最新の観てきた!クチコミ一覧

20021-20040件 / 183091件中
あの娘みゅ~ん

あの娘みゅ~ん

なかないで、毒きのこちゃん

ザ・スズナリ(東京都)

2021/05/19 (水) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ダメおじさんが可愛らしく見え、ほのぼのした話から一転・・・スプラッターホラーに変わりゆっくりとは見させてくれzず、ラストはめでたしめでたしではないのが毒きのこちゃんらしくてよかったです。

引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2021/05/19 (水) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

割とレトロな感じの時間SFものでした
人情味と温かさはあるものの
科学とかの冷たさシビアさが不足してて
説明不足な感も否めなかったかなぁと感想

開演前からのトークにて
座の温めとかは十二分であり
ほんわかとした雰囲気は好ましかった(^ー^)

ネタバレBOX

時間ものSFは結構出尽くしてて
設定とかの説明と らしさ の出し方が難しいかなぁ
とかも感じました

今作では過去には素潜りで海底に到達する感じで
短時間で現代に引き戻され=過去の改変は現代にも及ぶという枠でした
現代時間の経過も過去と同様みたいで等差的でしたなー
これが等比的だとクロノスジョウンターになるんだけどね

肺癌の設定とかは映画(原題: Frequency)が近いかなー
基本アットホームな感覚での人物群像は
ママは小学4年生 みたい かも?

主人公が過去の人間を助けてーの設定は
アットホームだと良いが
とある映画オチでは
最初の時空犯罪者としての見学ツアーに組み込まれてた
って~のもあったよ
過去で閉じ込められた主人公が
過去の周囲の人間達に誰も信じてもらえず
過去の自分に連絡してーなんてのもあった

全体的にレトロな感じの今作でしたが
海外ドラマ タイムトンネル 程ではなかった

自分だという証明に
肩に入れ墨入れて
未来の自分に咎められるシーンは
何となくのリアルが良かったデス

時間遡行設定に神様まぶすなら
もーちょい
いろいろと設定を弄れたんじゃないかなーとかも感じた
もじゃ神さまはキサラギアリス(某秘密結社製)さんに毒舌で
突っ込まれたら現代的になったーかも?


蝶の筆

蝶の筆

CROWNS

王子小劇場(東京都)

2021/05/12 (水) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

映像鑑賞

最近の配信は映像は結構きれいですが、音声は難しいのでしょうね。小さな声で話しているところを基準に音量を合わせると、大きな声や音楽シーンでびっくりします。
後半始まってちょっとしたあたりで白い服の男性が中央に出てきますが、白い服が照明でとんでいる感じになって幽霊かと思ってしまいました。

アルビオン

アルビオン

劇団青年座

俳優座劇場(東京都)

2021/05/21 (金) ~ 2021/05/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

まさに現代版桜の園で、登場人物までわかりやすく対応している。しかし、こちらの女主人はかなりやり手の経営者のようで強烈な自我と意志を持っていて、物語も古典を超えてパワーアップしている。この劇団の実力も凄い。

姿

姿

ゆうめい

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2021/05/18 (火) ~ 2021/05/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

ネタばれ

ネタバレBOX

ゆうめいの『姿』を観劇。

一昨年の三鷹市の期待の若手劇団の公演で絶賛の嵐だったらしい。
その再演。

父、母、息子の三人の家族の話し。
両親が離婚するらしい。息子も母親の行動にはゲンナリしているので納得している様子だ。そこから父と母の出会い、更なる過去から現在に至るまでが描かれている。
今作の最大の魅力は父親役を本当の父親が演じているのだ。勿論、素人だ。今までの経験したことのない「ポツドール」を超えるリアリティーで攻め込んでくるのかと期待したが、以外や以外、構成力の巧みさ、舞台美術の扱い、小道具の見立、多数の俳優たちが同時進行で同じ役を演じたりと演劇の面白さを味わえる作りにはなっている。
ただそれは過去に観たことのある有名な劇団の特徴的な箇所とそっくりで、目新しいものではない。
特に「チェルフィッチュ」の身体表現をそっくり真似した箇所にはウンザリ。
文句は言いつつも、完成度自体は悪くないが絶賛はしない。
狸の里帰り

