうと、もっと腹をくくって、ロビーをグッズ専門売り場とサイン会場にするくらいの覚悟がなければ、これでは関係者すべてに不満が残ってしまうだろう。
三つ。パルコ劇場は、都市演劇の新しいジャンルを開拓してきた実績もあり、制作部もある劇場である。劇場改築のころから、梅コマのように複数のプロデュースも行ってきているが、制作の方向が見えていない。2.5は本腰を入れれば、独自の領域が開けるかもしれないのに、制作部に方向性と情熱が見えない。これで、9千円で三週間打って客が来ると思っているなら、本や役者を読める人がいないということである。まだ始まったばかりなのに、半分がやっとでは先が思いやられる。
興行には失敗はつきものであるが、ほかにも、パルコ主催でまず、初歩の基本的取り組みでちょっとどうかと思う舞台が続いたので憎まれ口。
BAUMバウム
Oi-SCALE
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2024/01/24 (水) ~ 2024/01/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/01/28 (日) 14:30
片田舎のサナトリウム(?)での人間模様。
冒頭の再現か?と思わせて人物が異なるエンディングや時制を明示しない場面提示、見舞客と入院患者のどちらが思い違いをしているのか?(「胡蝶之夢」を想起)などトリッキーで観客の解釈に委ねるところなどいかにもOi-SCALEらしい。
その一方、普段は「真冬のよく晴れた夜明け前の青白さ」のようなどちらかと言えば寒色系単色な印象なのにカラフルに感じられたのはいつもとひと味違うキャスティングによるものか?
そして終盤いきなり「バウム」の意味を思い出したのは痛恨。予め気付いていればもっと別な読取り方ができたのではないか?おも思った。
なお、終演後に灰二さんからタイトルの意味を伺ってある意味納得。(再演であることもその時知った)
オセロー
滋企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2024/01/31 (水) ~ 2024/02/07 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
素晴らしい。とは書いたものの言い得ていない。これを受け止める感覚の深層にぐっと迫るものがある。「オセロ」を普通に作るとは思っていなかったが全くの未知数。白紙。何も描いてないカンバスに、一体何が描かれて行くのかが開演した後も先が読めない(ストーリーは知っていても)。無論時系列はそのままながら構成は大胆に設え直しており、一つ一つページをめくるようにして結末へと進んで行く。
SPACの「授業」でしか知らない演出であったが、人間感情の普遍とそれに自ら翻弄されて生きる人生の普遍を、共に味わい直す舞台として「オセロ」を構成した。
オセロとデズデモーナの決定的瞬間を迎えるまでの最も凝縮した最終盤、音楽に載せたオートマチックな動きの繰り返しとした。ここが凄い。
ちなみにその直前、冒頭から日常的な会話で観客との間を取り持つ三人は、物語の進行に従って忠実なコロスと化すが、この最終場に移る前に再びチラっと素のモードを見せ、「次行くか」「行くのか」「仕方ない」と言いながらセッティングをする。重苦しい結末しか残されていない段階での小さな呟きに、これほど救われるとは。
夜、変わらず明るいデズデモーナは夫の異状に気づいて問い質し、オセロは積り積った疑惑を告げる。これ以後、オセロに毒を流し込んだイアーゴーは登場しない。妻は夫に自分を殺すのかと問い、疑われたまま死にたくないとこぼすが、夫の意志に変りない事を知る。ついにオセロが妻にアクションした瞬間、華麗な音楽が流れ、「その瞬間」(オセロが妻を絞め殺す)までの椅子一脚を間に挟んでの定型の動きが始まる。ここに様々な要素が詰め込まれている。ユニークに立ち回る赤い体操着の若手女優三人は為すすべなく二人の成行きを見るが、この定型な動きに、一人ずつ絡み、去って行く。次、そして次、その瞬間よまだ訪れないでくれ(訪れるのは分ってるけど)・・との願いもむなしく最後を迎える。