最新の観てきた!クチコミ一覧

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BILOXI BLUES

BILOXI BLUES

東宝

シアタークリエ(東京都)

2023/11/03 (金) ~ 2023/11/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ニール・サイモンの自伝的戯曲。1943年、ユージン・モーリス・ジェローム(濱田龍臣)は10週間の新兵訓練でミシシッピ州のビロクシー・キャンプへ。そこで寝食を共にした5人の仲間と、新兵を徹底的にしごいて規律と服従をたたきこむ鬼軍曹トゥーミ―との出会いと別れを描く。娼婦のロウィーナ(小島聖)との童貞喪失と、カトリック女学生のデイジー(岡本夏美)の恋もある。

なんといってもニューヨーク州出身の頑固で読書家のユダヤ人、アーノルド・エプスタインの存在が光る。最初はただ胃弱の神経質な落ちこぼれ兵なのかと思うと、次第に芯の強さ、無理を許さない合理的思考が明らかになっていく。とくに、トゥーミーのしくんだ「盗難」事件を、みずから犯してもいない盗みを告白して、一矢も二矢も報いるところはすごい。エプスタイン演じるのは宮崎秋人。宮崎は真面目な坊ちゃん刈りと眼鏡で、二枚目を隠して、これまで見たのとは全く別人。繊細で偏屈なエプスタインを好演した。エプスタインの敵役であるトゥーミー(新納慎也)も、優男がサディスティックな軍曹を演じるから、そのギャップにすごい面白みがある。そしてコミカルでなく怖い。
この二人を描くことで、サイモンの戯曲としては、最も深みがある作品かもしれない。

良いせりふがいくつもある。とくにユージンの「文字に書いたことは皆信じてしまう」という教訓は、いまのSNSの炎上、ネット社会(その走りだった佐世保の小6女子の事件)を見ると、その意味は一層深い。マクルーハンは「聴覚型社会」から「視覚型社会」への転換を指摘していたそうだ。
ほかにも「どうしてわざわざ苦労をしょい込むのか」問われて「苦労がなければ人生は朝の11時で終わる」(エプスタイン)。「君は人生へのツッコミが足りない。傍観者に過ぎない。人の言動をノートに書いているだけ。人生のどまんなかにとびこまなければ」(同)とか、理性などいらない「兵隊が敵の前に飛び出すのは、けつに銃剣を突き付けられているからだ」(トゥーミー)等。「彼女の名前を思い起こすと、小さな心臓発作を起こす。命を奪うほどではないが」という恋愛気分も。
「人間以下の異分子、へそ曲がり、落ちこぼれ云々」の、トゥーミーのエプスタインへの敬意を秘めた悪口もいい。
2時間45分(休憩20分込み)

ネタバレBOX

エプスタインのモデルもいたのだろうか。ヨーロッパ戦線で行方不明、遺体も見つからないという最後だったが。また歌が好きなカーニーは、6ケ月砲撃にさらされて精神病に、二度と歌わなかった。頭は足りないが突進力のあるワイコフスキ(大山真志)は、片足を牛なう。それぞれの戦争は苦い。ユジーンは戦場に行く前に、けがで「星条旗新聞」記者に回され、作家デビューを摑む。「罪悪感を覚える」と告白していた。
工場跡地舞台芸術祭

工場跡地舞台芸術祭

アートプロジェクト集団「鞦韆舘」

CCO クリエイティブセンター大阪(大阪府)

2023/11/05 (日) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

ここも三作品とも色が違う
朗読とダンスにシェークスピアの身体表現に落語演劇
MVPはハコボレ

工場跡地舞台芸術祭

工場跡地舞台芸術祭

アートプロジェクト集団「鞦韆舘」

CCO クリエイティブセンター大阪(大阪府)