狸の里帰り

トム・プロジェクト

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2021/05/21 (金) ~ 2021/05/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

23(日)観劇しました。この緊急事態の状況の中、そしてコロナが引き起こす恐怖の中に集まった人たちの抱える問題を作者が見事な作品にしていると思います。説明的なセリフではなく進行していくドラマに目が離せません。6人の俳優の個性が際立っていました。改めて生の舞台の良さを再確認しました。前作に続いて、狸シリーズの続編を観たくなりました。

引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2021/05/19 (水) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

紬チームを観劇しました。過去に行く度に現在が変わるので、やや混乱しましたが、面白かったです。テンポが良く、役者さん達の熱演もあり、どんどん惹き込まれました。笑いあり、涙あり、感動ありの観応えのある内容でしたが、正直、ちょっと都合が良すぎるかな・・という印象はありました。劇団の雰囲気の良さも加わり、明るい気持ちになれる舞台で満足でした!

social D

social D

ニサンカタンソ

北千住BUoY(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

16日午後、BUoYで上演されたニサンカタンソ第一回公演『social D』のteam Woman千穐楽を観てきた。これは、知人の役者・高坂汐里が主宰している関係からである。この作品、team Womanと男性team Manの2ヴァージョンからなっていて、自分が観たのは高坂汐里が出演しているteam Womanの方。

舞台はエピローグ付きの1時間55分ほどの作品。
エピローグは、事の発端である婚活パーティーの一場面。そう、この物語に登場してくる5人の女性が参加している。そして、5人はこれはという男性と付き合うことになったのだ。
本編はそこから。この5人が付き合いだした男性。実は同じ男性で、それぞれの女性に違った職業をしていると5⃣股交際をしていたのだった。そのことを、5人の女性の一人、堂丸彩乃(高坂汐里)が知ることになり、この男性・高野岳に復讐すべく高野名義で残り4人の女性を呼び出し、事の成り行きを説明する。タイトルのsocial Dというのは、この5人のイニシャルにDが付くことから名付けられた仲間としての呼び名。5人は高野を呼び出し、本人の口から5股の事実を白状させる。その過程で「恋愛とは何か」「結婚とは何か」「5人は満たされていたのかいなかったのか」が論議されるのだが、結局高野は5人の怒りを買って岩というかブロックというか固いもので椅子にくくりつけた高野を打ちたたく。途中5人の一人がトイレに駆け込み吐くのであるが、実は彼女、高野の子供を妊娠していた。その妊娠の事実を高野が素直に喜んでくれないことに、怒りを込めた表情でブロック?を手にするシーンで物語は終了する。

この舞台を見始めて気づくのは、物語の展開がかなり容易く想像できてしまう点。まぁ、脚本的に軸になる事柄が使い古された内容という事なのだ。それを楽しく緊迫感ある舞台に仕上げたのは、演出と役者の個性だと感じた。脚本と演出は松井カズユキが担当していた。作品の短所と長所双方を担った形。役者では、当日プログラムを物販で購入しなかったの役者名が明確で無いのだが、5人の女性の中で一番年長の女性を演じた役者の演技が秀でていた。
このニサンカタンソという団体の本質を見極めるには、まだ数回公演を見続ける必要があるだろう。次回作を期待したい。

引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2021/05/19 (水) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

現在・過去を往還し、さらに未来まで時間軸をのばし人との繋がりをもたせた公演。その描き方は理屈というよりは感性で表現した そんな印象だ。タイトル「引き結び~紬ぎ結ぶは時間の糸~」にあるように時を隔て繋がりを観せようとするが、ご都合的なところもあり、ストーリー展開を追うといった観方をしていると逆に混乱し解り難くなる。前説でも言っていたが、肩の力を抜いてゆったりとした気持で、そう大らかに構えることだ。
(上演時間1時間35分)【紬チーム 千穐楽】

