満足度★★★★
現代劇もバッコスらしく
DVD以外でバッコスの現代劇を観たことがなかったので、今回とても楽しみにしていた。ディケンズの「クリスマスキャロル」みたいな物語をシェイクスピアの味付けでやるのかな、と勝手に想像していたのだが、まるっきり違っていて、それでもいつものバッコスらしさは出ていた。
抜群のチームワーク、アクロバティックな演技、感動的な結末。シェイクスピア好きとしては、終演後渡された解説文を読み、なるほど森山さんらしいなーと感心することしきり。シェイクスピアを予告文に書いたせいか、実際の劇を観て、関連性の薄さから不満を感じた観客もいたのではないかと思うが、これも趣向のひとつとして受け止めたい。翻案だけではない取り入れ方もあるという例で。1時間20分にまとめたことも評価したい。
バッコスは着実に実力をつけてきており、安定感がある。ただ、回想場面ではこの劇団の初期のころのゴチャゴチャした未整理な印象を思い出した。
もうひとつ、テーマに関して感じたことはネタばれで。