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三国志〜たった二人の赤壁の戦い〜

三国志〜たった二人の赤壁の戦い〜

国産本マグロ

高田馬場ラビネスト(東京都)

2021/01/02 (土) ~ 2021/01/04 (月)公演終了

満足度★★★★

新年早々、曹操?そうそう!というやりとりを聞くなんて、今年はいい年になりそうです。いちいち映画俳優にたとえるキャラ説明が、地味に面白くて、もちろん、お話もエピソードてんこ盛りで、たった2人なのにとっても分かりやすかったです。身のこなしさすが。

三国志〜たった二人の赤壁の戦い〜

三国志〜たった二人の赤壁の戦い〜

国産本マグロ

高田馬場ラビネスト(東京都)

2021/01/02 (土) ~ 2021/01/04 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2021/01/03 (日) 13:00

二人の役者さんが躍動し、照明も素敵な、素晴らしい舞台でした。

“真”悲劇の生物兵器2367号

“真”悲劇の生物兵器2367号

空想実現集団TOY'sBOX

北池袋 新生館シアター(東京都)

2020/12/23 (水) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★

上手くかみ合った勘違い、面白かったです!
ただ、ちょっと単調だったかな〜と、感じました。

半神

半神

うつつのしかく

シアター風姿花伝(東京都)

2020/12/25 (金) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★

風姿花伝の舞台に黒(濃緑?)を基調とした物の配置を見て、バランスが良いなと思う。演出(主宰)は美大卒だったと思い出した。冒頭、期待感を高めるムーブがあり(照明も見事)、「半神」上演のためのオーディション風景から、物語に入って行く。30代~アラフォーが中心だろうか、身体性を要求する作品/演出にレスポンスできる役者達のようだ。
さて、「半神」の世界はやはり面白かった。体の一部が繋がった姉妹。知能は高いが醜い姉は、知能が低く美しい妹と違って可愛がられず、妹の世話を引き受けて日々を送っていたが、ある日医師から二人の内一人しか生き残れない時期を迎えたと告げられる。手術を受けるにあたり、父母は「どちらを生かすか」に悩んだ末・・。
生き残ったのは容姿と性格の愛らしかった妹、だが脳みその中は頭脳明晰だが容姿と性格が醜かった姉であり、姉が妹の身体を占領した格好。この後の展開は説明不能、ただ姉の人格的な変化があり、最後にある種の統合がもたらされ、一応のハッピーエンディングに到達する(喜ばしいそれだったか悲しげなそれだったか忘れた)。

