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『つやつやのやつ』と『ファンファンファンファーレ!』(再演)

『つやつやのやつ』と『ファンファンファンファーレ!』(再演)

ムシラセ

駅前劇場(東京都)

2023/07/13 (木) ~ 2023/07/18 (火)公演終了

実演鑑賞

推しがいる人はもちろん、今何かをがんばっている人、がんばったことがある人にも刺さる。これまで走ってきたことを肯定してくれて、走り抜けるエネルギーを補給できる作品です。ムシラセでしか出会えない言葉と愛がある…!

モモンバのくくり罠

モモンバのくくり罠

iaku

シアタートラム(東京都)

2023/11/24 (金) ~ 2023/12/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2回観劇。今回も十分に堪能した。現代の食の問題についても考えさせられる。三人の娘を持つ親としては、親を選べずに生まれてくる子に、自分は何を伝え、何を守り、その対局として何を押しつけてしまっていただろうかという不安に囚われた。
そして何より、家族の或る中年男が浮ついて見える姿。他者によってバッサリと斬られてしまう言い訳を聞きながら、自分を省みれば心から血が噴き出しているように思えて恥ずかしかった。如何にして生きるべきか、また考えなくては。

マイン

マイン

チタキヨ

イズモギャラリー(東京都)

2023/10/16 (月) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

久しぶりのチタキヨ。飾らず、それでいて美しく、現代社会において女性が抱える問題、いや女性に背負わせてきた問題を、力まずにテーブルに乗せて考えてみる作品にして届けてくれた。人と話題にし辛いようなお金の問題も見事に提供してくれた。何ともいとおしい女性たちがそこに生きていた。感情を隠しながらつながっていた人間関係も、少しずつ本音が漏れて、それが嫌味でないから関係が強固になっていくのが何とも羨ましく美しかった。
心が温まった帰路は、少しニャついていたに違いない。恥ずかしいけれど気持ちよかった。

さいあい〜シェイクスピア・レシピ〜

さいあい〜シェイクスピア・レシピ〜

CHAiroiPLIN

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2023/08/11 (金) ~ 2023/08/20 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2回観劇。それでもお代わりしたくなった。彼等と出会えた大切な作品の久しぶりの再演。さらにダイナミックに進化を遂げていた。それでいて、丁寧に細部にまでこだわって緻密に演出されている。その中でキャストが生き生きと舞う。高校生キャストも若さを発散し溌剌として輝いていた。大好きな小林ららさんは今回も素敵だった。そして、主宰のスズキ拓朗さんとともに二本柱といっても過言ではない清水チャイロイプリオンをチャイロイプリンを初めて観た。もちろん毎回いて欲しい。それでも今回、それを埋めるべくよし乃さんが大活躍していた。彼女の目を見張る活躍に感嘆した。
この作品は定期的に再演して欲しい。

この夜は終わらぬ。

この夜は終わらぬ。

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2023/06/02 (金) ~ 2023/06/16 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日。俳優座稽古場がアゴラ劇場になった。そう思えるほどに伊藤毅さん(やしゃご)が、見事な本を用意し、青年団の空気を存分に取り入れる演出を施した。老舗劇団に思い切ったアプローチで切り込み新風を吹き込んだと言えるだろう。劇団の古参ファンの方は面食らったかもしれない。しかし、それこそが新しい血を取り込んだ価値であるはず。その上で、社会問題を突きつけ、観客に正義を問う秀作。
福原まゆみさんが、役柄も雰囲気も作品に心地よい風を吹き込んでいた。魅力的な俳優さんに出会えた。

濫吹

濫吹

やみ・あがりシアター

新宿シアタートップス(東京都)

2023/09/07 (木) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

アワード投票のため、時差投稿失礼します

以前、何度か公演を拝見したことがあり、楽しみにして鑑賞しました。
期待裏切られず、いや、良い方に裏切られたとも言えるでしょうか。
過去一好きでした。

ネタバレBOX

大人同士でのコミュニティ、距離感の難しさは年々感じています。
特にそれが子どもという大切な存在にも影響を与えるとなると、よくも悪くも自分らしく居られないのではないかなと思うのです。
身近ながら人間関係の嫌な部分がよく見える題材で、これを扱うところがとても興味深かったです。
また、ある意味"異分子"が混ざったと言える状況だった訳ですが、鑑賞した人の中でもあの状況にどう対応するかの意見は割れると思います。
私は判官贔屓してしまいがちですが…
どちらも間違っているということは無く、だからこそ自分たちで答えを出すことが苦しい。
これは、PTAの問題も同じことだと思います。
大人はそうやって自分の答えに責任を負わされながら生きていくのだと、考えさせられました。
また、笑いどころ、キャラづくり、音楽や故事の演出も最高でした。
特に最後の逃げるところ、かっこよかったです。
次回公演も絶対行きます。
ありがとうございました。
眩く眩む

眩く眩む

ムシラセ

劇場MOMO(東京都)

2023/09/06 (水) ~ 2023/09/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

アワードに投票するため、時差投稿失礼します

私はいわゆる"お仕事もの"が好きですが、こんなに苦しい気持ちになったのは初めてでした。
やりがい搾取の世界に自分も飛び込もうとしているので尚のこと、鑑賞後も頭がぐるぐるしていました。
才能や経験値は簡単に埋められる差ではない。
分かりやすく評価されるところ以外で生き方を見つけることが必要だろうか、とか思ったりしました。
提示された課題は課題として、普通に演出がかっこいい!笑いどころバッチリ!
他の公演も見たいと強く思いました。
応援します。ありがとうございました。

日本演劇総理大臣賞

日本演劇総理大臣賞

ロデオ★座★ヘヴン

駅前劇場(東京都)

2023/12/27 (水) ~ 2023/12/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

上演時間、2時間。

開場して10〜15分くらいに入場して、
席がとびとびで空いているくらいだったのですが、
場内スタッフさんが
「一番うしろは通路になっているので、ぐるっと回り込めます」
「奥側は最前列が空いています」
「手前側3列目ならおふたり並びで観劇できます」
などと
具体的な口頭案内をしていて、
着席しやすかったです。

役者さんも演技力がすばらしい人揃いで、
骨太の脚本とたしかな演技で大満足です。

なぜ「演劇」を選んで彼らがここにいるのか。
なぜ私は現地に行って「観劇」をするのか。
そのひとつの答えがここにありました。

ネタバレBOX


『残り火』という演劇作品が出来上がるまでの過程の「稽古場」と、
『残り火』が総理大臣賞に相応しいかを論じる「選考会」の
2つの空間が交差するのですが、
その構造・構成が巧みでした。

