最新の観てきた!クチコミ一覧

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追憶

追憶

ナハトオイリア

STAGE+PLUS(大阪府)

2024/09/07 (土) ~ 2024/09/08 (日)公演終了

満足度★★★

戦争恋愛ファンタジー(近大系)
巻き込まれた戦争で、なぜ日本に核爆弾が?杖のつき方逆じゃねー(途中からは治ってました)等突っ込みどころ満載でしたが、あるある感のストーリー 二人の女性に思われた男 その男に敵対感を持った男 なんとなく先が読めてそのとおりに… 一捻り欲しかったな〰️

~喜楽に落語~ ハルカス寄席

~喜楽に落語~ ハルカス寄席

近鉄アート館

SPACE9(大阪府)

2024/09/03 (火) ~ 2024/09/26 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

漫才が好きやけど落語も良いですネ゙☆聞けば聞くほど味わい深い芸やと思います☆

演劇チームずむwith声優 原えりこ

演劇チームずむwith声優 原えりこ

エンターテインメント セルフキートン

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2024/08/30 (金) ~ 2024/09/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

自分は♦と♣を観させていただきました。チームずむの皆さん、原えりこさん、本当にお疲れ様でした!

※文章がまとまらず上手いこと書けないので、箇条書きで載せときます


・舞台役者さん達の演技に圧倒されました。声、顔の表情、身体の動きを駆使して物語の登場人物を表現しちゃう凄さに感動。
・オープニングシーン的なものがあるのに驚き(舞台では普通なのかな?)…それを上手いこと表現してしまう事にも驚かされた。
・照明や音響の使い方もすごく重要な事も観ていて分かり、裏方さんも凄いなと思った。


・昭和のアニメ・特撮等のキャラクターが次々に登場するカオスっぷりw
昭和好きの自分としてはとても楽しかったです。
・ナレーション突っ込み…とても面白くてめちゃ笑わせていただきました。
・ジャブロー降下作戦を再現…映像の動きを全て把握している役者の皆さんはニュータイプなのか!?w
・昭和のエモさ溢れるこの♣は…
ウルトラエモセレンス第7感コンピューターを使って楽しむ感じのやつw

ゴシック

ゴシック

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2024/08/14 (水) ~ 2024/08/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/08/15 (木) 14:00

久しぶりの民俗学系奇譚は明治時代、因習に基づく「最後の儀式」を執り行う一族の物語。
「あの当時」の「旧家ならでは」(←個人的イメージ)のしがらみを描いてからの「御山入り」場面は圧巻。時空が歪んだり人物が別人格になったり心霊系とはまた異なる納涼風味、今の時期に相応しい一編。
なお「御山入り」場面に「八つ墓村」の洞窟シーンを想起。アレをこの会場で見せるとは恐れ入りました。

番外編・お気に召すまま~ロザリンド・イン・ザ・リング!〜

番外編・お気に召すまま~ロザリンド・イン・ザ・リング!〜

明治大学シェイクスピアプロジェクト

アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)

2024/09/05 (木) ~ 2024/09/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白かったです。元ネタ(原作)はまだ見たことはありませんが、知らなくても大丈夫。試合になると中央に作られるリングの上での対決は少なめで、恋の話のドタバタが大部分を占めている感じでしたが、そこら辺りがシェイクスピアなのでしょうか。
シェイクスピアの時代には女優はまだいなくて、青年が女性を演じていたとのことで、この頃だったらこの演目はもっと説得力を持って上演されたかも?などど思ってしまいました。顔を隠して胸にはサラシを巻いても、女性がいきなり男性プロレスラーはねえ?(笑)
11月には本編の「お気に召すまま」を見る予定なので、そちらも楽しみです。

ネタバレBOX

ネタバレというか、気になったので。
中央にリング、客席はその両側に設置されています。なので、演技をする時の役者の位置をもう少し考えて欲しかったと思います。背を向けられた側は、全然表情が見えなくなるので。
三ノ輪の三姉妹

