最新の観てきた!クチコミ一覧

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“真”悲劇の生物兵器2367号

“真”悲劇の生物兵器2367号

空想実現集団TOY'sBOX

北池袋 新生館シアター(東京都)

2020/12/23 (水) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

すれ違いすれ違いだけど歯車は回っている。
テンポもいいし、面白いお話の進み方でした。
ありがとうございました!

フォーゲートアウトプレイ2020

フォーゲートアウトプレイ2020

演劇組織KIMYO

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2020/09/04 (金) ~ 2020/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

以前に上演された作品の再演ということでしたが、登場人物や設定などがガラッと変わっており再演というよりも新作を観ている感覚でした。
ビビッドな衣装やスピード感、心躍る音楽とダンス、舞台美術の細やかな表現などKIMYOさんらしさがふんだんに詰め込まれた作品でした!
今回は映像公演ということでカメラワークを活かした普段では観られないアングルからの構図も楽しめました。
初演で出演されていた役者さんの起用も嬉しいかったですし、新たに加わった方の新しい力との化学反応もよかったです!
これを直に観てみたかったなぁと感じました。

GIRLS TALK TO THE END

GIRLS TALK TO THE END

藤原たまえプロデュース

千本桜ホール(東京都)

2020/09/02 (水) ~ 2020/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かったです
最後の最後は読めなかった!

MASKED HEROES

MASKED HEROES

藤原たまえプロデュース

小劇場B1(東京都)

2020/06/30 (火) ~ 2020/07/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

緊急事態宣言後初めて観劇した舞台
オムニバスそれぞれ楽しめました!

成井豊と梅棒のマリアージュ

成井豊と梅棒のマリアージュ

NAPPOS UNITED/dynamize

サンシャイン劇場(東京都)

2020/12/17 (木) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/12/19 (土)

久しぶりの成井さん脚本の舞台が観られて嬉しかったです。1つひとつの短編が1つの作品になっている、という公演でした。
キャラメルメンバーも久しぶりに観ることができて感動しました。梅棒さんとのコラボということでダンスシーンはいつものキャラメルの2倍3倍くらいの量で、梅棒さんの振り付けでキャラメルメンバーが踊ってるのを見るのは新鮮でした!
切ないけれどとっても素敵な物語をありがとうございました!!

クズリの目から

クズリの目から

狂夏の市場

狂夏の市場劇場(兵庫県)

2020/12/16 (水) ~ 2020/12/22 (火)公演終了

満足度★★

前説の主催者が、かみかみ。ワザとに笑いをとったのか?内容はうーんといった感じ。受付スタッフ対応も今一だし、不完全燃焼でした。

「ノアノ箱」・「Oz-1526」

「ノアノ箱」・「Oz-1526」

劇団わたあめ工場

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2020/09/09 (水) ~ 2020/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

Oz1526を観てきました(^_-)-☆
躍動するステージは独特の世界へ連れて行ってくれました

星の子たちと2人の神様

星の子たちと2人の神様

シャービィ☆シャービィ

高田馬場ラビネスト(東京都)

2020/10/31 (土) ~ 2020/11/03 (火)公演終了

満足度★★★★★

初日、観てきました!
最高でした、感染防止対策もしっかりされていてとってもたのしみました

JACROW#29「闇の将軍」シリーズ第3弾

JACROW#29「闇の将軍」シリーズ第3弾

JACROW

サンモールスタジオ(東京都)

2020/10/22 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

闇の将軍、3部作。毎回見応えがあったが、今回の作品もまるでドキュメンタリーを見ているかのようなリアリティ‼️

光射ス森

光射ス森

演劇集団円

シアターX(東京都)

2020/12/19 (土) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

役者さん達おのおのが見せ場を魅せるを観るお芝居でした。

雨にも負けずを朗読したり、激しい運動量で説明したり、新体操ばりの柔軟性みせたりと、コロナで役者さんたちも悶々としてたんだなあって、役者さんたちをひたすら鑑賞した観劇でした。

ただ肝心の主役女優さんのの交代で誤算があったか。ケータイ説明でこれは過去シーンであるをほのめかしてたが、若々しい現在より落ち着いた、お母さんっぽく見えた過去シーンが未来シーンに見えて、前半は観客が物語に混乱したかも。

絶対、押すなよ!

絶対、押すなよ!

