最新の観てきた!クチコミ一覧

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いい旅、現実気分。

いい旅、現実気分。

人間嫌い

小劇場 楽園(東京都)

2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

女子大生3人組みが現実逃避で離島にバカンスで訪れるが…。“こんなはずじゃなかったのに”から、島に馴染んだり、現実を受け入れたりの展開がちと早い気も。あと、今時、下北・劇場すごろくを実践している劇団って意外とレアよね。

「そろそろダンス。」

「そろそろダンス。」

キルハトッテ

王子小劇場(東京都)

2024/03/14 (木) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

現実と虚構がごちゃ混ぜになったアイドル女性の一代記、ちょっと分かりづらいところもありましたが、なかなかに楽しめました。

イノセント・ピープル

イノセント・ピープル

CoRich舞台芸術!プロデュース

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2024/03/16 (土) ~ 2024/03/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

なんか混ぜるな危険な感じのモノを
原子爆弾という柱を基に集めてみせた力作という
印象を受けました
心に響いたなぁ・・・・

役者さんも上手で
引き込まれた2時間15分の作品

出演者さまから
ポテチがプレゼントされまして
ありがたく(^-^)

ネタバレBOX

映画シャドウ・メーカーズに感じた
現時点での米国最高頭脳の使い潰ししてでも
原爆の完成をさせるという感は
あまし無かったが=4mもの壁に囲まれた中での
しくじり=即消滅=みたいな研究を主人公がしていた
というトコは納得でした

アメリカ人最高!
という設定での英語ですよ~話してるのは~
日本人は白い仮面つけて
我々=主人公サイドの言葉などが理解できない未開人
という感じの演出は凄いインパクトありました

原爆でアメリカが戦争を早く終わらせたんだという
いまだに信じられてる嘘を
違うんだよーと作中で否定してくれなかったのは残念=旧作だから?
日本の無条件降伏を受け入れずに
新型爆弾を使うために終戦を引き延ばした事は
ポツダムではちゃんと各国語で解説されてましたわ

7月4日の独立記念日に集まる
旧友らを時間軸を前後しながらも
上手に見せてました

主人公の長男がベトナム戦争で半身不随になるのは
映画7月4日に生まれてを彷彿したましたな

作中で一番インパクトあったのは
致死量の被爆してるのに生き延びてる友人に
おまえはモルモットだったんだと明かすDrのシーンでした
ただ現実的にも
その被爆データ実験での検証で
対放射線被ばく量を決めているんだというのが
なかなか響きましたわ

第二次世界大戦で血液の輸血の交叉耐性を
実際のユダヤ人とか捕虜で行っていたとかいうの
同レベルのやばさでしたわね

白い仮面を外して
英語で主人公に語られる
広島被ばく者の実体験とかは
いまひとつ甘かったかなぁー
一面死体だらけで
逃れるにも死体を踏み越えていかないといけない状況で
踏んだ死体に足がめり込む感触が
いまだに忘れられないといった
被爆者体験話の方がもっと重くて今作向きに思えたかしら

コメディSF調の
古い家の冷蔵庫内に小さな人々が住んでいて
だんだんと進化していくのを
引っ越してきた夫婦がみてるというのがあって
ある時旦那の方が冷蔵庫内での
原爆らしい爆発を見て吹っ飛ぶシーンがあり
コメントに
アメリカ人って原爆を
ただ威力の強い爆弾だという認識しか無いんだなぁ
というのが何とも納得で
事実とかは自分で真剣に知ろうとしないと
届かないんだよなぁとかオモエタデスよ

映画オッペンハイマー作った監督さんも
自分の息子が核軍縮に興味が無いことを知り
製作意欲が上がったという話してたしー

戦争とか兵器とか
争いとかいろいろと詰め込んだ作品でした

ラストは主人公の娘の葬式で
自分のひ孫が
孫のお腹にいて手を伸ばすシーンで音と暗転が同時で
終演となる意味深な終わり方でした・・・

原爆製造のための計算をしていた数学者さんは
晩年教師を辞した後に
原爆に関与した罪の重さから猟銃自殺をしてしまい
そこにいたるまでの日々の苦悩を奥さんが述べて
キリスト教では自殺は重篤な罪であり
葬儀も行えないので
世間的には事故死ということにしたというのも
重かったなぁ・・・・

