願望機
演劇ユニットG.com
ザムザ阿佐谷(東京都)
2024/03/20 (水) ~ 2024/03/24 (日)公演終了
純白観想文
劇団演奏舞台
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2024/03/20 (水) ~ 2024/03/23 (土)公演終了
光だと気づいた順に触れる指たち
排気口
王子小劇場(東京都)
2024/03/21 (木) ~ 2024/03/24 (日)公演終了
nitehi : kedo
こわっぱちゃん家
「劇」小劇場(東京都)
2024/03/21 (木) ~ 2024/03/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初日観劇しました♪満席の小劇場「劇」舞台と客席の距離は、ものすごく近いです♪その迫力にまずは驚きます!演出家の方からの地震が起きた時の注意喚起のインフォメーションはとても誠実で素晴らしくここんとの舞台鑑賞では最も感動しました!舞台が始まる前からとても好感の持てるカンパニーでした♪舞台美術も素晴らしかったです♪劇中の曲も効果的で良かった♪照明の使い方もストーリーの流れに沿って展開され非常に美しかった♪ストレート舞台は久しぶりでしたが130分ノンストップでマルチタスクステージの演出は小劇場ならではの、とても素晴らしい演出だと感じました!ストーリーは一寸重めだと思いましたが見ごたえのある良いお芝居でした♪観に行くことができて良かったです♪アフタートークイベントも俳優さん達の穏やかな表情が観られて幸せでした♪お芝居の時の表情とは全く違う和やかでアットホームなイベントでした♪観劇を迷っている方!ぜひ観劇して下さい♪下北の駅からすぐです♪本多劇場の横っ面の真向かいです♪
昭和歌謡コメディVol.19
昭和歌謡コメディ事務局
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2024/03/20 (水) ~ 2024/03/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
すばらしかったです。舞台あり歌ありで楽しい時間でした。軽い下ネタもあり昭和な雰囲気満載でよかったです^^
ジーザス・クライスト=スーパースター
劇団四季
自由劇場(東京都)
2024/02/16 (金) ~ 2024/03/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
[エルサレム・バージョン]
楽曲が良いのでやはり観入ってしまう。ジャポネスクよりもこっちの方が好きかも。
ジーザス・クライスト役、加藤迪(すすむ)氏は鈴木健想に見えた。
マグダラのマリア役、江畑晶慧(まさえ)さんも巧い。
この二人の歌はどんな状況でも歌詞を聴き取れるのが凄い。
イスカリオテのユダ役、佐久間仁氏は時々谷村新司を思わせる。
ヘロデ王役、北澤裕輔氏は松平健っぽかった。
ジーザス・クライスト逮捕の理由。当時ユダヤ教は三派に分かれていた。ローマ帝国に従う権力を握る官僚的なサドカイ派。一番大衆に根付いていたパリサイ派は伝統的な律法を守り習慣を重んじた。ジーザス・クライストのいたであろうエッセネ派はゴータマ・シッダッタの教団に近い形で儀礼ではなく精神的なものを重要視した。ラディカルにパリサイ派を批判し、かなりの民衆を扇動出来る人気、反政府運動のカリスマ的な立ち位置。それを敵視したパリサイ派サドカイ派の者達は死刑の権限を持つローマの総督ピラトに処罰を委ねたとされる。
島口説(しまくどぅち)
株式会社エーシーオー沖縄
R's アートコート(東京都)
2024/03/20 (水) ~ 2024/03/23 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
1979年、沖縄本土復帰から7年、ここは民謡酒場「スミ子−の店」。山城スミ子(城間やよいさん)と元バスガイドの新人(知花小百合さん)が団体客の応対をしている。(今作では山城スミ子本人の役ではない可能性もある)。遅れてやって来る平良大氏が三線を奏でる。