『残り火』というひとつの作品を劇団(内側)と選考委員(外側)から観測させて、
さらに『残り火』の「観客」となる警察・記者も舞台上にいることで
作中で語られていた「循環」「対話」を目視させつつ、
客席に座っている「こちら」と『日本演劇総理大臣賞』という作品で「循環」と「対話」を起こしていました。

観劇が、演劇が客席の「私」に与えてくれるものを画化・言葉化、そして体験させてくれたうえに、
自由な表現を奪われていく演劇人のあがきと、
それでもまだ失われてないものを描くストーリー。
すごい体験をしました。

客席が2面で舞台を挟む配置も良い効果でした。
特にそれを強く実感したのが
クライマックスの久子が「俳句にする」シーンの劇場全体の一体感。

横からの視点になることで、
舞台上のふたりの登場人物がつかもうとしている「ことば」への遠近感の表現が強まり、
否応にも視界に入る客席に循環を味わい、
さらに自分の心の揺れを自覚する。

すごく充実して、贅沢な時間でした。
gagap

gagap

ENG

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/11/22 (水) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/11/22 (水) 19:00

ENGプロデュース公演、作演出竹村晋太郎。ENGのことも、出演者の大多数も、小劇場界隈に疎い私には知らないものだらけだったけど、竹村さんが創るから、そこに劇団員やアクモブでお馴染みの方が出るからチケットをとった。
初日を前に全日程完売、急遽補助席が出たがそれも完売。ゲネには多数の関係者や役者が見に来て、本番さながらの熱気だったそう。竹村さんファンとして、こんなの嬉しすぎる。

明治、のような時代の、帝都、のような街。怪人と呼ばれる強力な能力を持った存在が確認され、それを専門に取り締まる部署が設立される。 それだけでもう!大好きな世界観!大正明治の古いものと新しいものが混じりあって独特の文化を作っていたあの時代!街に街頭がともってもまだなお闇が深かった時代!現代の私たちからしてみれば浪漫でいっぱいのあの時代!そこに不可思議な事件が絡めば完璧!さっすが竹村さん、わかってる。

ネタバレBOX

・壱劇屋東京支部ではお馴染みの演出が盛り沢山で一瞬いっしゅんが“濃い”!!安定の「目が、目が足りないぃ!」が後方席なのに発生しました。これはね、もれなく箱推し確定。
・開演前にパンフと台本は買ったけど、終演後にサントラとBlu-rayの予約もしました。観劇中に「これ、円盤になるんだよね。マジかよ。最高じゃん!」て5回くらい思った。
・竹村作品のプロ達がアクションモブ...じゃなかった、ギャップルとして参加しているのが心強い。竹村作品初参加の皆さんも、それぞれの個性があって、アクションもだけど、芝居パートもめっちゃ良い、最高。ありがとうギャップル。
・高田さんの怪人0号がずーるい。え、あんなんみんな好きじゃん。竹村さんの書く台詞は全部竹村さんを感じるけど、私的に今回のキャラクターの中で1番竹村さんを感じたのは怪人0号。高田さんの台詞術がすーごい好き。最初から最後まで全部ずるい。
・椎名亜音さんの怪医。まずビジュアルが超好きなんだけど、亜音さんのカッコイイお声と動きでさらにキャラクターが魅力的になって、最高すぎて頭爆発するかと思った。西分さんとの絡み、ありがたい。大好きな2人。
・春夏秋冬で“ひととせ”と読む。栗生さんのひととせ、お声がとても綺麗で可愛くて、ふわっとほわっとした雰囲気も純粋で透明な感じがして、そんな彼女が歌うと空気が澄んでいくような、光が差し込むみたいな、聞き入ってしまう歌声でした。だからこそ…ね、しんどい。いっぱい食べる君が好き🍡
・梅田さんの怪色、ただのお色気お姉さんじゃないんです。色気で惑わすとか、そんな生易しいもんじゃない。めちゃくちゃ戦う。すごい強い。そしてとても良い女。何度この方の表情に胸を締め付けられたことか…強くて弱くて愛の深い女が好きだ。
・んで怪色に絡む怪食がぶっ飛んでて最高だった。松藤さん、漫画っていうかアニメみたいな動きする。え!今どうなった?!て動きするんだけど、それが役としてピタッと欲しいところにハマってる感じがして観ててめちゃくちゃ気持ちがいい。
・シミズさんの怪談。ビジュアル発表で1番気になったのがこのキャラだった。怪人っていうか妖怪っぽくて、すごくクセありそうだな…って、登場キャラ全員クセまみれなんですけど(笑)満を持して台詞を喋った瞬間に「はい好きー!」って心の中で大絶叫した。高音と低音の使い分け、素敵。
・喋り倒す西分さん最高かよ、最高だよ、最高でしかないよ。竹村さんが西分さんに当て書きしたという怪人P、西分さんへの信頼とか愛とか詰まりまくっとるやん!衣装の裃っぽいマントが良い。ヒールで駆け回る西分さん、足ぐねらないように気をつけてー!
・マサさんは姿勢がとにかく美しい。日舞で鍛えた体幹と指先まで意識の届いている動きが素晴らしい。そして、マサさんがいるならやっぱアレはないとですよね🤭嬉しかったなぁー。美しい動きをする方なのに、ブリキ人形みたいなデフォルメされたモブを演じるのもギャップにやられる。
