「シャケと軍手」〜秋田児童連続殺害事件〜
椿組
ザ・スズナリ(東京都)
2021/03/17 (水) ~ 2021/03/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
初めて観劇する劇団さん。独特の世界観と演出。好みなのだと思うけれど、僕はちょっと合わなかったかな。大声で熱量メインで見せる芝居が苦手で、引いてしまった。群読のように声を合わせてセリフを言う演出は好きだったけれど、声が響き過ぎて何を言っているのか聞き取れなくなってしまっていたのが残念。
岬のマヨイガ
特定非営利活動法人 いわてアートサポートセンター
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2021/03/17 (水) ~ 2021/03/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
神様の人形たちと舞いが、めちゃくちゃ綺麗で魅了された。ずっと観ていたいと思うくらいに。
生で奏でられる音楽も良かった。
セットは何もなく、いくつかのパネルとテーブルなどで場面が作られる。物語が終わった最後、何もないガランとした舞台だけになった時、まるでそれまでの時間が山だったかのような感じがした。
サイレントBOMB!
なにわニコルソンズ
神戸三宮シアター・エートー(兵庫県)
2021/03/19 (金) ~ 2021/03/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
本作はコロナをテーマとしたコロナならではの演出。脚本演出である木下半太監督は劇団活動以外にも有名小説家であり、多数映画化されている。サスペンス作品も多いが本作は木下監督のコメディのレベルの高さを感じることができる。脚本の素晴らしさはさることながら、誰でも入団できる劇団を謳っているが芝居の要となる演者は皆プロで活躍する役者達なのでジェスチャーやセリフによる間のとり方、確実に笑いをとってくるのでこちらも安心して笑える心地良さだ。
本作は短編7編で構成されている。オムニバスでありながら一見なんの繋がりもないストーリーに感じるのはジャンルの多様さにある。まるでアイザックアシモフを彷彿するSFの一編やシチュエーションコメディをオマージュした一編、そうかと思えば日常2人芝居にメタ発言をぶっ込んだ一編。ここでも木下監督の底知れない才能を垣間見れる。
コロナにより人々が接触を避けなればならない状況にさらされ、満足なコミニュケーションがとれない中、心の繋がりがより重要視される。本作全ての作品に繋がることは心の繋がりである。
観劇後は笑いによる爽快感、そして心の充実感で満ち溢れた。
コロナは終息を迎えようとしている。コロナは私達の生活に災いしかもたらさなかったが、本作を観て人との絆の大切さを思い知ることができ、心の成長の糧になったのではないかと考えさせられた。
このような重いテーマにもかかわらず、さらりとやってのける木下監督はすごいとしかいいようがない。
このテーマに気付けない人間はこの先観劇をしても時間と金の無駄遣いである。金をドブに捨てる前にコロナで窮困している医療機関に募金することをオススメする
聖なる日
劇団俳小
d-倉庫(東京都)
2021/03/19 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
前知識として。元々オーストラリアはイギリスの流刑植民地であった。囚人達が次々と送り込まれてくる流刑地。原住民であるアボリジニは類人猿と見做されていて、1967年まで人権は与えられなかった。
休憩10分含む二幕2時間40分。舞台美術、小道具、衣装、メイクと全て本気度を感じさせる。不穏なBGMも良かった。蝋人形のように袖で突っ立っている役者が出番と共に動き出す張り詰めた緊張感。
19世紀、オーストラリアの荒野にぽつんと佇む安宿。その地では開拓民と原住民アボリジニとの間に頻繁に事件が多発。そこに流れ着く三人の訳有な放浪者。安宿には女主人とアボリジニの義理の娘とが暮らしている。
何かセルジオ・レオーネの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』を観ているような感覚になった。マカロニ・ウエスタンのあの肌触り。この空気感だけでずっと観ていられる。
勝手な偏見だが、女主人ノーラ役月船さららさんはこれが一番本人に近い役なのではと思ってしまった。悪魔みたいに美しい。
余りにも邪悪な男、いわいのふ健氏扮するガウンドリーのその果てしのない醜悪さが不快感を超越して、文学の域にまで達している。そこには直視するべき人間がいる。いわいのふ健氏の狂気の当たり役、必見。
アボリジニと白人の混血の少女、オビーディエンス役の小池のぞみさんも秀逸。メイクなしの別の役柄も観てみたい。
西本さおりさん演じるリンダの獣のような咆哮のインパクトが耳奥に木霊する。
出演する全ての役者が素晴らしい。
名台詞が多く、決まりに決まる。
「涙を見せない女は危険だよ!それは私だからさ!」
「ランプを点けとくれ、夜が近寄らないように。世界にあたし等がここにいるってことを伝えなければ。世界の方は誰も見てやしないけれども。」
エンニオ・モリコーネに曲を書いて貰いたかった。
まさにこれぞ観たかった作品。
聖なる日
劇団俳小
d-倉庫(東京都)
2021/03/19 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