比嘉恒敏の曲、「艦砲ぬ喰ぇー残さー(かんぽーぬくぇーぬくさー)」=艦砲射撃の喰い残し、が印象的に唄われる。「死に損なった猪が我が子を想うが如く、こんな目に遭うのは二度と御免だ、と夜も眠れぬ日もある」
今沖縄で生きている自分達はあの時の死に損ないに過ぎないとの境地。
知花小百合さんは吉村実子っぽい。本職は舞踊家なのにお笑い芸人のように達者。
城間やよいさんは野々村友紀子っぽい。やはりプロのお笑い芸人だった。喋りが素人ではない。
もう開幕から漫才のようだった。客を弄りながら自然に喋っているようで、実は完璧に構築された世界。伝統芸能の域。ここまでACO沖縄はレヴェルが高いのか。凄い作品。『この世界の片隅に』のような語り口と今村昌平作品をガッチリ観た時のような濃密な空間。笑わせて泣かせて一人の女性の人生を丸ごと味わわせる。ここまでやれるのか。
1979年北島角子さんの一人舞台として初演、300回を超える公演に。2018年、沖縄のローカルお笑いコンビ「泉&やよい」主演の二人芝居に脚色してACO沖縄で再演。2019年からは知花小百合さんと城間やよいさんのコンビになった。
かつてはこれを一人でやったのか?そりゃ観てみたい。今回の脚色も素晴らしく、二人の掛け合い、役の交換、先輩と新人の関係性などよく練られている。
「艦砲ぬ喰ぇー残さー」こそ、生きて戦争の証にならなければ!沖縄についてかなり深く感じ取れた。必死に純粋に生きて全ては自然のままに。それは政治運動でも思想でも何でもない。全ては自然に。
是非観に行って頂きたい。
願望機
演劇ユニットG.com
ザムザ阿佐谷(東京都)
2024/03/20 (水) ~ 2024/03/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
入り口で靴を脱ぎます。板の間なので冷えが心配な方は何か(私は家で履いてるモコモコ靴下持って行きました)持って行ったほうがいいかもです。
口先の願いではなく、願う者の心の奥底の願望を叶える(?)願望機。思っていたより分からなくなかったです。存外、何これいい話になっている?と思った矢先の不安要素。
ぜひご覧ください。
あれは誰の願望だったのだろうと思っている今です。
マクベスの妻と呼ばれた女
秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場
青年劇場スタジオ結(YUI) (東京都)
2024/03/19 (火) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/03/21 (木) 14:00
座席1階
マクベス夫人とその取り巻きの女性と、そこにお仕えする女中たちの物語。タイトルにある「マクベスの妻と呼ばれた」はつまり、名前があるにもかかわらずその個性を自ら打ち消し、妻としての務めを果たして生きるということを表している。舞台では、女中たちが「そうではないだろう。あなたの人生を生きて」と敢然と挑戦していく。
原作は篠原久美子、演出は文学座の五戸真理枝。そして舞台に登場するのは女性ばかり。ジェンダー平等が叫ばれる現代とは社会の意識がまったく異なるが、まだまだジェンダー平等とはほど遠い現代社会への鋭い告発とも言える作品だ。
女中たちは非常に個性豊かなメンバー。子どもを産めないと蔑まれたり、男性優位、男性が支配する世の中で子どものころから辛酸をなめてきた。自分らしく生きたいという思いがほとばしるように輝く演技はすばらしかった。
もう一つ、女中たちがいろいろ画策した理由に、「いくさを止めたい」という狙いがある。戦乱が当たり前だった時代だが、何とかして戦争が起きないように政治に裏から関与していくという筋立てを前面に出したのは、青年劇場らしい舞台だ。
女性たちの演技ははつらつとしていて見事だった。発語も明瞭で、分かりやすい。高齢者が多い客席にはとても優しい舞台だったと思う。
崩壊
糸あやつり人形「一糸座」
座・高円寺1(東京都)
2024/02/28 (水) ~ 2024/03/03 (日)公演終了
実演鑑賞
白鯨を追うイシュマエルたちは人形で、それとともに海を行く夢を見る女(松本紀保)は、病院のベッドと船の上を行き来する。女は白鯨を追いかけていった友を探しているのである。白鯨を追う航海は、戦争にまきこまれ、病院もまた戦場になった(と記憶する)。
