最新の観てきた!クチコミ一覧

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東京ローズ

東京ローズ

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2023/12/07 (木) ~ 2023/12/24 (日)公演終了

実演鑑賞

本の粗が目立つ。人物を交代していく形式は斬新である。

吉例顔見世大歌舞伎

吉例顔見世大歌舞伎

松竹

歌舞伎座(東京都)

2023/11/02 (木) ~ 2023/11/25 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

壮大な話に対して、菊之助の才能が光る。ナウシカも見事だったが、歌舞伎の手法を新たな物語を紡ぐのに組み合わせる試みは今後も楽しみだ

東京ローズ

東京ローズ

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2023/12/07 (木) ~ 2023/12/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

こういうことはやってはならないことだと思う。
海外の演劇祭に出かけて行って、トライアウト中の日本素材の舞台をチラと見て日本で買って上演してしまう。完成してからでもいいではないか、仁義に反することだと思う。それを国立の劇場が?恥ずかしくないのか。これで協力していると考え違いをしている。
脚本は英米で散々作られてきた30年代から50年代にかけての、第二次大戦をめぐる国家と個人の葛藤がテーマである。戦時中偶然の機会でラジオトーキョーの海外短波宣伝放送のアナウンサーになり、東京ローズとして戦争アイドルになり、戦後は国家反逆罪に問われた不幸な女性の半世紀である。アメリカには赤狩りの歴史があり、イギリスには戦時中のスパイで問われた思想家たちがいる。(もちろん日本にもいるが、内容が違う)
英米とは国家への忠誠心の質も内容も違うので、脚本も日本人にわからせようとはしていない。アメリカの国家への反逆が問われるに至った半世紀の長い物語である。それは全くと言っていいほど日本の事情は違う。わかりにくいところを無理やり、日本の事情を押し込んで、日本人の物語にしてまとめてしまう(最後の三十分)のは、全く理解に苦しむ。
さらに言えば、主人公を6人の俳優で次々と演じていくのも意味がわからないし、どう見ても無理なシーンが多いのに無理やりフィメールキャストでやる意味も分からない。舞台を見れば、まるで俳優が乗っていないのが見える。
そもそもこのテーマをミュージカルでやる意味もわからない。確かにこのような素材を最近はミュージカルでも取り上げるが、この舞台では楽曲もおおむね平凡で、これならストレートプレイで正面からやればいいのに、と思う。いい女優も出番が終わるとさっさと、お役御免という退場をしていく。
この素材は興味を引く素材で、日本でも海外でもかつて、何度も演劇・映画製作者が手を付けて挫折している。完結できたのはテレビのドキュメンタリー・ドラマ風のものだけではないか。すでにドウス昌代の優れたノンフィクション本以来50年、その後の裁判記録も公開されている。難しい素材に暢気に無手勝流で臨んで、やったつもりになっただけ。
その辺はよく客席も知っていて、いつものように半分も売れなかったのだろう、見た回は半分から後は、都内の演劇学校生徒の団体ががやがやと入っていた。



Strange Island

Strange Island

Nakatsuru Boulevard Tokyo

サンモールスタジオ(東京都)

2023/12/13 (水) ~ 2023/12/20 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ファンタジーと銘打ってあるが、実にリアルな政治風刺劇ですね。家族の愛憎やルッキズムの問題も加わって、カオスな展開にのめり込んでしまいました。尿意も忘れる充実の2時間半。

ブラウン管より愛をこめて-宇宙人と異邦人-(7/29、30 愛知公演)

ブラウン管より愛をこめて-宇宙人と異邦人-(7/29、30 愛知公演)

劇団チョコレートケーキ

シアタートラム(東京都)

2023/06/29 (木) ~ 2023/07/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/07/12 (水) 14:00

