新・牡丹灯籠 公演情報 劇団キンダースペース「新・牡丹灯籠」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    夢と現、恐ろしきはげに現の影
    幕が開くと、登場人物たちの見た夢が繰り広げられ
    そこから、語り部が現われたことで現実世界が展開されていく。

    その導入のやり方は入り組んだ人間関係を観客たちが掴むために
    大きな効果を生んでいたように思われる。

    牡丹灯篭は怪談であるが、新牡丹灯篭が問うているのは
    とても近代的で生生しい問いかけだった。

    チラシに書かれていたフレーズが思い起こされる。

    人はなぜ一人では生きていけないの?

    この問いかけ自体が、あまりに近代的な問いで
    江戸時代の話には齟齬をきたしそうなものだ。
    しかし、その関係がたまらなく辛い。そんな舞台でした。

    ネタバレBOX

    ただ、あまりに舞台装置が黒一色でのっぺりした印象を受けた。
    怪談という側面を前面に押し出しているわけではないので
    柱などは黒一色でなくても良いのではないかと思われた。

    影を使って、背景が変わる試みは面白かったものの
    全体的に役者が居る場所が想像しづらく、床と地面、畳、といった
    ものの使い分けが役者たちのあいだで浸透していたのかどうか、
    そこまでは読み取れなかった。

    また、惜しむらくは、愛着や憎悪といったような湿った感情が
    それほど見られなかった点。
    男と女の関係が少し、あっさりした恋愛事情のようにも見え
    物語の男女の関係に比べ、薄味に感じてしまった。

    それにしても、なぜ露は自ら命を絶ったのか
    そして、なぜ峰はあのような企みを思いついたのか
    それは2人も同じように別の夢を見たのではないだろうか
    そんなことに思いをはせながら、劇場を後にした。

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    2011/02/06 22:52

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