たぬきと狸とタヌキ
トム・プロジェクト
シアターX(東京都)
2021/03/08 (月) ~ 2021/03/12 (金)公演終了
満足度★★★★
母だぬきの岡本麗が緩急自在の演技で見事。優しいヘルパーだぬきの榊原郁恵も明るい雰囲気で良かった。終始笑いが絶えないホームコメディだ。最後に思いがけない深刻なドラマがあり、どうなることかと思っていても、どこか安心して見ていられた。
節目節目にのどかなナレーションが入る。「優しいたぬきは…」「五匹の動物は狼のおかげで出会えたのかもしれないと思いました」などなど。
変だなーと思っていると、これが絵本作家の娘だぬき(小林美江)の書いた絵本とわかる。自分の家族の揉め事をほんわか絵本にしたのだと。そう言われて、もう一度ナレーションを聞き直したくなった。休憩なし100分
『幸福な家族のための十五楽章』(2021年・上演延期作品)
しあわせ学級崩壊
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2021/02/26 (金) ~ 2021/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2021/02/26 (金) 14:00
座席4列1番
価格3,500円
1年前に逃げ出した一員が突然帰ってきたことで13人の兄弟姉妹に広がる波紋……音楽なし台詞のみで始まり「おや?」と思うがやがて音楽が入り役者がマイクを使って語る「いつものスタイル(?)」に。
そして曲が変わることで内容も次のフェーズに入るような気がして(タイトルに「十五楽章」とあることもあり)まるで組曲のよう、あるいは章立てした小説のようと感じたりも。
一方、今まで何回か観たうちで音楽の音量が一番低かったように思えた。
会場の音響特性もあるかもしれないが「家族というものや自分のあり方についての疑念」というテーマから、台詞をより明確に伝えたかったからではないか?
そして、そのテーマゆえに、例えば写実的な日本家屋の一室とか洋風リビングルームとかの装置を使い音楽を流さない「純然たる会話劇」として上演したら「令和の三好十郎」ではなかろうかと感じた。その考えは戻って来た男に関して明かされる終盤で否定されたのだけれど。(笑)
なお、予約してから観劇翌日までの随時メールによる諸状況伝達と当日会場での感染症対策の丁寧さは特筆もの。
岸辺の亀とクラゲ-jellyfish-
ウォーキング・スタッフ
シアター711(東京都)
2021/03/06 (土) ~ 2021/03/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2021/03/08 (月) 14:00
座席1階
2011年に初演の舞台だという。震災があった年だ。今年で10年目の再演。
中学校の女性教師のアパートの部屋が舞台。最初に出てくるのはこの女性教師と付き合っている彼氏で、洗濯物の女性下着を取り込んで、丁寧にたたんでいるという非常にシュールな場面から始まる。
最初に訪れる珍客は上階の部屋に住んでいるらしき中年男だ。泥酔して部屋を間違えるという設定だが、ここから果てしなく間違いが連続して起きていく。
その各々の間違いが微妙な糸でつながっていて、結局この部屋を訪れる人たちは、一見主人公と何の関係もない人たちであったはずなのに、結局何らかのかかわりが持たざるを得ないところまで追い込まれていく。何というか、これがまた微妙な「破局」につながっていく。
2時間余りの舞台だが、この舞台設定と物語を織りなす縦横の糸が非常にうまくできていて、目を離すことができない。要するに、この演劇は面白いのだ。
その面白さは、人間が誰しも持っている、他人のふるまいや出来事を「他人事」として話のネタにして楽しむような感覚だ。「眼鏡を掛けた地味なおばさんが万引きをしたところで目が合った。見つめられて気持ち悪かった」。いかにも、他愛のないエピソードなのだが、笑っているうちにこのエピソードに深くつながる災難に巻き込まれていく。都会の「他人事」の人間関係をシニカルに描いているのだが、実はドロドロの関係であったりする。
いろいろ書きたいが、書くものすべてtがネタバレになってしまうからこの辺で。残りは劇場で確かめよう。チケット代の2倍は楽しめます。
この舞台の教訓。アパートのドアを開けたら、ちゃんとカギをかけること。鍵さえかけていたらなあ(笑)
若手演出家コンクール2020最終審査会
一般社団法人 日本演出者協会
「劇」小劇場(東京都)
2021/03/02 (火) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
