最新の観てきた!クチコミ一覧

4161-4180件 / 184732件中
SEXY女優事変ー人妻死闘篇ー

SEXY女優事変ー人妻死闘篇ー

劇団ドガドガプラス

浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)

2024/04/24 (水) ~ 2024/04/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

シリーズ3作目は期待以上に面白かった。「人妻死闘篇」なるサブタイトルから、ドロドロ?と思いきや、底抜けに明るく、もう笑うしかないくらいエネルギッシュ。
それでいて、PCやスマホを開けば何でも見せられてしまう今の社会のヤバさを突きつけられているようでハッと気づかされる。馬系アイドルに純血のサラブレッド、果てはギリシャ神話まで繰り出され、語られる一つ一つは妙に聞き入ってしまう。
前2作でお馴染みの牧師一派にセクシー女優、公安の面々も変化ありつつの安定した面白さで楽しませてくれる。そして、歌とダンスのカッコよさは素晴らしい。
色々掘り起こしたいテーマはあるけれど、社会への警鐘とかそんなことではなく、とにかく笑い飛ばして今の社会に向き合っていけばいいのかなと元気をもらえる作品。

雨降りのヌエ

雨降りのヌエ

コトリ会議

扇町ミュージアムキューブ・CUBE05(大阪府)

2024/03/09 (土) ~ 2024/03/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

1ヶ月行ける時に足を運ばせて頂きました。
癒されました。
僕に取ってはなるべく逃避にならない様にと思いながら、僕に取ってはシェルターの様な、心がプルプルにひたひたになる様な、行って良いかなと恐る恐るいく様な、現実と虚構の壁を作ったり無くしてくれるような、
人々の営みを覗き見るような、今までにない位心が解放される様な、この場面を見てて良いのだろうかと考えるような、この企画は参加する座組の皆さんはどう想うのだろうと思いを馳せる様な、これを広く公開することに意義はあると思い、そしてずっと関わるスタッフさんの息づかいも感じ、1から何万も一つ一つ衛星や惑星が生まれて無くなっていく様な、宇宙がそこに在りました。
「ヌ座敷わらしエ(勝手につけました)」苦笑
の1人の観客としてひっそりと居らせて頂きました。

僕にとっては、とても必要な時間だったんです。

前髪(あなたに全て捧げるけど前髪だけは触るな)

前髪(あなたに全て捧げるけど前髪だけは触るな)

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2024/04/24 (水) ~ 2024/04/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

モラハラ、ヤクザ、ゲイ、殺人、お笑い、人生訓、その他いろいろ欲張って空中分解してしまった。

まあ、そうなのだけれど、サスペンス部は良くできていた(ネタバレBOXへ)。他の部分も振り返ってみると、ああそうだったのかと思うこともあるのだが効果は薄かった。

一番気になったのはヒロイン海里の人物像である。有名俳優さんならどなたを使うことを作者は想定しているのだろうか。魅力的な役作りに作者も役者も失敗していて盛り上がりに欠けていたと感じた。

ネタバレBOX

サスペンス部が良かったというのは
・刑事にじりじりと迫ってこられたり
・無意味と思われた盗撮騒ぎが最後に回収されたり
・うるさいだけの昔の仲間にも役割があったりする
ことである。
カラカラ天気と五人の紳士

カラカラ天気と五人の紳士

シス・カンパニー

シアタートラム(東京都)

2024/04/06 (土) ~ 2024/04/26 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/04/25 (木) 18:00

楽前に2度目の観劇。やはり訳が分からないけど、不思議な面白さ。72分。
 大分こなれてきていて役者に「遊び」が出てきているように思った。小手伸也が役割をよりしっかりと演じているように感じる。

HEART STRINGS ハート・ストリングス

HEART STRINGS ハート・ストリングス

劇団Turbo

駅前劇場(東京都)

2024/04/24 (水) ~ 2024/04/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ギターの生演奏は良かった
楽器は詳しくないんで知らんかったが
ギターにバリコンが4つも付いてたりするんだねぇ
なかなかにタイムリーな時事ネタでの作品でした
様様な場面やら話は出来が良いかなぁと思えたが
なんとなくポンポンと調子よく繋げることが
うまくいってない感があってチョイ残念だったかしら
とか思えた1時間45分の作品
開演時間はサラリーマンに優しい
遅めの時間帯でしたわ

ネタバレBOX

劇団だーぼが輪島の文化会館で
1/2に井上落語をやろうと元旦に現地入りすると・・・・
そう地震災害が起きるのです
幸い劇団メンバー等に被害は無かったんだが
災害地から出る事も叶わず
避難した学校の体育館で
パーティーションで区切られた生活を送る羽目に・・・
舞台セットは区切られた状態を作り上げてまして
セット奥にモニターを配して
車窓やらリモートやら情景などを映してました