・ひととせの歌唱シーンで、まわりに集まる群衆のギャップルさんたち、表情がとても良くて、今日は日置くんの表情がグッときた。お隣の黒ちゃんもいい顔してた。
・最終戦に入る直前の集合シーン!3つの勢力がそれぞれ睨み合うんだけど、ポスターとほぼ同じ構図!
・最初から最後まで高田さんがずるいよなぁ!もう!宿木ちゃんに向けるなんかこう、恋ともなんともハッキリした形はないけど大切にしたい、守りたい、笑っていて欲しい、みたいな気持ちと、どこまでも真っ直ぐな花房に宿木が好きな花房でいてほしいっていう願い、終盤の今まで余裕そうだった0号がとにかく走り回って取り繕ってない本気の叫びを花房にぶつけるところ、ほんと好き。宿木ちゃんの言葉をかわりに伝えて、その思いだけは裏切るな!って、かっこよすぎかい。この0号に喝をいれる怪人Kもカッコイイ。お笑い担当みたいなPのグループに所属してて奇抜なファッションだし喋り方はおねぇだし、そういうキャラなんだと思っていたら、実は元ヤンでめちゃくちゃ漢ってのがさぁ、オタク大好きなヤツじゃん。
・0号と宿木ちゃんにじゃれつく怪人J、めっちゃ猫で可愛い。どんどん0号にたいするじゃれつきがほぼ引っ掻きレベルになっていくのも面白かった。最後0号に逆シャーされてた(笑)
・こういう物語にはありがちな「自分以外どうでもいい捨て駒と思っているわかりやすく酷い奴」が出てこない。奴は無口で感情が無いようなやつだけど、中身がうまく成長できなかっただけで後半の子供のように泣く姿が印象的だし、すがるように「色…」て名前を呼んだの辛すぎた。色はその手でさっき殺してあげたんだもん、1番いてほしい時に1番彼を抱きしめてあげて欲しい時に、もう彼女はいない。白のほうは仲間と認識している者は大切にしている感じ。春夏秋冬の歌声で量産したギャップルやすぐ死んでしまうような欲望の足りない怪人達のことは駒扱いかも。僧や老のことは大切にしてた。
・キャラクターそれぞれに背負ったもの抱えたものがあって、それがしっかり見えるから辛くて苦しい。村田さんは怪人になったのにギャップルたちに殺されてしまったんだな…辛い…後半の「頭部に傷を負った状態で歌を聞くと変異する」がわかってからの頭への攻撃が絶望でしかなくてなぁ…
・怪人へと変異する瞬間を表現した怪談と怪軍の2人、すっげかった。体柔らかい。背筋と腹筋強そう。
・食に食い殺されそうになった色に奴がとどめを刺してあげるの、さっそくそれは愛だよな。優しい奴、色めっちゃ嬉しそうだった。
・ギャップルたちの活躍がまぁー凄かったんだけど、個人的に好きだったのは電車の戦闘シーン。電車を外から見てるアングルで窓から戦ってるのが見えてる、て感じなんだけど、これがねぇ、我々観客の想像力を信じてくれてるんだなって演出で嬉しかった。その場にあるのは4枚のパネルだけで、電車の音は出してるけど電車っぽいものは何一つ無い。でも、頭の中では足場の不安定なゆらゆら揺れる電車、大きな窓から見える戦闘、そういうものがしっかり補完された。見えたんだよ、ちゃんと、電車が。
・Pの「ムーブメントを起こすのが好きでして」てゲヘゲヘ笑ってるところ大好き。
・血吹雪、あると思ってなかったから嬉しかったよー!!!!スペシャリストのマサさんもいるしね!みんな吹雪使うけど、一体どこに仕込んでたの?!てくらい隠し方と見せ方が上手い。
・大災害からおばあちゃんを助けて通路をのぼっていく花房、頭に傷を負い鼓膜が敗れた状態だったから、おぶわれてる藤島さんが花房の右こめかみあたりに手を置いて、頭と手のひらの隙間からはらりはらりと血吹雪をこぼすのが「こ、細かい!」て感動した。細部に神は宿る。
・すごい吹き上がり方してるー!ってなったのは怪電が怪僧にぶっ刺されたところ、とんでもない量の血吹雪がぶわわって飛び散ってて、ただの紙だってわかってるのに痛々しくて「うわあ😭」てなった。
・怪軍が暴走する花房を一喝するシーンも好き。「お前は違うだろう!」って。自分はこういう守り方しかできない、でもお前にはお前の守り方があるだろう、みたいな。怪人にさせられてしまった悲しい運命。彼の目的は怪人騒動の発端である春夏秋冬を消してこれ以上怪人を生み出さないことだった、なら彼の目的は達成され、じきに消えてしまうのかな…
・守れたものもあれば守れなかったものもあって、めでたしめでたし大団円とはいかないんだけど、それでも人間は前を向いて自分に出来ることをやるしかないから、だからとにかく、生きようっていうラストなんだと私は思った。
・春夏秋冬の透明な唄声が、覚醒した時は音をいじったみたいにぐわんっと揺れて聞こえた錯覚がして、あれすごかったな。アニメだったら視界が歪む演出入るやつ。あそこの歌声が際立つように、普段の歌声や喋り方を高めで透明感ある感じにしてるのかな。
・ボディーガード村田、パンツスタイルの女性がサンジばりの足技で戦うの、嫌いな奴いないぜ。彼女が怪人、というかギャギャップになってしまうの、悲しかった。
『ガラスの動物園』『消えなさいローラ』