ネタバレBOX

舞台セットは、中央が割けた大木(ヒマラヤスギだったら出来すぎか 花言葉=あなたのために生きる)を中心に上手・下手に変形段差を設けたスペース。さらに下手客席側に喫茶店。重要な小道具として固定電話が置かれている。後景(書き割り)はローマ数字、アラビア数字が書かれた幕があり、そこに後々、渦巻映像を映し時間という表現しにくい概念(または現在・過去の往還を歪化)を表わす。

梗概…照美真也がかつての恋人・水橋桜の不慮の死を阻止しようと、現在(2001年)から過去(1974年)へタイム"トラベル"する。現在の真也には別れた妻との間に1人娘・藤田心桜がいる。過去を変えることによって現在に影響-娘は存在しないというタイムパラドックスは避けたい。物語の設定は、もじゃ神の神力なのか天才発明家・真也によるタイムマシンの発明によるものか、それとも彼の幻想なのか判然としない。さらに、現在と過去を何度も往還させるためストーリー展開が煩雑になるのが難点。またサイドストーリーとして、自分が父親から受けた虐待のトラウマで、自分に子育てが出来るかといった苦悩も放り込むからよけいに面倒だ。

真也は自分の死期が近いことから、心残りである 桜との思いを繋ぐことに腐心した。であればタイム”スリップ”は1度だけで、そこの物語に厚みを持たせたほうが分かり易い。物語の全体を貫く”繋ぐ思い”は、たとえ愛しい人が亡くなっても、その人との楽しい思い出があれば生きていける、に表現される。結果的に過去は変えられないのだろうが、それでもラスト 真也と桜は27年ぶりに来世で邂逅する。27年という歳月によって2人の外見は変わってはいるが、それでも認識できるところに、時間の糸を感じる。

現在と過去を往還するたびに1役2人が現れ、テンポの良さと相まってどちらの世界観なのか分かり難くする。役者が熱演しているだけに残念。さらに もじゃ神と原田真理子(星宏美サン)の登場が笑いとともに更に不思議な世界観へ誘う。真理子は言う、将来 息子へ影響する? ということは真也の娘・心桜と関係してくるのだろうか、という想像もできる。この件、アメリカのSF映画「ターミネーター」を連想する。未来・現在・過去、そして再び未来といった連関は紬そのもの。仮に時間は過去・現在・未来と続くのであれば、人の数だけ時間軸=人生があるということ。実に人の機微に触れる公演であった。
次回公演も楽しみにしております。
王将【大阪公演中止 動画配信&緊急YouTubeライブ】

王将【大阪公演中止 動画配信&緊急YouTubeライブ】

新ロイヤル大衆舎

KAAT神奈川芸術劇場 アトリウム特設劇場(神奈川県)

2021/05/15 (土) ~ 2021/06/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

森田涼花さん出演。3部作の第2部。
特設会場には驚きました。舞台袖が会場外から見えるところにあり、あえて幕で覆ったりもしていません。これも演出の一部だそうです。
上も、ある程度布で隠していますが完全ではないので、エスカレーターの踊り場から客席が見えます。上の方の階では別のイベント会場があり、それが終わるタイミングには、ざわざわと声が入ってきます。これは少し気になりましたが、オープンな雰囲気の良さがそれを上回りました。
演目は有名な戯曲で、劇団としては4年前の再演になります。初演では下北沢の小劇場楽園というとても小さな会場で、3部合わせて35回もありながら激しいチケット争奪戦でした。今回の特設会場は170席ほど、38回。さらに大阪公演9回。チケット取りは苦労しませんでした。
この舞台はひとりで何役もこなします。森田さんは次女の君子役ですが、2部では三吉の弟子や芸妓も演じます。これは分かりやすいのですが・・。
あとはネタバレにて。