昨今の作品群とは趣を異にし、特撮ヒーロー番組の裏話的なものを軸に差別に関して語る。
題材的に娯楽要素も多く、元ネタがワカる身にとっては冒頭のS.E.~音楽で頬が弛んだのを筆頭にあれこれ大ウケ。
そんな中に「差別が生まれる原因」「差別をなくすためには?」などをさりげなく織り込んで、終盤にはさらに「こういう差別も」という現代的な(?)命題にも触れるのがいかにもここらしい。
また、舞台中央のミニチュアセット/ジオラマに手前から明かりを当てて後方のホリゾントに影を落としたりスポットを当てたりの効果が秀逸。「こういうテがあったか!」と狂喜♪
あと、劇中の中心作品である「ワンダーマン」のタイトル、wonder と wander をかけたものであることにもニヤリ。

十二月八日

十二月八日

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2023/12/14 (木) ~ 2023/12/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

朗読劇の成功例である。
朗読はどうしても演劇の迫力に及ばない。そこをどうすれば対抗できるか、をよく考えてある。
まずは、企画がいい。
太宰治のこの短編を見つけてきたことが第一。背中から手を伸ばして人の心をつかみそうな太宰の言葉のうまさをちょっとあざといくらいに巧みに編集している。80分。
次に素材。朗読される内容に、現実にはいまは存在しない世界へ観客のイメージを飛ばす力がある。素材が今の現実を打つ力がある。しかも開戦月の十二月の公演。
12月八日のこの日は、もう私は物心はついていたから、記憶にある。太宰の文章の力はその記憶へ帰っていかせるだけの力を持っている。大きな嘆息とともに、あぁ嫌な時代だったなぁ、と思うし、国民が集団幻想に踊らされるとどんな悲劇が待っているかは、今の人の多くは知ろうともしないが、私の世代はその解釈は人それぞれとしても、生身の骨身に染みて知っている。朗読という形式はそこへ素直に帰っていかせる回路として、演劇よりも力がある。
朗読劇では、このような半分立ち芝居を混ぜた形で便宜的に処理することが多いが、この公演には必然性がある。音楽(歌)も同様。この朗読「劇」にとって、余計なものを周到に省いて独自の世界を作ろうとしている。一段高く平台を重ね、白布を覆った舞台と、周囲の椅子だけ舞台表現に手を抜いていない。時に象徴的にフリーズショットになるところも、あざといくらい決まっている。
難をいえば、選択した原文部分はこれはこれでまとまっているが、今の人にわかりやすいおセンチなエピソードでまとめすぎているところだろうか。太宰を掘ればもう少し苦いところも出てくるはずである。
俳優はみな柄をうまく生かされていて、この吉田小夏という作演出は初めて見たが、なかなかのタマである。五十隻くらいか、満席。

すみつくす

すみつくす

屋根裏ハイツ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/12/14 (木) ~ 2023/12/25 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/12/20 (水) 19:30

初見のユニット。現代口語演劇の静かな芝居。102分。
 シェアハウスに今クラス人々と、その建物の12年前とが、シームレスに展開される。

『メトロノームが叫んでる』

『メトロノームが叫んでる』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2023/12/16 (土) ~ 2023/12/21 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

本来は画廊として使うスペースらしいのですが、確かに画廊と言われたら納得できるつくりです。そこを舞台にするのでなんとも不思議な空間が広がります。
え?と言う日常的なシーンから始まっての、ファンタジー?
一緒に時空を旅する気分になれました。

奇天烈かつ純粋な

奇天烈かつ純粋な

劇団コギト

一橋大学西キャンパス学生会館1階アトリエ(東京都)

2023/12/16 (土) ~ 2023/12/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ハコが充実してました
なんて立派なトコで演劇できるんだーと
感心しきり

さて舞台セットは基本素舞台に
椅子や机などを置いたシンプルなモノで
舞台下手奥に白の背景となった部分に動画を投影する
といった感じでした

高校生4人+αな登場人物達が繰り広げる会話劇
脚本も本格的で上手に練られていたが
動画の投影に椅子が邪魔だったり
手動で背景投影したりがチョイ駄目っぽかったかな

ネタバレBOX

荒筋はー
前に使われてない西校舎で
クリスマスに男女学生カップルが痴情のもつれから?
殺されて~そこに身元不明の男性の死体もあって
それは死亡時期が古くて―とユーチューブ配信動画流してから
本編は高校生4人の恋愛劇風なサスペンスで
展開してゆきます

