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ネモノニモノ~下流で待ってて流しそうめん~

ネモノニモノ~下流で待ってて流しそうめん~

劇団ネモノ会

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2024/08/08 (木) ~ 2024/08/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

土曜日昼、温麺派を拝見。第三回公演を見ての今回だったので、こっち(短編集)も良いですね。個人的にはとてもよかったです。前回同様元気に楽しそうにお芝居してて、加えて今回は表情豊かでいろいろ伝わりましたよ。台詞以外の感情も表情でよく伝わって。特に吉田さんの表情豊かなお芝居よかったともいます。若い皆さんのお芝居これからも見ていきたいですね。頑張ってください。

雑種 小夜の月

雑種 小夜の月

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2024/08/10 (土) ~ 2024/08/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日拝見。とにかく見事。本当に面白かった。舞台の光の使い方、現代と過去、この世とあの世、この使い分けが見事で、お話の内容も素晴らしく、ここ最近では上位の素晴らしい作品でした。とにかくみんな色々あるけど、前向きに、元気に生きている。ものすごく伝わりました。2時間という時間も全く感じなく、集中して見られました。優しい楽しい時間をありがとうございました。

鴉よ、おれたちは弾丸をこめる

鴉よ、おれたちは弾丸をこめる

劇団うつり座

上野ストアハウス(東京都)

2024/08/07 (水) ~ 2024/08/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い。何となく<滅びの美学>といった印象を受けたが…。この公演の面白さは捉えどころのない漠然とした世界観、その中にある逞しさ情熱といった輝きか。勿論 批判の矛先は国家 社会であろうが、同時に自らも省みなければならない。

1971年の銃口が2024年に炸裂する…その謳い文句の意味するところが 公演の肝。公演の面白いところは、学生運動を機にした物語であるが、その主役になるのは老婆たちである。何度も繰り返される「あたしたちゃ、恥で黒く染まった鴉」という台詞が、学生という若者から老い先短い老婆が日本の将来を見据えるといった皮肉であり気概を感じさせる。
(上演時間1時間35分 休憩なし)

ネタバレBOX

舞台は裁判所第8法廷、中央奥に裁判官席、上手に被告席。中央に広いスペースを確保し、法廷内で繰り広げられる破天荒な行為をダイナミックに観せる。物語を支える舞台技術が印象的だ。単色(橙色)による照明の諧調、爆破・銃声など緊迫感ある音響、そしてラストに青年B(徳田雄一郎サン)が吹くサクソフォーンによる余韻。

物語は1968年・1969年と叫びながら投石する若者、それは学生運動が盛んな時期を表し、それから時代が下りチャリティショーに爆弾を投げこんだ青年2人の裁判シーンへ。この青年たちを救おうと16人の婆が裁判所を占拠する。青年・裁判所(法曹関係者)・婆はそれぞれ世代や体制・非体制といった立場を表す。その言葉・口調は、青年のアジテーション、法曹関係者の常識・正論を振りかざし、そして婆の現実的な静観と高揚、そこに外見的な違いだけではない深みをみる。

法廷は ある意味、閉鎖した場所で規則に縛られた世界、それは日本社会の閉塞感・不寛容そのもの。そこで婆が自由奔放に振る舞い掻き乱す。まさに日本社会に喝を入れるかのよう。また 法服を脱ぎ、検察・弁護士バッチを外せば、ただの人、そんなことを連想させるのが、ズボンを脱がしパンツ姿にさせること。混乱・混沌とした法廷(言い換えれば「日本社会」)で、物事の本質を見定めようと、欺瞞を看破し空疎な理論を突く。

