マクベス2010 公演情報 SPACE U「マクベス2010」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    あまり新味を感じない
    新演出の『マクベス』ということで期待したが、衣装が現代風なこと以外、特に目を惹く要素は感じず、あまり斬新な舞台とは思えなかった。
    脇役をオーディションで選んだこともあり、「友人が出演するから観にいく」という人が私の周囲の小劇場俳優にも何人かいたが、彼らは「古典物は観たことがないので、まったくストーリーを知らない」と言っていた。原作を知らないで観る人のためにパンフにはせめてあらすじを載せたほうが親切だと思う。登場人物が多く、人間関係が複雑なせいか「初めて観たので、人間関係や筋がよくわからなかった」と終演後、話している客も見かけたので。

    ネタバレBOX

    演出家の高橋一郎によれば、マクベスに予言を与える「魔女」が「マクベスの心の闇が生み出した存在」と捉えた点が「新機軸」らしい。だが、それは原作を観ていても感じる点で、特に目新しいとは思えない。先ごろ、野村萬斎演出・主演による『マクベス』でも、そのような解釈や演出だったと思うし、そちらのほうが少人数でもよほど充実していたので見劣りした感も。むしろ、カーテンコールのとき、こんなに大勢出演していたのか、と驚くほどだった。
    冒頭、マクベスとバンクォーが馬ならず2人乗りスクーターで登場したときは、「オーッ」と思ったが、それ以外、目新しさは感じなかった。
    冒頭場面、バンクォーの若松武史の台詞がベテランとは思えないほど聞き取りにくかった。
    ナベサダのモダン・ジャズも、思ったほど効果的とは思えず、トレンチコート姿の男優のバックに流れると、2時間物のTVサスペンスのBGMみたいで違和感がある場面も。
    迷彩色の戦闘服を着た兵士による戦闘場面も迫力を感じなかった。
    マクベスの大島宇三郎はSPACE Uの主宰だが、平凡な印象。シェイクスピアの台詞を言っているというだけで、マクベスの内面があまり迫ってこない。
    マクベス夫人の中川安奈はこの人の特徴である喉声による演技が気になった。
    俳優ではマクダフの羽田真が出色の出来。マクダフが主演かと思うほど役の性根がストレートに迫ってきて、ピーチャム・カンパニーの公演で2度観て巧い俳優だと思ってはいたが、大舞台でも堂々とした演技で印象に残った。

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    2010/12/25 10:45

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