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ホワイトデーはブラックでぇい⁉︎

ホワイトデーはブラックでぇい⁉︎

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2024/02/14 (水) ~ 2024/04/03 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

今回も笑いあり心揺さぶられる場面アリで面白かったです。いろいろ要素が詰め込まれていたけど、上手くすっきり見せてくれたと思います。これからもいろんなジャンルのお芝居をこのテイストで見せてくれることを期待です。楽しい時間ありがとうございました。

イノセント・ピープル

イノセント・ピープル

CoRich舞台芸術!プロデュース

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2024/03/16 (土) ~ 2024/03/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

原爆は作ってはいけなかったのか?

助演を競い合うコンテストのような豪華な顔ぶれ。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

主演の山口馬木也氏は庵野秀明みたいでカッコイイ。
日本人を表情のない白いお面(カオナシ)にしたのは巧い。英語を話せる、もしくは意思表示をした事でアメリカ人からお面を外した人間として見える演出。
水野小論(ころん)さん、堤千穂さん、安川摩吏紗(まりさ)さんは助演女優賞を争う名演。役が効いている。
内田健介氏が前半結構台詞をトチったのでこっちも冷や冷やした。
三原一太(いちた)氏は重要な掻き混ぜ役。
花岡すみれさんは綺麗だった。

何かノレなかった。何なのか?ずっと考えている。ホンも演出も悪くはない。だがそんなに良いとも思えない、まあそうなるだろうな、という脚本。時間をシャッフルする意味を余り感じない。原爆実験の成功に最高にハッピーな開発者達と、それが引き起こした結果に生涯苛まれる人々との姿、そのタイミングを合わせるべきだったかも。「皆不幸になってしまったので許して下さい。」か・・・。

演出は恐ろしかった。被爆地を思わせる美術、汚れまくったテーブルクロス、黒い灰に侵されたグラス、瓶の中の灰砂、溶けて歪んだガラス、手榴弾。原爆を落とした奴等がその後ずっと被爆地で生活しているようなニュアンス。邪悪な目線に深い狙いを感じた。(無意識の罪悪感の表現?)時々、回想する主人公の脳裏に映るハッとした顔の少女。真白な服を着ている。この娘が“原爆”の象徴なんだろうな、と勝手に思っていた。だがラストで現れる初めて逢う孫が彼女。妊娠している。その腹に手を伸ばす主人公、暗転、ガチャリと異音。原爆を作った手と産まれてくる自分の末裔を撫でる手は同じもの、といったニュアンス。

この演出と脚本がどうも噛み合っていないのかも知れない。前半は自分達の成し遂げた事に誇りを持って人生を謳歌する連中の明るい話にした方がいい。(多分、彼等はアメリカという国家を象徴、擬人化している)。だが時が経ち、娘は被爆者と結婚、息子はベトナム戦争で下半身不随。どんどん暗い情勢になり、911にイラク戦争、ネイティヴ・アメリカン問題、輝かしい歴史が泥塗られ否定されていく。誇り高き世界の王様だったアメリカが病み老い衰えていく。ラスト、目を背け続けてきた広島で自分達が殺そうとした連中と会う。そこにいたのは自分(アメリカ)と被爆者(日本)の子孫。その先に何があるのか?そっと手を伸ばす。
いい旅、現実気分。

いい旅、現実気分。

人間嫌い

小劇場 楽園(東京都)

2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったです!
様々な女性のリアルな姿が繊細に描かれていて、共感する部分が多々ありました。
そして、女性ならではの「あるある」も沢山ありました。
役者さん達は、それぞれのキャラクターを好演し、とても役柄に合っていました。
疲れている人達に、癒しや優しさを与えてくれる素敵な舞台でした。

純白観想文

純白観想文

劇団演奏舞台

演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)

2024/03/16 (土) ~ 2024/03/16 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。
物語は、あらすじにある通り 東京郊外。春に、孫の読書感想文を一生懸命 手伝っている元高校教師・源三。彼を訪ねてきたのは かつての教え子 斉藤潤二。前半はシュールで軽やかなコメディタッチ、しかし或る出来事を境にシリアスな展開へ。内容や展開などは分かり易いと思っていたが、ラストの暗転後のシーンが何を意味するのか手強い。その捉え方によって、物語に描かれている内容がまったく違ってしまう と思えるからだ。