婆の現実感は、根源的というか肉体的な面、例えば「子宮で絞殺す」「キスしておくれ」など、理屈ではない<生>であり<性>を表現する。それは生きることを第一義にした考え、勿論 深読みすれば反戦であり暴力反対のようにも捉えることが出来る。1971年頃は、東大や日大闘争に代表される全共闘運動、内ゲバ・凄惨なリンチ殺人、よど号ハイジャック事件、翌年にはあさま山荘事件が起きるといった暴力事件が続く。その銃口の先は、その時々であった課題・問題に何も為さなかった国家体制であり、見て見ぬふりをし続けた国民の責にも向けられる。そのツケは2024年に炸裂。具体的には何か…それは上っ面だけの是々非々への逃げ、不作為による問題の先送り意識、そんな恥っさらしが不吉な象徴である黒い鴉になり、その体内に笛を飲み 警笛を吹き続けるしかない のだろうか。

衣裳は、青年2人はカジュアル、法曹関係者はスーツ、老婆は白い着物と世代・立場で違うが、見た目の違い以上に逞しさを強調することで、将来の日本の在り様の憂いを表現している。印象的な台詞に「日常の真っただ中の非日常」、しかし 婆が青年に変身できないように、そう簡単に体制や意識は変革など出来ないのである。力強さと同時に客席通路を提灯で照らし入ってくる情緒さ。この硬軟ある演出が巧い。何より混沌とした世界観がよく表れていた。また 婆とは思えない色香と艶ある演技、そしてマイクで歌を歌い、煽るような言動が勇ましい。
卑小なことだが 鴉婆がマイクで演説している途中で、その(マイク)音が途切れたのはアクシデントか?
次回公演も楽しみにしております。
『本棚より幾つか、』-短編演劇祭-

『本棚より幾つか、』-短編演劇祭-

楽園王

新宿眼科画廊(東京都)

2024/08/02 (金) ~ 2024/08/06 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

遅くなりましたが感想です。Bプログラムを拝見。一つ一つ面白いですね。名刺サイズの説明も親切。赤い靴とアオイハルはツナがっないけど繋がってることとか、あとから思い起こしても楽しいです。皆さんの演技も台詞以外の所作でもいろいろ伝わってよかったです。本棚から好きな本を読むようなお芝居、また拝見したいですね。

ミセスフィクションズのファッションウィーク

ミセスフィクションズのファッションウィーク

Mrs.fictions

駅前劇場(東京都)

2024/08/08 (木) ~ 2024/08/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ファッションを基軸とした
三つのオムニバス作品
上演後に観劇の余韻を愉しみましょうと
おわりの会を加えて
なんと二時間半もの作品ですが
込められた情熱が凄くて
とても楽しめた時間になりました
チケットも洒落て
服飾の値札風にしてましたわ

ネタバレBOX

ラストのウルトラマン プラダ
そのクオリティと
ウルトラマン愛が
大変自分的にツボで
あまりにも的確な
ウルトラシリーズの評価に脱帽です

そ~だよね~
おバカな怪獣相手の初代と
根の暗い宇宙人相手のセブンとか
アニメの80評価は
ホント納得でした

浴室の
Uber Eatsをとる
とかの言葉遊びも楽しかったし

初デートに悩む
脳内自分会議は
タイムリーなインサイドヘッド
または はめふらのカタリナさま
古い漫画だとダークグリーンとかだと
多重人格を夢の中に置き去りにして
主人格だけ現実世界に帰還する話とか
頭を過ぎりました
お相手のニシ君の多重変化は良かった

因みにウルトラマンプラダは
カラータイマーのとこに
ちゃんとプラダのマークが......
good!
雑種 小夜の月

雑種 小夜の月

あやめ十八番

座・高円寺1(東京都)

2024/08/10 (土) ~ 2024/08/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

自分の死期が近いのか?と思う程泣いた。ああだこうだつべこべ色々与太れるけれどそのことだけは間違いなく事実。心が弱っているのかも知れない。今作を自分の好きな連中、皆に観て貰いたい。つまんなくてもいい。イマイチでもいい。何か皆これを観て欲しい。そんな作品。

凄く猫が好きで、猫に救けられて生きてきたような気分の自分にはこういう作品はヤバイ。
昔、利害関係のないよく知らない人に何故か親身になって助けて貰った記憶が甦る。生き長らえて今残るものはそんな無名の優しさだけ。何の興味もない田舎町の夏祭り。知らぬ素振りで素通りした筈なのに心が震える程焼き付いている景色。それは一体何故なんだろう?