ネタバレBOX

世話人・西村役の荒谷清水さんが後から出てきた時、観る方は「あの西村だ」と思います。しかしどうやら別人を演技しているようなのです。これは良く分からず、混乱しました。ちなみに、役者さんは違いますが初演でも同じでした。
森田さんの君子役。2部3部は坂田三吉と次女の君子の物語と言っても過言ではなく。とても良い役です。
今年29になる森田さん。15の頃からから見てますが、若い役も昔と変わらず、見事なものです。

そう言えば、面白いシーンがありました。三吉が飛び出して宮田が追いかけるシーン。舞台を飛び出し、さらに建物を飛び出します。舞台を降りるとき、ちゃんとマスクをつけます。建物の外は一般の人が座る椅子やテーブルがあるところ。そのシーンの前に、その辺りの人に「もうすぐ演者が飛び出して来ますがびっくりしないで」と注意があります。この舞台セットならではの、楽しいシーンでした。
魔界転生【5月4日~5月11日東京公演中止、6月5日~6月6日大阪公演中止】

魔界転生【5月4日~5月11日東京公演中止、6月5日~6月6日大阪公演中止】

日本テレビ

明治座(東京都)

2021/05/04 (火) ~ 2021/05/28 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

第一幕70分休憩25分第二幕105分。
マキノノゾミ氏の脚本に期待し、堤幸彦氏の演出に不安を覚え・・・、演劇と云うより舞台ショー的な感じ。背景のプロジェクションマッピングが凄まじいのだが、慣れてくると安っぽく感じる人間の不思議。全ては使い方とセンス、効果と言い訳の違い。
上川隆也氏の柳生十兵衛は意外にも千葉ちゃん調。勿論松平健氏の但馬守は素晴らしかった。荒木又十郎役の木村達成氏はヴィジュアル系バンドマン的に病んでいてカッコ良い。
石川賢版の漫画っぽい設定に『帝都物語』のエッセンスを加えた風味。
宮本武蔵の独り歌舞伎から十兵衛のキャラまでかなりコメディ調な展開が続く。核になるこの世への無念、未練が表現出来ていない勿体無さ。
『魔界転生』にはかなり思い入れがあるので、ついつい観てはガッカリする。深作欣二の映画と石川賢の漫画以外は何か根本的に違う気がする。永井豪の『デビルマン』関連と同じで、見ない方が良いと判っているのに見てしまう。そんな人間はきっと日本にいっぱいいるのではないか?
ラストの全員でのダンスは最高だった。

ネタバレBOX

マキノノゾミ節は第二幕から。怨念の化け物と化した淀君(浅野ゆう子)を義理の娘となるお品(藤原紀香)が諭す。憎悪と復讐の塊であった淀君が自ら成仏するのが見せ場。怨霊の鎮め方が今作品のテーマに。
山田風太郎による柳生十兵衛三部作、『柳生忍法帖』『おぼろ忍法帖』(『魔界転生』)『柳生十兵衛死す』。『柳生十兵衛死す』は江戸時代の柳生十兵衛と室町時代の柳生十兵衛が夢幻能に因って入れ替わり、別の時代で己の義を貫く。到頭最後には互いに相手を斬らなければならなくなってしまう傑作。石川賢の漫画もあるが酷い出来で、いつかちゃんとした作品を誰か作ってみて欲しい。能舞台としても観てみたい。
誰も死なない

誰も死なない

しむじゃっく

新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)

2021/05/20 (木) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

価格3,000円

23日14時開演回(70分)を拝見。

途中から先が読めなくなる程、練りに練られた刈馬カオスさんのホンを、6人の役者さん(最後に7人目が登場されたのは、ご愛敬♪)がじっくりと演じ切った70分。
予想以上に良い演劇体験が出来た。