ひたすら明るく戦争肯定派の友人は
一人息子がイランイラク戦争で用いられた
劣化ウラン弾での被ばくが元らしい肺炎で若くして亡くなり

主人公宅のヘルパーさんは
祖父が住んでた山にあったウランで原爆が作られ
秘密裏に山に捨てられてた核廃棄物が原因で
兄弟共に被ばくでの癌で死んだとか
エピソードが・・・詰め込まれてたデス
ホワイトデーはブラックでぇい⁉︎

ホワイトデーはブラックでぇい⁉︎

FREE(S)

ウッディシアター中目黒(東京都)

2024/02/14 (水) ~ 2024/04/03 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ホワイトデーの設定はあっちにいって、ちょっとファンタジーがかっているけど、現代のスポコン的青春ドラマなのですね。やっはりダンスシーンは楽しい。

まじめにきまじめ

まじめにきまじめ

猿博打

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2024/03/14 (木) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

猿博打『まじめにきまじめ』

みっ!観てきたっ!!!!!!たっ!!!

おいおいーおいー!!河村さんも村上さんも板場さんも色んな舞台で観てたけど、3人が集結したホームってこんなにすげぇんだなぁ!!!

もうおれ、本当に幸福だ。しあわせです。笑って、泣いて、喜んで。眼の前で人が演る演劇の楽しさ、場にいることのほとんど全部があったよ。本当に素晴らしいよ。こんなにすてきな人達、もう大好きだよ。四人目のあいつも大好きだよ。なのに!!!物凄く興奮と緩和の中で写真撮るの忘れちゃった!!ごめんね!!君のケーブルすら愛おしい。

なんかもうほんと最高でしたんだけどさ、この3人凄いよほんと。そして愛おしいよ。映えるわ。この3人。なんか3人でまーまー広いペガサスホールでさ、足りなくないし!自由だし軽々としてるし!すごいな猿博打!まさかこんなに大好きになるなんて。

人並みより、ちょこーっとだけSFを愛しているつもりなんだけど(そして滅亡系大好き、神林長平大好き)、あらすじからは想像しにくいほど、SFみも適度に真面目にもあったの凄く嬉しかった。あいつも凄くちゃんとソレに見える!!

ふざけて、ふざけて、でも、そこ踏んだらさ、人間だものって感じとかさ。そんでさ、そんで3人が本当にもう、残された3人とあいつでさ、ぶわぁってなるじゃん(´;ω;`)...一見安易とも言える泣き所が、悔しさがこれまでがふわーって巡るじゃん...細かいこたぁわかんないけど、役者のチカラなんだろなぁ。もーほんと抱きしめたくなった。ぼくは猿博打『まじめにきまじめ』現場で観ることが出来て本当にしあわせです。ありがとー!そしてありがとー!!!めっちゃおもしろかったーーー!!!!!

愛だね。愛。愛です。
愛が満ちていた。

うちの子は

うちの子は

MODE

上野ストアハウス(東京都)

2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

親子の会話を主体としたシーンからなるオムニバス風の舞台、毒親の話も多く、なかなかに考えさせられました。遺体確認のシーンはブラックが効きすぎていますね。

イノセント・ピープル

イノセント・ピープル

CoRich舞台芸術!プロデュース

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2024/03/16 (土) ~ 2024/03/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

重い内容でしたが、それ故に深い舞台でした。
戦争、原爆、被災者、命、差別等について考えさせられ、正しいのかどうかは別として、ひとり一人に信念があり、家族や愛する人がいる事も感じました。
役者さん達の演技も素晴らしく、ラストに近付くにつれ、客席の緊張感がすごかったです。
何とも言えない気持ちになる心に残る舞台、観る事が出来て良かったです。

いい旅、現実気分。

いい旅、現実気分。

人間嫌い

小劇場 楽園(東京都)

2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

女子会話劇、期待以上の面白さ。コメディタッチですが、リアルに響きますね。主宰の前説も実に楽しい。

いい旅、現実気分。

いい旅、現実気分。

人間嫌い

小劇場 楽園(東京都)

2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

説明は主人公ら三人娘の旅立ち前の心情でしたー

旅先の雰囲気といい
らしい感じのセットといい
細かな設定を生かしきった話のつくりは
なかなか楽しめた(^-^)
星数はオマケしますわ~♪

夜の開演時間は
サラリーマンに優しい感じがまた
高感度UPデス

オセロの横顔

オセロの横顔

Pカンパニー

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/03/17 (日) 14:00

座席1階

白黒を法的に決定する裁判の物語。白黒というところをオセロに例え、白と黒がいとも簡単にひっくり返ったり、白と黒の間は非常に薄っぺらであるという現実を描いた。非常に練り込んだストーリーで、客席を飽きさせない展開だった。