タイトルの聖なる日は、誰にとっての聖別の日なのだろうか? オープニング・エンディング共にアボリジニの民族楽器・ディジュリドゥの唸る大地のような不思議な音をベースに別種の太い木管楽器2本を用いた演奏が流れる。この壮大な劇を、今演じる俳小の見識の高さ、取り組みの真剣な姿を先ずは高く評価したい。因みに今作は、日本初演である。(華5つ☆追記2021.4.4)
ほんとうのハウンド警部
シス・カンパニー
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2021/03/05 (金) ~ 2021/03/31 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/03/20 (土) 18:00
2度目の観劇。2日目に観たときには会場の笑いが少なかったが、この日は客席からの笑いも多く、演劇評論家が演劇の物語に取り込まれるという不条理コメディとして面白いものになっていた。
岬のマヨイガ
特定非営利活動法人 いわてアートサポートセンター
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2021/03/17 (水) ~ 2021/03/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/03/20 (土) 13:00
東日本大震災を題材に、岩手の民話も含めたファンタジー的作品。面白いし見事。
柏葉幸子による同名の児童小説をベースにして、serial number の詩森ろばが上演台本・演出を担当した作品だが、小説は読んでいない。「マヨイガ」とは「迷い家」のこと。
物語は、震災の直後にある事情から「家族」として一緒に住むことになった山名キワ(竹下景子)・結(栗田桃子)・ひより(井上向日葵)と、彼女らを迎える村の人々、そして、なぜかキワが会話できる座敷童や河童などが展開する物語。ファンタジーで、歌や踊りなども入れエンターテインメントとしても素晴らしい作品だった。影絵を使ったプロジェクトマッピング、素速い転換でダイナミックに変化する舞台美術、生演奏と効果音を舞台上手脇で演奏し続ける鈴木光介も含め、総合的な舞台ができ上がっていた。メンタルな理由で口がきけない9歳の設定ながら、ストーリーテラーとしてほぼ出突っ張りの井上が見事。
聖なる日
劇団俳小
d-倉庫(東京都)
2021/03/19 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
本団体は3回目の観劇でしたが、演者のみなさんのお芝居、演技力はとても素晴らしいです。今回作品も少し難しいとも思いましたが、とても分かりやすく、よかったです。内容は悲しいお話しでしたが、このような事実をきちんと伝えることは大切なことだと感じました。アフタートークも勉強になりました。
共生
さんらん
アトリエ第Q藝術(東京都)
2021/03/17 (水) ~ 2021/03/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
第Q藝術は二度目。以前は客席少数でフラットな印象だったが、今回は割と競り上がった階段客席の、中央通路にも座席が追加され満席、見下ろすように眺めた。(75分という小品だから組めた客席だろうか。繰り言になるがコロナ以降の感覚、以前に戻る事はあるのだろうか・・。)
このスペースは狭いのだと開演後に気づく。中程度のホールでは標準だろう声の張りが序盤耳につき、ある場面で高温の張り上げ声が耳を刺したのはきつかった。殊更な「元気」は芝居の薄さを埋める手段(と言ってしまうには声量は演劇の常套、否演劇の機能ですらあるが)かと雑念が頭を巡った。
が、作劇家尾崎氏の豊かさ(を思わせるうまさ)を賞味する時間、俳優の演技と声量のモンダイを超えて訴えるものがあった。
象に魅せられた現代の女性活動家が、同様に象と所縁ある人生を送った父親(70年代)と祖父(40年代=戦争の時代)の逸話を紹介し、回想式に再現されるという芝居。象は一人の女性が舞いで表現し、ファンタジックな作り。しんみりしがちな話だからか溌剌と元気よく、が基調。悲劇性の強い戦時の動物園の動物たちの帰芻、現代の女性(語り手)の領分であるアフリカでの動物保護活動(死と隣り合わせの密猟者との戦い)を描きながら、中心は父親が取り組んだ百貨店屋上の子象の処置を巡る、一世と三世とを繋ぐハートフルなお話。
この二世の逸話にも依るが三世代に亘るこの物語をいつか前作並に書き込んだフルバージョンが観たい。(いやこれが全てですと言われるかも、だが。)
聖なる日
劇団俳小
d-倉庫(東京都)
2021/03/19 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
重厚な雰囲気で、目を背けたくなるような残虐な場面やサスペンス要素もあり、観応えのある舞台でした。差別や迫害、支配、色々考えさせられる事がありました。役者さん達の演技力がすごいので、現実にあった事だと思うと本当に怖かったです。ウィルスも天災も怖いけど、本当に怖いのは人間かもしれないと思いました。心に刺さる舞台でした。
方丈の海
方丈の海2021プロジェクト
座・高円寺1(東京都)
2021/03/12 (金) ~ 2021/03/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
