Port -見えない町の話をしよう-
早坂彩 トレモロ
ウイングフィールド(大阪府)
2024/06/21 (金) ~ 2024/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★
二面舞台 四章構成で、過去リーディング作品を舞台化 一章は星(希望?)🌟 阪神大震災で停電になった町でみた星空 二章は港と喫茶店の閉店(死?) 三章は時代が変わり戦前の恋😌🌸💕(生まれ?) 四章は箱(コンテナ ベクトル❔)それらのまとめ とても心地好かった 久野さんの階は何度か拝見していますが、難解 今回はスーッと入ってきた感じ
アトラスの姫
ロマングラス
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2024/06/20 (木) ~ 2024/06/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
とある国で一族のはみ出し者と噂されている絵描きのフデが国からとんでもない依頼を受ける。それは国の地図をつくること。フデと仲間たちは"三角の力"を寄せ合って、それを実現しようとするのだが...。
地図と噂を巡る物語の行方は?
稽古見学させてもらって「御伽話のようで、とても今だ」と思ったけど、全貌見届けて、ますますそう思った。
シスターフッド、家父長制、SNSを巡る匿名性、それを使っていとも簡単に噂を流したり、火をくべたり、犬笛が吹けるということ。全てが全て意図的に直接的に描かれたものではないにせよ、そう感じるに十分の現代との接着面があった。「物語」に実直に向き合い、その力を信じ抜いた作品でもあった。それでいて地図を作る時のように、演劇を、観客を鳥瞰する様演出、語る俳優と語られる観客の関係を用いて、誰しもが噂の発信と受信の当事者になりうることを伝えていくようでもあった。
以下ネタバレboxへ
地の面
JACROW
新宿シアタートップス(東京都)
2024/06/14 (金) ~ 2024/06/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
大企業が地面師グループに50億強騙し取られた実際の事件に着想を得た演劇。
こういう派手な事件を題材にする時は犯人、つまり詐欺師を主人公にそのトリックを持て囃しがちなのだけど、そうはせず被害を受けた会社に焦点を当て、さらにその被害の裏に存在し得る組織の権力構造や内部抗争を物語の核心に据えている点が興味深かった。
もうね、サラリーマン版アウトレイジじゃないですけど、私に言わせりゃ全員悪人ですよ。俳優さんらが達者だからいっそうにアウトレイジ(笑)。戦いはいつも男が始める、なんてよく言うけど、その始まりの始まりは椅子取りゲームなのだと思ったり。誰かよりも少しでもいい椅子に座りたい人々が権力勾配を狡猾に利用し、騙したり騙されたりして、つまり詐欺の裏にいくつもの詐欺がある。
登場人物は幹部クラスの男性のみでそこに女性がまるで出てこない、出てきても会話の「かみさんはさ〜」くらいなところがまためちゃくちゃ風刺がきいていて。
きっと組織でたんまり溜め込んだストレスを家庭でぶちまけても、"男同士の秘密"は決して打ち明けず、女性の人生にも関わる大事なことは何も知らせることなく過ごしてんだなーという感触も含めて、悪しき男社会をリアルに描いていると感じました。土地のことを「女」とか言っちゃうし。
でも、救いようのないところがよかった。
「これが男の生き様だぜ⭐︎」みたいな美化や心酔は全くなくて、愚者として貫かれている。
そこに作家のスタンスを見た気がしました。
それでも、私はやっぱりこうも思わずにはいられない。
あの中に一人でも女性がいたら、幹部の人選に女性が一人でも抜擢されていたら、あの詐欺はもしかしたら防げていたんじゃないか、と。
流石の俳優陣かっこいいなあ〜と思って見つめてた冒頭のダンスシーン、観終わる頃にはすっかりと印象が変わっていた。地位や名声に踊らされている人たち、その滑稽さ。そして、俳優の力。最初と最後も同じシーンなのに景色が反転する。地の正体を巡り、14人の男の"地の面"が暴かれるまで。サスペンフルな作劇の魅力もありました。
映画『走れない人の走り方』ではあんなに柔和な父だった谷仲恵輔さん、見る影なかった...(賞賛の意です!)