劇団演奏舞台の公演は何度か観ているが、いずれも演奏ブースは下手にあり目立たないような配置になっていた。が、今公演は中央真後ろに楽器が置かれていた。この公演は今月、中板橋の新生館スタジオでも上演する予定になっており、演奏ブースはどうするのか気になっていたが、なんとなく想像がついた。演奏舞台の特色は、バンドによる生演奏と俳優陣のエキサイティングなアンサンブルだけに、演奏ブースは気になるところ。

本公演は、役者であり奏者の池田純美さんが2度目の演出に挑んでおり、演奏配置と回転模様のような照明が印象的だった。少しネタバレするが、エコーを利かせた台詞も心情面を強調しているかのようだ。結論の捉え方を別にすれば、全体的に分かり易い作風、音楽<『Faraway』(opening)・『霞 草』(ending)>も印象的で良かった。

説明では、「『家族』という小さなコミュニティの中で、わずかな綻びから生じてしまった悲劇を描いたヒューマンドラマ」とあるが、家族という身近な存在・関係だからこそ逃れようのない怖さ。文庫本「羅生門」と散乱した肌着は、この物語を象徴する小道具で、タイトルの所以でもあるような。この濃密な会話劇、生きるためならという理性と本能の鬩ぎあいが 狂おしいほどに伝わる。
(上演時間1時間)

ネタバレBOX

舞台美術は、奥に演奏スペース。部屋中央の座卓の上には、孫の橋爪武彦が小学校5年生の時に書いた「『羅生門』を読んで」と書かれた原稿用紙(読書感想文)と文庫本「羅生門」、そして散乱する肌着。

一人黙々と感想文に向き合う元高校教師で芥川賞作家である源三、そこへ元教え子がやってきて他愛のない会話が続く。そして孫が8年前に亡くなり、その顛末が語られるところから人の心ーその深淵を覗き込むような展開へ。娘 沙織は夫 肇からDVを受けており、生活費に事欠いていた。父の源三に金を借りようとするが 断られる。武彦は白いブリーフが黄ばみ学校では苛められていた。或る日 万引きをして、悪いことと知りながら、生きるためと自分自身に言い訳をした。そして…。一方 沙織は肇を刺し罪に服す。

源三は娘 沙織や孫 武彦を見ているようで観ていなかった。その悔悟のような気持が終わりのない読書感想文の執筆。人を観察し見極めることの難しさ、理性と本能ー生きることとはを問う「羅生門」のテーマと重なるよう。書き終わることがない、そして読まれることのない読書感想文こそが、源三の贖罪。前半に語られる 源三と潤二の止め処も無く漂流するような会話は、人にとっての最後の衣装がパンツなら、源三の最後の砦(生きる より所)は感想文だと、そんな落ち着き方だ。

暗転後のラストシーンが手強いと思った。明転して、沙織が潤二に父 源三の様子を尋ねるシーンへ。それは、単純に考えれば 行方不明になった娘 沙織が潤二と再婚し、父の様子を聞くといったもの。もう一つは、この物語全体が源三の妄想、呆けてきた老人の戯言(回想)を娘が心配したもの、といった捉え方も出来る。そう考えれば、平凡な家族に襲い掛かった現代(普遍)的なテーマが浮かび上がるような気がするのだが…。
次回公演も楽しみにしております。
カタブイ、1995

カタブイ、1995

名取事務所

小劇場B1(東京都)

2024/03/15 (金) ~ 2024/03/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

中2の少女役の宮城はるのさんが超可愛かった。19歳。歌と三線も一流。沖縄アクターズスクールか?と思ったがこれが初舞台とのこと。凄いな。彼女を見る為だけでも今作に価値はある。キム・テリのデビュー当時みたいな自然な華。ACO(芸術共同体組織)沖縄は何かずっと観たかった劇団で、期待しただけはあった。本物の作品、凄く考えさせられる。

前作『カタブイ、1972』を観ていないので作家の構想を完全に理解しているとは思わないが、今作だけでも凄まじい重量。沖縄問題は素人が簡単に口を出すのは失礼にあたるとの不安感で皆少し距離を置いている議題、下手に口を挟めないジャンル。それは“差別”についての言説に近い。当事者じゃないから関わりたくない、的な。