さてこれから苦言に入る。この舞台、ある程度のクオリティを遂げていたと思うのだが、ある決定的な誤算(私に対しては)をしていた故にかなり渋い評価となってしまった。
問題は「内輪ウケ」を多用し過ぎであった事。求心力を確認するように、あるいは求心力が「ある」と既成事実化するため、一定の実力ある演出家の舞台、又は実力ある役者が使う場合に許される事はあるだろう。「ちょっとこれ笑っちゃうよな(俳優自身として)」と、素の笑いを挿入する技は、突発的な事態に機転を利かせた振舞いに「素」が混じるか、そう見えるように完璧に演じるか、多くの場合「その人自身」が人の耳目を集めるような人気役者がやる類だろう。何か勘違いしているのか、それとも演出の指示なのか(多分そうだろうと推測)、「素」の空気を挿入して観客を「味方にする」(事を強要する)技を結構やって来るんである。
この「技」?を初めて観たのは20年前、石橋蓮司と柄本明がやった「ゴドー」であったが、確か序盤あたり、相手の出方を見て間合いを図るのに「待ち」が生じるその瞬間に「あれ?来ないの?」的な疑問の目を相手に向け、相手はその意味を探り察知するかどうかする、そんな具合にして「素」の瞬間が生まれる。柄本明も石橋蓮司も銀幕かテレビの向こうの人であった自分には、殆ど何の感興もなかったが、会場はクスクスと笑っていた。彼らでさえその程度である(この間合いは舞台に「テキトー」を持ち込みたい志向の柄本氏が仕掛けたのだろうと今は推測)。今回の出演者は多少は認められた円熟役者なのだろうけれど、広く言えば「無名」と言って誤りでない役者達の舞台で多用され、ある一線を超えると、申し訳ないがもうこれは興ざめの嵐なのである。
野田秀樹もこういうの好きそうだ。NODAMAPでの技を、野田カンパニーのレギュラーであった若手女流演出はやろうとしてるな~と見ていたが、「作り方」は巧くてもドラマにとって必須ではない。「それ無し」で魅せる舞台を作れないから反則技を使うのか?恐らくそういう訳ではないだろうに勿体ない事である。
一箇所「おっ」と思ったのは、野田氏の引用だろうか、稽古風景を模した場面(「半神」を劇中劇に置く形にしている)で役者に「批評性が無いぞ!」とダメ出しが飛び、「批評性とは自分を見るもう一人の自分がいるという事」と説明されるシーンがある。
役者が「役」の人格と「素(自分)」の人格を行き来できる事は有批評性の証明である。これは「息苦しい」「わざとらしい」、従って「嘘っぽい」無防備な演劇に対するアンチという意味では、有効な面があると思う(新劇・アングラの2領域へのアンチで演劇界の路を開いた野田氏や平田オリザの小演劇の立ち位置をよく表す)。
だが「笑い」をもらうための多用はその意味を超えた過剰=不要であって「不要」は削いだ方が良いと思う。笑っていた客はコアな客か、「既成事実化」された空気を信じた、又は乗っかった客か、判らないが、どちらも「内輪」な現象であるのは(石橋と柄本も同様)変わりない。ドラマ上の笑いでない素の笑いは、本来禁じ手、ドーピングだ。ちょっとしつこいか。

リーディング公演『作者を探す六人の登場人物』

リーディング公演『作者を探す六人の登場人物』

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2020/12/25 (金) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★

2004年黒テント公演で作者名と作品概要のみ知ってより(公演は観ていない)一度も機会を得ず、ようやく観れた。彩の国さいたま芸術劇場の稽古場公演には二度来てホールは初めて。緩やかな傾斜の中劇場(芸劇イーストを少し横に広げた位だろうか)。
ネクストシアターらしい若者の演劇であった(発声といい演技といい)。台本を持ちながらも皆活発に動き、若いだけに台詞も入るのだろう、台本を見る瞬間は殆どない。という事で中々臨場感のあるリーディング(と呼ぶのさえ違和感)を堪能した。

ある稽古場に「作者を探す者たち」が登場する。安部公房「友達」に似た不条理劇のテイスト(ある男の部屋に家族連れがやって来て為し崩しに占拠してしまう)。別役実「あの子はだあれ、だれでしょね」も見知らぬ一人の女が家族に入り込み一人ずつ殺して行く恐ろしげな話であったが、本作も「占領」はしないが不穏な空気がある。自らを「登場人物」と言って憚らない家族によって、「作りもの」である演劇製作が「本物」(登場人物そのもの)である彼らの存在が醸す説得力や話のリアリティに飲まれて行く。メタ・シアターの構造、演劇批評、この奇想天外な戯曲が1921年に書かれていたとは...。
演じ分けという点では、若手の演技の幅のせいか人物の関係が分かりにくい部分があったが、稽古の制約や戯曲のハードルを思えば健闘かも知れない。小川絵梨子演出とは今回限りだろうか(是非とも縁を大事に)。

オリエント急行殺人事件

オリエント急行殺人事件

エイベックス・エンタテインメント

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2020/12/08 (火) ~ 2020/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★

中学生に上って横溝やドイル等の文庫本を持ち歩いていた自分にアガサ・クリスティを教えた級友というのが喋りたがりで、「アクロイド」や「ABC」も面白いけどやっぱ「オリエント急行」が面白い、なんつっても○○が犯人だから、と言いやがった(しかも悪気は全くなさげに)。口より先に速攻物に当って抗議の意を伝えるも腹水盆に何とか。以来ストーリーを知らずに犯人だけ知っている忌わしい作品であったが(まあ特に遺恨はないが)、暗い年末に一つ娯楽を味わおうとコロナ以来初めてのコクーンへ出かけた。