千葉県香取市にある香取神宮の参道沿いにある団子屋、梅乃家本店がモデル。
日替わりゲストは木原実氏、実優さん親子だった。

物語は団子屋「小堀屋」を切り盛りする井上啓子さんが主軸。彼女の娘達、長女金子侑加さん、次女大森茉利子さん、三女小口ふみかさん。そして近所の神社の神主である原川浩明氏、その息子の松浦康太氏。

何十年も神社の境内にいるようなヨボヨボの猫、小夜。心が弱っている人を見付けるとそっと近寄っていってニャアと鳴く。

東京、神田からこの田舎町を気に入って越してきた中野亜美さん。流石だねえ。どんどん女優として力を付けている。

下手に吉田能氏率いる生演奏の楽団。東京節(パイノパイノパイ)をアレンジしたような歌もいい。ヴァイオリンの中條(ちゅうじょう)日菜子さんは松井珠理奈系。

MVPは3人。次女大森茉利子さんの娘役の佐藤つむぎちゃん。子役の使い方が見事。演出家の腕の見せ所。
主人公でもある井上啓子さんの飄々とした味。時間軸を越えても何も変わらずにそのまんま成立させるキャラの強さ。
そして原川浩明氏の優しさ。安田忠夫みたいなとぼけた不器用さで弱って怯えた野良猫の心を時間を掛けて解きほぐすような。優しさは伝播していく。何処かの誰かに届いていく。

シリーズ3作目らしいが全く知らない自分でも充分に楽しめた。このクラスの作品でも空席があり、当日券を売っていた。何の予定もないんなら絶対観た方がいい。これが日本の演劇の最高峰。話はまず観てからだ。

ネタバレBOX

BUCK-TICKの『禁じられた遊び』という曲がある。ヴォーカルの櫻井敦司の父は酒を飲んでは暴れ妻や子供を容赦無く殴った。殴られている兄の後ろで幼い櫻井敦司はずっと震えていた。

いつも怯えていたね いつも震えていたよ
Life is dream. Life is but a dream.
夢を見ていた

叫び声を殺して 僕は僕を殺した
Life is dream. Life is but a dream.
悪い夢だね

曲自体は一風堂の『すみれ September Love』の流れなのだが何故か今作にこの曲の感触を憶えた。どうしようもない痛みと顔を持たない誰かの温かさ。『異人たちとの夏』。
五右衛門ロック

五右衛門ロック

劇団☆新感線

新宿コマ劇場(東京都)

2008/07/06 (日) ~ 2008/07/28 (月)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

ゲキシネ 2024年8月6日18時45分 横浜ブルク13
どこの劇場かと思ったらコマ劇場だったんですね。昔、新聞屋さんにもらったチケットで1度だけ八代亜紀さんの歌謡ショーに行ったことがありましたが覚えていませんでした。最近、客席の途中に出入り口のある劇場はあまり見かけない気がします。
ゲキシネはどれも面白いですが「五右衛門ロック」最高!!華やかな舞台も派手なロックの生演奏に歌も楽しかったです。

鴉よ、おれたちは弾丸をこめる

鴉よ、おれたちは弾丸をこめる

劇団うつり座

上野ストアハウス(東京都)

2024/08/07 (水) ~ 2024/08/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白いと思って見ることはできましたが、清水氏が何を言いたかったのかは分かりませんでした。「あたしたちゃ、恥で黒く染まった鴉なんだよ」と繰り返す老婆たちはどんな恥で黒く染まってしまったのでしょう?戦争に反対しなかったこと?とか思ってしまいましたが。

邦子狂詩曲 クニコラプソディー

邦子狂詩曲 クニコラプソディー

東京芸術劇場/ヨウ+

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2024/08/09 (金) ~ 2024/08/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