今作の舞台は1995年、日本にとって激動の年。
55年体制(1955年に成立した自民党と野党との2:1のバランス)が1993年に崩壊。非自民8党の連立政権が誕生、日本新党代表・細川護熙が総理に。その後新生党代表・羽田孜を経て1994年6月に自社さ連立政権として社会党代表・村山富市が総理の座に座った。
1995年1月17日、阪神・淡路大震災が発生。
3月20日、オウム真理教による地下鉄サリン事件が発生。
世紀末的な退廃厭世刹那的な思潮が蔓延し、後に伝説となる『新世紀エヴァンゲリオン』が放送される。

反戦地主=沖縄県内の米軍基地内に土地を持つ地主の中で、1972年の日本復帰の際、「自分の土地は軍事基地としては使わせない」と政府との契約を拒否した地主のこと。

反戦地主の夫が亡くなり、残された妻の新井純さんは娘(馬渡亜樹さん)と孫娘(宮城はるのさん)とサトウキビ畑を耕して暮らしていた。体制側に寝返った花城清長氏や沖縄防衛局の稀乃(きの)さんは軍用地の契約のお願いに再三やって来る。そんな中、23年前に馬渡亜樹さんの恋人であり、沖縄闘争に身を投じた髙井康行氏が故人の弔いとして突然顔を出す。

「片降い(カタブイ)」とは、沖縄県特有の不安定性降水のことで、片側(局地)だけ集中豪雨が起きている状況。そこ以外は全く平穏で綺麗な晴天だったりする。今作では日本国の中で、沖縄県だけがカタブイに遭っていると糾弾の声を上げている。本土の人間としては所詮『対岸の火事』で、「あら大変ね」と他人事。災害と同じで自分が被害を被らないと人間は動かない。「同じ日本人としてこんな状況を何故許せるのか?」と沖縄人は叫ぶ。原発と同じで、自分の身の回りになければ大して気にならない大多数の日本人。だって自分の暮らしには関係ないから。不公平で明らかに間違っている国策を何とか正していかなければならない。だが一体どうやって?
デモや座り込みに果たして意味があるのか?参加者達のエネルギーを発散させるお祭り、「何かをしている」という自己満足に過ぎないのではないか?「手段」が「目的」化してしまう、例のいつもの奴じゃないのか?結局何の「目的」も果たせないままじゃないか。反体制運動に付き物の徒労感。虚しさ。

稀乃さんは日本国憲法、日米安全保障条約、日米地位協定をすらすらすらすら暗誦してみせる。怖ろしい。
花城清長氏は重要な役。この柱が一本通っているので皆安心して演れる。
安室奈美恵ネタは秀逸。彼女のお蔭でおおよその年代感覚が掴める。
ナークニー(宮古島由来とされる民謡で同じメロディーに思い思いの歌詞を乗せるもの)が効果的に使われる。

素晴らしい作品、こういうものこそ沢山の人に御薦めしたい。 

ネタバレBOX

小学生が米兵3名にレイプされた事件(1995年9月4日)を新聞で知った祖母と母。この時はまだそれは不幸な他人の事件でしかない。そこで娘が自分もつい先日米兵に車で拐われそうになって怪我をしたことを告白する。ここでこれはもう他人の事件ではなくなる。自分が(運の悪い不幸な)他人事にしてきたせいで到頭娘にまで被害は及んだのだ。これは何十年も見て見ぬ振りをし続けた自分達の責任だと受け止める。娘を守らなければいけない。二度と米兵がこのようなことを起こせないように沖縄県民全体の怒りを示さなければならない。それが自分に関わっている切実な問題であることを認めた時から、人は動き出す。動かざるを得ない。宮崎学は大衆を分析して「人が動く時は自分の生活に関わる問題の時だけだ」と断じた。「ただもう一つ、それを超えたある種の思想、宗教、民族の為に人は利害を度外視して死ぬことが出来る」と。

日米地位協定により、米兵の取り調べが拒否されたことに県民の怒りが爆発。10月21日、県民総決起大会に約8万5千人が参加。両政府により日米地位協定の改善が合意された。3人の米兵には実刑が執行。