地の面
JACROW
新宿シアタートップス(東京都)
2024/06/14 (金) ~ 2024/06/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/21 (金) 14:00
テンポよくストーリーが進み気持ち良かった。
会社組織の描き方も面白かった。
雨とベンツと国道と私
モダンスイマーズ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2024/06/08 (土) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/21 (金) 19:00
とても心揺さぶられる芝居だった。
ラストの感じは好みであったが、内容が内容だけに観る人によっては苦痛を感じるかもしれない。
地の面
JACROW
新宿シアタートップス(東京都)
2024/06/14 (金) ~ 2024/06/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
詐欺師側の登場人物がなく、椅子にスポットライトを当てて「ここに詐欺師が座っている姿を想像して下さい」という演出がなかなか面白い。あくまで視点は詐欺という犯罪ではなく人間組織の暴走に向いているのが明確になった。
Starting Over
“STRAYDOG”
サンモールスタジオ(東京都)
2024/06/19 (水) ~ 2024/06/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/06/21 (金) 16:00
「これまでの交友関係を捨てたら、再出発できない。」これが率直な感想です。そう思ったら、考えさせられる内容でした。
雨とベンツと国道と私
モダンスイマーズ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2024/06/08 (土) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
地の面
JACROW
新宿シアタートップス(東京都)
2024/06/14 (金) ~ 2024/06/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
誰もケチをつけられない位に面白い。悔しい程の傑作。
2017年6月に起きた『積水ハウス地面師詐欺事件』を舞台化。55億5900万円を騙し取り、史上最大の地面師事件と呼ばれたもの。その後10人逮捕、主犯格は懲役11年の判決。
タランティーノ&ロバート・ロドリゲス作品っぽいスタイリッシュなノリ。井上ひさしの『日本人のへそ』オマージュ的なギャグもあり、作家も劇団も絶好調。実話故にか余りにも面白い脚本。マーティン・スコセッシ風味で映画化して欲しい。日本で作ると伊丹十三系か高田宏治脚本の東映系になりそうだが。
9人の俳優陣が軽快なステップを踏んでノリノリにツイストを踊る。「自信を持て!自信がないと踊れないぞ!」椅子取りゲームのようなオープニング。
主人公・小平伸一郎氏の鳥好きの設定がまた効いている。『君たちはどう生きるか』の青サギオマージュ。山崎の25年物とか台詞の発想、展開が巧妙。犯人グループは登場させず、いる体で応対するのみ。積水ハウスの人間関係に狙い定めた焦点がズバリ当たった。要点を絞ったタイトな脚本と踊り明かす余白のある演出。実録モノの御手本とはこういう作品のことだ。悩める脚本家監督連中は教えを請いに今作を詣でるべき。好き放題やってやがる。それでいてこのクオリティー。
役者は全員本物。後に伝説になるのではないか?
ゴルフシミュレーターに夢中な会長役・佃典彦氏は宝田明っぽい軽妙なソロ・ダンサー。
取締役入りを狙う星野卓誠(たかのぶ)氏は中村勘九郎、東野幸治系の顔立ち。
MVPは社長役の谷仲(やなか)恵輔氏。前作の中曽根康弘役のインパクトが強過ぎるが、萩原流行風味の怪演。ノリノリのステップに四股を踏む。あとは運さえあればメチャクチャ売れること請け合いの実力。
テーマは『組織と自分』。結局、肝心なのは自分は何を大事に思って生きていくのか?ということ。中島みゆきも歌っている。「お前が消えて喜ぶ者にお前のオールを任せるな!」
裏切られたと泣きべそかく前に気付け。裏切られても許せる人間にしか付いて行くな。ただそれだけの話だ。
本物を観たければ見逃すな。
白き山
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2024/06/06 (木) ~ 2024/06/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
素晴らしい舞台だった。戦争と作家という骨太のテーマを貫きつつ、日常は苦労と失敗の積み重ねで、笑いが絶えない。楽しい時間を過ごしつつ、深く考えさせる。劇団チョコレートケーキで初めて笑った気がする。井上ひさし・永井愛の境地に、さらに大きく近づいたと思った。ただ、笑いの起きたところを台本(『悲劇喜劇』7月号所収)でみると、淡々と書いてあるだけで、演出と俳優が、隠れた笑いのネタを生かしていることがうかがえる。
そういう点では、作・演出・俳優の共同作業で生まれた奇跡のような舞台だった。俳優陣では斎藤茂吉を演じた緒方晋が出色。言葉数は少ないしぶっきらぼうだが、ぐっと抑えたマグマを内に持っている感じが、本当に茂吉に見えた。素晴らしい
雨とベンツと国道と私
モダンスイマーズ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2024/06/08 (土) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
相変わらず、蓬莱隆太らしい、心がひりひりさせられる芝居だった。パワハラで人を傷つけた人間は、もう社会的に許されないのか。パワハラは見ていて痛ましいが、「仲良しごっこでいい映画は作れないんだ」という監督のセリフにもウソがないだけに、考えさせられる。作者は「許すべきではないか」と考えているようだ。それがパワハラ容認ととられる危険性もある。難しいところだ。
さえないメガネ女性五味栞を演じる山中志歩の、根暗で引っ込み思案で面倒臭そうな人間の姿が見事だった。セリフ量も膨大。全体の半分くらいあるんじゃないか。彼女のおかげで成功した舞台である。