三ノ輪の三姉妹

かるがも団地

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2024/08/31 (土) ~ 2024/09/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

7日観劇

楽屋ー流れ去るものはやがてなつかしきー

楽屋ー流れ去るものはやがてなつかしきー

劇団演奏舞台

演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)

2024/09/07 (土) ~ 2024/09/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 余りに上演回数の多い舞台故粗筋は書かない。それにしても演ずるのが難しい舞台の代表でもあるような舞台である。登場人物は総て女優A,B,C,Dで表記されていることからも、清水邦夫の今作に対する態度が明確に分かる作品でもある。(追記後送)

ネタバレBOX

 今回、今作を拝見するのは凡そ20回目くらいにはなろうか、これまで拝見してきた他劇団の上演では、永遠のプロンプター役の2人の掛け合いの場面、殊に「斬られの仙太」のシーンや花形女優が若手女優の頭部を殴打してからの独白部分にスポットが当てられる演出が多かったように思われれるが、演奏舞台の今作の解釈では寧ろ、チェーホフの様々な作品のそこかしこに表現されている人生の侘しさに清水のチェーホフ読み込みの深さ、共感を観、表現しているように思う。演奏舞台という劇団の独自性を見ることができよう。
演劇チームずむwith声優 原えりこ

演劇チームずむwith声優 原えりこ

エンターテインメント セルフキートン

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2024/08/30 (金) ~ 2024/09/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

伊谷亜子さんが出演するきっかけで、初日の公演を観て来ました。
オープニングの某洋画劇場のオマージュから、躍動感溢れるダンス、昭和心をくすぐるネタの引き出しが散りばめられて、とても楽しい公演でした。
今回オムニバス形式のお芝居を初めて体感しましたが、程よい展開の早さもあって演者さんの熱量に終始惹き込まれました。
また機会があれば観たいです!!

『大洗にも星はふるなり』

『大洗にも星はふるなり』

ゴツプロ!

「劇」小劇場(東京都)

2024/08/28 (水) ~ 2024/09/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ゴツプロ!3度目の観劇に、結局出向いた。
面白く書かれた完成度の高い一夏の(正しくはその年の冬までの)海辺の物語。
松本哲也が演出だけをやった舞台というのも初めてだったか。
登場人物らの特徴付けがデフォルメでも成立させてる所が中々パワーを生んでいる。

ネタバレBOX

一人の女性を巡る大勢の男のドタバタ、というドラマ的にありそうな構図であるので、「誰が一番彼女を想っているか」「誰が思われている事を証明できるか」的な競争も一興なのだが面白がるにも限界がある(自分の年齢的にも?)ところ、面白がらせる所は感心。色々と趣向や特徴づけとなるアトラクションが台本ないしは映画版をどの程度参照しどの程度オリジナルだったのか、にはちょっと興味がある。いつか、気が向いたら、観てみるかな。
星を追う人コメットハンター

星を追う人コメットハンター

劇団銅鑼

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2024/08/28 (水) ~ 2024/09/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