男女の機微。体声の機敏。
前後半で全然違う色なんだけど、どれもこれも向田邦子に収束してまさにラプソディー。
福原冠さんが相も変わらず流石でしたが、島地保武さんの踊りにはハッと惹きつけられました。豪胆で、しなやかで、キレのあるダンスで、動きひとつでここまで感応を振りまけるって。。
この作品を見て、向田邦子さんがなんとなくわかった気がするし、興味が湧いたという点でも良い出会いでした。アフタートークも👍です。

ネタバレBOX

冠さんは朗読担当かと思いきや夫も兼ねる。昭和のトレンディを少し醸し出す。
メタ演出が印象的でしたが、当演目が実在の人物、向田邦子とその作品・エッセイを主題にしているしある意味必然かもと思いました。ノンフィクションをフィクションにしても距離は比較的近いというか。前の席座って話しかけられたかったな。
終盤の朗読でちょいちょい冠さんの私語が混ざるのが、「私はこの歳のころ...」みたいな個人の読書体験を舞台上に載せていて面白かったです。

禍福の方は序盤は「結構コンテンポラリーな感じなのかな」と落ち着いた心象でしたが、”田”からブーストしてきて一気に目が覚めました。ダンス、照明、音楽の相乗効果ってやつですね。その序盤もラストで伏線?回収されて納得です。

冠さん、声量もすごいし歌も上手い...衣装も素敵!
鴉よ、おれたちは弾丸をこめる

鴉よ、おれたちは弾丸をこめる

劇団うつり座

上野ストアハウス(東京都)

2024/08/07 (水) ~ 2024/08/11 (日)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

鴉よ、おれたちは弾丸をこめる

鴉よ、おれたちは弾丸をこめる

劇団うつり座

上野ストアハウス(東京都)

2024/08/07 (水) ~ 2024/08/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最高でした。ほんとすばらしかったです。不条理とエロと前衛がバランスよく溶け合っていました。個人的にはサックスプレーにしびれました。あの被告役の方、もしかしてプロのサックスプレーヤーさんでしょうか… 凄腕に度肝抜かれました。大人数の舞台で迫力があるばかりでなく音効の演出も何もかもよかったです。個人的には完璧な舞台でした。素敵な時間をありがとうございました。

真・バトルサウナー城崎

真・バトルサウナー城崎

レティクル座

王子小劇場(東京都)

2024/08/07 (水) ~ 2024/08/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

友情!努力!ととのい!
とにかくバカで、笑えて、少しほろりとグッときて。
出てくるのは肌色多めのおじさんばっかだけれども、熱いところはしっかりアツい。
個人的には勇者ヨ○○コを思い出しました。
ここまで振り切った喜劇は初めてでしたが、いいですね!
演劇経験よりもサウナ経験の方が鑑賞体験を左右するかも...
レティクル座がまた見たくなるし、サウナに行きたくなる劇です!

ネタバレBOX

ドラクエ、ジョジョ、ドラゴンボール、、少年が喜ぶものもりもりのサウナ劇。熱波師は観劇無料で、サウナハットの協賛も付いてるガッチリサ劇。
特に笑ったのは猿サウナハット(スムーズすぎる)とトントゥ熱弁(大声のゴリ押し)ですね!
サウナ先に出ない謎プライドもじわじわ共感、闇堕ちも同時必殺技も「あるある、、!」でアツかった。
願わくば信長ら辺をダイジェストでもいいからもう少し見たかった!