その後のこと。
在日米軍の軍用地の使用に関し、代理署名を大田昌秀沖縄県知事が拒否。村山総理は職務執行命令訴訟を起こす。最高裁は沖縄県の敗訴を確定。1997年4月、駐留軍用地特措法改正案を成立させ、今後は国の管轄となった。沖縄県民の意思など何の関係もなくなる。

2025年11月に『カタブイ、2025』が紀伊國屋ホールで公演されることが予告されている。宮城はるのさん演じる石嶺智子は44歳になっている!一体どんな物語を導くのか?興味は尽きない。
沖縄ドキュメンタリー映画を背負って立つ三上智恵さんの6年ぶりの新作、「戦雲(いくさふむ)」も公開される。台湾有事を来年に見据え、今受け止めるべき作品だろう。
ホワイトデーはブラックでぇい⁉︎

ホワイトデーはブラックでぇい⁉︎

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2024/02/14 (水) ~ 2024/04/03 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

タイトル「ホワイトデーはブラックでぇい⁉︎」からも分かるが、バレンタインデーのお返しの意味での甘く浮かれた内容ではなく、目標に向かって努力する。その頑張る姿を通して 生きるとは を考えさせる青春(ダンス部)群像劇。見どころの1つは、勿論ダンスシーンであろう。

或る出来事とダンス部内の人間関係を絡ませ、物語を巧みに展開していく。そこには霊能力(またはオカルト)というか、都市伝説・学校の七不思議といった内容を挿入し、或る出来事の真相に迫る。またダンス部内の先輩後輩の上下関係、仲間との友情など 定番とも思える内容を盛り込み、女子高生らしい楽しみ 悩み苦しみといった内面を浮き彫りにする。

ただ部活というだけのダンスではなく、その活動に意味付けをしたい。そんな時 地(方)域大会が開催されることになり、優勝を目指して頑張ることに…。劇中 何度も出てくる言葉、「仲間とは、信じて 待って 許すこと」だと言う。物語の展開はまさしく この通りで、傷つけあいながらも仲間を信じる。が、そう簡単に許すことはできないこともある。その苦悩は、理屈ではなく感情の制御、整理が出来ないところにある。

そのために 人知を超えた<霊能力>という演劇ならではの虚構性を用いる。或る出来事の真相が、彼女たちの過去と現在を明らかにし 抑えようのない感情が溢れ出る。それをどう乗り越え友情を深めることが出来るか。過去は変えられない、現在(現状)を受け入れるしかない、そんな在り来りな言葉が紡がれる。そんな理屈は解っているが、懊悩は深まるばかり。この内面を描いた心情が もう1つの見所。激しいダンスシーンと激情とも思えるシーン、この外面・内面のシーンを上手く盛り込んだ公演。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

素舞台。ダンスシーンを観(魅)せるため 広いスペースを確保している。この劇場は 出入口近くに別スペースがあり、この公演でも学校 購買部や裏井戸など 色々な場所に見立てて活用している。

ヒロインは、7歳年上の姉を不慮の事故(火事)で亡くしていた。実は 姉の事故を不審に思っており何とか真実を突き止めようとしている。その手段が霊能力_学校裏にある古井戸に向かって死者(姉)との交信を祈る。死者から直接真実を聞くといった突拍子もない発想である。オカルト、ミステリー要素を取り入れることによって、物語の展開へ興味を持たせる。

さて ヒロインは、姉が創部したダンス部に所属しているが、無目標であまりやる気がないような。しかし、地方大会へ出場して優勝 という近々の目標を持つことによって意識が変わる。ダンス部のメンバーと練習に励むが、その仲間の1人が姉の死に大きく関わっていることを知り、苦悩する。一方、関わった仲間も絶望し…といった双方の心情を描き、物語へ深みを持たせる。

心に葛藤を抱えながら ダンス大会に向けて練習に励む。個別のダンスシーンや全体練習など、多くの魅せるシーン。総じて若い女性キャストの溌剌とした姿が清々しく描かれた群像劇は、大いに楽しめた。
次回公演も楽しみにしております。
タマリ

タマリ

株式会社グループ風土舎

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2024/03/15 (金) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。
その昔 一世を風靡した芸能人を集め、「あの人は今!?」といったスペシャルバラエティ(TV)番組のタマリが舞台。毎年同じメンバーが集まり、その都度 同じような挨拶を繰り返している。すでに今の現状に甘んじており、ただ昔の栄光を懐かしむだけになった売れない芸能人。年末のテレビ局、1時間後には特番が始まろうとしているが…。