ゴースト&レディ
劇団四季
JR東日本四季劇場[秋](東京都)
2024/05/06 (月) ~ 2024/11/11 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
舞台美術と、細かいマジカルな演出がまずすばらしい。マジカルというのは、寝床の死んだ人が魂(俳優)がぬけたあとも、死体(別の俳優がせりあがる?)は残っているとか、ゴーストとライバルが煙の中に入っていった後、煙が薄れると、そこには誰もいないとか。ちょっとした工夫とこだわりだが、見ていて驚きがある。
ナイチンゲールがただものではないことがよく分かった。女性は邪魔だ、という男社会に切り込んだジャンヌ・ダルクである。(ゴーストも「また神の声か。神が語り掛けるのは女ばかりだ」とぼやく)。看護師たちを募って、支援物資も集める社会起業家であり、非衛生状況を放置・隠ぺいする軍医の責任者と闘う改革者であり、本国の有力者に手紙を出しまくって、政治を動かす政治家でもある。そして、現場を回って負傷者に希望をあたえる「ランプの貴婦人」。小学生向けの偉人伝の中の人と思っていたら、とんでもない。「世界を変えた100人」の一人に選ばれる傑物だ。
派手さはないが、音楽もダンスも楽しめた。
白き山
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2024/06/06 (木) ~ 2024/06/16 (日)公演終了
水彩画
劇団普通
すみだパークギャラリーささや(東京都)
2024/06/17 (月) ~ 2024/06/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
会場は「すみだパークギャラリーささや」。隣のカフェは入ったことあるけれど、個人的にギャラリーは初。地続きの空間のため、カフェ同様もの静かで落ち着いた雰囲気があります。物語の設定も「洗練されたカフェ」でした。絵画の個展を見に行った帰りにカフェに寄った老夫婦とその娘夫婦。近くの席には4人と面識のない若いカップル。2つのテーブルの会話は基本的に交わることなく、それぞれ別の話題が進行する。とても静かな会話劇で全編茨城弁。この団体の特徴をしっかり反映した一作でした。
虹のかけら ~もうひとりのジュディ
(株)ルックアップ
春日井市民会館(愛知県)
2024/06/14 (金) ~ 2024/06/14 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
戸田恵子さんの演技力と三谷さんの演出。上演中は物語に引き込まれます。
そして、まさかの展開。感動と驚きが満載です。
まさに、もう一人のジュディの物語。
ゴースト&レディ
劇団四季
JR東日本四季劇場[秋](東京都)
2024/05/06 (月) ~ 2024/11/11 (月)公演終了
蘇る魚たち
モトキカク
王子小劇場(東京都)
2024/06/20 (木) ~ 2024/06/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/20 (木) 19:30
初見のユニット。男性性被害が題材のタイトな作品。いい芝居だった。(前説と客入れで5分押し)101分。
大阪のユニットらしい。2021年に他団体で上演された作品を2022年に上演したものの再演。ジャニーズ問題が出て来る前に書かれた作品で、複雑な家族関係を持つ義理の兄弟3人の会話劇。父親は高名な教育学者だが性加害者で、3人とも性被害を受けていたということで、年長の兄がライターになってその加害を告発しようとするが、…の物語。性被害を受けた者が持つさまざまな感情を描いて、痛々しいセリフが続く。緊張して観てしまった。金魚のメタファーはあまりフィットしているようには思わなかった。
3人のそれぞれをダブルキャストにして、さまざまな組合せで上演する面白い形。私が観た回は竹下健人・楠木健吾・山澤誠。
ラフカットFINAL
プラチナ・ペーパーズ
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2024/06/12 (水) ~ 2024/06/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/13 (木) 19:00
【Bプロ】
今年で最後ゆえの堤作品セレクション別プログラム。こちらもすべて初演を観ており、「776」などダブルキャストの再演も観て通算4度目だったりして懐かしいったらありゃあしない。
で、「第二の心臓」はAプロの「幕張の女」と通ずるモノがあり、堤さんってばこういうの、好きなの?とか。(笑)
また、ABとも4話目が演劇……ってか小劇場ネタなのも何だかジンと来る。
そして8作品すべて「いかにもラフカット」と感じたのは刷り込みによるものか?
今回の8作品に限らず様々な作家が書き下ろした作品群も今後上演の機会があるとイイなぁと痛感。
おちょこの傘持つメリー・ポピンズ
新宿梁山泊
新宿花園神社境内特設紫テント(東京都)
2024/06/15 (土) ~ 2024/06/25 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
流石、中村勘九郎さんの演技は、表情や身振りでも一級品でした。
豊悦や寺島しのぶさんもほとんど出っぱなしの熱演、しかも野外なので
汗だくでした。凄く体力使ったんじゃーないでしょうか。
豪華出演者に加えて、観客も凄かった。
自分の回は堺雅人、ラサール石井、彦摩呂、柴田理恵、石井愃一がいた。
客席小さいし、途中15分の休憩もあるので、周りの状況を確認出来ます。
初回は松潤、他の回では奥田英二、クドカン、常盤貴子が観客にいたようです。
お手洗いは花園神社のものだけなので、開園前に寺島しのぶさんと
すれ違いましたよ。
有頂天
中央大学第二演劇研究会
シアターブラッツ(東京都)
2024/06/13 (木) ~ 2024/06/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
若さがよく出ていたかなぁと感想
声は大きめで学生さんらしかったが
強弱もできてて見易さは感じられた
話は写真家二人を交えた
群像劇風にまとめられていたが
いまひとつ説得力とリアルさが欠けていたかなぁと
思えた約100分の話
土足厳禁とは近年珍しいとも~♪