ネタバレBOX

冴島學さん、眞庭美和さんのお初お二人以外は、顔と名前が一致する方ばかりの演技陣。
でっ、そのうち、植松りかさんは、メガネで惑わされた容姿より先に、声の響きで気づいた。

【配役】
ミヤノウチの母…植松りかさん
クボ(ファン)…冴島學さん
ハカマダ(ファン)…杉山純じさん
オガミ(ファンということだったが、実は…)…眞庭美和さん
ヤシマ(担当編集者)…坪和あさ美さん
医師…菊地奈緒さん
植物人間状態の作家ミヤノウチ…7人目の役者さんはWHO?
半勃ニョッキ

半勃ニョッキ

Peachboys

シアター711(東京都)

2021/05/18 (火) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/05/21 (金) 19:00

あいも変わらずいろんな方面に失礼な(特にキムタクに)ステージに大爆笑の連続。去年の今頃は中止になっちゃって残念な思いをしただけに、元気すぎるステージを見ることが出来て嬉しさも倍返し。

うちのばあちゃん、アクセルとブレーキ踏み間違えた

うちのばあちゃん、アクセルとブレーキ踏み間違えた

劇団チャリT企画

座・高円寺1(東京都)

2021/05/16 (日) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/05/22 (土) 19:00

ネットの使用に関して、我々は絶対に何かを踏み間違えちゃってますね。苦笑しながら我が身を反省。

喪服、緋色の。

喪服、緋色の。

ワイルドバンチ演劇団

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2021/05/20 (木) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/05/22 (土) 14:00

80分。休憩なし。

うちのばあちゃん、アクセルとブレーキ踏み間違えた

うちのばあちゃん、アクセルとブレーキ踏み間違えた

劇団チャリT企画

座・高円寺1(東京都)

2021/05/16 (日) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

チャリTらしい舞台である(当たり前だが)。インターネットに流れる議論や情報のいかがわしさと、それに見合わぬ影響力。このアンバランスの弊害はコロナ禍に目を奪われている間に実は加速しているのではないか。
作品が描く事件はSNSを介した情報の錯綜が起こした騒動である。三世代家族に祖母からの電話の一言だけが残され(その後は圏外不通)、現状を知り得ない状況にもたらされる不十分な情報が憶測を広げ、勘違い情報がまことしやかにネットに流れ、それに翻弄される人たち。荒唐無稽な要素もあるが、これが交通事故ではなくコロナに関わる出来事であれば今は笑えない深刻劇にもなりそうである。