個性豊かな芸能人たち、それぞれのキャラクターを立ち上げ、立場と我が儘ぶりを発揮し面白可笑しく観せる。TV画面に映る芸能人ではなく、タマリというスタジオ横にある控室で 素の人間模様を描いた物語。外見と内面(心)というか、何の衒いもなく 建前と本音を言い合うところが見所。

実に濃い演技をするキャスト陣。元天才子役、司会者、演歌歌手、マジシャン、元アイドル、大御所女優などジャンルの異なる芸能人が タマリという控室に会する。そしてそのマネージャーや付き人が芸能人の我が儘ぶりに振り回され右往左往する姿をコミカルに描く。さらにTV局のディレクター、アシスタントディレクターなど制作サイドの人々の思惑も絡ませた複雑な人間模様。罵倒し いがみ合い 出し抜こうとするような芸能界、それでも最後には愛と希望と奇跡が待っている、と思う。

この芸能人たちが居るタマリで ある事件が…そこから物語の本編が始まる。事件を通して、自分さえよければといった身勝手な理屈と行動、そこに人の本音を表す。また一世を風靡した芸能人の背景を紹介しつつ、その芸歴に縛られ身動きできない自分自身を省みる、そんな成長譚も描く。自分の芸歴(キャリア)を活かした創作、その作業を通して再び生き甲斐と、人への接し方を学ぶ。多くの見所を含んだエンターテインメント公演は観応え十分。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし)【黄Team】

ネタバレBOX

舞台美術は、上手に階段(上は別部屋、下は飲物 軽食が置かれたテーブル)、下手は階段状になったタマリ_テーブルやソファが置かれている。段差があるから、その上り下りによって躍動感が生まれ、アップテンポな印象になっていた。

子供の時は天才子役と もて栄やされ、演技はもちろん劇団を立ち上げ脚本や演出も手がけていた。しかし 優秀な人物にありがちな、自分が出来ることが何故出来ないのか、仲間を詰り、いつの間にか周りに人がいなくなった。芸能界という浮き沈みの激しい世界、その昔は売れっ子だった人も 今は忘れられた存在。そんな人々に年一回スポットを当てるのが、この年末特番である。

リハーサルを終え、本番を待っている時に事件が…。右往左往する人々、そして我が身を守るために色々な行動・画策する姿を面白可笑しく描く。その姿に人の本音を垣間見せ 笑いと哀感が交じる。実はこの事件…という衝撃の事実以降が公演の本編。目立ちたい人々、その1人ひとりにスポットライトを当てることによって、かつての栄光が甦り 現状を変えるといった前向きな気持にさせる。全体を通して劇中劇 風のようで、観ていて楽しいと同時に考えさせる好公演。
次回公演も楽しみにしております。
宇宙論☆講座 the BEST & the WORST

宇宙論☆講座 the BEST & the WORST

宇宙論☆講座

北とぴあ カナリアホール(東京都)

2024/03/14 (木) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

鑑賞日2024/03/16 (土) 18:30

初見のユニット。112分。ものすごく不愉快なオープニングで心萎えてしまった。我慢して最後まで観たが、気に入らなかった。ミュージカルをやってる劇団らしく、当パンに「これまでの公演で良かったシーンだけやる公演」と書かれており、メタ演劇の部分と再現の部分があるのだが、演奏はともかく歌は雑。突然、役者に話しかけられてビックリしたのだが、ああいう客いじりも私は好きではない。面白いかも、と思うシーンもないではないが、全体にグロテスクな演出に引く。こういうのを面白いと思う人もいるんだろうが、不愉快になる人もいることは知っておいてほしい。

イノセント・ピープル

イノセント・ピープル

CoRich舞台芸術!プロデュース

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2024/03/16 (土) ~ 2024/03/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

観ていて気分のいいものではありませんでした。
ですが観るべき演目だと思います。
観劇レポは下記をご覧ください。
https://ameblo.jp/minaminokaze55/entry-12844582136.html

イノセント・ピープル

イノセント・ピープル

CoRich舞台芸術!プロデュース

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2024/03/16 (土) ~ 2024/03/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