以前チラシで見た俳優陣は割と豪華(知名度高し)ちょっと期待できる感じであったが、例によって観劇時には失念。もっともこの度は気楽な観劇時間、名前を当てる遊びに興じた。この芝居のアウトラインは凡そ知れている。豪華旅客列車オリエント急行車内で殺人事件が起き、たまたま乗り合わせた名探偵ポワロが事件解決に奔走する。容疑者となった一等車両の乗客の個体識別が出来ればあとは事件解決の際ポワロの解説が為されるはずである。
ちなみに登場した瞬間判ったのが宍戸美和公、割とすぐが中村まこと、暫く経って椎名桔平、終盤でマルシア。声に聞き覚えあって割り出せなかったのが高橋恵子。他は名のみでさほど知らない俳優であったが、皆キャラが粒立っており、横一列に並んだ容疑者の動線が錯綜するミステリーを「しっかり見える」ものに仕上げていた。
河原雅彦演出、昨年打たれた公演を配役を変えて再演。同演出には一度何かで観て「暑苦しい」印象があったが、この舞台では探偵よろしく「冷静な頭」で機能的な場面進行を組み立てていた。

さてお話の「殺人」は、巷間出回るサスペンスの例に漏れず、事件の背景にドラマあり、である。この方面に明るくないが、「殺人」に見合う背景を崖の上で犯人に語らせるパターンは、犯罪を「娯楽」にする不謹慎のそしりを逃れる作り手の弁明術とも言える。ここで、「ミステリーかドラマか」の区別に考えが及ぶ。
社会が成熟し、寛容であれば、あるいは発信者に勇気があれば、ミステリーは貫かれるが、そうでない時、ゲーム性から離れて人間ドラマとなる。優れたドラマはミステリーの分野にある事だろうが、「オリエント」の場合着想がミステリーありきと判るので、そ背景はドラマ的でも後付けなのである。従って本来はドライに行かねばならない所、湿っぽくなった。原作がそうなのか演出かは判らないが、「殺人」を道義的に免罪する背景ドラマを共感たっぷりに描くのが原作ならこれが今に続くサスペンスドラマの原型かも。
舞台では探偵がドライさを貫こうとする。「犯罪は犯罪でしょ」と。しかし結局最後には彼を探偵に雇った主(列車を運営する会社の人間でポワロの友人)の要望を飲む形で不本意な答えを出す。

かくして事件の回想を終えたポワロは、これを特異な体験と総括し、「何が正義か」を観客に問うて立ち去る。

このテーマについては、最近よく引用する宮台氏の「法の奴隷」がすぐ浮かぶ。この作品が生まれたイギリスという国を想起したのは、劇中ポワロの「国の威信にかけて」(解決する、という感じ)の台詞だ。近代史上最も早く国家として民主主義を育んだ英国の住人の感覚では、法による統治は「民主制度」において正統に定められた「正義」を担保するものであり、「我々の制度」という意識が大前提としてあるのでないか。これが「国王の権威」や「国の威信」といった言葉で表現されていると理解できる。
だが日本の風土の中で同じ台詞が吐かれると、法が悪法である可能性を考慮せず「違反者」に対し目を剥く「キョロ目野郎」(これも宮台氏の造語)、すなわち「法の奴隷」の存在が浮かんで来る(芝居の舞台は日本ではないのでその躓きはないが)。
最後のポワロの台詞は冒頭のリフレインである。密告風土の深化を身近に感じる昨今、「法は絶対だと言えるのか?」との問いは益々普遍的である。
ただ、この作品にそのテーマが相応しいかは留保になる。
その前に、「悪役(被害者)」の形象はあれで良いのかも素朴に疑問。娯楽と思えば何ら問題ないと言えば無いのだけれど。

「その鱗 夜にこぼれて」

「その鱗 夜にこぼれて」

空宙空地

こまばアゴラ劇場(東京都)