東京AZARASHI団

サンモールスタジオ(東京都)

2020/12/22 (火) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

 華5つ☆。良く練られた脚本、4人の演じるおじさんたちの個性が立ち味のある演技。ろ観よ!(追記後送)














ネタバレBOX

 ラストの素晴らしさ。ホントに良い作品を観せて頂いた。ありがとう。
外地の三人姉妹

外地の三人姉妹

東京デスロック

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2020/12/12 (土) ~ 2020/12/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

千秋楽当日思い立って観に行った。予定がなくなってボンヤリしていた所、ハッと時計を見るとギリ間に合うかという時刻。出掛けてみっぺと電車に乗り、当日券で会場中段の良席にありついた。
チェーホフの「かもめ」を植民地統治下の朝鮮を舞台に脚色した「カルメギ」のソン・ギウンが再びチェーホフの長編を翻案した新作。休憩15分込の3時間は全く苦にならず刺激的な時間であった。
翻案とはこうやるものだという見本のような作品である。原作のドラマの骨格と人物の性格属性、エピソードを可能な限り織り込んで、朝鮮北部に居住した日本人家族(福澤家)の1930年代末から日本降伏直前までのあり得た「かも知れない」ドラマが紡がれている。
原作、と言っても戯曲の忠実な上演を直に観た事はなく、凡そ次の梗概を知るのみ。・・かつて軍の高位にあった父の一家がモスクワを遠く離れた田舎暮らしをしており、三姉妹はモスクワでの生活を懐かしく語る。召使を雇い、赴任した軍人に部屋を貸すだけの屋敷を所有していても父の死後零落を余儀なくされており、三人姉妹の誇りであった長男は大学の研究所に残れず地元の娘と結婚してうだつが上がらず博打に手を出し(やがて屋敷を抵当に入れる)、長女オリガは独身で教師の苦労性、次女は教員の夫との結婚生活に幻滅し軍人の一人に横恋慕、三女は自立を求め仕事を始めるも二人の軍人に求婚されて迷った挙句、愛のない結婚を選び、連隊が撤退するその朝に元求婚者から決闘を申し込まれ、応じた婚約者が不幸な死を遂げ、取り残された姉妹たちは身を寄せ合いながら力強く生きて行こうと言う・・。
本作ではモスクワは東京となり、新天地を求めてか元は父の赴任地であったか朝鮮に入った一家は当然ながら当地の人々に対し優位にある構図、とは言え地元の朝鮮人との関係も簡単ではなく、帰郷の願いが根底にある構図も出来ている。三姉妹の身分や職業、長男の凋落ぶり、その妻、三女に言い寄る兵士二人、新任の兵士、付き合いの古い医師など、設定は原作をなぞっている。
チェーホフの作品をよく知る人にはディテイルがどのようにトレースされ、又は改変され、演出や演技がそれをどう処理していたか、といった部分が見えていた事だろうが、自分はあらすじを押さえた程度で後は植民地朝鮮という歴史の上にドラマがどう有機的に絡むかが最大関心であり、原作を鑑賞する場合とのそれが明確な差だ。
翻案版三人姉妹の原作と異なる一つは、三女の婚約相手である。原作では愛だ恋だの悶着を逃れるかのように?打算的にある男性と結婚するが、本作では朝鮮を出自とする日本で育った日本人で、一家に出入りする素朴な青年。吃音で喋る彼と三女とはエスペラント語への関心で通じる。後半日本人居住地区で火事が起こり、避難家族の受け入れ等の作業で疲れ切った夜、様々な人間関係の膿が噴き出す場面となる。ここで働く女性としての悩みに直面する三女へ、長女は「あなたは朴さんと結婚すればいい」と勧める。お似合いの相手であり、ラストでは既に子供も授かり挙式を数日後に控えている、というタイミングで例の決闘事件となる。原作での家族が置かれた条件とは異なる「植民地朝鮮の日本人家族」というドラマでは、悲恋に終るエピソードはそぐわしく「困難」の度合いはむしろ原作より高まりドラマ性は増したように感じる。そして軍人らが「転任」ではなく「撤退」するラストは、通常ならば「民間人を置き去りにして早々と敵前逃亡した日本軍」としてスキャンダラスに語られる史実だが、韓国人である作者の描写は、日本人登場人物ら一人一人を「去り行く者」として括り無常観の中に舞台から消えさせるというものだった。朝鮮側から見れば統治国が撤退し(新たな戦争が待ってはいたが)解放された瞬間である。総員撤退の前、次女の不貞の相手である軍人が撤退前の僅かな時間立ち寄り、一目会ってからと焦る様の未練がましさ滑稽さ、いや醜さは、その罪意識のなさ=愚かさにも通じる。次女が崩れ落ちて大泣きする背後から、常にそうしたように修身担当教員の夫は「昌子」と呼びかけ、こう付け加える。「お前はそうしながらも俺と暮らしていく。」心に迫る言葉を続けるかと思いきや、いつもの如く修身だか借りて来た標語を掲げる。悲しくも笑えるこの夫は夏目真也のキャラならでは。東京デスロックの秘蔵の宝。
いささかコミカルに演出された不倫カップルの別れだが、名残惜しさに何度か繰り返したブチューのキスは「外地」「不貞」「強制された離別」といった興奮材料からの衝動でもあり、勝手な了見で領土にした側がその余禄ゆえの発情に自ら飲まれる様は滑稽で醜い、という含意も(演出家にその意図はなかったにせよ)読み取れる。
全体にリアルが基調で「大陸の時間」が流れるのは演出なのか戯曲の指定か・・例えば人の登退場が一、二言の台詞でリレーするような恰好で(短時間の間に効率よく情報を入れ込むのが脚本執筆術であったりするがその反対に)「時間経過が主役」であるような場面があったりする。大きな時間の流れを、ゆったりと感じながらの3時間が全く無駄に感じられず苦にならないのにはきっと理由があったのに違いない。
最終場では舞台手前右の床蓋が開けられ、階段を下りて日本人が一人ずつ退場した後、地元民である朝鮮人(長男の妻、その若い女中、力仕事をする地元の青年)、そして殺された三女の許婚の朴が、粛々と床に(ピッタリとでなく)蓋をし、その上に白い布をかけて封をする。その布は舞台奥の正面に開幕から掲げられていた映写幕で、日の丸が映っていたのが日本人の退去後に降ろされるのである。一方舞台後方の床に書かれた太極旗の円(赤青)は舞台上がガランとした後にも残り、4人がその周囲を静かに歩き、やがて、手が上がり、足が跳ね、踊りとなる。朴は他の者を見て真似をしている。四人四様の舞が舞われる。その間ずっと(環境音的なノイズは鳴っているが)音楽もなく無音である。伴奏の要らない、何かが満ちていくような踊りの中に、大陸の時間がしっかりと刻まれて行く。残像を残して暗転。

