『D地区 × カムパネルラ』
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2024/04/02 (火) ~ 2024/04/02 (火)公演終了
内側の時間
劇団野らぼう
調布市せんがわ劇場(東京都)
2024/05/31 (金) ~ 2024/06/01 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
野外と見せかけ実はせんがわ劇場!?と驚くほどの世界観の構築にまずびっくり。テントのみならず太陽光で蓄えた電力も持ち込んでの地産都消のゼロカーボン演劇、素晴らしい試みでした。地球のエネルギーも人間のエネルギー同様に有限。この世界と、今という時間と手をしっかり繋ぎながら描かれていく叙情詩/叙景詩の連作たち。キャストから技術スタッフさんへの「(残りの電力は)あと何%?」という問いかけすら演劇の"内側"に繋がる輝きが眩しくて、尊くて。開けた窓から入る風と光で煌めきながらパラパラと詩集がめくれてくような時間でした。この演劇ばかりは語れば語るほど、本当に語りたいことが指の隙間からすり抜けていくものがある感覚になります。それは多分目に見えぬ、心に直接触れるエナジー。胸がいっぱいの観劇でした。次も必ず観たい!
『阿房列車』『思い出せない夢のいくつか』
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2024/05/08 (水) ~ 2024/05/15 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
『思い出せない夢のいくつか』は列車内を舞台にした3人芝居である。
歌手の由子(兵藤公美)とその芸能人生の苦楽を共にしてきた長年のマネージャー安井(大竹直)、由子の付き人である貴和子(南風盛もえ)が地方巡業へと向かうため列車に乗っている。
3人は過去の世間話や窓の外の景色、そして空の星座についてのとりとめのないおしゃべりを続ける。一見なんてことのない、こちらもまた静かな会話劇だけど、さりげない一言一言がそれこそ星と星のようにつながり、3人の間に生じている穏やかではない起伏をそっと確かに握らせていく。
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S高原から
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2024/04/05 (金) ~ 2024/04/22 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
病を抱え、療養を要する人たちが暮らす高原のサナトリウムを舞台に、そこで生活をする人や働く人、入れ替わり立ち替わり面会に訪れる人たちの交流が会話を通じて描かれていく。
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1123GO8
!ll nut up fam
萬劇場(東京都)
2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
人間の死生観を管理するという何とも目新しい世界
天使と悪魔、それぞれのコミュニティーが存在するも、天使側の政治の方がぐらついており悪魔よりダークな匂いがするという意外な展開
唯一の人間となる主人公には華やかさとリーダー性があるので、入り込んでしまったこのヘンテコな世界をガンガン引っ掻き回して欲しかったもけれど、最初は宙ぶらりんな状態であったのがちょっと勿体無かったかなぁと(重要な立ち位置ではある)
バナナマンを彷彿させる天使&童顔の天使の二人組が筆頭になって笑いを誘発
ケレン味たっぷりの見せ場が随所に用意されてバラエティーに富んだ舞台
導かれた結末で作品の主張部分に共感できたけれど、もう一段深みが加わればもっと良かった
地の塩、海の根
燐光群
ザ・スズナリ(東京都)
2024/06/21 (金) ~ 2024/07/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/29 (土) 14:00
ウクライナを歴史的、地政学的、文学的に彩った壮大なる叙事詩のような作品。スズナリという狭い客席でこの難解な戯曲と向き合うのは体力勝負的なところはある。休憩なしで2時間半を超す長さだが、よくこれだけの長さに収めたと思う。