『ガラスの動物園』『消えなさいローラ』

Bunkamura

紀伊國屋ホール(東京都)

2023/11/04 (土) ~ 2023/11/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/11/07 (火) 18:00

上手側にあるガラスの動物園が人の頭でずっと見えなかったのが残念だけど、ギリギリ全体が視界におさまる席で生声も表情も涙の雫さえも見える距離。最高。

ネタバレBOX

ガラスの動物園
あらすじをざっと読んだだけで、完全初見。客入れは日本の80年代?70年代?の歌謡曲かなぁ、が流れてて、外国の話なのに客入れが日本のオールディーズなの面白いなって思った。
えりさんのお芝居を舞台で観るのは初めて、だと思う。頭の回転が速い人なんだろうなぁ…台詞に口がついていってない。台詞間違い、台詞忘れ、噛む、言い直すのオンパレード。動きもちょっとバタバタしててうるさく感じた。他の登場人物たちがあまり大きく動かないからかもしれない。噛んだり言い直したりは全員あった。幕が空いて数日ですが、毎回こうなのか、今回だけか。あんまり台詞で躓かれると集中切れちゃうから嫌だった。稽古足りてないの?って思っちゃったけど、台詞以外は大丈夫そうなので、膨大な台詞量に口が回らなくなってるだけだと思われる。しっかり!
年配の役者さんがズルいのは、たとえ台詞がおぼつかなくても、きめた動きがうまく出来なくても、長年の経験によって出る説得力や迫力が段違いだってこと。えりさんズルいのよ。口うるさくて感覚がズレてる母親の、子供に対する愛情だけは嘘偽りない真実なんだもの。特に娘に対する思い。女性の立場が低かった時代、結婚しなければ生きていかれなかった時代、女ひとりで生きていくことが困難だった時代、そりゃあ旦那が蒸発したあと女手一つで子供二人を育てあげたんだもの、娘には苦労させたくないって思うよね。普通、母親を重ねて見るものなんだろうけど、私は80過ぎの祖母を重ねて観ていた。「~しなくちゃいけない」と価値観を押し付けて、面白くもない話を聞かせて、子供のことを理解してると思ってるけど実際は何もわかってない、完全にうちのばあちゃんだった。子供の中に障害持ちがいる点も同じだ。我が子に障害があることを認めなかった母親。人と少し違う、けどそこがこの子の良いところって。
狐晴明ぶりの吉岡里帆さん!めちゃくちゃ良かった。おどおどした喋り方も、ふわりと微笑む顔も、ぎこちない動き方も、びっこをひく足も、ジムに対して「推しを前にしたオタク」みたいな反応するところも、全部良かった。母親と弟のことを心から愛しているし、言葉でも行動でも表現する。泣きながら謝る弟をいいこいいこして抱きしめてあげる姿なんて、聖母様だった。酔って帰ってきた弟に膝枕してあげたりさぁ、仲良しで大切に思い合ってる姉弟だった。兄属性の松也さんが弟役ってのが新鮮で(もちろん、弟役も弟分役もたくさんやってきただろうけども)とても可愛かった。お姉ちゃんの肩に頭を乗せて甘えてるのとか、可愛すぎた。
トムがジムを案内する時、客席で「ジム。あっちあっち」ってオフマイクで言って楽しそうに笑いあってて、本当に仲がいい様子が出てた。和田さんのチャラい役って見たことなかったから新鮮だった。もうちょっと好青年な役なのかと思っていたので、予想外。口が上手くて軽くて遊んでそうで、ローラと話していくうちに惹かれてキスまでして、ローラにも観客にも希望を見せた次の瞬間に突き落とす。婚約者がいるって打ち明けてからのローラの表情、痛々しくて見てられなかったよ。ろうそくに照らされた頬を伝う一筋の涙、悲しくて綺麗な涙だった。ローラがジムに渡した角をなくしたユニコーン、あのあとジムはどうするだろうか。大切にするって言うけど、きっとすぐに壊れてしまうし、婚約者になんて言うつもりなのか。
松也さんがね、ずっと舞台上にいるんよ。いない時間もあるんだけど、トムとして存在してる時間と語り部の男として存在してる時間があるから、ほぼほぼ舞台にいる。台詞はなくてもじっと登場人物たちを見ていて時々動いて物を片付けたり隣に座ったりする。それが何を意図しているのか、わからないことのほうが多かったけど、さすが歌舞伎役者、芝居の邪魔になるようなことを絶対にしないからどこにどう存在しててもまるで舞台セットみたいに違和感がなかった。生演奏の入るきっかけ、語り部の松也さんがキュー出しすることもあって、責任重大だった。指パッチンの音が鳴らないまってぃ、SEつけてあげて…(笑)
停電してパニックをおこしそうな姉を落ち着かせるために、ぴったりと寄り添ってガラス細工を蝋燭にかざしたりしてた姉弟の姿、良かったなぁ。オフマイクで吉岡さんが話しかけて松也さんが「え?」って感じで耳を向けて、そのあと吹き出してたの微笑ましかった。
非常階段で抱きしめ合う母娘を包み込むように抱いた語り部の男…あれはトムだ。
背中に布を足したアマンダのドレス、子供たちがそれを必死に隠そうとするのと、見てしまった時のジムのリアクションが良かった。
絶望は絶望のまま終わっていく物語。貧しい現実、閉塞感、戦争には冒険があると目をキラキラさせる青年、家を出ていく男たち、残される女たち、幸せな未来など夢、誰も助けてはくれない。物語が始まった時より状況が悪くなって終わる。

消えなさいローラ(和田琢磨ver.)
ローラとアマンダの人格を行ったり来たりしながら演じ分ける和田さんの仕草、特にローラがすごかった。ガラスの動物園では内向的なだけで心優しくまともな受け答えをしていたのに、不条理劇・ナンセンス劇らしいめちゃくちゃな言葉のキャッチボール。言葉の通じないおかしな女。母親は死んだのだと、なんとなくわかってはいたけれど、彼女がドレスの胸元からガラスの馬を取り出した時、ひっかかった。胸のポケットにガラス細工をしまったのはジムだ。演じているのもジム役の和田さん。違和感。ワインを飲んだ母親が死んだ、それを隠すために、ここで弟を待つために、ローラは母親の死を隠し続けた、母親になりきってまで。けれど葬儀屋/探偵は言う。もうそんなことはしなくてもいい、トムさんも望んでいないと思いますよ…と。まるでトムが姉に寄り添うようにぴったりとくっついて肩に顎を乗せ、するりとドレスが脱げロングのウィッグが外れると、中からしどけなく胸元をはだけた(これはドレスから出ないためだと思われるが)ジムが出てくる。アンニュイな溜息をひとつ。頭を軽く振り、襟をぐいっと直す。そこまではジムの動きなのに、その後もローラであり続ける。カーテンの裏にあの日のドレスのまま寄り添って眠る白骨化した母娘が浮かび上がる。もし、この部屋にいた女がはじめからジムだとしたら、それこそ狂気。少なくともあの日から3年がたってる。あの停電の日、母娘が絶望した日、トムが出ていった日、あの日からすぐに2人が死んだとしたら、トムが出ていくことを知っていたジムが心配になって再び訪ねた時には変わり果てた姿だったとしたら、ジムは心を病んでしまったのか…いいや、それはありえない。あの日はじめてアマンダとローラに会ったジムが近所の人が見間違えるほど2人に化けるなんて不可能。だから、ジムの姿をした何かなのだと思う。パンフレットのインタビューでは「待つという概念」みたいなことが書かれてた。概念、概念か。ジムは何を待っていた?己の成功?天井からどさーっと砂が落ちてきて、その砂の後ろで崩れるジムと、テーブルの上に残されたドレスとウィッグ。ローラの抜け殻?話の間、アマンダとローラが亡霊のように現れては生気のない顔で虚空を見つめたり女や探偵を見ていた。この部屋で起きたことは現実だったのか。はじめからこの部屋には誰も生きてる人間はいなくて、探偵だというこの男も存在していなくて、死んだというトムの魂だったら少しは報われるんだろうか。
最後、松也さんが綺麗な声で歌いだして、そこに和田さんもタイプの違う歌声で加わって、吉岡さんもえりさんも入って、ひときわ強く響く松也さんの歌声に「どうです?すごいでしょ?これが尾上松也ですよ」という謎のドヤ感をおぼえました。
レイディマクベス

レイディマクベス

TSP

よみうり大手町ホール(東京都)

2023/10/01 (日) ~ 2023/11/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/11/01 (水) 18:30

「マクベス」が原案の完全新作。世界最速公演。隣国と何十年にもわたって戦争をし続ける国で最強の兵士“だった”レイディのお話。マクベス夫妻の娘が語る、という形で始まる物語。
過去のようにも、未来のようにも、今現在の話のようにも感じられる世界観。膨大な台詞を浴び続ける2時間。強く美しい夫婦が壊れるまでの物語。

中央に二重の盆があって、それがほぼずっと回ってる。
レイディ白い細い薄い顔小さい!そんな華奢な体躯で最強の兵士だったの?!かなり強い。マクベスに語りかけるためにぺたりと座り込んだ時や、銃をかまえた後ろ姿にドキッとした、身体が薄くて。身のこなしがさすがの美しさ。