これは素晴らしい舞台です。物語はもちろんですが,演出,演技,舞台装置,接客,何をとっても全く隙は無かったと思います。最初から最後まで芝居に引き込まれ,2時間15分ですが,目が離せなかったです。いま,この日々に生きていて,この芝居を観る意義を感じるところです。

イノセント・ピープル

イノセント・ピープル

CoRich舞台芸術!プロデュース

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2024/03/16 (土) ~ 2024/03/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/03/16 (土) 14:00

畑澤聖悟さんの脚本を劇団チョコレートケーキの日澤雄介さんが演出、
今上演する意義を改めて強く感じさせる作品。
観客を引き込む役者陣の熱量がすごい。
これが”戦争の現実”なのだ。

ネタバレBOX

   ●~○~●以下ネタバレ注意●~○~●

舞台中央、横長に広がる階段は茶色くギザギザしたがれきのような装飾。
手前のテーブルや椅子もすべて倒れたり転がったりしている。
殺伐としたこのブライアン・ウッドの家に、18年ぶりに昔の仲間が集まって来る。
口々に「いい家だな!」と言う友人たちにまず強い違和感を覚える。

ブライアンは科学者で、”プルトニウムが核融合を起こすための研究”をしていた。
5人の男たちは、町から離れた研究所に隔離されたような生活をしつつ、
与えられた使命を果たすべく日夜励んでいた。
全ては「JAPを叩き潰すため」だ・・・。

”100%アメリカから見た原爆”が容赦なく描かれる。
教育の賜物と言うにはあまりにも犠牲が大きいが、
まさに「イノセント」無垢で純粋な人々ほど教育の効果は絶大だ。
だが、5人はそれぞれに「新型爆弾の成功」と引き換えに大きなものを喪う。

終盤のエピソードが衝撃的だった。
5人のうち余命が長くないと知った医師の男が、仲間のひとりに告白する。
「昔研究所で爆発事故があった時、本当はお前の被爆量はもっとずっと多かった。
自分はお前の健康診断データをずっと観察していたのだ。
データを集めるために多くの人間にプルトニウムを注射してきた」
身内を危険にさらしてまで戦後長く秘密裡に継続する実験とはなんだ?
この医師にとって、戦争は終わってなどいない。

ストーリーは時系列ではなく、5人が研究所で過ごした1945年の出来事を
何度も挟みつつ、グレッグが90歳になるまでを描いている。
少し物足りない印象を受けるのは、グレッグの息子が車椅子になって帰還したり
中佐の息子がベトナム戦争から戻ってから肺炎で死んだり、といった
”修羅場”を見せないせいだろうか。
全ては済んだこととして淡々と場面から観客に知らしめる。
月並みな後悔かもしれないが、親としてどんな風に受け止めたのか、
その苦悩が”正義に対する疑念”の始まりではないか。
だが役者陣は確かにその苦悩を体現しようと熱演だった。

原爆を挟んで、二つの国が全く違うものを見ている。
日本の「イノセント・ピープル」も観てみたいと思った。
自分も含め、国民の多くが純粋で愚かなのはどこの国も同じだ。




クロノスとカイロス

クロノスとカイロス

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2023/11/21 (火) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

私には、ちょいとばかし甘口かなあ。
ストーリーも、ちょいと都合が良く進み過ぎではとも感じられました。

イノセント・ピープル

イノセント・ピープル

CoRich舞台芸術!プロデュース

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2024/03/16 (土) ~ 2024/03/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

全出演者が役割に集中しつつ心を開いて、作品のために力を尽くしているようだった。こういう場に立ち合えたことが嬉しいし、これが芝居の醍醐味だとも思う。

日本の俳優が日本語でセリフを言って外国人を演じる芝居は珍しくない(シェイクスピア、チェーホフなど)。でもこの作品では、原爆を作ったアメリカ人を日本人が演じ、やがて日本人役も登場する。この仕掛けによって、日本の観客はどこか遠くの物語を外側から眺めるのではなく、自ずと当事者で居続けることになる。

劇中のアメリカ人は敵国人である日本人を「ジャップ」と呼び、あからさまな差別をする。それを日本の俳優が堂々とやりのけるさまに少々戸惑い、気まずさも感じるのだが、俳優それぞれが役人物として懸命に生きようとする誠実な演技のおかげもあって、私はロスアラモス国立研究所の青春群像劇に入り込んで行った。