不思議なお話でした。最後までこれは現実(あくまでお話としての)なのか、もしかしたら本当はみんな霊とか意識としてしか存在していないのではないかと思えてしまいました。
あれから10年。今の日本を見たら石川さんはどんなお話を書くでしょうか。
サンサーラ式葬送入門-自在篇-
feather stage
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2021/03/11 (木) ~ 2021/03/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
観てきた!を書くときに鑑賞方法を選択するようになっていますが、いつからこうなったのでしょうか。今日まで気づきませんでした。
初演も観たはずなのに不思議な物語だったということ以外ほとんど覚えていませんでしたので、新鮮な気持ちで楽しめました。ただ、甲斐を演じた竹石悟朗さんの存在が切なかったことだけはなぜか鮮明な記憶として残っています。
あんなにその世界観に染めておきながらの最後の「えっ?」
それはこちらのセリフです。
写し霞
不定深度3200
SCOOL(東京都)
2021/03/18 (木) ~ 2021/03/21 (日)公演終了
「シャケと軍手」〜秋田児童連続殺害事件〜
椿組
ザ・スズナリ(東京都)
2021/03/17 (水) ~ 2021/03/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
余りこの事件に文学性は感じなかったのだが、山崎哲がどう解釈したのか気になって観劇。やはり、何かパーツが足りない印象。加害者も被害者も実名で登場。当の畠山鈴香がハルシオンの常用で日常的に酩酊しているので語り手として物足りず。殺された彩花ちゃんの視点が一番詩情豊か。鈴香の弟との絵本のエピソードが作品の軸に。
鈴香の父親役の木下藤次郎氏が中風で凄いインパクト。
謎の男、佐久間淳也氏のエピソードもこの地の業を背負った様子で素晴らしかった。
作品の良心的存在、鈴香の弟役の趙徳安氏の視点から語っても良かったのでは。
田渕正博氏演ずる鈴香の恋人的な存在、トンボ。ダンボールに囲まれたような暮らしの中、仄かに肩を寄せ合う。もしかして、どこからかそこを抜け出す方法はあったのではないかと錯覚させるひととき。
聖なる日
劇団俳小
d-倉庫(東京都)
2021/03/19 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了
豚の砦 -Pig Fort-
劇団フルタ丸
「劇」小劇場(東京都)
2021/02/07 (日) ~ 2021/02/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
とっても久しぶりの下北沢。受付にステージに客席に知った顔を見るだけ。基本的に会話なし号泣
FURUTAMARU.も3作品め。これまでの2作品とは異なり、場所も空間もキャラも架空…なんだけど哀愁や兄弟愛が溢れていた。
こんな時期だからこそ、家族とは?と問われた気もする。
Unrequited Love
Team AZURA 大阪
世界館(大阪府)
2021/03/20 (土) ~ 2021/03/21 (日)公演終了
満足度★★★★
殺陣は完璧。この劇団ではないが、前回観た殺陣とは雲泥の差。インバウンドの外国人が日本に来て体験したいものが殺陣は理解できる演技。内容も単純ではあったが、殺陣とのバランスがとれていて良かった‼️殺陣=時代劇感を無くして、現代版には出来ないかな?でも今回観劇で、殺陣のイメージは良くなった‼️
子午線の祀り
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2021/03/19 (金) ~ 2021/03/30 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/03/21 (日)
価格5,880円
21日14時開演回を拝見。
コロナ禍での上演を考慮した「濃縮版」とはいえ、第一・第二幕で各85分(途中休憩20分挟む)計170分の長丁場だったが、力量ある演技陣に、武満徹の劇伴、中央に置かれた円形舞台、天上に輝く星々の照明…大いに感銘を受けた。
帰還不能点【3/13・14@AI・HALL】
劇団チョコレートケーキ
AI・HALL(兵庫県)
2021/03/13 (土) ~ 2021/03/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
昭和16年4月より各官庁・陸海軍・民間から選抜された若手エリートの研究生たちに総力戦体制に向けた教育と訓練が行われた。同年7月から8月にかけて、第一期生による模擬内閣演習(シュミレーション)が予測した結果は、日本必敗だったという。その年の12月8日、真珠湾攻撃により太平洋戦争が勃発した。
事前にシュミレーションし結果も分かっていたのに、なぜ?と思う。
サイレントBOMB!
なにわニコルソンズ
神戸三宮シアター・エートー(兵庫県)
2021/03/19 (金) ~ 2021/03/21 (日)公演終了
満足度★★
客層が若いのもあるが、落ち着いて拝見できない。内容はそれなりだったが、後ろの席の客らは、ビニールをがさがささせたり、椅子💺を蹴ったり、独り言が多かったりと観劇モラルが低く、いらっとした。オムニバス形式だが、繋がりに乏しくその点オパンポンはすごいと改めて感じました。最後のダンス💃は必要?