「白鯨」にモリ撃ちのクイクェグという南洋出身の大男がいるとは知らなかった。
月の岬
アイオーン
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2024/02/23 (金) ~ 2024/03/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
静かだが心のざわつく芝居である。結婚しない姉(谷口あかり)の沈黙が何を語ろうとしたのか、いつまでも心に引っかかった。余白の多い芝居で、ぽつりぽつりと事情が分かっていき、最後に大きな余韻が残る。
長崎の平戸沖の島、姉・平岡佐和子と弟・平岡信夫(陣内将)が長年住んできた古い家。弟の結婚式に出るのに、近所に嫁いだ、騒々しい妹・大浦和美(松平春香)がやってくるところから舞台は始まる。
弟は中学教師で、新婚旅行に行っている間に、家に生徒が男の子2人(赤名龍乃介、天野旭陽)女の子1人(真弓)やってくる。そこに弟が帰って来ると、女生徒は「先生が結婚したから、この男子と付き合うことにした。それでいいですか?」と不穏なことを言ってくる。いっぽう、佐和子と高校生時代に駆け落ちしようとした男・清川悟(石田佳央)が島に帰ってきて、佐和子に一緒に島を出ようと迫る。女子中学生に迫られる信夫、昔の男に迫られる佐和子、の二組の思うに任せない恋が、島の平凡な日常に波乱をひろげていく。
佐和子は子どものころ海でおぼれかけて、助けた父がそのまま流されたという過去がある。佐和子は表面的には穏やかで、何も言わないが、父のことは大きな負い目、自分は幸せになってはいけないと考えているのだろう。それがラストの思い切った行動になるのだと思った。
舞台奥の白い小さい花は、萩の花。
さすが90年代「静かな演劇」を代表する戯曲である。キャストもみな好演でいい芝居だった。
歌っておくれよ、マウンテン
優しい劇団
白川公園付近(野外公演)(愛知県)
2024/03/16 (土) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ひたすらに最高。最高と最高。名古屋から遠路はるばる。
Twitterで追ってた限りだと「なんか野外で叫んでる変わった人たち」だったんだけど
とんでもない土下座してジャンプしちゃう。凄い。凄い。
凄いすごい。滅茶苦茶おもしれぇ。場を大切にしてくれる。
照明が動かないなら手に持って動き回ればいいんだ。凄いだ。
凄いだ。ただただ、凄くて楽しくて、意外にもさわやか。
ただ、体験としては濃厚な豚骨スープなので30分時点で
これは胃もたれするかも・・・?と思ったらそんなことは無かった。
1日限りの2公演、しかも2024年3月いま、演劇超狂乱の時
観に来れなかった人が大多数でしょう...そのうち、きっと、また
東京でも...いや、名古屋に行くのもありかもね。ほんと素晴らしい。
イノセント・ピープル
CoRich舞台芸術!プロデュース
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2024/03/16 (土) ~ 2024/03/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
アメリカ人の目線で語られていく原爆。私は向こうの学校に通ったことはないが、原爆投下について社会科で論述問題が出たら、グレッグの主張のように書けば正解とされると聞いたことがあるので、概ね世情を反映しているのだろうと思う。
骨と軽蔑
KERA CROSS
シアタークリエ(東京都)
2024/02/23 (金) ~ 2024/03/23 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/03/20 (水) 18:00
KERAのワケ分からん作品だが、巧い女優陣の7人の演技が光り、不思議な感触の舞台になっていた。(3分押し)93分(20分休み)65分。