2023/11/05 (日) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

満足度★★★★

各々30分の演劇だけでなく、パフフォーマンスもありで楽しめました❗この三作品では、カオス卒業生がMVPでした❗

エゴ・サーチ【Mura.画】

エゴ・サーチ【Mura.画】

Mura.画

劇場MOMO(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

念のため、ネタバレboxに感想を書きました。

ネタバレBOX

どんどん入れ替わりで色々な人のストーリーが展開されていき、、、面白かったです!
関根さんをはじめ台詞の間や畳み掛けが面白くて笑いっぱなしでした🤣
劇中歌も物語にマッチしてて、より話が心に響きました✨
全てが素敵な作品でした!
エゴ・サーチ【Mura.画】

エゴ・サーチ【Mura.画】

Mura.画

劇場MOMO(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

千秋楽、観てきました。
ピースが徐々に嵌っていく感じ。

夢の途中のおはながみ

夢の途中のおはながみ

演劇サークルact

キーノートシアター(東京都)

2023/11/03 (金) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

楽しかったです。初めはどんなふうに展開するのかなぁと思ったけど、大人は大変だけど大人は素敵な事もいっぱいある…だなぁ

エゴ・サーチ【Mura.画】

エゴ・サーチ【Mura.画】

Mura.画

劇場MOMO(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

以前観た戯曲なのですが、あまり覚えておらず新鮮に観れました。
いくつかの物語がラストで繋がる展開、すっきりしました。
キジムナーがイイ味を出していましたね!

未踏

未踏

wonder×works

座・高円寺1(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

金田一さんの半生とアイヌを絡めた舞台、見応え充分でした!
場面転換でのサンドアート、それだけでも見る価値アリですね!

GIRLS TALK TO THE END vol.4

GIRLS TALK TO THE END vol.4

藤原たまえプロデュース

OFF OFFシアター(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

自分と同じ位の時代設定なので、始まりの昔懐かしい音楽やダンスからワクワク。
学生時代からの謎とその28年後にわかる真実。女性のちょっと嫌なとこが見事に表現されていて面白かった。

洋館ミステリ劇場 江戸川乱歩「闇を這うもの」11月公演 @中央電気倶楽部

洋館ミステリ劇場 江戸川乱歩「闇を這うもの」11月公演 @中央電気倶楽部

G-フォレスタ

中央電気倶楽部(大阪府)

2023/11/04 (土) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

相変わらずムズいけど、面白ろい
犯人は当てたが、プロセスが…
全て東京にもってかれた…😞

エゴ・サーチ【Mura.画】

エゴ・サーチ【Mura.画】

Mura.画

劇場MOMO(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 βチームを拝見、尺は120分。

ネタバレBOX

中盤迄、何とも間の抜けた退屈な展開だが、これも仕込み。役者陣は中々頑張っている。自分はキジムナー役と美保役、田中役が気に入った。キジムナーはその優しいキャラが。美保役は終盤に近くなるほど素敵に見えてきた演技が、田中役は下種共に対する暴力的態度が。シナリオは2010年に初演された鴻上尚史作品だが、あの年、鳩山が基地問題で首相を辞めさせられ菅内閣が発足、その後自民が再度与党に返り咲く迄の僅かな間多少民主的であった時代だが、国民の殆どがそのことの意味する処を理解できなかった時代でもある。そんな情けない国民の持ち得た最後の民主的時代を浪費していた体たらくが今作前半に表現されているのかも知れない。何れにせよ、中盤からは漸く普通のレベルで骨格ができ、肉も付いて作品らしくなってくる。興味深いのは、社会のダーティーな部分が登場人物として様々に描かれている点だ。ネットを利用した企業の社長が傷害犯として追われており、従業員はリベンジポルノが流布された経緯でAV女優の過去を持つ為削除されない映像に傷つき自己否定に走る傾向を持つ。プロカメラマンを名乗る広瀬はスケコマシ、広瀬に貢ぐ女は風俗嬢等々。ダークグレイな人物が多々描かれている点が興味深い。
 こういった怪しい登場人物たちの登場を埋め合わせるように沖縄の離れ小島の児童を話の中に登場させたり、キジムナーという伝説の存在を登場させたり、案外デリケートな作家志望の一色を登場させたりして全体のバランスを取っている構造自体は全く新味がない。ただ、最初バラバラに見えたパズルの断片を繋ぎ合わせて作品を創造してゆく過程が面白かった。
未踏