2020/12/04 (金) ~ 2020/12/07 (月)公演終了

満足度★★★★★

ロン毛男にめっちゃ感情移入。

今はやることじゃない

今はやることじゃない

箱庭円舞曲

駅前劇場(東京都)

2020/12/24 (木) ~ 2020/12/30 (水)公演終了

満足度★★★★★

この作品を語るには、やはりコロナ下という条件を付けなくちゃならないのでは?ステージと客席を離す工夫とか、見えない努力がありました。ファンレターやら手渡しそのものも禁止という、かなり厳戒態勢だったことを書き残さないわけには行けません。
産休明け(?)の箱庭でしたが、自分的には好みの感じで底流にはいつもの箱庭を感じました。女性キャストで片桐さんなどが、過去には作品上のポイントになってた気がしましたが、今回は嶋村亜華里さんが登場。団体の救世主になってくれるか!?って気がしました。
林和義さんも、最近ではテレビでしばしばお見掛けする感じで、謎なキャラのところも楽しませてもらえた感じです。
各団体、いろいろ大変だとは思いますが、コロナが明けるまで頑張ってまいりましょう!

デスノート THE MUSICAL【大阪・福岡公演中止 (02/29 (土) ~03/01 (日)・03/06 (金) ~03/08 (日))】

デスノート THE MUSICAL【大阪・福岡公演中止 (02/29 (土) ~03/01 (日)・03/06 (金) ~03/08 (日))】

ホリプロ

東京建物 Brillia HALL(東京都)

2020/01/20 (月) ~ 2020/02/09 (日)公演終了

満足度★★★★

約束事の多い物語を、わかりやすくテンポよく観せる。その約束事(デスノートのルールや効果)を楽しむのがこの作品のポイントなのかもしれない、などと思ったりもした。

物語の結末は舞台オリジナルらしい。原作だとまだ話が続くようだけれど、舞台版として収まりのいい結末だった。

ラストシーンが(心証は真逆だけど絵的に)わらび座『ブッダ』とよく似ていて、そうか、演出は栗山民也さんだった、と改めて思ったりもした。

豪華なキャスト、生のオーケストラ、いろんな意味で華やかな舞台。音楽と物語のバランスもよく、充実感のある時間となった。

カガミ想馬プロデュース「熱海殺人事件」

カガミ想馬プロデュース「熱海殺人事件」

カガミ想馬プロデュース

キーノートシアター(東京都)

2020/01/29 (水) ~ 2020/02/09 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/02/08 (土) 12:00

『熱海殺人事件』は何度か観ているけれど、母と子の葛藤やある社会的な事件などを題材に加えた『サイコパス』は初見。

新着の刑事と木村伝兵衛のやり取り。大山の登場。白い花束での殴打。踏みしだかれる菊の花の匂い。そういう定番の場面はそのままに、母殺しと原発、そして神戸の連続児童殺傷事件等をからめて話は進む。

枠組の決まった世界観と思っていたが、こんなに違った顔を見せることに驚く。ことに終盤では、大きな社会的問題を浮き上がらせる重い展開となった。

観ているうちに、物語の行方と強い意志を感じさせるキャスト陣の熱演に引き込まれた。

今回のカガミ想馬プロデュース公演は『熱海殺人事件』4バージョン同時上演という離れワザだった。『サイコパス』以外のバージョンも観たかったな、と観終わって思った。

クリシェ

クリシェ

ティーファクトリー

あうるすぽっと(東京都)

2020/01/29 (水) ~ 2020/02/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/02/01 (土) 19:00

映画や演劇などで描かれてきたさまざまな物語へのオマージュが込められたエピソードやアイコン。女優や劇作家たちの暮らしはあきらかに作り物めいて、その胡散臭さと現実の歪さが怖いと同時に少し笑いを誘ったりもする。
それぞれのわかりやすい役割の裏に真実の顔があったり、それもまた見せかけに過ぎなかったり。
そして何より、姉妹を演じる川村 毅氏と加納幸和氏の存在感が独特の雰囲気を醸し出していた。
ことに加納さんが登場された時の美しさには思わずハッと息を飲んだ。
自分の日常の生活とは別次元の、奇妙な味の奇妙な物語。ゾワゾワするような居心地の悪さな奇妙な親密感を楽しんだ。