KERAの得意な、どことも分からん国の姉妹と取り巻く人々の物語。筋は全く通っていない、と言うか、筋を通す気もないんだろうが、不穏な雰囲気と不気味さを感じつつ、要は戦争だよね、っていう気になる。役者陣は皆巧いが、こいうったキャストでの公演は初めてで、配役の妙みたいなものを感じる。水川あさみがいい。
カタブイ、1995
名取事務所
小劇場B1(東京都)
2024/03/15 (金) ~ 2024/03/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
「1972」から「1995」と一世代下った時代の沖縄、さとうきび畑農家を舞台に、装置も(劇場も)同じ形をなぞっていたが、同じ家族の物語だとは後でパンフを見て気づいた。
故人である誠治おじい、そしてつい先日亡くなった信夫おじい(その孫である当家の一粒種=中二の智子から見れば祖父だ)と、二人の名前が序盤で頻繁に口にされるも区別がつかなかったが、前作を踏まえていた訳だ。芝居の終盤には必要な家系図は見えていた。
今作では沖縄在住の花城清長(おじいの弟茂役)、宮城はるの(孫の智子役)が参加し、音曲が程よく挿入されているのも作品の味。前作と同じく、時折低空飛行の戦闘機の爆音が鳴る。
1972年は本土復帰、1995年は米軍による少女暴行事件を受け、前沖縄規模で基地反対運動が起きた年。前作と同様、東京からこの農家を訪れる男性があり(本土復帰の頃にも現われたあの青年、という事で同一人物であった)、もう一人のキーとなる他者として、前作では事情あって身を寄せていたが居なくなった女性、そして今作では反戦地主である当家に土地売却の提案に来る沖縄防衛局の若い女性職員。「見られる」存在としての当家の者たちが、「見る」(共感し精神的に繋がる)外部の存在として位置し、多様な価値観と生き方、その中に共通のものを見出し合う理想的な関係を示唆する(東京の男性と同じく「この地を去る」のがミソ)。
『口』
エンニュイ
王子スタジオ1(東京都)
2024/03/05 (火) ~ 2024/03/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
エンニュイなステージであった。
自分にとってのエンニュイは抽象的・ワークショップ的で台本がどこまで指定なのか不明、的なもの。物語性のある前作(初期作品の再演)が「台本」の存在を感じさせる(私には)珍しいケース。今回は以前の印象と符合。
初の王子スタジオ。前作(at上井草)と同じく四角い箱の中にzzzpeaker仕込みの超手作り感の物たちを飾り込んだ、昔の大学サークル棟の一室か大家が高齢の下宿部屋を想起させる雑然さに、まず目が慣れることが観劇のプロローグ。
七割方進んだ頃合いが、ある抽象性を維持しつつ、一つのコンセプトによるパフォーマンスとして観客の中に収まりそうであったが、即興的遊びに続いて「事件発生」的な観客巻き込みの時間、そして閉じ繰りまでの流れによってちょっとした大作となり、主宰の前宣伝通り、何でもありで何でもない時間となっていた。
面白いが少し長い、が感想である。実験ゆえ、今後洗練されて行く(同作品としてであってもなくても)プロセスであるが、「あってもいい」と思えるレベルではあった。年末のパフォーマンスからさほど日を置かずに観て、団員と言って良いのか同じ面々と認識されたが、願わくは継続してこのグループならではの「何か」、主宰の脳内再現だけでない「エンニュイ」が見えて来るといいな、と夢想。
壊れたガラス
パンケーキの会
com.cafe音倉(東京都)
2024/03/16 (土) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
リーディングの快楽。
少し前の「玄界灘」でも感激と共に感じた事だが、リーディングがもたらす劇的効果は、具象が省略されている事。観客はそれぞれの想像力で補う。ただ・・と今ふと思うのは、想像力には様々な個人的体験や知見(観た映画や書物の数や受け止めた情報と感情の量も含め)に依存する面もあるかな・・と。そこはクオリアの領域で分からないが少なくとも自分には通常の舞台を観たに匹敵する(あるいはそれ以上の、または異質の)感動をもたらした。そして、台本を手にしながらの俳優の表現力、人物造形の強靭さに「感心」している自分も居る。(制作上の憶測を言えば、拘束時間の短いリーディングなら優れた=高い俳優を呼べる。加えてもう一つの要素がありそうだが割愛。)
