満足度★★★
意外に泣ける
チラシにある「ハイテンション回想劇」の謳い文句通りでしたが、ただのドタバタに終わらず、親子の愛憎を描いた心に染みる作品でした。父親の母親としての愛情が良く伝わってきました。
舞台上手に設置された屋台で主人公が自身とオカマになった父との関係を屋台の主人に話し、その内容が回想シーンとして舞台の中央で演じられるというスタイルで、次第に現在と過去が入り交じって行く演出が楽しかったです。クライマックスのシーンは3つの時間が同時に進行していてスリリングな展開になっていました。しかし、そのシーンで用いられる小道具が唐突に感じられて残念でした。身の回りにあるものでも十分に緊張感は出せたと思います。
役者たちの台詞回しや間の取り方が序盤は上手く行ってなくて、笑いを狙った箇所が滑り気味だったように思います。主人公の高校時代の友達役を演じた方の感情の振れ幅の広い演技が印象に残りました。屋台の主人役は演じていた方の容姿や声が若すぎて、ちょっと無理を感じました。演技自体は良かったので勿体なく感じました。
オープニングの映像はなかなか格好良かったのですが、キャストや主要スタッフの名前以外にも、協力者の名前などがズラズラと出てきたので、なんだかエンディングロールみたいに感じてしまいました。