満足度★★★★
書き換えること
義肢製作者のアトリエを舞台に、障害者、戦争、性、アイデンティティなどのテーマを描いた作品でした。体の一部を人工物と交換する行為を通じてそれらのテーマをまとめ、物語としても予想外の展開で驚かさせてくれる脚本が素晴らしかったです。
身体障害者を扱っていますが、安易に感動に持って行かず、ブラックジョーク的な台詞も沢山出てくるバランス感覚が良かったです。
舞台袖もないルデコの狭い空間を逆手に取った、役者の出捌けの空間的な処理も、作品のモチーフや主人公の心情の表現に関係させていて効果的でした。
BGMなし、照明も舞台全体の明暗の変化程度の簡素な設えでしたが、それが逆に作品にリアリティを与えていたと思います。
はっきりと結論を提示せず、観客に倫理や差別について考えさせる作品でしたが、堅い感じではなくユーモアもあって楽しめました。