気になったのは、
・音響がかなり大きい。個人差もあるしそんなもんだと思うのですが、一箇所「大きい音鳴ります」の科白の直後の効果音は本当に思ってるより大きくてびっくりしました。刺しますって後ろから言われた直後に刺された感じでした。
・上演中に地震が。観客の何人かのスマホからアラートが鳴り(鳴るのもどうかと思いますが)、揺れても何事もなく進んだので、現場判断があるのはわかりつつ割と不安でした。ただ些細な地震で演目は止められないし、終了後にアナウンスがあったので一応安心しました。

終演後に公式サイトに載っている原作(https://playtextdigitalarchive.com/drama/detail/607)を見ましたがこちらはかなり短編で、あそこまで膨らまして上演していたんだなと。ほぼ城崎のダンジョン部分のみとかなりショートですがこちらにも味があります。サウナにハマってこれを創れるとは流石です。。
それいゆ

それいゆ

少年王者舘

THEATRE E9 KYOTO(京都府)

2024/08/09 (金) ~ 2024/08/11 (日)公演終了

満足度★★

主宰が亡くなられたこともあって、劇団として最後かもということもあって期待して拝見 再々再演 観客は高齢者が多く、かなりのジェネレーションギャップ 時代とともに色褪せる劇団が多い中、無理くそ携帯やSDGsをぶちこんできていたが、よけいに…
アフタートークでの質問も、全く劇団の現状を読めないKYなオバハンにもゲンナリ 言いたいこともわからんでもないが、くどい❗ 観客もそれなりなら…

例えるなら、部屋

例えるなら、部屋

ビジノチズム

KAIKA(京都府)

2024/08/09 (金) ~ 2024/08/12 (月)公演終了

満足度★★★★

スタイルの異なる京都を代表する二劇団が、コラボ上演 一回目はとても面白かったらしく、今回拝見
素直に面白かった ブルマも指人形も見れて安心というか、次回も開催決定ということで楽しみです❕

ミセスフィクションズのファッションウィーク

ミセスフィクションズのファッションウィーク

Mrs.fictions

駅前劇場(東京都)

2024/08/08 (木) ~ 2024/08/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

3団体によるオムニバス公演。
それぞれタイプは違うのですが、どれも面白かった。

ミセスフィクションズのファッションウィーク

ミセスフィクションズのファッションウィーク

Mrs.fictions

駅前劇場(東京都)

2024/08/08 (木) ~ 2024/08/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

個性的な3団体による各40~50分の短編劇。それぞれの団体の特徴が出ていて面白く、転換もとても素敵でした。
公演中なので、短評はネタバレで。

ネタバレBOX

「ハオちゃんは、デートです」初見の劇団さんでしたが、わちゃわちゃ感満載ながらもついつい応援したくなる舞台。唯一の男性キャスト岩原さんは流石。
「浴室にて改」久しぶりの日本のラジオさんでしたが、相変わらずのシュールな会話劇で面白い。ついつい「棒」を持ちたくなる。
「およそ一兆度の恋人たちへ」DVDで朗読作品は観たことがありましたが、その世界観通りの舞台でした。とても好きな作品です。
個人的には、各演目に何か少しでも繋がりがあればとも思いました。
ミセスフィクションズのファッションウィーク

ミセスフィクションズのファッションウィーク

Mrs.fictions

駅前劇場(東京都)

2024/08/08 (木) ~ 2024/08/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

同じ舞台美術でそれぞれの劇団さんが繰り広げるお話が面白かったです。終演時頭痛に見舞われたのは、水分を取ることさえ忘れていたからと思いますので、今後観劇される方はお気をつけください(追記予定)

ミセスフィクションズのファッションウィーク

ミセスフィクションズのファッションウィーク

Mrs.fictions

駅前劇場(東京都)