富国強兵路線を突き進んだ日本は「図」を求めたが、広大な中国にまで手を出し、どういう勝利の形を描いて進んだんだか全く分からないという案配だ。「図」を語る言葉が独り歩きする場面を最近身近なところでも見る事が多い。「地」があって初めて図が描ける。図の周囲には地が実は果てしなく続き、そこには(見届けてないという意味で)未知のものがあり、たとえ「図」の見た目が良くてもそれを図たらしめる「地」との関係でしか「図」は存在し得ない事は意外に忘れられがちではないか。
「地に生きる」事を知る者は太極の周りを踊る4人のように語らず、語り得ない事柄を知っている事をその態度によって示すものかも知れない。宣伝文句に踊らされ「図」を信じ買わされた者はかつて馬鹿を見た。その戦前戦中と同程度、馬鹿を見たがっている予備軍が今相当数居るとすれば・・。

No.9 ー不滅の旋律ー

No.9 ー不滅の旋律ー

TBS/キョードー東京

赤坂ACTシアター(東京都)

2020/12/13 (日) ~ 2021/01/07 (木)公演終了

満足度★★★★

何が良かったといって、ベートーヴェンのピアノ曲と交響曲の触りを、ベートーヴェンの人生とともにたっぷり堪能できたのが良かった。稲垣吾郎はわがままで起こりっぽいベートーベンを、抑え気味にクールに演じていた。そのクールさはナテッネ(村川絵梨)とマリア(剛力彩芽)の姉妹に求愛するところで強く感じた。意外とそっけないのです。女性に対する不器用さを表現していると思った。女優二人が、華やかさと芯の強さを兼ね備えた演技で素晴らしかった。稲垣吾郎のベートーヴェンとのトライアングルがこの舞台の肝であった。

ベートーヴェンの父親に対する恨み・トラウマが、回想シーンや、現在の幻影として度々出てきて、楽聖の人物に深みを与えていた。また、ウィーンの警官のフリッツ(深水元基)が、ずぼらな遊人から、強権的な秘密警察へと豹変することで、自由が狭められていく時代の動き、革命の理想の幻滅を示していた。

休憩20分込み3時間10分(70分ー20分ー100分)。市松模様の排斥で、間隔をあけていた。既に満席にしている劇場も(新国立や東急、東宝系など)多くなっている中、慎重な劇場の姿勢だった。