描かれるのは二人が出会った(愛を確認した)瞬間のままの感情を今も持ち続けている事。それがその対面し見つめ合う時間の長さによっても示され、それでもなお男は、その感情は報われないのだと「確信」してしまったがゆえに、決まった事のように迷いなく殺しに行く。妻は相手から逃げる事なく最後まで愛を諦めず求め続ける。愛が消えた故でなく愛ゆえの破滅が、耽美的に描かれている。古今東西ありふれた物語設定だが、恋愛が二人の間でしか成立しない何か(他者あるいは他者の作った基準の承認など必要としない)である事が恐らく、ここでは執拗に描かれており、その強固な前提ゆえに悲劇であり美しく描かれるものである。
演出では音楽の優れた用い方も本舞台の特徴。長く心に残り続ける(だろう)時間となった。
エウリディケ
MIXZONE
世田谷パブリックシアター(東京都)
2024/02/04 (日) ~ 2024/02/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
鑑賞日2024/02/05 (月) 18:30
ギリシャ神話がベースの音楽劇だが、なんだか勿体ない舞台だった。(2分押し)86分(8分休んで、アフタートーク20分)。
ギリシャ神話のオルフェの冥界下りをベースにして、軸を死んだ妻のエウリディケに置いてアメリカの劇作家サラ・ルールが舞台化した作品。若手の役者は初見だがミュージカル等で実績があり、脇を固めるベテラン勢は見慣れた人が多く、役者の力量は確か。舞台上に井戸と排水溝を作り水を流す、など、美術や照明にも力を入れているのだが、なんだか物語がスンナリ入って来ない。とてもポエジーなセリフの多い翻訳劇なので、訳が落ち着いていない感じがあるのと、役者のムービングや演技などが巧くフィットしていない印象。軸のエウリディケの衣装も彼女の何を象徴しているのか分かりにくいこともある。コロスである「石」たちが座るバウンスボールがノイジーなのも気になる。
川辺市子のために
チーズtheater
サンモールスタジオ(東京都)
2024/02/03 (土) ~ 2024/02/12 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
吉祥寺で『ヘルマン』を観た際、挟まれていたチラシを読んで気になった。チケットを取ろうと思ったら全公演完売。何か妙に観たくなってキャンセル待ちに申し込んだ。主演の大浦千佳さんが「もう絶対に今後この役をやることはない」とツイートしていたのも一因。運良くキャンセル待ちでチケットが手に入ったが当日はまさかの大雪。「不要不急の外出を控えて」の気の滅入る悪天候。いや逆に凄い作品が観れるチャンス、とばかりサンモールスタジオはガチガチの超満員の客で溢れ返った。素晴らしい熱演をたっぷりと味わい、階段を上ればサンモールの外はガチガチの積雪。ズボズボ靴がめり込んだ。
映画は観ていないので比較は出来ない。劇団の主催自ら監督して映画化、主演に杉浦花さん。
川辺市子役の大浦千佳さんに妙に見覚えがあったが、『柔らかく搖れる』のシンママだった···。凄い振り幅。
語り口が面白い。失踪した一人の女性を巡る、各年代の知人達の回想録。刑事がそれぞれが知っている限りの川辺市子のエピソードを語らせていく。その断片的な話を元に観客は不在のその女性について想像を巡らせる構造。
サンモールスタジオの狭いステージの中心に畳4枚程を組み合わせたスペース。周囲を椅子が逆L字型に囲み、証言者達が座る。
相対するようにL字型に配置された客席、観客はそれぞれの記憶が再現されていく様を息を潜めてただ見守る。通路さえ物語の重要なステージに。
非常に映画的。半纏をすっぽり被って声しか聴こえない大浦千佳さんがしゃがみ込んでいる。その登場シーンからゾクゾクする。「川辺市子は嘘つきだ」との証言や語る人によって状況が食い違う出来事。嘘をついているのか記憶違いなのか妄想なのか?結局のところ、真実は判然としない。煙のように残像のように川辺市子の断片が煌めいては瞬いて、そしてふっと消えてしまった。
驚いたのは刑事役の男。寺十吾氏っぽいなあ、と思っていたら本人だった。ありとあらゆる演劇の重要な役は全部寺十吾氏が司る決まりなのか?マジで驚いた。