「シルクロード能楽会「道成寺」疫病譚」日頃能、狂言には縁が無いもので貴重な体験でした。当日パンフレットの説明にはちょっと疑問が残りますが新説(?)「道成寺」として面白かったです。今回の配信版の中では一番ストレスが少なかったかと思われます。
配信にいちいち文句言って無いで劇場に来いと言われればその通りなのですが、このご時勢と予算的にも配信はありがたいので、この先さらに配信の精度が上がるように願っています。
岸辺の亀とクラゲ-jellyfish-
ウォーキング・スタッフ
シアター711(東京都)
2021/03/06 (土) ~ 2021/03/14 (日)公演終了
満足度★★★★
女教師の部屋という狭い空間なので多少、強引に人物を
登場させるのは仕方がないのかな。だから、細かいことはあえて無視して
クセのある人間同士のやり取りに焦点を置いて観劇したら、
面白く見ることができた。
南沢奈央さんが出てくるとわくわくする、
同じサークルのおばちゃん?もいい味出してた。
オパンポン★ナイト〜ほほえむうれひ〜
オパンポン創造社
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/03/05 (金) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
満足度★★★★
楽天市場でこんな生地の少ないパンツ誰が買うのだろう?と思ってたら、
まさか劇場でそれを見ることになるとは思わなかった。
何の予備知識もなく見たが良かった、私はコメディの演劇で客が追い付かないで勢いだけで
持っていくパターンは苦手なのですが、この演劇は裸になるところもあるけど、それだけで
笑いをとろうとしていないところが良かったと思いました。
長編を見逃してしまったのが残念、来年?も東京に来て欲しいです。
帰還不能点【3/13・14@AI・HALL】
劇団チョコレートケーキ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2021/02/19 (金) ~ 2021/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
劇中劇が良く、配役も変わるので飽きずに集中してみることができた。
千秋楽の10分劇3本も良かった。無事に観劇できたことに感謝。
若手演出家コンクール2020最終審査会
一般社団法人 日本演出者協会
「劇」小劇場(東京都)
2021/03/02 (火) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
「The Other Side ? Mar. 2021」苦手なタイプ。しかし義務感(?)から見続けましたが、キーボード演奏が始まるといきなり音量が上がって慌ててリモコンを手に取る。その後女性が話し始めると、マイクがあるにもかかわらず再度音量を上げないと聞こえない。そしてまたキーボードが・・・。と、なんとも煩わしい観劇となりましたが小劇場からの配信はこんなものですかね。
マイクなしで女性二人で話しているところは割とちゃんと聞こえました。同演目2回目の配信のはずですが、1回目の後でアーカイブで確認とかしないのでしょうか。
若手演出家コンクール2020最終審査会
一般社団法人 日本演出者協会
「劇」小劇場(東京都)
2021/03/02 (火) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
「おもんぱかるアルパカ」配信で見ました。音声に難がある(音量を上げても聞こえないところは聞こえない。最後の音楽と拍手はうるさいくらいになる)ので、細かいところは分かりませんが、面白いけれど楽しくはない、胸糞悪いくらいですがそこが面白いかも・・・
配信が始まっても20分くらい本編が始まらない(3月4日分)。アーカイブなので早送りできましたが、生配信だと待ちきれないかも。
朗読劇「私立探偵 濱マイク」-我が人生最悪の時-
朗読劇「私立探偵 濱マイク」製作実行委員会
ヒューリックホール東京(東京都)
2021/02/17 (水) ~ 2021/02/23 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2021/02/22 (月) 14:00
大人気の若くてイケメン、しかも実力派の俳優が出るというのに朗読劇とは宝の持ち腐れ。お話としてもよかっただけに、アクションシーンがたくさんある劇に作り上げて欲しかった。