なかなか状況が好転しない中
皆に配った災害ラジオにて
集団化等を避けての文化提供をしようと
=ミニFMです=学校の放送機材を用いて=
いろいろな語りや歌や落語なと通して
地域の人の紹介などもしていって
離れていた恋人の再会を取り持っての大団円で幕となります

相撲の初っると実況落語は面白かった
そういやカラーの綺麗なギターの絃も
初めて見たなぁ
ピーチボーイズ

ピーチボーイズ

Peachboys

シアター711(東京都)

2024/04/23 (火) ~ 2024/04/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

12年の集大成
最終公演だそうですけどー
話は前説通りに
ドーテーな三人組が脱ドーテーを目指し行動すると
ヒロインがさらわれて
助けに行くと三人に一つづつバトルがあって
世界の危機になって
ラストバトルを勝ち抜いて世界を救うという話だす
宴会芸に全力を振り絞った舞台です

何とも濃厚で力強いというか
力技な作品です
自分的には好みな感じの二時間超えの作品

ネタバレBOX

前説での盛り上げと
ひたすら下ネタに突き進む方向性
元ネタのエヴァのオープニングの再現とか
懐かしき8ビット(16あったかな?)の
ドラクエのラスボス対決=アナログ的な表現
上手でした(^-^)
音響さんがタイミングとか上手かしら と
狭い舞台を行ったり来たりしての早替え等
大変だったろうが
その熱量は半端なく笑えました
トライアル 2024

トライアル 2024

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2024/04/24 (水) ~ 2024/04/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/04/25 (木) 19:00

警察・検察の捜査の至らない点を裁判員・陪審員が指摘して判決を逆転させる作品としては『12人の怒れる男』が有名ですが、日本でも制度ができて以来、裁判員ものが1つのジャンルになってますね。

ネタバレBOX

超個性的で面白い登場人物多数による面白い会話劇でしたが、警察の捜査や公判の段階で明らかにしておくべきことでしょ〜、それ〜、って、捜査の能力が素人の寄せ集めに劣る検察側に対して、それでいいのかよ〜って気持ちになりながら見てました。現実の裁判はどうなんでしょ?
夜会行

夜会行

動物自殺倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2024/04/24 (水) ~ 2024/04/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

2日目のお昼公演を観劇。
4名のレズビアンの元に訪れた1人の恋人といくつもの提起。5名が過ごしたある夜の物語、そして、"ある夜"にも"レズビアン"にも決してとどまらない問題がガラス窓から街へと現実へとシームレスに続いていく。

ガラス窓の向こうには植物に囲まれた部屋の一室、うっとりと見惚れてしまうような美術に迎えられ、そのまま食い入るように5名をただただ見つめ続けた85分。コロナ禍が初演なだけあり、物語や演出の端々から時節を想起させられました。ガラス窓はそれもあっての(感染対策も加味した)演出だったのかなと受け取りつつも、物語やその心象風景においてもそれ以上の効果が発揮されていて、素晴らしかった。3年前にこんな凄まじい演劇(初演)を見逃していた自分つくづく信じられないと悔やみつつ、今回たしかに目撃したガラス越しのあの風景を、あの一夜を、その手ざわりを知らない自分にはもう戻れない。戻らない。途中、理由のわからないままの涙を二度流した。そこにはきっと大切なことが隠されているはずだから、時間をかけて紐解きたい。
静かに激しく流れる一夜を映すようでも照らすようでもある照明、怒りや焦燥、心の騒めきと伴走する音響。そして、饒舌な時も寡黙な時も、息づかいから瞬きまで、人間がそこに存在することによって生じる全て、感情の源流その在処を伝える様な5名の俳優の素晴らしさと、そのような細部こそが伝えるものの大きさととことん向き合った演出。全てが全てに隙間なく接続した圧巻の総合芸術でした。好きな俳優さんがたくさん増えました。

サーカスではない何か、だがサーカスに似たそれ

サーカスではない何か、だがサーカスに似たそれ

神威少女パンク。

シアター711(東京都)

2024/04/17 (水) ~ 2024/04/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

正直、何度も見た展開に「またか」と思ってしまう部分はありますがそれ以上に今回は舞台美術と役者が遊び尽くしていたように思います。出てはぬるっと消え、思わぬ方向からひょこっと出たり、舞台上の役者のみならず客席すらも茶化す。まるでサーカスそうだこれはサーカスだった。怖い思いをさせたりシリアスな雰囲気にさせてきたと思った次の瞬間には会場を笑わせてくるそれはまるでピエロのようです。公演回数を重ねる毎に出演する役者はメキメキと強くなっている一方で作、演出が変わらず一貫していることに思うことがあります。うまく言葉にできないけれど例えるなら、今日の晩ご飯はまたカレー?たまにはレトルトじゃなくてスパイスから作ったこだわりカレーが食べたいなーっていう気持ちに似ている気がします。でも今日のカレーより一晩寝かせた明日のカレーが美味しいように、何度見ても笑うところは笑ってしまうんだよなあ。ずるい!