1回観ただけでは全てを呑み込むのは難しかったけど、多様性の現代が抱えてるいろいろな問題が詰め込まれた物語だったと思う。
難しいけど、演劇を観た!って感じ。

舞台『刀剣乱舞』山姥切国広単独行 -日本刀史-

舞台『刀剣乱舞』山姥切国広単独行 -日本刀史-

舞台『刀剣乱舞』製作委員会

天王洲 銀河劇場(東京都)

2023/10/07 (土) ~ 2023/10/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/10/19 (木) 18:00

配信で観ていたけど、実際に劇場で観ると圧がすごい。舞台上の熱量がとてつもなく高い。壱劇屋メンバーをついつい探してしまう。こばーん、猫背やなぁ。
著しいキャラブレの三郎2人、後ろで待機してる時にふくのすけを撫でたり可愛がってたの良い。

ネタバレBOX

スサノオ、荒々しい声や喋り方だけど、ちょっとなんだろ、印象として傴僂っぽい。とんでもない猫背だからかな。スサノオにそんな属性はたぶん無いんだけど、演じ分けのなかで猫背になっていったんだろうな。「目だぁ!」の言い方可愛い。荒々しいなかに無邪気さとか幼さも感じる。
厩戸皇子のビジュがめちゃくちゃいい。あの髪型似合うってどういうことなの。「あなたの刀になる!」かっこよ過ぎて泣きそう。泣いた。
パペット可愛いなぁ...みんな声の芝居が上手いよね。いくらパペットで動きつけてるとはいえ、声の芝居が変だと違和感あるもんだけど、とても自然。配信は健鶴だったので、今日染鶴の声が聞けて嬉しかった。

2幕まで見終わっちゃうともう何も思い出せない...なんだろうなぁ、希望はあるけどまだどう物語が繋がるかわからない状態なのに、エンディングでものすごい多幸感に包まれながら涙ボロボロ流して完全にデトックス状態。心地よい疲労感が残る(笑)
あ、燃ゆる本能寺の再現シーン、上下にちゃんと虚伝組が後ろ向きで出てきてそこも再現してたの、初日配信では気付いてなかったから(映ってなかった?)驚いた。薬研不動長谷部宗三、ちゃんといた。不動くんがふるふると小さく震えながらズボンをぎゅっと握ってて、本人じゃないけどちゃんと再現してて、すばらしかった。
お守り発動の映像、可愛いし「お、御守りだァァ!」って感動するんだけどちょっと面白い。ニヤニヤしそうになる。お守りだけで良かったのでは???ふくのすけをシルエットだけにするとか!
生で見る三日月国広、やべぇ。なんだあれ。本物じゃん。声も、動きも、ひろちかなのよ。鈴木拡樹が舞台上にいるのかと錯覚する。
下手でぶわっと太刀を抜くのが目の前で、美しさに目が潰れるかと思った。
三日月の格好すると背が小さく見えるけど、極めると背が大きく見える荒牧慶彦。不思議。骨格?衣装?
朧達の中身が誰なのか、山姥切の影や仮面の山姥切の中身は誰なのか、とても気になる。1人だけご本人(笑)安心するわー。
山姥切国広があんなふうに笑う顔が見られる日がくるなんてさ、嬉しい。笑顔だけで泣ける。
こんなおかむーが見たかった!が見られる山姥切国広単独行。西郷隆盛、似合いすぎ。
「守る価値のある歴史がありゃあいいが」の人、エンディングで「山姥切国広ー!」って声掛けてる人だった。なんか、含みのあるセリフを他にも言っていたような気がするし、含みのある芝居をしているようにも見えた。なにか、あるのか...?守る価値のない歴史とは...。

カテコ、3回目でスタオベ。一振出てきたまんばちゃん小さく「おっ」みたいなリアクションして2階席3階席にも目を向けて、しっかりと、全てを噛み締めるようにお辞儀をすると嬉しそうにニコッと笑って去っていった。配信の時の刀をぐっと天に掲げるパフォーマンスはカメラ入ってる時限定なのかな?終演アナに負けず3回目のご登場は叶ったが、録音ではないアナウンスが入ってしまうと観客もさすがに「今日はおしまいなんだな」と察して拍手をやめたので、4回目までいくと刀を掲げてくれるのかもしれない。おしまいだよ、の合図(笑)
アドレナリンの夜

アドレナリンの夜

TBS

東京建物 Brillia HALL(東京都)

2023/09/24 (日) ~ 2023/10/09 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2023/10/06 (金) 18:30

相葉 長田 石川 平井 の回
3階席最前列ド真ん中。わかっててとったけど手すりが邪魔。開演前から舞台セットが見えてる状態だったのでバミリ(‪各ステージと舞台ツラにわかりやすい✕‬とT、中央のステージにちっちゃい×、ステージよりふた周りくらい小さく·····と四角くバミリ)を頼りに姿勢をずり下げて手すりの隙間から覗くような姿勢で観劇。