平山秀幸監督の名作『愛を乞うひと』や阪本順治監督の傑作『顔』、たっぷりと漬け込んだ今平風味の下味。そして物語を彩るのは甘酸っぱくも激しき痛みの走る恋心、どうにか自分がしてあげられることがほんの少しでも何かきっとあるんじゃないだろうか?何一つ出来やしない無力な男が陥る勘違いの妄想、誰にも益しない醜い純情。周囲にそんな情念を呼び起こす魅力的な女の一代記。
だが彼女が本当に心から求めていたのは無記名の穏やかな日々、ありきたりな単調に繰り返される毎日でしかなかったのに。
是非観に行って頂きたい。
兵卒タナカ
オフィスコットーネ
吉祥寺シアター(東京都)
2024/02/03 (土) ~ 2024/02/14 (水)公演終了
かむやらい
カムカムミニキーナ
座・高円寺1(東京都)
2024/02/01 (木) ~ 2024/02/11 (日)公演終了
十二月八日
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2023/12/14 (木) ~ 2023/12/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
公開を忘れていました
劇団独自の雰囲気に満足しました。
どう見せたら効果的かよく工夫されていて、伝わるものが大きかったです。
時代絵巻AsH 其ノ拾七『暁月〜あかつき〜』
時代絵巻 AsH
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2024/02/01 (木) ~ 2024/02/05 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/02/04 (日)
シアターグリーンにて時代絵巻AsH『暁月〜あかつき〜』を観劇。
江戸時代末期の土佐藩郷士・岡田以蔵に纏わる物語。時代絵巻という名がしっくりと来るコンセプト特化型のカンパニーだけあり、作品の創り込み方が凄い。男性キャストのみで構成されているという部分もこのカンパニーの特徴らしく、非常にこだわりのある素敵な組織だと感じました。今回初めて拝見させていただいたカンパニーでしたが、作品云々の前に、コンセプトだったり、様々なこだわりだったりと、そういったベースの部分に感心してしまいました。ホームページの作り込み具合も素晴らしいですし、当日パンフレットや袴姿で登場する会場スタッフなども一貫性があって好印象でした。
さて、肝心の作品内容についてですが、これまた立派で驚きました。岡田以蔵という人物像がこれまで自分自身の中に抱いていたものとは若干異なる、、いや、だいぶ異なるような印象は受けたものの、100%忠実に再現した時代劇ではないわけで、これはこれで面白いですし、ありだなと感じました。幕末四大人斬りといわれていますが、我々と同じように一人の人間であることには変わりなく、人間味のある部分は持ち合わせていたと思います。人斬りに至った経緯、背景などを考えると、今も岡田以蔵の墓を訪れる人が絶えないといった事実や、聖地巡礼をされている方がいるのも納得出来る気がしました。幕末の出来事を新たな別の視点で感じることが出来た点は良かったです。
岡田以蔵役を演じられた黒崎翔晴さんをはじめ、一人一人の熱量の高い演技がお見事でした。芝居であるということを忘れてしまうほど、実際に幕末にタイムスリップしたかのような空間になっていて圧巻でした。
兵卒タナカ
オフィスコットーネ
吉祥寺シアター(東京都)
2024/02/03 (土) ~ 2024/02/14 (水)公演終了
実演鑑賞
前衛的で抽象的な表現、演出。
こういう劇もやる劇団だったんですね。
昔好きでよく見た風の公演を思い起こさせるものがありました。
兵卒タナカ
オフィスコットーネ
吉祥寺シアター(東京都)
2024/02/03 (土) ~ 2024/02/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