未踏

wonder×works

座・高円寺1(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 べし観る! 華5つ☆。途中休憩15分を挟み約3時間の長尺だが、全く長さを感じさせない。流石文学座も関わっているだけのことはある。例えば女性の立ち居振舞いにしても(和服の着こなし、歩き方、正座の姿勢、仕方等)当時のキチンとした作法である。現代の日本では殆どみることができないが。(追記11.7)

ネタバレBOX


 今作は日本劇作家協会プログラムの秋の劇場十七として上演されている。作・演出は八鍬 健之介氏。ホリゾント中央にスクリーンを設け、手指を用いて描かれるサンドアートによって物語の情景に伴走するように表される詩的映像が音楽と共にリアルタイムで描かれてゆく。それは知里 幸恵が、最終校正を終えたその日に僅か19歳の短い生涯を終えた衝撃的な死に飾られ余りに切なく美しい。
 サンドアートの手指によるイマージュ表現は、彼女が狩猟・採集民として自然の懐で自然の摂理を深く理解し生活してきたアイヌ民族の実に詩的で美しく精妙でデリケートな口伝を基に生涯を懸けて編集・翻案し日本語訳した書「アイヌ神謡集」との間に橋を架け、唾棄すべき大多数の和人からの差別に対してすら、遥かに深く広い世界に暮らし交感し表象した気高いアイヌ精神に照応するには最適の手法であろう。この稀有な少女の才能を見出し、鍋釜さえ穴が開いて使えないような極貧の中で幸恵を自宅に招いて住んで貰い共同研究に励み遂には世に出した金田一京助、妻・静江の共同も見事。学問的には優秀人格的には高潔でも研究に熱中する余り、実生活については極楽蜻蛉の趣さえある京助をキチンと叱ってくれる静江の姉・林カオルの現実の生活者としての優しさ、日本で比較言語学を提唱し根付かせた京助の恩師で東京帝国大学名誉教授でもある上田 萬(万)年は、大学長でもあり貧に窮した京助に様々な援助の手を差し伸べた。また上田は当時法制局参事官をしていた民俗学の大御所・柳田國男に京助の論文を紹介し殆ど無名であった京助を世に出した。日本を代表するこれら優秀な研究者間の論争シーン等も入り、これらのやり取りの中にある学問を追求する者としての姿勢や研究する者としての高い見識と共に世界に対する態度や倫理、責任感等についても描かれるが、現代我が国の為政者による天下国家の運営に関する完全な破綻を敢えて自らの意識から排除し、詭弁で取り繕う情けなさが嫌でも対比され、同時にそんな政治をコントロールできていない我ら国民の不甲斐なさにも切歯扼腕の念が募る。
 物語は、幸恵が亡くなる迄の前半と幸恵の弟・真志保が東京帝国大学に入学後、寮でも味わう被差別状況と屈折等を、それこそ某大学に標本として残されたアイヌの遺骨に対する態度に現代でも表されている通り、露骨な観察対象や実験動物に対する態度の如き視座の対象とされることへの忌避を表現している。また真志保(後アイヌ民族初の北海道大学教授)登場の伏線として南極探検隊に参加すると京助に会いに来た樺太アイヌ・山辺 安之助を登場させ被差別者の意気地を見せている点も、アイヌというだけで極めて非合理的な差別を受けた総てのアイヌを代表させる意味を汲み取るべきである。
 上記の物語と平行して上田や谷川らの助力、編集者・岡 秋倫らの支えもあり京助の実力も徐々に世に知られるようになり初めは講師職を上田の計らいで得、大学教授迄出世してゆくがその過程に太平洋戦争に突入し敗戦後の混乱期を経た恩師、弟子や編集者らとの後日譚が描かれる。
 ラストシーンは再び、冒頭のような汽車車内である。この汽車は、賢治の「銀河鉄道」のように四次元を行く汽車と重ねられるだろう。金田一京助及び一家の消長と研究者・編集者らの世界、幸恵の「アイヌ神謡集」を仲立ちとした前者和人グループとアイヌ民族、そして様々な地域で暮らす和人たち等々が、現実に暮らす敗戦前・後と現実に経過した実際の時ではなく、賢治風にいえば四次元の時空即ち過去・現在・未来ではない時に揺蕩う“時”内を描いて終わるのだ。
 ところで「アイヌ神謡集」の真価とは何か? 欧米文明が自然破壊の危険について大々的に知るようになったのは、「沈黙の春」出版以降であろう。然し乍らアイヌやネイティブアメリカンら狩猟・採集民族の殆どはその生活の中でこの根本を心得ていた。田中 正造の有名な言葉“真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし”と喝破したことを詩的で神々しい高みのことのはで表現したことだろう。