体調により若干寝落ちの時間があった(毎度これを言ってるが..)が、分かりやすい物語(設定も進行も登場人物も)を緩やかに味わった。老人施設の若手の男性職員3人と施設長、ベテラン女性看護師、入所者の西島さん、そして主人公の若槻(新人職員)の妻、認知症が進行しつつある西島さんが口にする親友・本田実。
天体望遠鏡で星を見るのが好きだった主人公は、西島さんの語る「12の彗星と11の小惑星を発見したすごい男」本田実の話を折ある度に聞き、話し相手となる。西島さんは毎夜姿を消す恐れがあり、聞けば「親友の葬式に行かねば」と言う。だが話し相手が出来たためか次第に落ち着いた状態となる。二人の関係が、本田実という人物はとうの昔に死んでいる事、について話の流れの中で若槻がつい言ってしまい、その後のタイミングで再び西島さんが失踪する、というのが終盤に訪れる展開。
そのラインが軸だが、もう一つ若槻は東京から故郷に戻り、転職を果たした組で、実は妻は東京に残っている。何かの事情でそうなったようなのだが、すれ違いの中で半ば諦めの境地にある二人が、若槻がこの場所で生き甲斐をもって働き、再び天文学への興味に向かっている事が、結果的に二人の関係に変化をもたらす、その筋がある。そして本田実という人物が西島さんの想念を飛び出て語る星や宇宙への思い。これがある種の媒介として位置づけられているのだが、事実として判明したのが本田実と昵懇だったのは西島さんの父で、父が受け取っていた手紙を西島さんは常に持ち歩いていた、恐らく幼い頃父を通して彼の中に本田実という存在が住み着いたのだろう、という仮説が最後に謎解き的に出される。この西島さんの存在が、他者すなわち施設の人たち、とりわけ主人公夫婦の歩みに与える推進力になるためのもう一つが欲しかった感想だ。それが何かはうまく言えないが。
ただ、台詞にはならない、西島さんの現在地(変化)や、若槻夫婦の中に流れ始めたもの、施設職員らの間に灯った火のようなものを、観客として想像し、勝手にこみ上げている自分がいた。

MY ROOM IS MINE!!

MY ROOM IS MINE!!

MIXZONE

小劇場B1(東京都)

2024/09/04 (水) ~ 2024/09/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

家に帰ったら知らない人が・・・完全に不審人物じゃないかと思いきや、何やらそういう次元では無さそう
「超主張シンクロナイズドコメディ」と言うのは、なるほど!の命名
主張するほどに可笑しい
シンクロの迷宮に笑いながらも、出口はコメディーとは全く違った物語へと繋がっているよう
ちょっと甘美な世界のように一瞬感じたものの、いやいや やっぱり怖い
観終わった後、地面を踏みしめるのが何とも心地良く感じられる公演

奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話

奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話

イキウメ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2024/08/09 (金) ~ 2024/09/01 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

この所(コロナ期に入って以後)のイキウメに深く首肯していた自分だが、往年のイキウメ作品の世界を久々に堪能。だが単に不可思議世界の存在を「面白がる」だけで終われないものがある、という意味ではグレードは上っている。とある旅館を訪れた背広姿の二人、そこには旅館の女将と奉公人風情の勤め人、小説家の客が居る。この作家を八雲に見立てて・・? 逗留の間百物語風に話を聞かせるのだが、現実の時空でのストーリーも進行しており、語られる物語と最後にはシンクロし、カタストロフのラストとなる。
文学座松岡依都美、モダンの生越女史ともう一人、客演女優も充実して(怪談には女が居なければ・・)豊饒な美味なる舞台であった。

代数学

代数学

壁ノ花団

扇町ミュージアムキューブ・CUBE02(大阪府)

2024/09/05 (木) ~ 2024/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★

繋がりの重要なファクターはディスタンスで有ることを再認識させてくれる一作 音と匂いが伝わるスピードに加え、今ではビジネス向けではない郵便物や人間と動物の生死等を劇中に上手く取り込みながら、タイミングの大切さ、自分が一度きりの人生でどうなりたい どうしたいかを問いかけてくる 流石に長年続く劇団の作品は素晴らしい

青木さん家の奥さんⅡ

青木さん家の奥さんⅡ

鴨リンピック

ウイングフィールド(大阪府)

2024/09/06 (金) ~ 2024/09/09 (月)公演終了

満足度★★

再演フェスの一題目
歌唱ショウ?と思う展開から(歌も尾崎豊しか知らん…)おばちゃん四人がシチュエーションを変えて、少しずつ演劇を作り上げるという展開だが…観客はハイエイジばかりで、最前(特別エリア)はかなり盛り上がりをみせていたが、私は全くのおいてけぼり…他の予定をキャンセルしてまで観たことに罪悪感すら…

楽屋ー流れ去るものはやがてなつかしきー

楽屋ー流れ去るものはやがてなつかしきー

劇団演奏舞台

演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)