TOTYO2020【無観客生配信公演】
Aga-risk Entertainment
サンモールスタジオ(東京都)
2021/02/25 (木) ~ 2021/02/25 (木)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2021/02/25 (木)
こういう世の中なので配信もやむなしですね。元気な姿+αのものを見て生存確認ができてホッとしたというか、感激したというか…でも、生で見る楽しさを知っちゃってる身としては、あくまで見る側の問題として、気合が入らない。こんなに筋と構成がよく練られた作品を作ってるのに…。ということで、夏の新作上演楽しみにしております。
オパンポン★ナイト〜ほほえむうれひ〜
オパンポン創造社
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/03/05 (金) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
Corichで受賞した「さようなら」を池袋で観た関西のユニット。短編でも「らしさ」は変わらずだが、アゴラ劇場で間近な距離で見ると俳優の挙動と台詞がクリア。精度は鑑賞に堪え、中々な人間洞察の「深み」に誘う要素あり、わが意を得たり。(後日記すつもり)
→律儀にも12日後の追記(忘れてた)。
第一話、第二話、第三話それぞれに美味なる瞬間がある。第一話は導入の会話が如何にも関西(我々非関西人のイメージ)で笑わせる。話そのものは、ナンセンスでしつこい会話が何週かした後、そこが職場内での劣等生が回される部署(=死刑執行)だと分かり、なぜテンション高めでバカバカしい会話(口論?)に興じているのかが、遅れて登場した新人に説明する形で明かされ、人情要素をくるんでブラックに終わる「整った短編」。他人の死の現場で、「悪気のない」彼らにどこまで不謹慎を「合法的に」やれるか、というあたりだろうか。
第二話は五輪出場候補でもある著名アスリートのスキャンダルを、当人がネタとしてゴシップ雑誌社に持ち込んだ不倫相手の若い女子と、応対した若いスタッフと編集長の三者の会話劇。国民的スターを擁護する立場、雑誌の使命(商売)として事実を報道すべきとする立場が、状況の変化によって二転三転する、それによってそれぞれの損得勘定、倫理観から人情までが露見して行くコメディの典型的な展開を圧縮したような短編。
さて第三話。これが実に味わい深い、と言葉にしてしまうと味わいが殺がれる気がする。この話にのみ出演の怪優・殿村ゆたか扮する老人が、長テーブルを挟んで甥と対峙し、終始話をしては一人高笑いをしている。正面奥の出入り口からはシェフや関係者が登退場するが、甥はずっと不機嫌で、台詞の上では、テーブルに乗った大皿の「生きた蝉」について「なぜ蝉なのか」という文句を言っているのだが、後半でそれが老人の「最後の食事」でありそこは死刑囚が最後の時を過ごす刑務所のどこか、であると判る。蝉は、「今まで一度も食べた事がない物」との老人のリクエストに対するシェフの「計らい」であり、そこも突っ込み所も満載であるが、判った時は既に芝居も半ば、「ギギ」と時折声を出す蝉には観客の目にもなじみ、やがて「食べた事がある」という関係者の驚嘆の証言、「一つ頂いて良いですか」とよばれたかと思えば、さらに現れたもう一人が蝉食った話を盛り上げ、老人はこれぞ最後に相応しい食事である事に疑いを入れないだろうとばかり甥を見やり、悠然と蝉に手を伸ばす。この短い謎解きストーリーの中で作者は「今」を意識した台詞を老人に言わせる。死を前にし、しかも複数もの人間を殺たらしい男が悔悛の情を吐露する代わりにこう吐く「自分がやりたい事をやればいい」(剣呑な台詞、そこを意識しながらの発語)。まだ十分に精力の有り余っていそうな老人は、自分に「後悔はない」と言い、「何でもやってみなければ分からない」と甥に引導を渡す。「蝉なんて誰も食べない」(だから最後の食事に相応しくない)とクソ真面目に言い続けていた甥も、観客も老人の奇態の説得力に黙る。このあたりまでに何度か「蝉を食べる」シーンが繰り返されるのだが、手に取って頭からガブリ、とやると顔をしかめて「く~~っ」とやるのがお笑いのキメよろしく皆一様、味付けも火も通さず生で持ってきた趣旨を「土の香りが口に広がります」としたシェフの説明の立体化(同様にお笑いの手)。今や刑務員と判明した男たちに付添われた老人が刑場へ向かった後、甥は蝉に手を伸ばす・・。