西側の報道だけに日ごろ接していると、ロシアがウクライナの大地を一方的に蹂躙しているのが今回の戦争だ。それはそれで事実なのだが、オスマン帝国の時代から見ただけでも、この地が歴史に翻弄されてきていることが分かる。この土地に生きる人たちのありようをわかりやすく伝えるために、京都大学の講堂の来し方やそこで行われた演劇やから説き起こしたり、物議を醸した通販生活の表紙を寸劇にしたり。なるほどこの戦争を形作っているのはそういうものたちがあるのかと分かる。だが、やはり、ある程度知識を仕入れてから見た方が難解さは薄まるであろう。こうした作品を作れるのはやはり燐光群、坂手洋二のなせる業だとは思う。
戦争は国と国、民族と民族、宗教と宗教の争いであり、先に蹂躙を仕掛けた方が責任を取るべきであるという一般論を超えたエンディングが用意されている。理想論と言われるかもしれないが、やはり人間たちはもうそろそろ、ここで描かれている「海の根」に希望を託すべきではないのか。こんな思いをしっかりと抱きとめたいと思う。
2024ゴースト
ミュージカル座
あうるすぽっと(東京都)
2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
最初から最後まで、パワフルな歌とダンスに圧倒され、とても楽しい時間を過ごせました。観終わった後は心が温かくなる素敵な作品でした。
デカローグ7~10
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2024/06/22 (土) ~ 2024/07/15 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/06/29 (土) 13:00
E(9・10)を観た。最後に観る方がいいとは思ったし、Aとは大分雰囲気が違う。57分(20分休み)54分。
9「ある孤独に関する物語」性的不能と診断された医師の夫が、妻と離婚を話し合うが、実は妻は若い大学生と不倫をしていて…、の物語。不能が分かったことで、妻の態度が変わるあたりが面白く、展開はドキドキするものになり、エンディングが見事だと思う。元が映画だと思うと、エンディングの演出は当然なのだけれど、感動する。
10「ある希望に関する物語」父の死で疎遠になっていたサラリーマンの兄とパンクバンドのヴォーカルの弟が父のマンションに行くと、そこには莫大な価値を持つ切手のコレクションがあり…、の物語。父と疎遠だったがゆえに、残された切手コレクションの価値が分からない、というのもありそうだし、切手コレクターたちの挙動も良く分かる、と思ってみていた。最後は一応ホッとするエンディングで良かったなと思う。
都合で、Dより先にEを観ることになったが、Eが最後を意識した作品になっていて、Dを先に観たかったなとは思った。
トリビュート1/3
劇団太陽族
ウイングフィールド(大阪府)
2024/06/27 (木) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
いろいろと問いかけられているような気がした。
人類このままでええんか?明日は真っ白かも知れへんでと!
お芝居観られてありがとう
まぬけなリュウの話
ISSO演劇PROJECT
あとりえミノムシ(京都府)
2024/06/29 (土) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
初演拝見
題目とのミスマッチは感じながらも(まぬけではないような…)、内容はとても良かった‼️
人間の身勝手さを分からせてくれます‼️童話も読んでみたくなりました‼️
イイムロナオキさんの実家ということも驚き👀‼️
迷子
WItching Banquet
Half Moon Hall(東京都)
2024/06/27 (木) ~ 2024/07/03 (水)公演終了
「囚・囚・囚!(トラ・トラ・トラ!)」
Oi-SCALE
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2024/06/10 (月) ~ 2024/06/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/06/16 (日) 16:00
【SIDE B】
4作品すべて脚本担当が異なった SIDE A に対してこちらは(原作ものはあれ)すべて灰二さんの脚本なので(照明による印象もあるが)劇中設定とは別に(普段の「真冬の」とは違えど)「夜」のイメージで統一された印象
そして「囚」感が薄いものもありつつ4編目「固執」はまさしく「囚」(笑)だし「そっちの「こしつ」かい!」なところ(とメタな部分)に頬が弛む。ダークな部分もある全8編の締め括りがこれなのは巧いなぁ。
ファジー「theirs」
TeXi’s
アトリエ春風舎(東京都)