悪天候の中、劇場へ。さすがコットーネ、ホンも凄いが作りも素晴らしく、帰りの雪道が全く気にならなかった。観て良かった。シンプルな舞台セットも効果的。役者さん一人一人の説得力。五戸さんの演出ここぞというところにトリック。2幕タナカ平埜さんの顔つきが一変してから、3幕の裁判でのタナカの表情、出で立ちが秀逸でした。
従順なことは悪いことではないと思うのですが…
ミュージカル『Liebe ~シューマンの愛したひと~』
劇団ミュ
シアター711(東京都)
2024/01/27 (土) ~ 2024/02/05 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
#チーム
どうしても栗原沙也加さんが観たくて劇場へ。
下北沢の小劇場でのミュージカルとは、なかなかにスリリング。あの距離で聴くそれは、マイクで拾ってアンプで増幅させる訳にはいかない生歌であり、誤魔化しようがない。狭い舞台の中で、それでも少しのダンスも披露。シューマンの妻クララを軸に、有名作曲家たちが、織りなす愛憎劇はなかなかに見応えがあった。
目当ての栗原沙也加さんはエルネスティネ、ある意味恋敵の役どころ。どんな作品においても、そのポジションは美しさが必須。その点でも百点満点のキャスティング。可愛らしい人が、美しさの比重を上げて見事に恋敵を立ち上げた。そこに哀愁まで纏ってみせるのだからお手上げ。客席はみんな彼女の虜。その上、歌が甘くもあり切なくもあり、時に軽やかに聴かせてくれるのだから堪らない。
主役クララを演じた田中海咲さんも、キュートで魅力的だった。
有楽町の大劇場で味わうミュージカルに匹敵する醍醐味と、手の届きそうな小さな劇場だからこその臨場感と独特の空間を楽しむことができる秀作だった。
願わくは、靴にまで気を配って欲しかった。小さな劇場だからこそ見えることかもしれない。とても歌が上手だった彼の靴が、残念なことに傷んで横が破れていては興醒めする。予算の問題もあってキャスト任せなのだろうけれど、そこにも気を遣って欲しかったなぁ。
兵卒タナカ
オフィスコットーネ
吉祥寺シアター(東京都)
2024/02/03 (土) ~ 2024/02/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
今のようにネットでなんでも調べられる時代ではない頃に、ドイツ人が書いた日本の物語。家族が息子のことを「タナカ」と名字で呼ぶのは違和感がありますが、全体を通して不思議な世界観でしたので次第に気にならなくなりました。演出が素晴らしいですね。笑えるところもたくさんあるので、2時間50分と少し長いですが全く飽きずに楽しめました。
兵卒タナカ
オフィスコットーネ
吉祥寺シアター(東京都)
2024/02/03 (土) ~ 2024/02/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
初日に観劇。
3部の裁判官の方の演技・キャラクターが魅力的でした。
やっていることは不自然だけど、一番、台詞が台詞っぽくない自然体の演技で
個人的に好きでした。
笑える部分とシリアスな部分はちゃんと切り離されていたので良かった。
兵卒タナカ
オフィスコットーネ
吉祥寺シアター(東京都)
2024/02/03 (土) ~ 2024/02/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
興味深い3部構成。第1部で何とも言い難い妙な違和感が漂うが、それは後半の展開につながる。ただ、複雑なストーリーではないのにちょっと流れが悪くて時間がかかる。原典はドイツ語だろうか。
兵卒タナカ
オフィスコットーネ
吉祥寺シアター(東京都)
2024/02/03 (土) ~ 2024/02/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
すばらしかったです。「ああいったアングルで天皇責任を論じるか…」と思いました。あと、途中ギターで演奏されたBGM最高でした。あの方、かなりギターうまいですね。私も50年近くギターやっているなんちゃってギタリストですが、あの方の腕は確かですね^^ 最高の時間を過ごさせていただきました。