ピーチボーイズ

ピーチボーイズ

Peachboys

シアター711(東京都)

2024/04/23 (火) ~ 2024/04/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/04/25 (木) 19:00

125分。休憩なし。アフターイベント除く。

校臨エンプレス【Bチーム】

校臨エンプレス【Bチーム】

RAVE☆塾

ブディストホール(東京都)

2024/04/25 (木) ~ 2024/04/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

魔法女子高で年に1度開かれる魔法大会の直前、連覇中の"女帝"と呼ばれる絶対女王に起きた異変が起こす騒動を描く休憩無し95分、女子ばかり総勢約20名のキャストは華やかで目の保養になり、プロットに少々ヒネリもあって楽しめました。個人的には主役の数名が他のメンバーと比べて特に可愛いとは感じませんでしたが…。

ハザカイキ

ハザカイキ

Bunkamura

THEATER MILANO-Za(東京都)

2024/03/31 (日) ~ 2024/04/22 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

千秋楽を観たようだ。おやそんな雰囲気でもなかったが?・・と思い出せば、確かにカーテンコール四つ目で座長らしい記者役が手招きし、袖から三浦大輔氏が呼ばれた。思わず演出から何か一言な空気がよぎった後、やっぱ何も言う事ないわと礼をして周りもバタバタと頭を下げる様が微笑ましく笑いを起こす風景。
三浦氏の舞台は緻密で明確で、何も補う事はないし観客も満腹で何か言って欲しいとは思わない。

下卑た日常を描いて本質を抉るような三浦大輔の世界へ、一気に誘うのはギター音が作る音楽。本作は三浦氏にしては露骨な性欲の摘出がなかったが、欲望とその追求が恒常的にもたらす爛れ、疲れ、金を払って味わう一時的な全能感、黄昏どきに催す時間を超える感覚・・都市生活と不可分の要素を、音楽が既に彩っている。

トライアル 2024

トライアル 2024

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2024/04/24 (水) ~ 2024/04/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/04/25 (木) 19:00

ストーリーの展開が超面白いです!キャラクターも個性があり、見応えがあります!

夢の泪

夢の泪

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2024/04/06 (土) ~ 2024/04/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

3回目。
前田旺志郎氏の出入りのダッシュはいつ見ても凄い。プロレスラーの才能を示す要素の一つにリング内ダッシュがあるが、高評価だろう。

ネタバレBOX

カメラが入っていた。事務所に電話が来て初めて鳴るまでの遣り取りがカットされたような気がしたが、勘違いかも知れない。(一番に電話を掛けて貰うよう恩師に頼んだくだり)。
トライアル 2024

トライアル 2024

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2024/04/24 (水) ~ 2024/04/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしかったです。小劇場B1ははじめての劇場でしたが音響もよく最高でした。真実に迫るまでの陪審員のやりとりが非常に面白かったです。最後の最後に被告が登場するかな…と思っていましたがそれはありませんでしたね^^ いずれにせよ最高の舞台でした。あ、そうそう、最後に演者さんが言われていたように会場暑かったです。あの暑さで途中睡魔が襲ってきました^^

絶望という名のカナリア

絶望という名のカナリア

甲斐ファクトリー

小劇場 楽園(東京都)

2024/04/23 (火) ~ 2024/04/28 (日)公演終了

実演鑑賞

闇同士が絡み合い面白い
登場の役者さんたちが良い

損得個展

損得個展

劇団美辞女

エリア543(東京都)

2024/04/19 (金) ~ 2024/04/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

劇団初見。期待以上に面白い。コンパクトに詰まった密度の濃いお話で、少し身につまされました。

絶望という名のカナリア

絶望という名のカナリア

甲斐ファクトリー

小劇場 楽園(東京都)

2024/04/23 (火) ~ 2024/04/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

現在の色んな社会問題と詰め込んだエンターテインメント、グッときました。やっぱり身の丈に合った生活を淡々と送るのがよいですね。

校臨エンプレス【Bチーム】

校臨エンプレス【Bチーム】

RAVE☆塾

ブディストホール(東京都)

2024/04/25 (木) ~ 2024/04/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Bチーム観ました。ちょっとファンタジーな女子学園コメディ、これだけ大人数だと爽快ですね。終盤はホロリとされられます。説明過多ですが、丁寧な作りでした。

