満足度★★★★
濃厚でした。
建設会社の不正を看過できない正義感ある社員と、その他の社員たちとの確執が描かれた、重苦しい雰囲気の作品でした。時間軸を前後に行き来する構成も分かりやすく、内容は重いながらも安心して観られる作りになっていたと思います。
悪いことだと分かっていてもそれを続けざるを得ない上司や、依頼人のことより自分のことを優先しているようにも見える弁護士など、善悪がはっきりしているキャラを描いていないところがリアルで共感できました。
テーマは好みで脚本もしっかりしていましたが、物語としてはありがちなものに感じました。もう少し意外性を出して欲しかったです。終盤の展開が畳み掛け過ぎで戯画的に見えて、それまでのじっくりと醸し出されていた緊迫感が薄れてしまったのが残念でした。
演出としてはオーソドックスで伝えたいことががはっきり伝わっていたと思います。ただ、映画や小説では表現出来ない、生の舞台表現だからこそ表現できるものをもっと打ち出して欲しかったです。
役者は多少演技がオーバーに感じる箇所もありましたが、初日であることを感じさせない安定感で素晴らしかったです。課長代理役の大塚さん
と、弁護士役の今里さんの演技が特に印象に残りました。
あまり新年早々にふさわしい雰囲気ではありませんでしたが、濃厚な空気感を堪能して楽しめました。
ちなみに、この作品内で行われている不正を「談合」と呼んでいましたが、正確には「癒着」じゃないのかなと気になりました。
2011/01/17 14:44
「空気感」を堪能していただいたみたいで感謝感激です。
とは言え、ご指摘通り、まだまだ表現的に拙いところがあります。
これからも頑張ります。よろしければ今後とも注目していただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。