新人の若い女性弁護士が女性被告人の弁護を担当することになった。女性は刃物で勤務先の社長の腹部を切り付けたとして傷害罪に問われている。接見を重ねるうちに、「正社員に取り上げるから」と酒席に臨んだ女性が泥酔させられ、乱暴されたという隠れた事実を知る。さらに、事件のあった時、社長が背後から「君のことばかり考えていた」と迫ってきて、包丁を使って調理をしていた女性がそれを振りほどこうとして振り向きざまに切りつけてしまったということも分かる。
女性は刑事弁護のベテランと言われていた事務所の男性所長に協力を依頼するが、所長は乗り気でない。所長はある事件をきっかけに刑事弁護から離れていたのだ。

テーマはえん罪だ。起訴されれば99%は有罪という日本の司法だが、供述に頼った捜査や、被告人に有利な証拠は出さないという検察のあり方が問題とされている。この舞台でも同様なことがエピソードとして登場する。所長はかつて、連続殺人事件の弁護で無罪を勝ち取るなど輝かしい実績があるのだが、黒が白になり、また黒になるという展開にほんろうされてきたことも分かってきて、こうした展開にも客席はのめり込んでいく。
Pカンパニーの罪と罰シリーズ(今作は11作目)は、非常に練度の高い物語を劇作家たちが編みだしているからいつも劇場に行きたくなる。今作は依頼を受けた山谷典子が裁判取材など下準備を重ねて書いたという。語弊があるかもしれないが、彼女が近年書いている家族の物語より、個人的には今回のような法廷劇の方がいいと思った。

だから欲を言えば、もっと法廷の場面が出てくるとよかった。女性弁護士と所長の弁護士の葛藤を中心に描かれているので仕方がないのかもしれないが。また、傍聴マニアという存在を登場させてうまく刑事裁判の「あるある」を小出しにしていたのはとてもよかった。

ネタバレBOX

終幕後、女性被疑者が有罪となって終わるという結末に「期待が外れた」と話しているおじさんがいた。確かにいろんな意見は出てくるだろうが、終幕直後にこうした会話が交わされてお客が劇場を後にするというのは、面白い舞台であったという証拠である。
この話、したっけ?

この話、したっけ?

劇団伽羅倶梨

KARAKURIスタジオ(大阪府)

2024/03/16 (土) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

朝早くですが、満席🈵
流石です
初めての朗読劇とのことでしたが、大満足 
死後の世界観についてはファンタジー感も有りましたが、基本路線は変わらず 私を含め皆ほっこりできたと思います
次回も期待しています‼️

いい旅、現実気分。

いい旅、現実気分。

人間嫌い

小劇場 楽園(東京都)

2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしかったです。アップテンポでシーンの切り替えも多く飽きずに見ることできました。楽しい時間をありがとうございます!

イノセント・ピープル

イノセント・ピープル

CoRich舞台芸術!プロデュース

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2024/03/16 (土) ~ 2024/03/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/03/16 (土) 14:00

 自分はこのサイトにコメントを書き込んだことはないのだが、この公演についてはコメントしておきたい。いまの日本の演劇界では、ある劇団に書き下ろされた戯曲が、他のカンパニーによって(修了公演などではなく)再演されることはあまりない。そのため、せっかくの力作もすぐに忘れられてしまう。こうした現状を改善すべく、CoRich舞台芸術!プロデュースが「名作リメイク」と銘打って、畑澤聖悟の2010年初演の戯曲を日澤雄介の演出で再演するという素晴らしい企画を立ててくれた。よく集められたと思うほど、キャストもスタッフも豪華である。この企画そのものを応援したく、CoRichの「観てきた!」に書き込みをする次第だ。
 まず日本人劇作家の作品なのに、まるで翻訳劇のように登場人物の大半がアメリカ人であるのが面白い。舞台で口にされる台詞は日本語だが、登場人物は英語を話しているという約束である。ここへ英語が達者でない日本人が入ってくるのだが、その登場の仕方が鮮烈だった。くどくどした言葉の説明なしに、日米関係が提示される。
 劇の内容は「原爆を作った男たちの65年」という副題どおりである。正直なところ、情報を盛り込みすぎで、物語の展開が性急になり、アメリカ側の登場人物の造型も単純化されすぎている印象を受ける。そのため、原爆開発への批判も類型に収まってしまう。だが、このような改善、改稿の余地が見えてきたのも再演されたからこその話だろう。また、ちょうどクリストファー・ノーランの『オッペンハイマー』が話題になっている時期に再演されたのも(評者は未見)時宜にかなっていた。
 公演パンフレットで日澤は「戯曲に真っ向から喧嘩を売ってる感じ」と書いているが、自分には敬意のある演出と見えた。主役を演じる山口馬木也が、65年に及ぶ長い物語の軸をブレずに務める。彼をはじめ、誰も観客に媚びた演技をしないのがいい。

