くちびるぱんつ 公演情報 ぬいぐるみハンター「くちびるぱんつ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    広がり収まる中で・・・
    不思議な広さと
    身近な感覚が、
    宇宙のごとく広く使われた劇場を満たして。

    あれよあれよという間にとりこまれてしまいました

    ネタバレBOX

    劇場の奥に客席を組んで
    ロビーまでを舞台にして・・・。

    1000年の物語をご都合主義でお送りしますという宣言は
    おっしゃる通りで、
    下世話な話と時間の広がりがごった煮のように展開していきます。

    個々のエピソードのルーズさが
    なにげに楽しい。
    パンツのやり取りから
    乾燥機やトイレの修理までが
    巡り合わせという感覚、
    いい加減がふいごのように働いて
    物語に勢いが生まれ展開していく。

    しかも、そのご都合主義が観る側に馴染むのですよ。
    銀河鉄道の切り取り方や
    「イメージが違う!」というお約束のつっこみも
    地球防衛軍のゆるさやいい加減さも
    なにかとても観る側に
    馴染んで当たり前のごとく惹かれる。

    シーンそれぞれの空気が
    ちゃんとふくらんでいるのがよい。
    役者たちの台詞のタイミングや動きにリズムがあって
    ちょっとしたぼけ・つっこみなどが
    使い捨てられずに舞台の温度につながっていく。
    それらの重なりもしたたかで
    観る側がゆだねられるような安心感があって。
    その安心感があるから
    繰り返される舞台上の疾走が
    ガタつかずたまらなく心地よいのです。

    でも、それだけではないこの舞台・・・。
    終盤、エピソードたちが一つによりあわされて。
    記憶や刹那の感覚の
    その場所にすっと納められていく姿に
    心を奪われてしまう。
    ジャングルジムのひと時が
    時間の流れに置かれるなかでの
    切なさにすっと染められる。

    走り続ける姿や、過ごす時間が
    観る側の日常の立ち位置と重なって、
    その感触から見える
    観る側自身が抱えたもの過ごした時間を
    やわらかく揺らしてくれるのです。

    整然としていないいろんなことや
    想いの中でのふくらみが
    ジャングルジムに納められて
    リフトオフしていく感触に
    わくわくと心を満たされて。

    終演時には
    役者たちのフィジカルながんばりや
    ラフにも思える設定の中での
    とても滑らかな高揚のなか
    1000年にまで伸びる時間軸のなかにおかれた
    一抹の孤独に染められている。

    なんというか、
    癖になるような時間、
    終わってみればかなりすごい。

    前回公演同様に
    次も観たい感いっぱいで
    劇場を後にしたことでした

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    2011/01/30 09:34

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