ネタバレBOX

セットは双葉家の居間。ここで五人家族の右往左往が展開(正確には娘とその恋人、息子、父母、たまたまやって来た叔母の6人)。
他の場面はスポットで下手にyoutuber仲間3人、上手には6歳の息子が家に帰って来ない母とママ友、つぶやき五郎、セット上のプラットホームには匿名電話や書き込みをする者たち。
事故そのものより、事故を契機に発生するあれこれが本題である。まずネットに上った「事故を起こしたおばあちゃんの孫」に関する誤情報。住所を突き止めたと面白おかしく紹介するyoutubeの動画が発端で、何者かが割り出した「孫」の名=双葉淳(じゅん)と同姓同名の双葉淳(あつし)が誤ってその標的となる。
これにつぶやき五郎なるネットで知られたネームの持主(実は教師)がコメント付きリツイートするが、これに憤慨した「誤解された方」の双葉淳の仲間の先輩がプロバイダーにアクセスしてパーソナル情報を入手し、相手に電話をかけて法的措置を取るぞと脅す。
一方、息子・翔が夜になっても帰宅せず焦り始めた三田は、ネットに上った「今日の交通事故現場に黄色い帽子が残されていた」との情報(結局はガセ)を失踪と関連付け、真相を知ろうとする。彼女は双葉家の娘・葵の元バイト先の同僚でもあり、「双葉淳」情報を見て珍しい名前にふと思い当たり、それとなく葵に電話して住所を尋ねるが、ネットに上った近所の(丁目違いの)住所と違っていた事で誤解だったと安堵し、「本物の(実は偽物の)」双葉淳宅を訪ねる。
場面はその双葉淳(あつし)の部屋、そこへ先の母を含めた3名が、それぞれの事情で順次訪ねて来る。母の他の二人は若い男女であるが知らぬ同士、その事情とは「事故を起こした車」の助手席に「レンタル彼氏」(恋人派遣業)が乗っていたとの情報(これもガセ)を見て、いずれも「丸一日連絡が途絶えていた自分の恋人」だと確信し、訪ねてきたと言う(ここでは恋敵の反目を男女でやってる図で笑いを取る)。
次の場面、元の双葉家の居間にて、youtuber仲間3人と「自称恋人」2人、母・三田が座卓を挟んで双葉家の者と対峙する。結局レンタル彼氏とは不通だった電話が通じ、「車に乗っていなかった」と判明、三田の息子翔もママ友からの電話でその娘・麻里矢と隠れんぼをして押入れに寝ていたと報告あり、行き違いは解決。そして警察からの電話で母の行方も判明、病院には搬入されたが殆ど無傷であると知らされる。残ったyoutuberたち。「誤解」による炎上を円満解決したく、「本物とのご対面」場面を動画に撮りたいと申し出るが断られる。
ただの迷惑者と思われたyoutuberらだが、「本物」の双葉家の所在を彼らが知ったのは偶然UberEatsをやってる双葉淳(あつし)の携帯に、食事を据え置かれた双葉家からマックポテトの注文が(「双葉淳」名義で)入ったから。「本物」宅へ注文品を届けた際に他の二人も同伴して警戒され、注文拒否に合うのだが、帰り際、そのポテトを淳(あつし)が淳(じゅん)に渡す。
最後の伏線回収は今日の双葉家のイベントであった娘の恋人からの「大事な話」。予期せぬ展開の中で使命感を帯びた恋人の思わぬ奮闘あって、歓迎モードですんなり結婚承諾と相成る。これら問題解決は皆、知った者又は現実に「対面した」者同士で遂げられるが、劇中、不協和音のようにネットや電話での無責任な情報提供、誹謗中傷が折々に挟まれる。そして終幕では顔の見えない者に対する「負の感情」の放出の図を通してネット世界、引いては現実世界の闇が仄めかされる。

喜劇は大団円を迎えるが、最後に残るこの情景こそ劇のテーマで、コロナ禍を描いた劇と見えた所以。
「母 MATKA」【5/17公演中止】

「母 MATKA」【5/17公演中止】

オフィスコットーネ

吉祥寺シアター(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/20 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前日の公演が中止だった事を当日知った。体調不良者が一人出たためだという。メールの「中止」の文字に一瞬ドキッとしたが、趣旨は「全員陰性を確認したので今日の公演は予定通り」。ホッと胸をなでおろす。陽性者がなかった事にでなく、自分が芝居を観られる事に。エゴも極まれりだが本心だ。

舞台は期待通り。役者に心酔し、演出に心酔した。「演出誰だっけ・・上村聡史?」と当たりを付けたが、稲葉賀恵であった。着実にキャリアを積み、力を示している。
2年ほど前「チャペック戯曲全集」という分厚い本を(高いので買わず)借りた時、『母』はざっとは読んだらしい。「息子の死」がリフレインであった事を徐々に思い出してきた。
チャペックの戯曲は『R.U.R.』が有名で2回観たが、最も秀逸であったのは小説『クラカチット』の舞台化(演劇アンサンブルのブレヒト小屋最終公演)。どの作品にも万人が共感できる普遍性と同時に、作者が生きた「時・場所」を思わせる要素があり、それも含めた風味がある。
この作品で男らが肯定的な響きで口にする「戦争」には、第一次大戦によって覆される前の戦争イメージ(限定的な場所でルールに則って為され、軍人だけが闘って死ぬ)が同居しており、戦争を巡っての男たちと(唯一の女である)母の論争は絶妙に拮抗している。大量破壊兵器が連想される現代の「戦争」が否定的な意味しか持たないのとは違う。医学や科学の進歩に対しても、懐疑的な現代とは異なるものを感じさせる(が、作者は懐疑的視点を織り込んでいる)。
その事情からか、増子倭文江演じる「母」が唱える非戦は、知的なイメージを帯びがちになる。増子氏の好演がこの舞台の質を確かなものにしていたが、時代性の違いを「翻訳」「変換」する作業は(自分が勝手にだが)幾ばくかはやっていた。