まじめにきまじめ

まじめにきまじめ

猿博打

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2024/03/14 (木) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/03/17 (日) 13:30

今回の佐吉祭で数少ない観たことがある劇団。いつもほどのキレはないのだが、安定の1作。(前説3分含み)91分。
 露と枕の井上瑠菜が書いた戯曲を村上が演出した。近未来、地球が爆発して北区は星になり生き残った3人が衣食住を担当して生き延びるが……、その5年後、やはり娯楽がなくては…、と真面目に遊ぶ物語。そう、5年も経てば、ただ単に生きてるだけじゃダメだよね、とか妙に納得できる。劇団員の3人だけで展開されるコメディだが、AIロボットを置いたことが大ヒット。感情を持たない存在が逆に感情を持っているかのように扱われるあたりも巧い。テーマが少し揺れ動く感じがいつもの猿博打とはちょっと違った感触だが、とにかくこの劇団の3人の仲の良さ、相性の良さ、抜群のコンビネーションが良く分かる。

メディア/イアソン

メディア/イアソン

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2024/03/12 (火) ~ 2024/03/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

基本的に2つのギリシャ劇をつなげた脚本でずいぶん駆け足の感はあるが、業とか巡る因果といったギリシャ劇の雰囲気は保たれている。実力ある若い5人の俳優で舞台上を廻しきってしまうのには感嘆させられるし、影絵のような背景演出が印象的。子守歌もなかなか聴き惚れる。

カタブイ、1995

カタブイ、1995

名取事務所

小劇場B1(東京都)

2024/03/15 (金) ~ 2024/03/18 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

『カタブイ、1995』を観劇。

沖縄三部作で、前作は1972年で、今作は1995年。
以前から気になっていた作・演出:内藤裕子の新作だ。

あらすじ:
日本復帰を果たした沖縄だが、いまだに米軍基地があり、米兵による犯罪、用地買収問題などが山積みしている。元教師の石嶺和子は反戦地主であった父から受け継いだ土地の売却を拒否しているが、那覇防衛施設局員や土地連会員から迫られている。
そんな矢先、孫の智子が米兵に襲われてしまうのだが…。

感想:
沖縄の基地問題を地元住民の視点で描いている。
物語を追っていくうちに感じる日米間の不都合な法律、日米地位協定など、理不尽すぎる法に苦しむ地元民の姿が描かれ、苦悩する彼らの姿に寄り添いたくなり、南の島の出来事ではなく、我々の問題だと改めて感じてくる。決して住民の叫び声を受け取るだけではなく、「なぜこのような問題が生じてしまったのか?」という疑問に答えるように、要所に入ってくる日本国憲法、日米間の安全保障条約、日米地位協定の説明があり、根本を見つめ直す事が出来る作りになっている。
社会問題を描く時の難しさに、観客をどのようにして己の問題として捉え、対峙させるかに掛かってくる。当事者側からだけ描くと観劇中は寄り添えるが、問題そのものを時間と共に忘れ去ってしまう事が多々ある。だが抱えている問題を観客の中に深く染み込ませるというのがテーマのようで、地元民の苦悩、政治家からの視点、土地を買収する側からの視点など、異なったキャラクターたちが問題を俯瞰して見せることの重要性を訴えかけ、重くのしかかってくる。
前作(未見)は『傑作!』と評判を呼んだようだが、今作もそのようだ

自分が好む小劇場的な作風ではないが、内藤裕子が今後の追っかけ作家になったのは間違いない。
この世界は、だれのもの

この世界は、だれのもの

ながめくらしつ

現代座会館(東京都)

2024/03/01 (金) ~ 2024/03/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/03/01 (金) 19:30

「激しくも静謐な男女の交錯」

ネタバレBOX

 開演前の舞台上に男(目黒陽介)がひとり、椅子に座って小首を垂れている。ときおり宙を仰ぐ目には光が灯っていない。定刻になると袖から他の出演者が舞台上の椅子や机を動かしてあっという間に場面が変わり、いつの間にか男は消える。われわれ観客はこうして本作の激しくも静謐な世界に誘われる。