ネタバレBOX

ソロが各自2本ずつと4人揃っての話が1本。多い…9本で100分だから1本が5分強くらい?最後の話がちょっと長めだったかな。秋元さん脚本だからぶっちゃけ期待してなかったけど、なんだろなー…あえてなのかな、ベタだなぁ。起承転結の起の時点でオチが読める。オチがわかってても面白い話ってあるけど、全然ワクワクドキドキしなかった。オチがわかってからは役者の熱演に頼りっぱなしで…うーん、好ましい役者じゃなかったら耐えられないな。しかもしっかり全員で稽古した作品じゃないから(当日初対面)目を台本に向けるのか前を向くのか、どの程度身振りをするのか、役者に任せてる感じした。曲のタイミングとか明かりのきっかけとか、最後の話の動線とか、そういう部分は演出が決めて各自に伝えただろうけど、演技的な部分はたぶんあんまり言われてないと思う。なんか固まってない感じした。
相葉くん初めましてだったけど、さすが場数を感じさせる落ち着き。人気役者さんなの納得。声、抑揚、滑舌、台詞とモノローグで読み方の使い分け、朗読劇としてどの程度身振りを入れるか、塩梅が1番安定していた。そういう演技という点では、凌雅くんいまひとつ。朗読劇を観てるというより台本持って荒通ししてるのを観てるって感じだった。台本を素直に読む、という良さは強く出てた。誰がどの話の担当か、ていうのがピタッとハマっていたので、凌雅くんやりやすかったんじゃないかなー。1本目のラジオも2本目の麻酔も結末が断末魔。素直に表現するからこそ「読んでます感」「演技してます感」があるのがアレなんだけど、切羽詰まってきてうわあああああ!ってなると良さがぐっと出る。ラジオの最後、ぐらっとかしいでいく様子がすごい良かった。麻酔の最後の叫びも良かった。爆発力のある役者、好きだよ。麻酔の主人公の年齢がふわふわしてたなぁ、最初は高校生くらいかと思ってたら「子供の僕にはわからないけど」って言い出して映像の手が小学生くらいで、ちょっぴり混乱した。小学生だと思うんだけど台詞がちょこちょこ小学生ぽくない。脚本も悪い。
長田さん、コントを見る限りお芝居上手いイメージだったけど、ちょっと台詞が一本調子というか、悪くは無いんだけどね。警備員のやつ、女の子が後ろに立ってるって場面で演奏担当のオバケさんが長田さんの背後に立ってる女の子に見立てられてて、このためにこの格好なのか?!てなった。ていうか最初に登場してまさかの演奏し始めて「お前が弾くんかーい!」てなったし、最後まであの人はなんだったのかわからないし、開演前にスクリーンに映ってた紳士も本編になにか関係あるかと思ったら一切出てこなかった。なんだったんだ。なーんかね、いろんなネタをぽいぽい出すだけ出して回収せずに終わる感じがめっちゃ秋元康だなって思った。最後の「台本」も細かいところ考えると全然繋がらなくなる。え、結局なんでそうなったん?てなる。最終的にどうなったん?セットばたーん!てなった時の平井さんガチでビクッてしてたな(笑)
平井さん、1本目の見えないお友達のやつ。これの序盤、自由にアドリブっぽいガヤいれてて若干スベッてたから大丈夫か?て思ったけど、変に作らない自然体な語り口が良かったんだよな。友達から恐怖体験を聞いてる、みたいな感じ。ささやき女将のくだりちょっと長かったけどウケてたね。2本目ホテルの話、ループするのは怖かったなー。世にも奇妙な物語系のお話だった。
天號星【10月4日~10月9日公演中止】

天號星【10月4日~10月9日公演中止】

劇団☆新感線

THEATER MILANO-Za(東京都)

2023/09/14 (木) ~ 2023/10/21 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/09/14 (木) 18:00

モアチャンス見切れ席で2階バルコニーの下段、その1番舞台に近い席で観劇。
すぐそこまで太一さんやゆっくんが来る。想像の倍あった客席通路の出ハケも全部見える。
見切れ席とはいっても、一瞬セットの影になるとか、上手奥が少し見えない程度で全くストレスは感じなかった。シャッターする衝立に隠れてハケるキャストが見られるお得な席。
なにかひとつダメだった点をあげるとすれば、袖か舞台裏かロビーでスタッフさんが話してる声が微かに聞こえること👂何話してるかまでは聞き取れないけど、なにか喋ってる声は聞こえる。

銀次と朝吉が兄弟だったらどうしよう、とか思ってたけど、そんな展開には一切なりませんでした(笑)ただの人殺し好き同士ってだけだった。

ネタバレBOX

天號星という作品、どこからどう見ても早乙女兄弟への愛をぎゅうぎゅうに詰め込んだ早乙女兄弟のための話だったし、古田新太が主役と見せかけて「入れ替わり」を上手く使って実質早乙女太一が主役の話だった。
太一さん、めちゃくちゃ戦ってたし喋ってたし叫んでたな...主役の分量だった。早乙女太一が新感線でソロで歌う日が来るなんて想像しました?けむりで元気に合唱はしてたけど、まさかソロで歌う日が来るなんて...びっくりした。こういっちゃアレですけど、太一さんはけして歌が上手いわけじゃない、微妙に音外す、歌の上手さは普通。だから、ほんの30秒くらいで、喋るに近いような歌だったけど、歌用のマイクつけて殺陣やりながら歌う太一さん、オタクの妄想かと思ったわ(かずきもひでのりも早乙女兄弟の強火担だから間違いでは無い)
ゆっくん、また上手くなってる。滑舌もめちゃくちゃ良かった。今が盛りだなぁ...咲き誇ってるなぁ...自信に満ち溢れていたなぁ...はぁ...最高かよ。男らしくて、でもちょっぴりお馬鹿で、銀次と半兵衛に振り回されてて、でも本人は殺し合いが出来ればいいキチガイだから楽しそうで良き。銀次に「お前変わったな。欲が出たな」って言い当てるところとか、最後太一さんと一騎打ちするところとか、めちゃくちゃカッコよかった。私、ゆっくんの股旅姿大好きなんだ。私得。ボロボロ回し合羽の扱いが流石すぎる。
今回も女性陣が強くてかっこよかった。男に依存しない、いざとなれば1人で生きていける、強い女、いいね!カナコさんの巫女姿、似合いすぎ。聖子さんの包容力。よし子さん、実はめっちゃ優しい人ターンあったから死亡フラグかと覚悟してたらまんまと壮絶な最期をむかえてしまって悲しい。史緒里ちゃん、歌も芝居も上手い、場の空気を掌握することが出来る子。芯の強さが声や目にしっかり出てる。千尋ちゃん、中国武術で殺陣のなかに飛び込んでいくのはなかなかタイミングとか間合いとか難しいんだろうなって見てて思ったけど、荒くれ者の中で育ったお嬢の箱入り感と男勝りな部分と、素直なところも出てた。型を見せるシーンは、さすがのカッコ良さ。
太一さんには2人の娘ちゃんがいて、半兵衛にも2人の娘がいる。これ、あえてリンクさせたのかなぁ。終盤の義理でも偽物でも娘は娘だ!って父親として言うところ、お父さんな太一さんとダブって2つの意味でウルウルした。古田さんもお子さん娘さんだし。
入れ替わると、姿勢も歩き方も古田新太になる早乙女太一、凄すぎでは。猫背気味でちょこちょこぽてぽてよちよち歩く古田さんの癖を完コピしてた。殺陣以外で刀をどう扱うか、どんな仕草をするか、全部古田さんだった。長屋のみんなと「渡り大工だ」ってフォーメーション組んで真ん中で刀担いでしゃがんだとこなんて100%古田新太だったもん。早乙女太一が演じるキャラクターであれば八割くらいの確率でやる「頭を搔く」「首を搔く」が出なかった。たぶん銀次をやってる時ならやる可能性はあるけど、半兵衛になってる時はいつもの感じでは動かないからやらない。すごいなぁ。感動。
川原監督の役、ズルくない?(笑)時代劇に絶対出てくる用心棒の先生じゃん。ちゃんと笑いもとっていくし。総髪の二枚目でビジュアル100点満点。
今回は裏切らないのかと観客が油断した頃合を見計らったように裏切ったまさとさんも100点。
右近さんの登場ビジュもすごい好き。黒い狩衣で、烏帽子かぶって、長髪で顔に模様描いてて、あー!新感線を観に来てるなー!って強く感じた(笑)野獣郎とか阿修羅城とか、歴史ファンタジー色の強かった頃の新感線を観てる気持ちになった。終盤、歌の中で身支度整えるカナコさん右近さんに阿修羅城の闇の椿を思い出すなどしました(右近さんは闇の椿の身支度シーンいないけど)
タイトルが出ないまま話が進んで、まさかの一幕最後に早乙女兄弟が刀を合わせたシルエットでドーン!と出るとは。タイトルを背負うのは古田さんだと思ってたから、もう胸いっぱいで泣いた。入れ替わった状態だから半兵衛がタイトル背負ってるといえばそうなんだけど、演じているのは太一さんだし一緒にいるのゆっくんだし、なんなら物語の最後にもう一回タイトル出た時は完全に早乙女太一がどセンターで口上して見得してドーン!だから、また泣いた。カテコで古田さんを早乙女兄弟が挟んで立ってるの見てまた泣いた。夢みたいな景色だった。ありがとう世界。
銀次ごと自分の体を殺して、一生銀次として罪を背負って生きていくって決めるのめちゃくちゃ重い。やっぱり太一さんは背負わされる運命。義理でも偽物でも、愛する娘たちのために別れを決めて去って、追われ追われの生活を選ぶ。御用の提灯に照らされて同心や捕手に囲まれて舞台の真ん中に立つ太一さんは間違いなく主役だった。そして、あのラストには昭和の時代劇スペシャル味を感じずにはいられなかった。これからも彼の人生は続いていく、みたいな。エピローグ的な終わり方するやつ。最高かよ。