アーサー・ミラーの隠れた戯曲を鑑賞。紹介文に「水晶の夜」(ナチス台頭の初期に起きたユダヤ人商店のガラスが軒並み割られた事件=この事件で排外主義がある一線を超えたと言われる)を題材にした作品、とあったが、舞台は米国のとある都市であり、描かれるのはユダヤ人夫婦のあくまで「夫婦間の問題」。新聞に掲載されたドイツでの出来事として、題材は顔を出す。作家の面目躍如は終盤の畳みかけにあり、唸らせる。
イノセント・ピープル
CoRich舞台芸術!プロデュース
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2024/03/16 (土) ~ 2024/03/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/03/20 (水) 14:00
タイトでチャレンジングな作品だが、役者陣の好演もあり、いい芝居に。観るべし!観るべし!!観るべし!!!138分。
畑澤聖悟が2010年に劇団昴に書き下ろした戯曲を、日澤雄介が演出。サブタイトルにあるように、原爆開発に携わった男たちのその後の65年を描く。元々は、畑澤が観たドキュメンタリーのシーンを見せたいということで書いたそうだが、アメリカから見た原爆、ということで、時代的背景もあり日本人の役者にはツライだろうセリフが多く、役者陣の頑張りも目立つ。そもそも、このCorich舞台芸術のプロデュース公演ということで実現した舞台というのは、何だかいいなと思う。ビッグネームだけでなく、小劇場系で活躍する役者陣やオーディションで選ばれた役者など、演劇の底力みたいなのを観た気がする。畑澤の作品は完全に気に入ることはあまりないのだが、本作は(演出も含めて)感心した。観て欲しい。
願望機
演劇ユニットG.com
ザムザ阿佐谷(東京都)
2024/03/20 (水) ~ 2024/03/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
途中休憩10分を含み約2時間35分、心の底からの願いを叶える「願望機」を求め危険の満ちた謎の「ゾーン」に侵入した(時間軸の異なる)2組の顛末を描くSF、(オリジナルか転用か不明ですが)音楽が雰囲気にピッタリで、2つの時間軸を結ぶオチが綺麗にまとまってます。
蛇ヲ産ム
日本のラジオ
新宿眼科画廊(東京都)
2024/03/15 (金) ~ 2024/03/19 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
演出、異質な空気感の醸成、話の進め方が秀でている。そして言語感覚。「いい」を必ず「よい」と言わせる拘り。その細かさが観客を敏感にさせる。
沈(しむ)ゆうこさんが語り手。自身の経験談を人名や地名は特定されないよう仮名にして語り出す。
彼女が働いていた地方の肉屋にパートで入ってきた日野あかりさん、結婚を機に夫の田舎に引っ越して来たそうだ。最近腹部に違和感を覚え地元で評判の漢方薬局を勧められる。診療にあたるのは薬剤師の松浦みるさん。少し妙な問診。処方された漢方薬。
実家で暮らす義理の妹(神藤さやかさん)がたまに遊びに来る。ガチガチの金髪、冷蔵庫の肉への執着。
肉屋で毎日弁当を買う常連客は安東信助氏、かなりのメンチカツ中毒。「何か入ってんのかなあ?」
残業後、会社の後輩(加糖熱量氏)と車で帰る。後輩は恋人(こばやしかのんさん)とイタリア料理店で食事をした際のことを話し出す。料理のパプリカを除けていたら咎められ、その訳となった小学生時代のトラウマを告白したことを。
日野あかりさんの役への作り込みが凄い。チック症を多用。前作の弱視役を彷彿とさせる藪睨と神経症的な瞬き、ジスキネジア(自分の意志とは関係なく体の一部が勝手に異様な運動をする不随意運動)のように口をもごもごさせ、表情は神経質な痙攣を伴い続ける。
そして異常に美人、気持ち悪くなる位の美人。こういう話には打って付け。
こばやしかのんさんは脚が長くスタイルが良い。
この感覚は『ファンタズム』っぽい。