最初に動画配信で
廃校舎での殺人事件を語るんだが
そこはもうちょっとリアルに
ホラーかサスペンス風に作っても~とかは思えた

新人公演で昨年までは現役の高校生が
リアルに高校生演じると=若いなぁ=合ってるなぁ=と(^-^;)

単に恋愛がらみのドロドロ話ではなく
ネクロフィリアや同性愛やら
いろいろ入れてタイトルを踏襲し
上手くまとめていたなぁと思えた

まぁせっかく台にペンまで用意してたが
アンケート用紙が挿まれていなかったり
殺人シーンの説得力とか
いまひとつだったりしたけど
ほんに登場人物らの性格設定やら状況設定は
納得できるものでした
他人

他人

公益社団法人日本劇団協議会

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2023/12/15 (金) ~ 2023/12/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

事故で入院した子供の為に上京した母と
その恋人と元カノの3人が繰り広げる会話劇
舞台セットは住居のリビング
家具などの小道具も充実していて見応えあり
上京してきたお母さんの人の良さと
秘密を抱えての応対をする部屋主さんなどの関係が
丁寧にインパクトをもって描かれた作品でした

ネタバレBOX

部屋主さんは女性でホモ=同性愛者でした
その彼女の母君はヘテロ=異性愛者で
世間でいうところの一般常識人
元カノは両刀さんで男性との結婚を控えている状況

普通に理解あるお母様が
自分の娘との同棲=同性付き合いを認めて
大団円~とはならず
部屋主さんがぶっちゃける
一般的な恋愛であり大上段に構えての付き合いではなく
自分の家族にもカミングアウトはしないといった展開は
さすが優秀作=目から鱗が落ちました=

ラストは3人がいる居間に
退院した彼女さんが戻ってきて
さぁどうなるんだーで
観客の想像にまかせたオープンエンドで幕です

クズだクズだと元カノに言われる部屋主さんですが
さほどクズ感は無かった
自分の感じる幸せを守り維持しようとする
小市民な感覚は好ましかった

とことん状況を楽しむ
トラブルメーカーな元カノや
ほんに良い人な彼女のお母さんなど
演じ方も上手でした(^-^)
Strange Island

Strange Island

Nakatsuru Boulevard Tokyo

サンモールスタジオ(東京都)

2023/12/13 (水) ~ 2023/12/20 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。
コメント欄が高評価なので楽しみにしていましたが、正にその通りでした。
地図にも載っていない島のストーリーでしたが、日本の現代にも感じられる内容でした。
貧富の差、政治とお金、権力、人権、プライド等、様々な事が詰め込まれていて観応えがありました。
考えさせられる事が沢山ありました。
ストーリーは勿論、役者さん達の熱演も素晴らしかったです。
大満足の舞台でした。

閻魔の王宮

閻魔の王宮

劇団俳優座

俳優座劇場(東京都)

2023/12/20 (水) ~ 2023/12/27 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

舞台の上で演じられると言うより、舞台の上に置かれた長テーブルの上で演じられ(時々下に降りるが)、しかもその長テーブルの真ん中の部分が廻り舞台になっているという変わった演出。同じ俳優が2役演じるので、それがわかっていないと最初は混乱するかもしれない。ストーリーはまあまあ面白い。鄧小平時代の中国が物語の舞台として設定されているのもなにか象徴的な意味合いが感じられる。

記憶

記憶

劇団The Timeless Letter

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2023/02/18 (土) ~ 2023/02/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

少し前になりますが、観てきました。
川田恵三さんプロデュース作品との事でとても楽しみに両班観劇させていただきました。
期待以上に面白く、切なく、楽しく、悲しく、驚き、、、もう一度観たい!!となりました。
再演があればまた観に行きたいです!