ずっと憧れていた師匠を倒して
追いかけてきた弟にもまだ負けないぞってとこを見せて
次こそ本当に太一さんが主演の新感線が見られるかもしれない。期待しちゃうな。いつか、兄を超える弟の物語も観られるかもしれない。かずきさん、いのうえさん、長生きして。

初日だから、台詞のテンポとか、殺陣の間合いとか、すこーし気になるところはあった。でも、早乙女兄弟がバチバチに仕上げてきてるので問題ない。おじさんたちは貫禄で押し切れる。千尋ちゃんの殺陣がもうすこし噛み合ってくるともっとカッコイイだろうなって思った。
粟根さんはいつもどうり脚本通り演出に言われた通りにやってるんだけど、成志さんがまぁーーーーー通常運転。今回は何もしないって言ってたのに蓋開けてみたら1番好き勝手してるように見えました。演出通りなところが大多数なんだと思うけど、終始楽しそうでなによりです。
煙突もりの隠れ竜

煙突もりの隠れ竜

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/08/31 (木) ~ 2023/09/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/08/31 (木) 19:00

すっっっっっごかった!!!!!
いろんな優しさと、いろんな強さがあって、みんなが大切なもののために戦ってて、あったかかったり痛かったり苦しかったり悲しかったり愛しかったり、最後にはみんな(若干1名を除く)が笑顔で前を向いて明日へ向かって歩いて行ける、竹村さんらしい素敵なお話だった。「みんなで仲良くしたい」とか「助け合う」とか「みんなで意見を出し合って話し合う」とか、きっとそれは理想だけど難しくて現実的ではないんだと思う。いまのこの世界でそれができたらどれだけいいだろう。でも無理で、無理だからこそ、舞台の上でだけは、物語の中くらいは理想を理想のまま言葉にしてあの世界で出来る限り実現してくれて嬉しかった。みーんな甘ちゃんだけど、それが良かった。竹村さんの作品は、キャラクターひとりひとりがみんな竹村さんで、そこがとっても好き。厳しくて優しくてあったかい。キマイラとドンのすれ違いも、ドンとジョ↗ジョ↘のすれ違いも、たまらんかった。

ネタバレBOX

ものすごい思いあってるのに、それがうまくいかない感じがもどかしくて、それをリーダーであるキマイラはちゃんとわかってて、でもキマイラはキマイラでちょっと不器用さんだからうまく伝えられない…たまらん!自分を慕う仲間のこと、めっちゃ好きじゃん!番犬としてカッコよくキメてるドンがキマイラの前ではちょっと情けない顔しちゃうのも「限りなく対等の兄弟分」みたいな感じで良かった。三位一体のバランスもとても良い。これが、絋ちゃんだったらどんなバランスだったのか…もっと上2人から見守られてる末っ子感があったりするのかな。石川くんは足でまといってほど弱い感じしなくて少なくともジョ↗ジョ↘は対等な印象だった。2人はお互いに「あいつはすごいな」って思ってそう。勝手に思いあっていた3人が、ちゃんと思い合えてからの動きの違い、胸アツ。
客席にいる私たちを同じ世界に連れていってくれる。客席までぜんぶ舞台にしてくれる。後ろを振り返れないのがもどかしい~!!!!すぐ後ろからおかむーさんの声が聞こえるとか、みんながすぐ近くの通路を通っていくのドキドキした。
雪男、おまえがビューロだったのか…めちゃくちゃ干渉するタイプのビューロじゃん、ていうかビューロって幻獣でも所属できるんだな。可愛い柏木ちゃんとカッコイイ柏木ちゃんが見られてお得感あった。衣装チェンジするのも最高。カッコイイシーンのあとでクスッとしてホッとできるちっちゃいモノ同士の絡みがあるの良いなぁ。物語全体が暗くなりすぎない。「雪男ーーーーー!!!!!…だれ?」好き。
黒ちゃんの真っ直ぐでキラキラな目が好き。九さんとタイマン(違)のシーンめっちゃ良かった。背中にチャックついてたからいつ羽化するんやろって思ってたらまさかのカテコで笑った。本編じゃないんかーい!モスラみたいなでっかい蝶になるのかな。
チョーチとぽんすけのシーンがとっても好きで、あったくてほんわかしててチョーチの優しさとぽんすけの優しさが舞台から客席まで溢れてて、幸せな気持ちになる。チョーチにはぽんすけの姿は釜を背負った狸にしか見えてないわけで、そんな狸を「息子に似てる」って思って一生懸命助けてあげてたチョーチ、優しすぎる。息子くん、たぬき顔なんかな。チョーチはゴリラって言われてるから、奥様がたぬき顔なんかな。ぽんすけに似てるから息子くん人形も西分さん担当だったのか!と納得しました。手を引いて歩く姿に独鬼を思い出した。
ロック爺、昔はイケイケな鳥だったんだな。不死に「俺と番ってことにしとけよ!」って言うくらい、不死のこと気にかけてたしちょっぴり好きだったろうし、長生きしたのは長命な種だったのかもだけど、なるべく不死のそばにいてあげたかったのかもな…なんて。
自分の半生を舞台化したものを観てたら途中で側近が側近役で出てきて思わず立ち上がっちゃうガジャタラミン可愛いな。その時の表情見たかった。側近のちょっとソワソワしつつ「ドッキリ大成功」みたいな嬉しそうな顔よかった。
ケンタウロス!超良い!まさか終盤のあの緊迫した場面であんなキョトン顔で出てくると思わんよ。彼こそ救世主(笑)状況わかってない顔してたけど、森が大変なことになってる間あんた何してたん(笑)