自由とは何であるか、を考えさせられる。自由とは何であり、何ゆえそれは尊重される(べき)なのか。決まりきった生活様式に収まり、周りと同じ食べ物や流行りを追いかける「生活」のために保障されるべき自由なのか・・芸術が果たすべき使命、というと大仰だが、それはあらゆる可能性への自由を用意し、想像力を広げ、引いては現システムに必然的に排除される者を包摂する可能性を探る働きでもあるのに違いない。「感染数の抑制」を唯一の価値とする現在にオルタナティブを選び取る想像力を手にする事、換言すれば自分のやりたい事を追求する事は「善である」、なぜならそれは「自由」だから、と老人は言ったように私には聞こえた。
5S~5つの小作品~
ENBUゼミナール
「劇」小劇場(東京都)
2021/02/26 (金) ~ 2021/02/28 (日)公演終了
満足度★★★★
配信で鑑賞。横山短編戯曲がMONO公演に提供したのや以前劇場で売っていた短編集のも含め5編。役者の誕生に立ち会う緊張感と共に横山戯曲を味わった。配信のおかげで「手ごろに」味わえるのはラッキー。
ひとよひとよに呱々の声
世界劇団
ぽんプラザホール(福岡県)
2021/03/06 (土) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
満足度★★★
ムッチムチ女体W超密着!ジューシー女肉でチ●ポをサンド!密度200%挟み撃ちメンズエステ 夕季ちとせ 本真ゆり
内なる凱歌
中央大学第二演劇研究会
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2021/03/04 (木) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
恋愛3種盛2021
劇団空組
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2021/03/05 (金) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
空組さんは、番外編?含め、何度も拝見させて頂いていますが、千秋楽は、初体験。観客も千秋楽が面白いことを熟知してるので満席🈵💺。内容も共感できることも多く、大満足‼️今度は比較対象してみたいが、財布👛と相談です‼️
藪原検校 やぶはらけんぎょう
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2021/02/10 (水) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2021/03/06 (土) 18:30
本作は、過去に何回か別演出家Ver.を観ているけれど、これまでに観たことの無い藪原検校でした。
こうやって井上作品が新しいカタチに進化していくのは、井上ファンとして、大変喜ばしいことです。
いとしの儚
劇団扉座
ザ・スズナリ(東京都)
2021/03/06 (土) ~ 2021/03/14 (日)公演終了
満足度★★★★
あらすじは公式サイトで説明されているとおり。
和風ファンタジーな世界観でストレートに愛を描いたお話。
完成度の高いお芝居で
・和風ファンタジーや伝奇物が好きな人
・恋愛ものが好きな人(かせめて抵抗感が無い人)
なら、安心して、観ることができるかと思います。
いとしの儚
劇団扉座
ザ・スズナリ(東京都)
2021/03/06 (土) ~ 2021/03/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2021/03/07 (日)
価格4,830円
7日13時開演回を拝見。
扉座・横内謙介さんの脚本だという訳で選んだ本作は、無敵の博打打ちが、鬼との勝負に勝って得た絶世の美女・儚(はかな)と共に過ごしていくうちに…といった伝奇モノ。
主観的には手が合わなかったが、客観的に振り返れば、笑いも狂気も悲恋も盛り込まれたサービス精神旺盛な、大変良く練られた110分のオトナの寓話だった。
オパンポン★ナイト〜ほほえむうれひ〜
オパンポン創造社
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/03/05 (金) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
何度か観るチャンスを逃していた劇団。評判も高かったし、期待しての初見。過剰に期待してしまったのがいけなかった。併せて、客席に自分とかけ離れた感覚で笑う客がいたことが更に気持ちを萎えさせた。辛かった。苛立った。
スコーンと清々しく笑いたかった。