 やがて別の男(目黒宏次郎)と女(入手杏奈)によるダンスが始まる。男の首に女が腕を絡ませるところを見ると恋人のようだが、近づくかと思いきや激しい振りへ変わり、やがて離れていってしまう。まるで出会った頃の男女の濃厚なラブシーンが倦怠期に突入し、果ては喧嘩沙汰に発展して別れていくかのようなカップルの時間の経過を見たような心地になった。

 次の場面で冒頭の男は別の女(安岡あこ)とお手玉のような、パンの種のような、たるみのある白いボールを使ってゲームに興じる。陣取り合戦のようにもオセロのようにも見える他愛のないやり取りがいつしか体を乗り出した奪い合いとなり、ボールの動きは激しさを増す。暗い舞台上にその白さは一層映える。

 こうしてダンスのとジャグリングそれぞれのペアが交互にパフォーマンスを続けていく。ダンスペアで圧巻だったのは、男が椅子の背に手をかけたり女にしがみつかれた状態で見事な倒立を見せたり、長机の背後に張り付き壁に見立てた状態で縁から顔や手を出したところである。まるでスパイダーマンようなしなやかな身体性に目を見張った。机や椅子は出演者が安全にパフォーマンスができるよう、今回のための特注したということにも驚いた(舞台美術:照井旅詩)。他方ジャグリングのペアが見せた、数個の白いリングを腕や首に絡ませて互いの体を近づけては離す、その過程が切ろうとしても切れない縁のようにも、知恵の輪を解くべく苦慮しているようにも見えたところが面白かった。

 全員が無表情ながらペア同士激しく体を使うため、息つく暇のない濃密さに溢れゆたかな感情が交錯しているように感じられた。このように書くと張り詰めた舞台のように思われるだろうが、ゆったりと伸びやかに展開していくというのが本作の大きな特徴である。淡々としていながらも不協和音が耳に残るイーガルのピアノ伴奏や、ダンスやジャグリングに陰影を与えた秋庭颯雅の照明も作品に大きな貢献をしていた。ただ男女が近づいては離れていくという振付やジャグリングに型があるように思えてしまい、先の展開がおおよそ読めてしまうきらいはあった。

 最後は、それまで交わることのなかったペアが合同で綱を引き合う。ここでもペア同士協力し合ったり邪魔をしたりして面白い。しかし高跳びや縄跳びのようなじゃれ合いも見てみたかったというのは無理な頼みだろうか。
エアスイミング

エアスイミング

カリンカ

小劇場 楽園(東京都)

2024/02/28 (水) ~ 2024/03/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2024/02/28 (水) 19:30

「排除された女性たちが突きつけること」

 出演者の熱演と戯曲の強いメッセージが胸を突く1997年イギリス初演の二人芝居である。

ネタバレBOX

 物語は1924年、イギリスの収容施設の場面から始まる。21歳のペルセポネー・ベイカー(橘花梨)は、2年前から収容されているドーラ・キットソン(小口ふみか)とともに風呂掃除をしている。ペルセポネーは上流階級の出身のようで、自分を「魔女」と呼び医師の診断のもと施設へと送り込んだ父親に連絡を取ろうとするものの、外界から閉ざされたこの場では叶わない。対するドーラは歴戦の女性兵士の名を挙げながらテキパキと掃除をしている。二人はそう遠くない時期にここを出ることを望んでいる点では一致しているが、性格は噛み合わないようだ。

 照明が変わると幾分明るい雰囲気になり第2幕となる。今度はポルフ(橘花梨・二役)が男に襲われたと嘆きながらドルフ(小口ふみか・二役)に泣きつく場面に変わる。ウィッグをかぶりアメリカの俳優で歌手のドリス・デイに憧れているポルフは陽気に「ケ・セラ・セラ」を口ずさみ、その様子をドルフは本を読みながら静かに見守る。

 この二つの幕が交互に続きながら、じょじょにこの4人の登場人物とその関係性が明らかになっていく。ペルセポネーは30歳も年長の既婚男性と恋に落ち子どもをもうけていた。兵士に憧れ葉巻が好きなドーラは男性的と非難されていた。女性の人権が認められていなかった時代に逸脱行動をとったと見做された二人は、反目し合いながら身の上話をするなどして少しずつ距離を縮め、日々の掃除に精を出し、ときに一緒に踊ったりする。ポルフとドルフの幕はより自由で軽やかに、好きな映画や食事の話に花を咲かせる。ここは押し込められたペルセポネーとドーラの想像世界のようにも、晴れて自由になったあとの他愛のやり取りのようにも見えてくる。先の見えない物語を見守る観客に突きつけられるのは、現在にも通じる人権問題への痛烈な批判である。