2024/06/09 (日) ~ 2024/06/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
「加害性」について考える1年間のプロジェクト/三部作の一作目。今作では「男性が背負っている加害性を表面化し、その先にある人間として誰もが持ち得る普遍的な加害性を描」くとのことだったが、作品が特に焦点をあてていたのは「家」の制度や家父長制だったように思う。上演において複数の異なるレイヤー(多くの場合、大人/子供/現実の三つのレイヤー)が重なり合うTeXi'sのスタイルを巧みに使い、俳優の身体に異なる方向を向いた複数のベクトルを宿らせることで「家」をめぐるアンビバレンツや男性が抱く屈折した感情を身体化してみせることに成功していた。三部作の一作目ということもあってかテーマを示すにとどまってしまった感はあり、ここからプロジェクトがどう展開していくのか見守りたい。攻撃的・暴力的言動が続くので見ていてしんどい時間が長く、TeXi'sに限らずこのようなテーマを扱う際にそれをどう処理すべきかというのは考えるべき点なように思う。上演自体が撃つべき暴力の反復になりがちなので。
迷子
WItching Banquet
Half Moon Hall(東京都)
2024/06/27 (木) ~ 2024/07/03 (水)公演終了
2024ゴースト
ミュージカル座
あうるすぽっと(東京都)
2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
二十一時、宝来館
On7
オメガ東京(東京都)
2024/06/26 (水) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
●チームを観劇しました。
女性の心の奥底が垣間見えて、こういう人いるよな、いたよなと思いながら観ました。
とてもリアル感がありました。
約55分の舞台でしたが、面白くてあっという間で、欲を言えば、もっと観ていたかったです。
役者さん達の演技も良く、魅力的な役者さんだと思いました。
楽しい時間を過ごせました。
火の方舟
名取事務所
小劇場B1(東京都)
2024/06/14 (金) ~ 2024/06/23 (日)公演終了
実演鑑賞
堀江安夫戯曲は以前一度拝見した程度でほぼ未知数だったが結局観た。完成度云々で語れない迫力がある。原発擁護論を一身に担う父役と反対論の二人(新人新聞記者の娘とその伯父=父の兄)が拮抗し、父が養子入りする格好になった妻と兄弟の過去そして反原発運動を担った妻の亡父の存在も絡んで語りに語られる。奇しくも2011年3月10日、たまたま沖縄から所用で出てきた兄との何十年ぶりの再会を機に、原発の是非からジャーナリズム、人生を語り尽くす一夜の劇だ。
演出桐山知也の名を突如?頻繁に見るようになったが、数年前にも観ていた。所属はなく実力で伸して来た新鋭のよう。
『リベルテ Vol.27』
END es PRODUCE
本所松坂亭(東京都)
2024/05/24 (金) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
還暦にピアス
こはるともえ
アトリエ春風舎(東京都)
2024/06/28 (金) ~ 2024/06/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
30歳のカホがマッチングアプリで知り合ったマコは「手当てで生理痛を和らげることができる」と言う。その正体は実は300歳の魔女で、二人はいっしょに暮らすことになるのだが...。
奇しくも誕生日翌日に、PMSと肌荒れを引っ提げた心と体でこの演劇に辿り着けたこと。
祝福だったし、まさしく手当てだった。
30歳の女性の言葉も、300歳の魔女の言葉もいずれも私の内側にあるものを吸収していったし、浸透もしていった。300年一緒に過ごしたい大切な友人たちにすっごく観てほしいし、300年経っても分かり合えないと思っている男性の知人にも観てほしいと思った。理由はまだ説明できないけれど。
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更地
ルサンチカ
戸山公園(東京都)
2024/03/22 (金) ~ 2024/03/25 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
『更地』は太田省吾作品の中でも人気が高く、これまでも複数の演出家が取り上げている。元々太田自身による上演が話題となった作品に挑戦する精神はそれだけで評価に値するが、ルサンチカの本公演はテキストへの誠実さが窺え、名作の新演出という点について考えさせられる作品となっていた。