2024/08/08 (木) ~ 2024/08/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

若い、と言っても十年くらいのキャリアのある世相コメディ系、あるいはコント系の三劇団の45分前後の短編三作の合同公演である。ミセスフィクションズはその間に「花柄八景」という大当たりがあったので今回も発起人的存在だ。確かに花柄はよかった。(小劇場フリークにとっては突然でなかったのかもしれないが、めったにアゴラまでは足が伸びない)普通の芝居好きには突然現れたこの意味の分からない劇団名の舞台には、いままでのコメディ系に欠けていた空間を突く意外性があった。結構よくある古典的設定や展開を使っているのだが、そこに現代性を下品に陥らず(ここは大きい)織り込んで、百人以下の劇場の熱量を上げていく。初見では驚いたものだった。その後、「伯爵のおるすばん」も見たが、こちらはさしたることもなかった。もう少し見てみたいと思っていたが、コロナもあってこの劇団めったに公演をしない。作者もほかの活動の場に触れることがなかった。
芝居者が引っ込み思案でどうする!と言いたいところだが、発表作品が少なすぎる。
今回の「およそ一兆度の恋人たちへ」も、面白い設定だし、笑いも考えて織り込んでいて三作のなかでは完成度は一番だが、短かすぎる。花柄も後二十分は行けるし、この作品ももっと練りこめば、単独公演が打てたのに、と思う。プラダとウルトラマンの使い方など、これはビッグネームなのだからもっと若い主人公を絡めて膨らまして面白くなったのにと残念。とにかく、作者が濫作できる年齢はそれほど長く残されていない。どんどん思い切って書いてみることだ。清水邦夫は劇作でいいのは40歳まで、と言い、ケラはそのころは年に六作(長編)は書かなければ、という。井上ひさしはテレビの連続ドラマで腕を磨いた。あまり例のない才のある中嶋康太という作者とミセスフィクションズには作品で勝負に出てほしいものである。

こんなんほろんでいい世界

こんなんほろんでいい世界

愛しのボカン大作戦

本多劇場(東京都)

2024/08/07 (水) ~ 2024/08/12 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

キャストの動きがめちゃくちゃ良くて、キャラの造りも大変良かったのだが、ストーリー的には?という気がしないでもない。なんだかフィクションだけでリアルのない世界で、物理的なものが排除されている。それはムチャなんじゃないかと思われることが多すぎた(簡単に言えば人の体には限界があるということ)。なぜという疑問が最後まではっきり説明されず(私が気づけなかっただけかも?)曖昧なまま終わってしまったような(私が理解できなかっただけかも?)・・・。
さらに言えば、『参劇』を趣向として行ったわけだが、この形なら何十年も前にどこぞで観たような気がする。観客参加は難しいがもう少し、全体を巻き込む形でできなかっただろうか?
せっかく良いキャストが揃っているので、次回はしっかりしたストーリーのものを観せて頂きたいと思う。

奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話

奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話

イキウメ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/08/09 (金) ~ 2024/09/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

イキウメ『奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話』を観劇。

 このシリーズは日本の怪談話しを伝説ではなく、実話のように語る面白さがあり、決して見逃してはいけない作品である。

あらすじ
 人里離れた山奥に、地図にも載っていない廃寺を改装した旅館にふたりの男が都会から訪れてくる。長期滞在の作家・黒澤が怪談話しを始めると、伝播するように各々の怖い話しで盛り上がっていくと、男たちは殺人事件の調査でこの地に訪れたと語り始めるのだった…。

感想
 劇場に入った瞬間、雰囲気が伝わってくる舞台セットに緊張がよぎる。すり足で静かに俳優が登場し、作家の黒澤、旅館の女将、刑事たちが語り始める怪談話に「嘘か実か?」という疑念の下、没入感はたまらない。
 怪談話しを俳優が演じながら語るのは白石加代子『百物語』と遜色はないが、殺人事件と落語・牡丹灯籠の怪談話しを絡めながら「これは真実の話では?」と少しでも感じてしまったら最後、登場人物と一体化してしまい、逃れられなくなってしまうのである。
『嘘の話し』『過程の話し』を実のように語るのが語り口の上手さで「今回の話は実話なのでは?」と思い始め、観劇後直ぐにインターネットで検索してヒットしないと分かると「あ〜嘘だったんだぁ!」と現実に戻され、イキウメの世界観からやっと逃れられるのである。
ただ怪談話しの怖さもだが、恋愛感情から起きる激しい男女の感情のもつれが恐ろしさの発端なので、観客も同じように息苦しくなり、いつも以上に感情を揺さぶられてしまった『奇ッ怪シリーズ』だった。
 傑作である。

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