 自然破壊の央、我らの為した愚かな文明の結果を後目に、名著と評される「アイヌ神謡集」は、その気高い精神を今に伝え高く宙(おおぞら)を舞う。そしてその断片が雪の如くに降り積み、ほらここに 我らの心の内に! 今も大切なことを伝えている。
未踏

未踏

wonder×works

座・高円寺1(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

休憩を挟んでの約3時間は、あっという間でした。

ネタバレBOX

金田一京助の家を傍目から見ている感じで、彼のアイヌへの情熱,妻や義姉からの視点での家族の苦労が、よく描かれていました。
サンドアートも、良いアクセントでした。
GIRLS TALK TO THE END vol.4

GIRLS TALK TO THE END vol.4

藤原たまえプロデュース

OFF OFFシアター(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い、お薦め。
「GIRLS TALK TO THE END vol.4」ということから、シリーズ最後の作品のようだ。濃密いや<濃蜜>なガールズトークは、女の一生(生涯)をもって暴露し合ってもいいような。40歳代の女優が女子高生に扮して十代から四十代へ、28年の歳月を経ても なお友情と嫉妬という表裏を面白可笑しく、そして哀切をもって描く。しかも、ラスト暗転後 すぐに明転して放った一言に女の執念深さが…いや怖い。

上演前からJK制服を着た女優が舞台上におり、主宰の藤原珠恵さんが写真撮影しInstagramにアップしてほしいと。上演間近には6人の女優が揃ったことから、さらに煽り笑いを誘う。それだけ思い入れのある作品なのだろう。それに応えた女優陣の熱演が、公演の観どころだ。
出来れば38年後、48年後といった五十代、六十代…女の一生を通じて、その友情と嫉妬を描いてほしいところだが、内容的には難しいようだ。その意味ではギリギリのところ(年齢)を攻めているようだ。

舞台は、静岡県にある富士山高校のダンス部の部室。時は1995年9月4日、二学期が始まった時から始まる。出演者から明らかなように、話題となる部活顧問は登場しない。この姿なき顧問を巡って嘘と本音の丁々発止、暴露のし合いが始まる。中心人物が登場しないで物語を牽引する、何となく 話題になった映画「桐島、部活やめるってよ」(2012年)を思い出す。
(上演時間1時間20分) 

ネタバレBOX

舞台セットは女子ダンス部室内、上手に部員の収納BOX、下手にテーブルと椅子。後ろにソファや本棚が並び、全体的に雑多な印象だ。
公演の魅力は、高校時代と40歳代半ばの女性キャラクターを それぞれ個性豊かに立ち上げ、丁々発止のような会話が面白可笑しく進展していくところ。それを6人の女優陣が見事に演じていた。
それぞれの時代を表すため 衣装(制服×私服)やメイク、ヘアースタイル、そして携帯電話機種(ポケベル⇒スマホ)といった小物で違いを示す。

物語は、高校時代と28年後の44~46歳になった女性のお喋り。大方予想出来そうな展開だが、それでも楽しく魅了する会話劇。
高校時代は、6名の女子部員と姿を現さない男性顧問・タナベ先生・・通称タベセンをめぐる恋愛話。ある日、学校にタベセンが生徒と交際しているといった密告電話があり、学校を辞めた。部員の中で付き合っていたのか否か、詮索が始まる。そして密告電話をしたのは誰か。一人ひとりが何らかの秘密めいた行動をしており、互いに疑心暗鬼になる。ミステリーものではないが、高校時代に謎めいた伏線を張り、28年後に再会して回収していくといった展開である。日常の会話劇であるから理屈のような整合は不要(野暮)であろう。