 本作第一の見どころは俳優の演技合戦と二役の演じ分けである。橘花梨のペルセポネーは、当初『欲望という名の電車』のブランチよろしく浮世離れした様子でドーラに文句ばかり並べていたが、本来は芯が強く包容力のある人物として造形されていた。ポルフを演じたときは屈託のない少女に変化しており俳優としての幅の広さを示していた。小口ふみかは巧みな台詞回しと軽い身のこなしでドーラを演じており、じつはその闊達さが強がりであり少しずつ精気を失っていく過程をうまく表現していた。特に終盤、あまりにも長い収容生活のため時間感覚がなくなり、絶望した気持ちをペルセポネーにぶつけるほどに錯乱していく様子が忘れがたい。二役ドルフも安定していたが、もっと変化が感じられてもよかったように思う。

 私が観たのが初日ゆえか当初は二人とも芝居が固く、自分の台詞を淀みなく発することに集中しており相手の台詞を受けた変化に乏しい印象を受けた。ちいさな劇場であるし収容施設の設定であるならば、もう少し声の大きさを落としてもよかったように思う。しかし中盤を越えたあたりからまばらであった客席の反応が少しずつ静かな熱狂となり、カーテンコールでは喝采となった。印象に残る場面は多いが、中盤と終盤で収容所を抜け出すことを夢見ながら息のあった身振り手振りで空中を掻く「エアスイミング」の場面が忘れがたい。

 楽園の劇場機構の大きな特徴である二面の客席を利用した空間設計もうまい(舞台美術:平山正太郎)。舞台を観るうえで自然と他方の客席の様子と視線が目に入るわけだが、それがまるで公権力によって排除された二人のあがきへの「まなざし」を可視化しているように感じられた。中央に置かれたバスタブと横に置かれた二脚の透明な椅子というシンプルな一杯飾りながら、照明変化や電灯、演技空間を囲む円形のカーテンレールを用いて、ややもするとふさぎがちになりそうな空間に細やかな彩りを与えていた。ただこの趣の妙が収容施設の設定と合致するかは好みが分かれる点とも思う。
 
 次節において私は現代では不適切な表現を使用しているが、差別を助長してはおらず論じるで必要と考えているためあえて記載していることをあらかじめ断っておく。
 
 作中では排除された女性たちが周囲から「精神薄弱」と呼称されたという言及がある。上演台本が底本としているであろう幻戯書房刊の小川公代訳と、サミュエル・フレンチ社刊の原書を参照すると、これは原文のmoral imbecileの邦訳である。パンフレットには「原作への尊厳を計らい時流による台詞の改変を行わ」なかったと付記されているが、上演前のアナウンスもあってしかるべきではなかっただろうか。くわえてトランスセクシュアルの揶揄や露骨に性的な表現が使用されていた点への注意喚起もなかった。細やかな配慮が不可欠であろう本作の上演にあたっては必要な対応であったと思われるため残念に感じている。本国初演からすでに27年経たうえでの上演であることを念頭に、この間起きた社会通念の変化を反映し、歴史的事象を扱っている前提を共有したうえでの上演が求められたのではないか。

 物語は50年収容されたペルセポネーとドーラが解放される第16幕で終わる。声が低くなりゆっくりとした喋り方になった曲がった背中を見ていて、私はこの二人が背負わざるを得なかったものに改めて思いを馳せ強く拳を握っていた。 
オセロの横顔

オセロの横顔

Pカンパニー

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

普通に面白いが、ちょっと説明過多な気もする。とことん説明したいという作家なのだろう。
ところで、「私の口から言っていいかどうか・・・」それは言っちゃいけないでしょう。

純白観想文

純白観想文

劇団演奏舞台

演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)

2024/03/16 (土) ~ 2024/03/16 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても面白かったです。一時間のお話なのにとても内容の濃いお芝居で役者の皆さんの演技も素晴らしかったです。重いテーマなのに何故かラスト爽やかな感じがしたのは生演奏のお陰でしょうか。前回作も拝見していますが、お芝居と生演奏が上手く重なりあっていて見ごたえありました。
良い時間を過ごせました。ありがとうございました。

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