喜劇として場面は仕上がり、喜劇である分だけ母の悲哀が迫る舞台。反戦という一つの確立された思想への帰着は回避されている。母の人生というものを想像し、イメージの扉が開かれる(母を体験する事がなく、そういうタイプの母を持たなかった者としては)。

舞台は、軍人であった亡き父の部屋である。この部屋に息子らはよく忍び込む。母はこの部屋で息子らが父に「感化」される事を嫌い、恐れている。部屋の隅に大きな額縁があり、その後ろに肖像画の主人公である父(大谷亮介)が立って風景の一部になっている。武器の類はワイヤーで吊るされ、喧嘩ばかりしている双子はフェンシングの剣を取って大はしゃぎ。国内で紛争が起きると銃を取った。
母はこの部屋では死者と対話ができる、という設定がユニーク。それゆえ、初めは息子が死んだ事に気づかない。息子はおずおずと母の許しを乞うように(悪戯をした子どもが叱られる前みたく)「死んじゃった」と報告する。
開幕時既に死んでいた長男オンドラ(米村亮太郎)は伝染病の研究をしていて感染。次に死ぬのが技術畑に情熱を傾けていた次男イジー(富岡晃一郎)、母に止められていた飛行機に乗って墜落。そして内戦が激しくなると、国軍派と反乱軍派に分かれた双子がそれぞれ、ペトル(林明寛)は反乱罪で銃殺、コルネル(西尾友樹)は戦闘で死ぬ。芝居の冒頭から「この子だけは違う」と信じ、可愛がっていた末っ子・トニ(田中亨)が、ラジオから流れる切実な声に使命感を焚きつけられ「行かせてよ母さん」と告げた時、母は狂乱する。女性の「国家の危機です、起ち上って下さい」と呼びかける声がラジオから響く。部屋には母の父(鈴木一功)も息子・孫らに駆り出されて登場し、既に死者となった男たちが内戦という事態に浮足立ち、「男に目覚めた」トニのためにと何のためだか判らない作戦会議を開いている、という光景。それへ入って来る母が、彼らに対決を挑む。だが全く平行線に終わる論争の後、再びトニと対峙した母は、息子の変わらぬ意志を確かめると全てを諦めたように脱力し、「行きなさい」と言う。

舞台は黒褐色を基調とした昔の欧州らしい調度が点在するが、奥には広いレースの白いカーテンが張られている。このカーテンが不確実な外界(息子らを死に追いやる)との境界を示すかのよう。自在に揺れ、開くカーテンはいつでも息子らを飲み込み、逆光に照らされたシルエットを残して去って行く。作品の幻想的な側面を引き出した演出が舞台に膨らみを持たせていた。