2024/09/07 (土) ~ 2024/09/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最高でした。他の劇団の同名の舞台を観たことがありますが、演出家や脚本家が違うとこうも違うのか…と。とにかく女優さんのレベルがハンパないです。素晴らしいの一言です。あと、劇伴が生演奏ですが、これまた素晴らしいです。途中ジブリぽいというか久石譲ぽいメロディやコードが出てきて「おお!ジブリキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」と思いました。劇中の音楽も不思議なスケールを駆使したメロディになっていて「おお!ジャジーなフレーズキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」と1人で興奮していました^^ それと、受付をやられていた若い舞台女優さんの演技の巧さに度肝抜かれました。若手の舞台女優ではトップクラスですね。あと、こんなにハイクオリティの舞台なのに上演日が2日しかないのはもったいないです。ロングランでやっていいのでは…です。

楽屋ー流れ去るものはやがてなつかしきー

楽屋ー流れ去るものはやがてなつかしきー

劇団演奏舞台

演奏舞台アトリエ/九段下GEKIBA(東京都)

2024/09/07 (土) ~ 2024/09/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。
「楽屋」は数多く観てきたが、その中でも最高だ。
舞台美術は 存在する空間の違いを巧く表し、演技は 劇中劇と楽屋でのリアルな演技(会話)の違い…台詞を借りれば、澱んだ空気感がしっかり表現されている。勿論「女優」という職業、というか「役」への執着、執念が切なく痛く そして怖いほど迫ってくる。

女優が演じる女優の物語。その4人の時代背景と性格を鮮やかに描くことによって、漠然とした「女優」像が浮き彫りになる。時代は変遷しても、人を押し退け、傷つけても「主役」の座は譲らない。案外それが女優「魂」なのかもしれない。この魂に 如何に命を吹き込むか、生への執着・執念に通じるものを観じた。
満席。この公演を観れたことはラッキーだった。
(上演時間1時間40分 休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術は、中央に通路がありその両側に鏡台を思わせる刳り貫き。上手には実の化粧台がありビール瓶などが。壁には多くの衣裳が掛けてあり、中には三度笠もある。勿論 演じる役に応じての衣裳や小道具・小物を配している。舞台奥の上部に照明があるが、後々これが実に効果的な色彩を照らす。

女優による女優の物語であり、その年代や立場、そして想いが異なる女優をどのように演じるかが肝。男優4人ではなく、女優というところに女の情念が痛々しく荒々しく剝き出しになる。この公演では、定番と今まで観たこともないような演出がある。まず年代の違いを表す台詞の違いなどは定番。そして衣裳は女優A(典多麿サン)は絣の上着にもんぺ、女優B(岸聡子サン)は普段着、女優C(美ゆき サン)は舞台衣裳、女優D(池田純美サン)は白地の浮遊感ある(寝)服、そこに夫々の情況を表している。

女優AとBのいつ来るとも分からない出番を待っていた時の心境、それを少しコミカルに描いているよう。勿論、いつまで経っても表だった出番がない悲哀が語られている。しかし、女優Dが現れ女優Cへ役を返すよう迫る。それまでの雰囲気が一変するような狂気が感じられる。敢えて前半のAとBの場面を弛緩するような描き、そうすることで後半のCとDの鬼気迫る場面に緊張感が漲る。諦念と欲望という心情の違いが明確になる、そのメリハリの利いた演出が上手い。AとBの飄々とした惚け味、Cの孤独で峻厳さ、Dの情緒不安定な狂気といった印象付け。他の公演でも似たようなものだが、冒頭のCの劇中劇(演技)から楽屋でのリアルな素振りへの変化は、女優(業)を端的に表しているよう。