しかし、その没入感は続かない。ある趣向によって次々に水を差されるからだ。観客は家族の物語を、研究仲間たちの人生をただ受け取るだけでは居られない。演出の日澤雄介氏が脚本の畑澤聖悟氏とのパンフレットの対談で語っていた「(戯曲に)真っ向から喧嘩売ってる」とはこのことだろう。

新型爆弾の研究者の葛藤や家族の別離など、年月を経て大きく変化していく人間模様を親しみを持って見つめ、心を寄せてともに喜び悲しんでいても、キノコ雲の下で起こっていたことが脳裏から離れない。廃墟に見える抽象美術の影響はもちろん大きい。役人物の加齢をメイクや衣裳などの外見で説明するのではなく、俳優の演技で示すことも異化効果になっていたと思う。

初演の時に固唾をのんで見守ったクライマックスと呼べるであろう終盤の場面は、今回もまた緊張感に満ちた瞬間だった。見ず知らずの大勢の観客と、あの、じりじりとした時間をともにできたことが嬉しい。副題の65年は1945年から2010年までで、2010年の場面は今から14年前、東日本大震災が起こる前だ。遠い昔のように感じる。この芝居が投げかけた問いはより差し迫ったものになってしまった。

自分が生まれ育った日本が世界唯一の戦争被爆国であることを、あらためて認識する。海兵隊役の内田健介さんがパンフレットに書かれていたように、日本が最初で最後であって欲しい。そう声高に言っていかなければと思う。

追伸:車椅子で伺ったところ、行き届いた対応をして頂き、スムーズに観劇をすることができました。ありがとうございました。

千と千尋の神隠し

千と千尋の神隠し

東宝

帝国劇場(東京都)

2024/03/11 (月) ~ 2024/03/30 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/03/16 (土) 13:00

豪華な舞台美術と演劇で宮崎アニメの世界に誘われた。
一幕ラストのシーンが素敵でした。

​骨と軽蔑

​骨と軽蔑

KERA CROSS

シアタークリエ(東京都)

2024/02/23 (金) ~ 2024/03/23 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/03/16 (土) 18:00

シーン展開やセリフ回しが面白かったです。
演劇のマジックを堂々と見せていた。

ウィキッド

ウィキッド

劇団四季

JR東日本四季劇場[秋](東京都)

2023/10/19 (木) ~ 2024/01/27 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/11/01 (水) 13:30

180分。20分の休憩含む。

「そろそろダンス。」

「そろそろダンス。」

キルハトッテ

王子小劇場(東京都)

2024/03/14 (木) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/03/15 (金) 19:30

70分。休憩なし。

ジーザス・クライスト=スーパースター

ジーザス・クライスト=スーパースター

劇団四季

自由劇場(東京都)

2024/02/16 (金) ~ 2024/03/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/03/15 (金) 13:30

110分。休憩なし。

まじめにきまじめ

まじめにきまじめ

猿博打

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2024/03/14 (木) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2024/03/14 (木) 19:00

95分。休憩なし。

純白観想文

純白観想文

劇団演奏舞台

演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)

2024/03/16 (土) ~ 2024/03/16 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

なかなかの頑固者とみえる老人と来客(老人が教師時代だった時の教え子)お調子者とのコントラスト、音響効果(生音が大活躍)も手伝って、何とも珍妙な空気感
オーバーアクション気味に感じるやり取りにはどこか懐かしい味わい深さがあるも、これはしっかり現代のお話し
ここに棲む老人の部屋だけ時の流れが滞っている様にも感じるし・・・頑固だけなのか・・・正常ならざる者の欠片が散らばっている様にも

芥川龍之介「羅生門」がキーポイント
やり取りの流れから、やがては絶望的な哀しみに包まれていくのだけれど、最終的にはこちらに問いかけ、語りかけ、こじ開けてでも前向きな方へ進む活力を受け取る事ができました
舞台一丸(いちがん)となって生で伝わってくる気迫がハンパなく、もし本気の熱量でなかったら(直接的な応援台詞があったわけでもないので)ここまで手ごたえあるメッセージを受け取ることは出来なかったのではないかと
アトリエ公演は今日1日だけでしたが今月には中板橋 新生館スタジオでも公演されるようですので是非

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