ネタバレBOX

前日の公演中止は「関係者の体調不良」によるという。それだけで中止という判断は、「劇場でクラスター」のニュースが演劇界に与える最悪の影響を懸念しての自己犠牲だろうと恐れ入るが、「感染者が居ても大丈夫」なようにステージとの距離と換気をしている訳である。やるせなさがよぎる。
演劇に限らず「かけられる保険」を何重にも無駄にかける生活にはある程度慣れっこになったが、根本的な「やれない事」は放置されている。このアンバランス。
個人・民間レベルでやれる事は1年間飽きもせずやってきたが、公的レベルにしかやれない仕組の変革が何も為されていない。終電繰り上げで「コロナ対策やってる感」出してるが、逆に電車は混む(乗客減少に対するコスト削減に違いないが、名目は「人を遅い時間まで町に居させない事」・・だが30分~1時間程度帰宅を早める事がどれほど感染抑制に繋がるのか...)。飲食店の時短も人混みを作る一因になっている。フレックス出勤も今は無かったかのようにラッシュが起きている(自己都合に任せたらそうなるに決まってる)。
何より咎められるべきは、体調や近隣者の感染で不安を感じたらすぐ検査を受けられる、という体制が未だに作れていない(感染の把捉を遅滞なく行う唯一の対策だと1年前から言われているのに未だ保健所管轄の検査しか公式に認めていない)。そして医療の逼迫。公的部門の無策のため個人と民間が割を食っているとどうしたって見える。

各病院の努力と苦労が取りざたされ、個人には「わがままを言うな」という空気だが、本当ですか?と。 病院の努力とは医療報酬が経営のぎりぎりのラインにさせられて来た過去の経緯があって、「それにも関わらず、自腹で、コロナ対策やっている病院がある」・・? ちゃんと公的支援しろという話だ。自己犠牲を「褒めてる」場合じゃないでしょ。
ただ確かに重症コロナ患者がECMO対応になれば習熟する者の負担は大きくなるだろう。受け入れてしまえばその対応に割く時間は「必要に応じて」決まって来る。だが緊急対応というイレギュラーは通常であっても担う部分だ。消防然り、介護然り、公務員的な働きを「させられている」事を同情したり「褒める」前に、公務員並みの保証をしろ、となぜ言えない。「我慢してる人」をほめ、本当は相当我慢して窮乏に陥っていても生活のために店を開けば「我慢していない」と叩かれる。医者は少なくとも食っていけている。過労死云々の話なら、ブラック企業にしか入れず心身を病んでる若い世代の事を心配しても良いんじゃね。医療体制が整わないのは民間の法人独自の努力に「お任せ」しているからで、もっと言えば民間法人である各病院の流儀(経営、社会貢献と社会的地位の享受、従業員の勤務体系等々)を尊重しているため(大きな票田だし)、公が口を出せない領域だからであり、公務員的働きを要求すれば「お金がかかる」と思い込んでいるからだ。全てのしがらみが「何も変えない」政治を許し、ただ感染数が増えた減ったと一喜一憂する「頭の悪い国」にしている。もういい加減、頭の良い政治家を歓迎し、国民が選ぶ政治風土を(そういう当り前の文化を)手にしよう・・そんな声も風に吹かれてさよなら。日本は廃れて行くのみ。
あ、そうだ。日本には神風があったんだっけ。そうだな~、何も考えず楽勝楽勝、と思ってる方が楽かもね~~
喪服、緋色の。

喪服、緋色の。

ワイルドバンチ演劇団

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2021/05/20 (木) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

雨音チーム2回、波音チーム1回観劇。
音楽時代劇は初めてでした。
75分という短めの作品の中でも皆様の熱演+歌でより各シーンが印象的になったのかと。
殺陣がめちゃ格好良かったです。

喪服、緋色の。

喪服、緋色の。

ワイルドバンチ演劇団

スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

2021/05/20 (木) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2021/05/22 (土) 14:00

価格3,500円

雨音チーム観劇。
時代劇ながらミュージカルでもあり、ファンタジー要素多目の恋愛劇。

うちのばあちゃん、アクセルとブレーキ踏み間違えた

うちのばあちゃん、アクセルとブレーキ踏み間違えた

劇団チャリT企画

座・高円寺1(東京都)

2021/05/16 (日) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/05/22 (土) 14:00

話の行方がずっと気になり、ラストの演出が胸に残った。

ネタバレBOX

山崎さんの子を想うママぶりが良かった。

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