嫌な世界 公演情報 ブルドッキングヘッドロック「嫌な世界」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    近未来の人情喜劇
    平日マチネでも超満員で人気の凄さをうかがわせます。
    客演なし、劇団員のみの上演ということですが、圧倒されました。
    作・演出でありながら主要キャストも演じる喜安さん。
    作品はお見事というしかありません。内容に不満はないですが、密度が濃いだけに、小劇場で2時間30分休憩なしの観劇は酸欠になりそうで環境面でキツさも感じました。
    小劇場演劇で最近感じるのは、優秀な作品ほどセットや仕掛けにも凝り、長時間ものが増えてきたようですが、やはりハコに合った作り方もあると思うんですよね。

    ネタバレBOX

    宇宙旅行が当たり前の時代設定。火星移住の話が身近にされていて、集中豪雨による洪水が起きたり、地球温暖化や世紀末の様相も帯びているのに、登場人物は昭和の人情喜劇そのまま。でも、この劇団らしい毒は盛り込まれている。舞台は東京の江東区あたりの町工場を思わせる。
    冒頭の坊豆の夢の場面が強烈で面白い。部屋の外がなんとなく火星のイメージで。舞台装置の鮮やかな場面転換にも驚かせられた。
    坊豆を演じる林生弥さんの少年役がとても自然で、大人が演じる嫌味がないのがよい。
    坊豆の父の寺井義貴さんの温かな好人物ぶりが一番印象に残った。
    続子の津留崎夏子さんのゆっくりしたちょっとたどたどしい話し方。私はこういう物言いが個人的に苦手なのでとても気になった。津留崎さんをほかの役で観た時はこういう感じではなかったので、役としての話し方なのだろうけれど。
    七海八重の永井幸子さんのボーイッシュで小気味いい役どころもよかった。
    隣の工場の小島聡社長のロボットみたいな動きもおかしかったけれど、隣の工場の社長というと、タコ社長を思い浮かべるが、そう、この物語は寅さんの世界によく似ていて昭和っぽいのだ。

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    2010/12/29 12:44

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  • KAEさま

    コメントありがとうございます。
    林さん、おっしゃるとおり本当に不思議な魅力のある女優さんですよね。屈折した難しい子役を、大人だからこその表現力で演じられたのがすばらしいと思いました。

    ブルドックは三鷹の「太宰」がシンプルな舞台装置で、今回のは凝っていて驚きました。小劇場で大掛かりな装置をやると、それなりの面白さはありますけど、ブルドックのように内容も高レベルでないと装置が主役みたいになってしまいますね。

    >公演の尺というのはとても大事な要素だと、私も思っています。

    KAEさんもそう思われますか。安心しました(笑)。
    ある意味、喜安さんや評価の高い何人かの優秀な作・演出家たちはじゅうぶん大劇場で通用する長時間ものを書ける方々なのでしょうね。
    作品に不満はないのです。でも、作品がすばらしいほど、狭い客席で人に挟まれ、息を詰めて観ますから、作品自体を長いとは感じなくてもそれなりの疲労はあるかと思うので。
    長く書ける実力はあっても、小劇場なりの尺を考えて短めに作っているかたもおられるので、ついついそんなことを思ってしまいます。

    2010/12/29 13:40

    きゃる様

    これ、ご覧になったのですね。
    私も、以前、共演の真似事をさせて頂いた林生弥さんが観たくて、行きたかったのですが、長時間と聞いて、躊躇して結局行けずじまいとなりました。

    だから、きゃるさんがご覧下さっていて良かった!
    林さんも良かったそうですし…。 
    彼女、不思議な魅力のある女優さんですよね。

    きゃるさんの、小劇場の大掛かりな装置等に関してのご意見は、私も同感です。
    以前観たここでの評判の高いある劇団は、装置ばかりが凄くて、肝心の作品の中身はスカスカでした。
    ブルドックは、中身も良かったようで、幸いですが…。
    やはり、公演の尺というのはとても大事な要素だと、私も思っています。

    2010/12/29 13:14

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