「キズツクキカイ」「お湯で流して」

「キズツクキカイ」「お湯で流して」

たすいち

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2020/07/11 (土) ~ 2020/07/19 (日)公演終了

満足度★★★

『キズツクキカイ』
妖怪たちと共に暮らす陰陽師一家の次男坊を主人公に、人の心の「痛み」を描いていく。
個性的な登場人物がたくさん登場し、笑いも多めに散りばめられ、怒涛の展開から目が離せない楽しい舞台なのだけれど、観ていていろいろ染みてきたりもする。

きっと、キズミがいなくても私たちは傷付いてる。傷付いていながら、それに気づかないフリをしている。だからたぶんキズミがいることで救われる何かもあるのだろう。
そういう意味で、妖怪たちと共存する陰陽師である明神家の立ち位置と退魔師の正義とのすれ違いのどちらにもそれぞれの理があるのかもしれないと感じられる。

主人公の描く物語。それぞれの思い描く「こうありたい自分」。相手に対する、あるいは自分に対するたくさんの思い込み。立場ごとに抱える「正義」。そういう抽象的なアレコレが眼に見える形で舞台上で繰り広げられる。
陽気な妖怪たちと暮らす彼らのように、さまざまな傷や痛みとともに私たちは暮らしているんだろう。観終わってそんなことを思った。

オペラ『イワンのばか』

オペラ『イワンのばか』

オペラシアターこんにゃく座

あうるすぽっと(東京都)

2020/02/06 (木) ~ 2020/02/11 (火)公演終了

満足度★★★★

トルストイの『イワンのばか』を基にしつつ、こんにゃく座らしい仕掛けのある新作オペラ。
軍人のセミョーン、たいこ腹のタラス、イワン、口のきけない妹マラーニャの4人の兄妹、そして大悪魔と三匹の小悪魔の話だ。

このオペラでは、トルストイが農民学校で自作の『イワンのばか』を生徒らとともに読み進めていく形で物語が進む。生徒たちが入れ替わり立ち替わり物語の登場人物を演じたりもする、入子構造の物語がいかにもこんにゃく座らしい。
後半は、同じトルストイの『イワン・イリイチの死』の主人公が登場し、トルストイを取り締まろうとしたりもする。
大悪魔を演じる大石さんがイワン・イリイチを演じる。神の名を聞いて消える悪魔が残した穴と、病床で死を迎える人間の葛藤が重なる。
トルストイと、2人のイワン。ここにしかない物語。ここにしかないオペラ。
生演奏と人々の歌声の余韻に包まれて会場をあとにした。

末摘花

末摘花

オペラシアターこんにゃく座

俳優座劇場(東京都)

2020/09/08 (火) ~ 2020/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

この作品の原作は榊原政常氏の『しんしゃく源氏物語』。もともとは高校演劇のための戯曲だったらしい。
作曲は作曲家でありピアニストでもある寺嶋陸也さん。演出はこんにゃく座の大石哲史さん。
脚色や作詞はクレジットなし。その理由は見始めてすぐ気がつく。たぶんこれ、元の戯曲の台詞をそのままメロディに乗せてるんだ。
作曲の寺嶋さんがご自身でピアノの生演奏をなさっていて、観客にとってゼイタクなことである。
舞い散る雪や枯れ葉や花びらが季節の移ろいを示す中、女たちは夢と諦めの間でその人の訪れを待つ。
信じても諦めても、結局は朽ちていく屋敷の中でただ待ち続けることができるだけだ。
由緒正しい血筋の姫はおっとりとした人柄で、個性的な長い鼻の先はちょっと赤い。世慣れていないため人付き合いも不器用で、ただひたすらにあの方のことを信じて待ち続ける。しかしその方は遠方に追いやられ、姫の屋敷は寂れるばかり。わずかな使用人もしだいに逃げだしていく。
女性ばかり7名のキャストはそれぞれ個性的で、きれいごとばかりではない女たちの本音をにじませていく。
歌い上げられるセリフは時に辛辣であったり、俗っぽかったりもして、思わずニヤッとしてしまう。
ハッピーエンドに見える結末も、結局は待つことしかできなかった姫のセリフにほろ苦さを含ませて、面白くてやがて哀しき……という物語。
休憩を挟んで約2時間20分。休憩後の屋敷の寂れた様子と藤の花が印象的だった。
キャストはそれぞれはまり役で、物語に生き生きと生命を吹き込んだ。ダブルキャストなのに都合で一方しか拝見できなかったのが残念に思えた。