夜会行

夜会行

動物自殺倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2024/04/24 (水) ~ 2024/04/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

今作は2021年7月、サンモールスタジオにて鵺的が公演。その時の演出家は寺十吾氏。まさに天才の仕事、メチャクチャ衝撃を受けた。ここまで練らないと成立しないのか、舞台芸術の奥深さに打ちのめされた。(未だにあれを、可能ならば観劇初心者に体験して貰いたいと思う程)。
今作は『動物自殺倶楽部』の赤猫座ちこさんが活動休止する為、同時にユニットも一旦打ち止めとなる節目的作品。だが赤猫座ちこさんが心因性の体調不良にて降板。代役はアンダースタディの太田ナツキさんに。

あるマンションの一室。お洒落な室内には鉢植えとプランターがお店のようにズラリと並び観葉植物が飾られている。中央のベランダのガラス戸を左右に開ける。そこだけ外からオレンジ色のライトが当たる。

太田ナツキさんの家で同棲している木下愛華(まなか)さん。今夜は木下さんの誕生日パーティーが開かれる。太田さんは料理中。木下さんは物憂げな表情で理由なき不安感と焦燥感に気持ちを尖らせている。
銀行員の日野あかりさんが到着。神経質な程、コロナ対策に拘っている。
続いてやって来た保険外交員の輝蕗さんは区役所の生活福祉課で働いている寺田結美さんを紹介する。

とある夜、東京の一室でほんのひととき営まれる夜会。太田さんの用意したドリアのようなボルシチのような料理が美味しそう。
木下愛華さんは肩幅がガッチリしていて女子プロレスラーのHikaruみたいでカッコイイ。
日野あかりさんの役の作り込みには狂気すら感じた。強迫神経症のような書き込み。ベロンベロンのワイン。素晴らしい。
寺田結美さんの電話のシーンでは泣いた。

ネタバレBOX

木下愛華さん←福永マリカさん
太田ナツキさん←笠島智さん
日野あかりさん←奥野亮子さん
輝蕗さん←ハマカワフミエさん
寺田結美さん←青山祥子さん

同性愛者として生きていく“覚悟”に対して、日野さんが寺田さんを問い詰める。“気分”のような不確かなもので一生を賭けたアイデンティティを弄ばないでくれ。その執拗さに我慢ならず、輝蕗さんは切れて怒鳴りつける。
そんな中、寺田さんの元彼はよりを戻そうと電話を掛けまくってくる。実は妊娠3ヶ月、元彼の子供を孕んでいる寺田さんは黙って独りで出産し育てようと決めている。涙ながらに訴えるも無神経な元彼は寺田さんの“本気”を全く意に介さない。耐えられなくなった輝蕗さんは「今は自分が恋人です」と電話口で宣言する。元彼は大受けして、「他に男ができたのかと嫉妬していたら、レズの恋人かよ」と笑い飛ばす。「なんだ、それならじゃあもういいや」と。その遣り取りを黙って聴いていた部屋の女達の気持ち、観客の気持ち。痛みと悔しさと情けなさ、踏み躙られた尊厳。自分達マイノリティは言葉通りにいつだって少数派だった。何処にいたって差別されてきた。いつも笑われ馬鹿にされてきた。はみだし者の出来損ないだと。そして沢山の人間が長い年月をかけ、闘い勝ち取ってきた“権利”。そんなものですら大多数の人間にとっては何の価値も持たない事実。

小崎愛美理さんの演出では、木下愛華さんの不安を視覚化したように天井から物が音を立てて降ってくる。輝蕗さんは大量の風船を部屋中に転がす。寺田さんの元彼の電話口からの言葉に怒り傷つく度、皆がその風船をバンバン割っていく。いろんな工夫、オリジナルに対しての戦意表明は支持するのだが、脚本の良さを肯定していないのでは?とも思う。一番重要な太田ナツキさんと木下愛華さんの物語が中途半端に投げ出されてしまっている。(前半の遣り取りが全体的に退屈に感じたのも、会話に潜む個々のキャラの掴み取り方が弱かったせいでは。後半の怒りの場面までの伏線が弱い。前半に緻密で繊細な関係性を構築させていないと暴力的な崩壊による効果が小さい)。

この芝居は別れの岐路に立つこの二人の一夜の出来事であり、観客が観ているのもその一点。そこを放り出して「はい、終わり」は酷い。現実と地続きの物語にしたかったんだろうけれど、全く乗れない。初見の観客からすれば「酷い男がいるねえ」でオシマイ。何じゃこりゃあ。こういうのを観る度にヌーヴェル・ヴァーグなんてものは、ごく一部を除いて『百害あって一利なし』と思う。

このページのQRコードです。

拡大