ネタバレBOX

舞台の美術で、梁の一部付いた柱が、奥に向かって左右に並んでいる。それが上からの何本ものワイヤーにつながっているのだが、あのワイヤーはなんだろうか。舞台の大も四隅に上からのワイヤーがある。ほかの壁などの装置は、上から釣り下ろしたり、引き上げたししたが、あの柱は動かなかったと思うし、大に至っては絶対動かない。それでもあるワイヤー。多分、天上への、至高の世界へのベートーヴェンの意識を示したのだろう。

最後の「歓喜の歌」は、一緒に行った友人は「鳥肌が立った」と言っていた。しかし、私はスピーカーからのオケと合唱の大音量が録音ぽくて、生の舞台の雰囲気とのズレを感じた。すごいのだけれど、すごすぎるという感じ。第一部の幕切れの「歓喜の歌」の合唱の方が、生っぽくて、素直に気持ちが乗れた。大音量で聴かせるよりも、舞台の生の声を大事にしたほうがよいのではないだろうか。
〜ボブジャックの少し早い年忘れの宴!〜

〜ボブジャックの少し早い年忘れの宴!〜

Bobjack Theater

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2020/12/17 (木) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

「目を閉じておいでよ」を劇場で観てきました。
刺さる芝居による長編群像劇。

途中結構どろどろした感情も入るのですが、観劇後は元気になれる・爽やかな読後感といった印象。

ネタバレBOX

主演の森岡さん、結構難しい役柄のように感じるのですが、良い芝居してるなぁ…と思いました。
絶対、押すなよ!

絶対、押すなよ!

東京AZARASHI団

サンモールスタジオ(東京都)

2020/12/22 (火) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

去年 -『去年マリエンバードで』より-

去年 -『去年マリエンバードで』より-

KARAS

シアターX(東京都)

2020/12/12 (土) ~ 2020/12/15 (火)公演終了

満足度★★★★★

KARAS in teatreX 3度目だが期待に違わずハイレベルのパフォーマンス。照明、音、踊りそれぞれが舞台上で拮抗している。『去年マリエンバードで』も大昔観ていて最近また懐かしく見直した映画だが1960~70年代に斬新だった映画は今も古くなく蠱惑的。舞台は映画のエッセンスが注入され、私は(「青い目の男」「ゴドー」と同じく)台詞をバックに踊、るのを想像していたがオルガンで攻めてきた(恐らく映画のでなく似せたもの)。闇と光を往き来する間に憂いと熱情が舞台に充満していく。確信と不安の狭間に据え置かれる。
映画では回廊のような白亜の邸(城?)で男女が社交界を演じる中で、ある男が女性(亭主持ち)に言い寄っている。「去年、確かマリエンバードだったか、、あなたは確かに私に言った、1年後にもし会えたらその時は、と。。」女性はけだるそうに「忘れたわ」とだけ答える。
画面が捕らえた人々は無表情、静止が多くカメラも彼らを風景のように舐めながらゆっくりとパンして行く。アテレコのニュアンスのせいか人物らは人形にも見える。男は最後に女性をある場所で待つと告げ、やがてそこに女性は現れ、二人は手を携えて広い庭園をゆっくりと歩いて行くが、カメラは相変わらず感情移入する事なく風景を映している。閉じた人形の世界と決別するエンディングに、旧態依然の体制との訣別というテーマも閃くが、不安は色濃く、単純なハッピーエンディングとも見えなかった。
それに対して舞台では最後に漸く人間同士が相まみえ、照明が落ちる。すれ違いの末の対面は今人間が飢えているものを再び取り戻した未来の図と見え、この舞台の判りやすく心温まるラストになっていた。
シアターXの側面の壁の凹凸まで利用した照明、刺激的な音響(音楽)に加え、今回は舞台各所がせりのように照明と連動して上下し、場面が大きく変化する。アイデア満載な演出だが、大きめの舞台は今回3回目、毎回新しさを感じる。攻めている。

鶏

TinT!