『メトロノームが叫んでる』

『メトロノームが叫んでる』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2023/12/16 (土) ~ 2023/12/21 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/12/20 (水) 19:05

タイトルやフライヤーからもっとダークな世界観を想像してたが、心に沁みるファンタジーだった。
現在と未来を繋げる脚本がとても良く好み。
役者さん皆上手いが特にミライのラストが圧巻で鳥肌。
別の作品も観てみたい。
とても面白かった。

『メトロノームが叫んでる』

『メトロノームが叫んでる』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2023/12/16 (土) ~ 2023/12/21 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

凄く面白かったです。

ネタバレBOX

途中まで凄く面白かったから、(最後まで面白かったけど)もっと凄く面白くなるんじゃないかと勝手に期待してしまいました。
独鬼

独鬼

壱劇屋

萬劇場(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

Twitterに流れてきた稽古場動画(天井にぶつかりそうなほど飛ぶ小林さん)を見かけて興味を持ち、生まれて初めて小劇場というものを見に行きました。親に連れられて大きなミュージカルを見にいったことは何度かありますが、歌わない舞台作品を自分の意思で、実際の劇場へ観に行くのはおそらく初めてだったと思います。
未知の文化にわくわくしていたため座席に座ってから初めて思い出したのですが、私は暗く狭い場所が得意ではない人間でした。非常に緊張しながら開演を待ち、予想外に音が大きくそれなりに怖かったのですが、鬼が、人間によって扉の内に閉じ込められ、笑いながら出てきて、また自分で扉を閉めた時の、へにゃ、とした顔を見た時に、「この感情、知ってる!分かる!!」と突然親近感を覚え、緊張が大幅に緩和されました。続いて、木を拝む彼女(女の母)が二周目に回ってきた時の様子を見て、「分かった!!夏になったんだ!」と納得した時の楽しさで、恐怖感のほとんどはなくなっていたように思います。
これが壱劇屋さん初体験でした!とってもラッキーな出会いでした。それから東京や大阪へ行ったり、映像作品を掘り起こしたりと日々の楽しみとさせていただいております。15周年おめでとうございました!

いないいないなぁ!

いないいないなぁ!

匿名劇壇

扇町ミュージアムキューブ・CUBE01(大阪府)

2023/10/28 (土) ~ 2023/10/29 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

今まで小さい表示でしか見ていなかったメインビジュアルを初めて大画面で見、「あ、予想していたよりも怖い話かもしれない」と少しひやりとした状態で再生を開始しました。大変個人的な感想になりますが、数ヶ月前に似たような出来事に遭遇した身としては、怖くない、悪趣味でない、劇的でない終わり方であったことに大感謝です。本当はこういうことは自らでやらなければ意味がないのだとも思いますが、感情の解体作業を肩代わりしてもらえたような感覚でした。生身の人間が演っているけれども画面で隔てられている、ちょうどいい距離感で見られて幸運でした。

『メトロノームが叫んでる』

『メトロノームが叫んでる』

ウテン結構

六本木ストライプスペース(東京都)

2023/12/16 (土) ~ 2023/12/21 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

現在と未来を往還し、自分の生き様を確認するような展開だが、その世界観が独特で面白い。人間の絆、時間の流れといった曖昧さの中で 自分の存在を確かめる といった感じだ。少しネタバレするが、ウテン結構第2シーズン「雨の世界」から続く後日談のような繋がり。この連関し、深まっていく感覚 好きだなぁ。

会場の構造ー中央に折り返し階段があり、途中の踊り場から<案内人>が見下ろすような描き。同時にタイトルにあるメトロノームの音が時を刻むようで時空の違いを表わす。時空の変化に応じ 小道具を動かしたり配置を変え、情景を巧みに現わす。人物の衣裳は、白または黒という補色を着ており、時間と場所、その立ち位置によって変化する。そこに現在と未来という世界観、そして人間の二面(または多面)性を見るようだ。見方を変える…未来から見れば現在は過去になるという俯瞰構図の妙。