それから28年後、40歳歳代になった彼女たちが、ジュリ(諏訪井モニカ サン)のダンス発表会(地元)を機に集まる。その場所が懐かしい部室。チエ(武藤晃子サン)が母校で勤務していること、そして妊娠している様子。部長のアイ(江間直子サン)はいまだ独身でタベセンを慕っており、ストーカーまがいの行為をしている。ユカは、結婚したが離婚して福岡に住んでいる。問題を起こしダンス部を解散にした張本人 メグミ(神田朱未サン)は、結婚し幸せのよう。マイコ(鈴木麻衣花サン)は、出版社に勤務しておりネット情報にも詳しい。6人の近況報告、そして28年前の密告電話、タベセンとの恋バナに話題が移ると…。実は、と言った暴露話が次々に明かされ、懐かしくもホロ苦い思い出が甦る。そして現在も続いているような。

ダンス部という設定から、全員でのダンスシーンは見事。高校時代の溌溂とした練習風景としてのダンス、40歳代で再開し久し振りに踊って息切れした様子、その違いも上手く表現している。一気にダンス部という雰囲気を伝える、実に上手い掴みだ。本公演では、全員が何とも魅惑的なコメディエンヌぶりを発揮し、実に生き活きと演じていた。
長く続けてほしい「GIRLS TALK 」だが、これ以上高齢だと妊娠とダンスシーンは難しいかなぁ。(;_;)
次回公演も楽しみにしております。
光への道は遠く

光への道は遠く

オフィスリコプロダクション株式会社

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/11/02 (木) ~ 2023/11/15 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「夜明け前​ ー吉展ちゃん誘拐事件ー」

アフタートークのシークレットゲストが小出恵介氏。だが客層的にイマイチ沸かない。観客はこんな暗い昭和の犯罪史シリーズをわざわざ観に来る層だ。
黒澤明の『天国と地獄』の予告篇を観て、子供の誘拐を思い付いたというだけで心底暗くなる嫌な事件。2019年初演。

1963年(昭和38年)3月31日台東区の入谷で起きた4歳児の誘拐事件。2年3ヶ月後、小原保(こはらたもつ)32歳が逮捕されて死刑になった。仕事をクビになり、借金返済の為、実家の福島に金の無心に行くも結局顔を出せず仕舞い。戻った東京で事件を起こす。

右足に障害を持つ犯人役は演出も兼ねる田島亮氏。今作では七人兄弟の六番目の設定だが実際は十一人兄弟の十番目(二人は生まれてすぐに死んでいる)。

公開された脅迫電話の東北訛の声が兄だと疑い、警察に届ける弟に五島三四郎氏。愛憎入り混じった兄弟関係。
その妻、奥野亮子さん。豪華。

MVPは犯人と同棲する愛人、山像(やまがた)かおりさん。男を信じるしかない老いた女の哀れさ。荒川区の一杯飲み屋「清香」の女将。犯人との情感溢れた遣り取りがこの作品を彩る。

テーマは『真人間』。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

犯人の母親と平塚八兵衛を登場させないことに拘りがあったのだろう。本来なら、かんのひとみさんは母親役だろうに。
福島の郷里をびっこを引きながら乞食のように歩く田島亮氏の絵が欲しい。真人間になりたくて真人間になれなかった男が荒れ野を独り彷徨う事件直前の絵。

今シリーズの影の主人公は平塚八兵衛刑事。本来、平塚八兵衛がアリバイをことごとく破り、追い詰めていくのがクライマックスになる話なのだが、彼は登場しない。代わりに犯人の家族達がコロスとなって四方八方から問い詰めていく。

平塚八兵衛達がアリバイ崩しの為に福島に行った折、犯人の母親が泥に頭を擦り付けて地べたに土下座してきた。「私は保をそんな人間に育てた覚えはないが、もし保がやっているんなら、早く真人間になって本当のことを言うように言ってやってくだせえ。」

