満足度★★★★★
劇場に集まる人々を包みこむ、大いなる愛情
観劇したその日には気づくことができなかったのですが、
数日を経た今、この企画の中に、
何か大いなる「ぬくもり」のような存在を感じて、驚いています。
6つの劇団がそれぞれ15分を使って表現する、或る意味「演劇祭り」
のように思っていたこの企画。
よく咀嚼してみると、実に深く信念や想いが練り込められていて、感動
してしまいました。
思うに誰もが生き残りをかけて闘い、競争するのがあたりまえの現代社会。
夢を創り出す演劇界でさえも、ある意味、例外ではないかもしれません。
それなのに主催者は、仲間を集め、人と人との「出会い」を演出し、
共に同じ道を歩んで行こう、と投げかけているようした。
「終わりの会」という、観劇後観客と劇団双方のコミュニケーションを
深める企画の中で、主催者がそれぞれの劇団を紹介する時に見せた、
いかにも幸せそうな笑顔。そして、あたたかいまなざし。
小劇場演劇から発信されるものが、もたらすもの。
その可能性と創り出す未来について、希望の光を見る思いがしました。
各作品の中でも、
「死」の仮想体験を通して、「真に生きること」を
等身大の劇団員と「ノストラダムス」を絡めて描いた、
決して古くはない、むしろ今こそ、思い起こすべき題材、
『僕らとノストラダムスの1999年の大晦日』。
旗揚げの信念をも覗かせる、
「少年社中」の作品をオープニングにした意義。
これから繰り広げられる、
それぞれの劇団が描く謎に満ちた新しい世界へと誘う、
最高の演出と情熱!
少年社中だからこそ、できる技だと感じました。
素晴らしかったです!!さすがです!!