物語の肝は、未来から過去を見る…過ごしてきた喜怒哀楽といった感情を置くことで見えてくる 今の思い。冷徹に見詰めることによって、今後の生き方への大きなヒントが見えてくるような。非現実的な世界観ではあるが、描かれているのはリアルな自己との対話のよう。が、公演の始まりと終わりから 別の捻りを利かせた構成のようにも…。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

冒頭 ラジオ体操、台詞の読み合わせから始まり、ラジオ体操で終わる。公演全体が劇中劇仕立てで、本筋で描かれているのは或る公演の内容といった構成に思える。なかなか凝った仕掛けで、第2シーズンの公演を散りばめつつ、新たな物語(世界)を築く。

舞台美術は、中央の階段下に額縁状の枠板が立ち、近くに椅子や小机が置かれている。 上手下手の壁には柱時計が並んでいる。ここは未来占い師がいる不純喫茶店、枠板を客席側(床)に倒すことで未来空間へ。本筋は記憶喪失の女1・2の謎めいた話、それが「雨の世界」に登場する女 しおり から続くよう。父の暴力から逃れるために雨の日に出奔する。自分の存在が知られないよう記憶喪失のふりをし、名前も変える。

全体的に軽やかな立居振舞、それは フワッとした衣裳のせいであろうか。先の女1・2&先生、祖母 桜&孫 蒲公英、弓々子とマスターの三組が占い師 避雷針玲子によって未来の自分を見ることになる。未来には案内人(階段踊り場)がおり、現在の人に関係ある未来の人物を引き合わせ 見守る。よく耳にする<過去は変えられないが未来は変えられる>を連想させるような描き方。

照明・音響といった舞台効果と言うよりは、一人ひとりの役者が醸し出す不思議な雰囲気(演技)が、独特の世界観を立ち上げている。敢て効果といえば、やはりメトロノームの振り子の音(未来が叫んでる)であろうか。
次回公演も楽しみにしております。
萎れた花の弁明

萎れた花の弁明

城山羊の会

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2023/12/08 (金) ~ 2023/12/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

三鷹・星のホールで何度めかの城山羊の会。
ここの名物は演劇担当森元氏が冒頭のあいさつから少し芝居に噛む事。今回は舞台上に、劇場の道路に面した外観が出現している。森元氏の挨拶の後、岩谷氏が現われ、質問を投げる。そのやり取りから芝居が始まる。
今作はこの岩谷氏が何のためにそこにいるかの説明がないまま、ずっと居続けている。彼が主体性を発揮するのは全て「性欲」に対する知的関心とその発散への関心について。ただし彼は凡そ観察者であり、観察される対象として登場する「もっとも下半身のだらしない」男として岡部たかしが登場する。
出演陣の中で今回の関心は劇団普通の黒川女史であったが、新人マッサージ師として岩谷氏の前に現われ、その黒髪と風貌は中国人風で思わずマッサージと結びつけて連想してしまったが、実は信仰厚い日本人シングルマザー役。素にしか見えない(城山羊でのゲスト俳優の特徴?)。もう一人の注目はミルクホールのJ.K.goodmanであったが中国人役を適当中国語で好演。緩いグダグダな芝居を締めているのは、個々それぞれの中の欲望(それも下半身に近い方の)であり、人間としての振る舞いの背後に「欲望」が薄っすら見えるのが楽しい。

十二月八日

十二月八日

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2023/12/14 (木) ~ 2023/12/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/12/19 (火)

原作の太宰治「十二月八日」を読んでからの観劇。
あらまぁ素敵。こんな舞台になるのね。
人間から発する声、音、音楽が絡み合い
青☆組らしい、と言えばそうなのかもですが
本を読んで広がった世界がさらに立体化し、本当に生きていた。
この先のことを考えると本当に悲しい。
でもきっとこの先も残る作品だと思います。

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