Wカテコで竹村さんが、五彩のときは集客で悩んだけど、1年たった今回は前売りで完売回が出て、1番残席ある回でも25席と、今までとは段違いで、むくわれたって話をしてて、東京支部ができる前から追っかけてきたファンとして本当に感慨深い。劇団員たちへの感謝、ゲストさんたちへの感謝をいつも口にする、優しい竹村さん。作品まんまの人柄。私の推し。
東京物語

東京物語

松竹

三越劇場(東京都)

2024/01/02 (火) ~ 2024/01/26 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

第一幕60分休憩25分第二幕80分。
2012年1月初演、2013年7月再演。
山田洋次92歳!二代目水谷八重子84歳!
皆高齢だからコンパクトにまとめるだろうと勝手に思っていたが、ガチガチの作風。夢の世界の住人である監督やら役者やらは老いることを知らない。皆もう一度全盛期が訪れるのではないかと思う程のエネルギー!
2013年11月、新橋演舞場で公演した中村勘九郎、今井翼、檀れい主演の『さらば八月の大地』。幻の満映を舞台に狂おしき映画への情熱を描き、小津安二郎愛に溢れていた山田洋次。(あの時の檀れいさんの美しさは未だに筆舌に尽くし難い)。
オリジナルの『東京物語』は小津安二郎52歳、笠智衆49歳、東山千栄子62歳、原節子32歳の陣容。大体日本映画オールタイム・ベストをやると『東京物語』、『七人の侍』、『浮雲』と相場は決まっている。この全人類共有の無常観をどう調理するのかとくと拝見。

ある意味主人公の石原舞子さん(長男の嫁役)が素晴らしかった。三雲孝江を思わせる上品な町医者の奥さん。拘りの舞台美術を背にしたその所作で作品世界を肌感覚で観客に提示。幕が上がると時代も空間も飛び越えて昭和28年の居間に放り込まれる。

話は至ってシンプル。戦争の傷痕もかなり復興し、広島の尾道から年老いた夫婦(田口守氏と水谷八重子さん)が息子夫婦(丹羽貞仁氏と石原舞子さん)のもとを訪ねて上京。特に要件などなかったが、忙しい子供達は厄介に感じて余り相手をしてやれない。夫婦の感じる疎外感。

美容院を経営している長女役、波乃久里子さんがまた巧い。オリジナルでは杉村春子の演じた役を田中眞紀子っぽさもある女傑風に盛り上げてくれた。旦那役の児玉真二氏も最高。
戦死した次男を愛し続けてくれるヒロイン瀬戸摩純(ますみ)さんも見事。
長男の医者、丹羽貞仁氏がまた絶品。結局誰も何も悪くないことを的確に表現。誰も何も悪くない世界で感じるこの痛みの元は何なんだ?

一番、『東京物語』で好きな台詞は「じゃ、しなくたっていいんだね、勉強しなくたっていいんだね。あ〜楽チンだ、あ〜呑気だね。」だったので子役二人の演技には大満足。山田洋次は分かってる。どうでもいいような子役の立ち居振る舞いこそが心臓部だってことを。
赤星東吾君、平山正剛君にリスペクト。

水谷八重子さんが瀬戸摩純さんの狭いアパートに泊めて貰って帰って来る。「東京に来て一番楽しかったわ。」と皆に笑顔で語る。このシーンは必見。受ける共演者も涙ぐむ程の名演。これこそ今作の肝。
田口守氏は笠智衆よりも志村喬っぽい味付け。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

『東京物語』はいろんな特集上映や名画座のオールナイトに組み込まれる為、観たくもないのに散々観てきた。『丹下左膳余話 百萬両の壺』、『鴛鴦歌合戦』、『柳生武芸帳』(第一部だけ)、この辺は始まるともう憎しみすら覚えた。(共感してくれる人もいる筈)。『激殺! 邪道拳』とか『恐怖奇形人間』とか何周も廻って好きになったり嫌いになったり。

ラストはやはり山田洋次のサービス精神。そこが小津との境目。小津作品の場合は何もかも失くなっていく、消え去って行く様を当たり前のように描く。山田洋次はそれじゃ物足りない。「今が一番幸せだよ。」と言わせる。評論家受けは悪いだろうが、山田洋次ファンとしては納得。褒められる為に作品を創っている訳じゃないんだ。
欲を言えばもう一度、『男はつらいよ』を作って貰いたい。令和の今に全く通用しないのかも知れないが、山田洋次の笑いのセンスをぶつけて欲しい。今の時代に“寅さん”は輝けるのか?
散々な天災や事故、周囲に降り注ぐ不意の死の訪れ。自分の無力さに誰もが打ちのめされる今こそ。

ただ生きる 生きてやる
地上で眠り目を覚ます
エイトビート エイトビート
エイトビート エイトビート

ただ生きる 生きてやる
呼吸をとめてなるものか
エイトビート エイトビート
エイトビート エイトビート

ザ・クロマニヨンズ 『エイトビート』
ある都市の死

ある都市の死

アミューズ

草月ホール(東京都)

2023/12/06 (水) ~ 2023/12/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ダンスに魅了され、物語に引き込まれ、ピアノの音の感情が耳に残る舞台。

ジャンヌ・ダルク

ジャンヌ・ダルク

キョードー東京/TBS/イープラス

東京建物 Brillia HALL(東京都)

2023/11/28 (火) ~ 2023/12/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

何もセットのない場所で、戦士の戦いが迫力ある舞台。

OUT OF ORDER

OUT OF ORDER

シーエイティプロデュース

世田谷パブリックシアター(東京都)

2023/12/07 (木) ~ 2023/12/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

中村倫也のコメディー作を観るのは初めてであり、間の取り方驚き方など会場から笑いが飛び交っていた。

PARADURE -パラデュール-

PARADURE -パラデュール-

壱劇屋

すみだパークシアター倉(東京都)

2023/04/22 (土) ~ 2023/04/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最高大好き!3回観た!

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