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2020/12/09 (水) ~ 2020/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

漢字一文字のタイトルで3公演目、若い劇団と思いきや、第一回公演から文学座佐川氏ら実力派の名が並ぶ。作・演出としては見なかった名だが社会派歴史劇の趣きもあっておっかなびっくりで観に行った。
KASSAIのステージをディスタンスで眺める格好。白い壁にキャンバス用の金具が付いており、美術館と判るが、「これから架かる」のか「取り外された」跡なのか不明。壁の右手奥が美術館内部、下手袖が外部への出口というシンプルな動線、つなぎを着た2人の学芸員アラン(根来武志)、マルセル(内藤裕志)が輸送対象となった絵画を丁寧に「処置」する作業場が白壁前の狭いエリアであり、また美術への造詣を自認するドイツ輸送担当官の女性カサンドラ(さかい蜜柑)が胸糞悪くなる論評を開陳し、ヒトラーとゲッペルス、そして自分の所蔵とすべく絵画を選定するのもここ。ドイツ人の画商ロルフ(佐川和正)はもみ手しながらカサンドラの選から運よく漏れた絵画(印象派等)の中から抜いているらしいが、この2名と美術館側である館長ジャン(西岡野人)、臨時管理人ヴァロン(染谷歩)の敵対構図、そこに新たにナチスの芸術作品保護担当として着任したヴォルフラム伯爵(桝谷裕)という予期せぬ味方の登場により序盤にドラマ性が高まる。
美術館が舞台という事もあるが、全体に静かな舞台であり、それは作者でもある染谷女史演じるヴァロンが最後まで変えない憂いの表情にも似ている。
評価の中心は戯曲の出来にならざるを得ないが、はっきり言えば序盤からのディテイルに弱さがある。しかし美術品を奪う者たちと対峙しているのは「真に絵を愛する者たち」であり、「本当に絵を愛する者ならば・・するはずだ」という信念、芸術への態度からその者の人間性を読み取る目を武器とし、彼らは「闘っている」という視点が明確にある。
印象的な場面を紹介したくなるがまた後日。

光射ス森

光射ス森

演劇集団円

シアターX(東京都)

2020/12/19 (土) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★

小劇場が盛んになる前は、しきりに「新劇」が素材にしていた第一次産業の、それも珍しく林業の話である。時代が変われば、産業構造が変わるのは当然の話なのだが、新劇時代以来、第一次産業は被害者側、お上からも社会からも迫害され、それでも自然の美しさや、生活の原点に携わる喜びを見出して生業に励む、と言う手のドラマが量産されてきた。
最近は少なくなったと思っていたが、この作品を見ると、その基本的な取り組みは少しも変わっていない。林業はあまり取り上げられていないが、現代風俗的な登場人物は出てきはするが、俳優たちも、老人組はともかく、若い層は実感もないのだろうが、書き割りの人物のようでこれでは基本的構造を改革しようという次世代への力はない。ただの体制順応である。例えば、林業の実務を10年もやったという女性の役(馬渡亜樹)の衣装や体つきに山歩きの実感が全然ない。せめて腰回りに肉布団を巻くくらいの知恵はあってもよさそうなのに、現代は、山など歩かないというので都会に住む人物と同じスリムな体形で作業着もファッション風。これでは、山を歩いて世紀を超える喜びがあるというのも嘘っぽい。昭和20年代の新劇の農業改革の芝居と同じで、さんざん説明はされるが、リアリティがない。この作者が以前書いた、確か、深川の染物屋の話のような地に着いたところがない、おまけに二家族の話だが、その関係がよくわからない。時代が十年ずらしてあることなど、帰り道にパンフレットを読んで初めて分かった。そしてこう言う話になると、必ず出てくる宮沢賢治。またかの安宅関。
折角珍しい素材だったのに、残念な出来だった。

〜ボブジャックの少し早い年忘れの宴!〜

〜ボブジャックの少し早い年忘れの宴!〜

Bobjack Theater

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2020/12/17 (木) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

新作の「目を閉じておいでよ」を観劇。いろんな感情でゾクゾクするシーン多数。生で見られて良かった

ネタバレBOX

技術的にはイマイチ感がないわけではないけども兎に角刺さるシナリオそして芝居。けして御涙頂戴でも個人的に大っ嫌いな人間のイヤーなところをえぐるだけでおわるホラーな作品でもなく、最後には良かったねーと心から拍手を送れる。塩梅がいい台本だと思う
殺意 ストリップショウ

殺意 ストリップショウ

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2020/07/11 (土) ~ 2020/07/26 (日)公演終了

シアタートラムで鈴木杏さん主演一人芝居。約2時間。19歳の少女が体験した敗戦、ある男性社会学者の転向、堕落から見えた日本人の姿。「この鈴木杏を観ない手はない」と思う。狂気と正気を大胆かつ小刻みに行き来し、人間そのものを彼女自身にうつす。腹筋にも見とれた♪

ネタバレBOX

「あんまり安心しすぎて、いい気になるのはよしなさい」という警句は私自身に向けられたものだと思う。

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