演奏舞台らしい生演奏の効果…特にCとDの緊迫した遣り取りの中、不安・不穏を煽るような音楽が流れ心情を露にするようだ。今回は照明効果として女優1人ひとりに配色しているよう。女優Aは青(火傷痕 痣)、女優Bは赤(自傷 血)、女優Cは白銀(独白 空<クウ>)、そして女優Dは…。色に染まっていないDは死して なお女優であり続けたいと願う気持ち。女優は何色にも染まる=どんな役も待ち受けている そんな印象が感じられる。AとBの言い争い時の青×赤の照明点滅は 実に効果的だった。
次回公演も楽しみにしております。
L.G.が目覚めた夜

L.G.が目覚めた夜

演劇集団円

シアターX(東京都)

2024/09/01 (日) ~ 2024/09/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2024/09/07 (土) 14:00

座席1階

ご遺体に化粧を施すなど生前の姿のようにしてさしあげるエンバーミングで名を挙げた女性と、家族の物語。けして「死体処理」などという空疎な向き合い方でなく、尊厳を大切にする、思いを込めた仕事だ。納棺師の映画や、最近では米倉涼子や松本穂香が好演したNHKのドラマ「エンジェル・フライト」で知られるようになった仕事だ。

舞台は山村と思われる片田舎の町。若くして故郷を去った主人公の女性は、がんで亡くなった実母の遺体にエンバーミングをしている。兄弟たちが集まってくるが、なかでも長兄は女性に対して非常に冷酷な態度を取る。このミステリーのカギを握る伏線である。
少女時代の自分の独白から、物語はまず展開する。この女性は深夜、寝静まった町の人々の寝室に忍び込み、寝姿を眺めるという奇癖があった。鍵などかけない田舎だからということだが、よくバレないでそんなことができるな、と思いながら舞台を見つめる。
ところが、やっぱりバレてしまうのだ。しかも、少女のあこがれでもあったスポーツマンの男の子の寝室で。ここで何があったのか、やはり、女性の独白によって物語は急展開していく。

ゆえに、この女性を演じきった平栗あつみには拍手を送りたい。彼女の長い独白によって客席はかたずをのんで静まり返り、視線は舞台にくぎ付けだ。彼女の物語以外にも、兄弟それぞれの人間関係の秘密が次々に明らかになっていく。すべてを握って死んでいった母親の遺体の元で明かされる葬られたはずの過去。ラストシーンの演出はよかった。舞台中央の四角い扉が、最後の最後に開く。母親の情念というか、えも言われぬ強いエネルギーが放出されていった瞬間だ。
タイトルの「L.G.」という名前の主が実は、女性の家族ではないもう一人の主人公。存在感を放って舞台に浮かび上がる姿は、亡くなった母親が墓場まで持っていこうとした強い情念に照らされてるかのようだった。

2時間弱の物語。この舞台は面白い。一見の価値がある。

悪態Q

悪態Q

劇団不労社

北千住BUoY(東京都)

2024/09/06 (金) ~ 2024/09/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

『SAW』を思わせるコンクリート打ちっぱなしの殺風景な一室。会場ごと見立てて演出するという“空間への当て書き”、東京公演は北千住BUoY(ブイ)。かつて陰惨な事件が起き心霊スポットにされた廃ビルの一室のような佇まい。無機質で不穏な雰囲気が色濃く漂う中、気の違った陽気なSEがけたたましい。ムードは『ホステル』や『パージ』など病んだ作品の系譜。

幼稚園の卒園式の為に先生達が出し物の稽古中。ラジカセで『ピンポンパン体操』を流し愉快に踊る。黄緑(ライトグリーン)ジャージのむらたちあきさん、水色(シアンブルー)ジャージの永淵大河氏、紫(ロイヤルブルー)ジャージの荷車ケンシロウ氏。ジャージはやたらスタイリッシュ。愉快にコミカルに元気一杯に踊る。どうも男性二人はむらたちあきさんに好意を抱いているようだ。恋の鞘当てにヒリヒリした空気感。

ズンズンズンズンズンズンズンズン ピンポンパポン
ズンズンズンズンズンズンズンズン ピンポンパポン
がんばらなくっちゃ がんばらなくっちゃ がんばらなくっちゃ

延々続く気の違った唄に頭がおかしくなりそう。間奏に挿まれるむらたちあきさんが作った、園児向けのクイズ。ロールシャッハテストのようにサイコパスを炙り出す精神異常者向け。