犯人逮捕後の母親の手記「わしは吉展ちゃんのお母さんが吉展ちゃんを可愛がっていたように、お前を可愛がっていたつもりだ。お前はそれを考えたことはなかったのか。保よ、お前は地獄へ行け。わしも一緒に行ってやるから。」「どうか皆様、許して下さいとは言いません。只このお詫びを聞き届けて下さいまし。」
事実、犯人の死刑が確定すると母親は自殺した。

獄中で短歌を始めた犯人。ペンネームの福島誠一には「今度生まれ変わる時は愛する故郷で誠一筋に生きる人間に生まれ変わるのだ」という意味を込めた。

この事件で犯人を取り逃がし、身代金を奪われた失態から国民から警察は猛バッシングを受ける。この2ヶ月後に起きたのが有名な「狭山事件」、無理矢理怪しい奴を逮捕して事件解決をアピール。このような暴力的な解決法が乱発され、かなりの冤罪事件が起きることとなった。60年前、狭山事件で逮捕された石川一雄氏は仮出獄した今も「再審を求める抗議集会」を開いている。

大竹野正典氏が永山則夫を主人公に書いた『サヨナフ』や劇団チョコレートケーキなんかに比べるとぬるく感じてしまう。自分は脚本家の笠原和夫のファンなのだが、彼は調査魔で病的に題材について調べ尽くした。殆ど映画には使えない内容なのだが、自身の知識欲、好奇心を充たす為に何の取材か判らなくなる位徹底的にやった。その上で落とし込んだ脚本なので、匂わせたこと敢えて書かれなかったこと一つ一つに意味がある。そんな作品を観たい。
吉良屋敷

吉良屋敷

遊戯空間

シアターX(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

これは面白いです。忠臣蔵は世の中知らない人がいないくらい有名ですが、吉良さん側から見たのは、初めてでした。見る方向によって全く話は異なる典型ですね。語りも生演奏もお芝居も素晴らしかった。秀逸の作品ですね。拝見できてよかったです。ありがとうございます

エゴ・サーチ【Mura.画】

エゴ・サーチ【Mura.画】

Mura.画

劇場MOMO(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とてもよかった。たくさんの短編を見ていて一気に最後繋がったような。うまく作られてるなあという印象でした。拝見したことのある役者さんもたくさん出演されていて、皆さん素晴らしい演技でした。ほんとに良くできたお芝居でした。

GIRLS TALK TO THE END vol.4

GIRLS TALK TO THE END vol.4

藤原たまえプロデュース

OFF OFFシアター(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

以前に拝見して内容は知ってるのに新鮮に面白い。設定も少し変わっているようだけど、元々のお話の力もあるのでしょうけど、役者さんの演技が素晴らしいですね。藤原さんの演出も❗藤原さんプロデュースはほんと間違いなしです。ほんと。楽しかった。

未踏

未踏

wonder×works

座・高円寺1(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

この作品のテーマは、「言語学者、民族学者 金田一京助の伝記」でしょうか、それとも「少数民族アイヌに対する差別問題」でしょうか。いつも地味な脇役の文学座 助川嘉隆が熱演です。3時間にも及ぶ芝居ですが、アクセントを付けたのは、サンドアート、白黒の画像が舞台に映し出されます。『銀の滴降る降るまわりに』はアイヌの神謡のひとつ。「梟の神の自ら歌った謡」知里幸恵の編訳『アイヌ神謡集』(1923年)に収録されている言葉が出てきます。2013年の文化座の舞台を思い出しました。

未踏

未踏

wonder×works

座・高円寺1(東京都)

2023/11/01 (水) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

前人未踏の道を歩んでいく京助の険しい道のりが、アイヌ研究の奥深さを醸し出していました。

ネタバレBOX

中身の濃い、しっかりとした内容の物語でした。国語学者の苦悩を通して、アイヌについての理解が深まりました。サンドアートがいい具合に物語を引き立てており、舞台セットの巧みな展開も合わさって、役者の演技がいっそう魅力的に映りました。

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