もうラブソングは歌えない

もうラブソングは歌えない

TBS

東京国際フォーラム ホールC(東京都)

2020/08/08 (土) ~ 2020/08/10 (月)公演終了

満足度★★★

『カラマツのように君を愛す』
不器用で誠実な2人のナイーヴな魂の遍歴を、天窓越しに月が見守る。
女の独白と男の日記。語られる声は柔らかく、物語は静かに進んでいく。
絵本に登場する少年。ツキノウラへ行って一緒に暮らす2人。小さなベーカリーカフェ。
雪深い土地で、小さな店を訪れる人々との出会い。
背後に映し出される窓と月のシルエット。丁寧に丁寧に紡がれていく言葉。
朗読劇といいながら振付もついて、重ねていく時間や2人の距離感なども感じさせる作品となっていた。

『大山夫妻のこと』
テンポの良い会話が続く、ちょっと辛辣でほろ苦い、でもどこか可愛いオトナのコメディ。
脚本家と売れない女優の夫婦。妻がある戯曲賞を受賞して、2人の関係が少し変わっていく。
気づいたきっかけは夫からのある誘い。素気無く断り続けるうちに、妻は自らの心に気がついていく。
一緒に暮らしていても、互いのことを大切にするって本当難しいよね。
キャストお2人の雰囲気がいい感じにゆるくて、情けなさも身勝手さも少しだけチャーミングに感じられた。

The last night recipe

The last night recipe

iaku

AI・HALL(兵庫県)

2020/11/05 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/11/07 (土) 19:30

座席1階A列16番

価格4,000円

ドラマとしては楽しませてもらいましたが、、、
女性の主人公の気持ちが良く分からなくて。。。

ネタバレBOX

女性の主人公の中に少しでも「好き」という気持ちを感じられたらな。。
天は蒼く燃えているか(振替公演)

天は蒼く燃えているか(振替公演)

世界劇団

【閉館】シアターねこ(愛媛県)

2020/09/05 (土) ~ 2020/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/09/05 (土) 12:30

久しぶりに味わえた非・日常に感謝
ただ、描かれてる世界は
いま、明日、そして未来 
複雑な気持ちからくる後味

その鉄塔に男たちはいるという+

その鉄塔に男たちはいるという+

MONO

J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)

2020/03/07 (土) ~ 2020/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/03/08 (日) 14:00

座席1階A列12番

価格3,500円

やはり二部ラストのみんなの姿が忘れられない。
何とも言えない余韻。

泥を泳ぐ

泥を泳ぐ

公益財団法人広島市文化財団 アステールプラザ

JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)

2020/02/20 (木) ~ 2020/02/24 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/02/24 (月) 14:00

これはかなり好き。。
昔感じた懐かしい感触

土地と水 作業着と青いワンピース

松風

松風

公益財団法人広島市文化財団 アステールプラザ

JMSアステールプラザ 中ホール(広島県)

2020/02/15 (土) ~ 2020/02/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/02/16 (日) 14:00

座席1階5列6番

価格3,000円

生者と死者の狭間の夢の世界にいるような不思議な感覚
演出、演奏のすべてが素晴らしくレベルも高かったと思います
歌声(正確には演奏)が神がかっていたというか地上のものとも思えませんでした。。

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