むらたちあきさんは凄く魅力的だった。元気ハツラツなメンヘラ。
永淵大河氏はマトモな常識人としての立ち位置で「ちょっとそれ園児向けのクイズには相応しくないのでは?」と冷静にツッコむ。
荷車ケンシロウ氏は十一重(以上)人格者役も狂ったようにこなすハッスラー。

5つの連作集といった感じだが、とにかくしょっぱなの奴が凄まじい。これだけで元は取れる。
是非観に行って頂きたい。

ネタバレBOX

①貧血気味のむらたちあきさんに「自宅でモロヘイヤを栽培しているので食べに来ないか」と誘う荷車ケンシロウ氏。彼女がトイレに行った際、永淵大河氏は実は自分等は付き合っていると伝える。大ショックで失神する荷車氏。ほんの冗談だったと慌てる永淵氏。むらたさんが赤いゴムボールのような物を持って帰って来る。「今、トイレでこれを吐いた。これはさくらんぼうだと思う。」中学時代にキスの為にさくらんぼうの茎を舌で結ぶ練習を毎日していた。ファースト・キスの際、それをしたら彼がパニックになってしまい舌を噛み切られてしまった。それから咽喉マイクを装着しているのだ、と。崩れ落ちる現実感、立ち尽くす永淵氏。

②サッカーの試合、監督のむらたさん、選手は荷車氏独り。補欠の永淵氏は「出してくれ」と頼む。荷車氏は十一重人格で選手全員を兼ねている。選手は独りでボールが11個あると監督は説く。王蟲を思わせる赤いボールに覆われた化け物と化す荷車氏。

③ピンポンパン族の生態。クロード・モネの『印象・日の出』。

④政治家に取材を申し込むジャーナリストの荷車氏。秘書の永淵氏は何度もあしらう。政治家の妻におさまったむらたさんはかつての恋人。到頭現れた政治家は秘書と同一人物であり、トゥレット障害(チックという神経精神疾患)の汚言症であった。これがタイトルの所以か?

⑤選挙に立候補した、むらたさん。自分を支持するものは自分自身だけだと理解する。行こうか!様々な色のカラーボールが転がっている。

表現がどうたら演劇がどうたら劇団がどうたら的なものには一切興味がないのでラストの方はキツかった。本当にこれっぽっちも興味が湧かない。①がずば抜けていたのでこれを基点に作劇して欲しかった。何をどう伝えたいにせよ、基点だけが互いの共通概念。そこをないがしろにするとカラオケで知らない曲を延々と熱唱されたぐらいにぼんやりする。
ランドスケープデザイン

ランドスケープデザイン

3 CREATORS + 5 ACTORS

スペースあや(東京都)

2024/09/06 (金) ~ 2024/09/09 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初日拝見。白い壁のはじめての会場で基調白の衣装の役者の演技。脚本の皆さんも何度も拝見してお気に入りの方たちで安心して観劇しました。短編3本、どれも、クスッとしたりほんのりしたり良かったです。心が優しく元気になりました。ありがとうございました。

共闘者

共闘者

月刊「根本宗子」

TOKYO FM HALL(東京都)

2024/08/31 (土) ~ 2024/09/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2024/09/05 (木) 18:30

久々の根本宗子、久々の TOKYO FM ホール、だが、根本らしいファンタジーコメディ。(2分押し)135分。
 高校演劇部だった女子5人が大学の演劇科に入って劇団を作ろうとしたけどメインの京子(前田淳子)が突然去って行って…、の物語。ありそうな展開だが、途中からアリエナイ展開になって、その辺が根本らしいファンタジー。細かい「技」も使って、楽しい舞台になっているが、何故、が最後まで分からないあたりはちょっと…、な感じも残る。ライブな会場でセリフが発散するきらいはある。

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