“P”s (ピース) ~Wings to fly~ 公演情報 劇団め組「“P”s (ピース) ~Wings to fly~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    まさに求めていた作品
    「自衛隊は暴力装置」という官房長官の発言に非難が集中、北朝鮮が韓国を砲撃し、若い世代の間でも「国益優先・国防強化」の論議がかまびすしくなっている今、この作品に巡り合うことができて本当に嬉しかった。
    戦争の風化が言われて久しいけれど、パンフレットの合馬さんの挨拶文に胸打たれ、改めて演劇の力を感じた。
    「国を守り、戦争をする」ということはどういう状況を生むのか、私たちは改めて考察する必要があると思う。

    ネタバレBOX

    BC級戦犯として死刑を求刑された男たちの物語。
    戦場に出た彼らそれぞれの境遇と戦争に対する思いが浮き彫りにされていくなか、戦場では「個」が抹殺され、そのことに思いを馳せる状況にはなかったことが描かれる。
    彼らに付き添う教誨師、刑を免れた年若い兵・中沢、助命嘆願が叶って一人生き残ることになった陸軍大尉らの「重い生」にも作家の温かい目は注がれる。

    舞台には男優しか出ない。女優陣は「男たちにとって大切な存在の女性」として映像出演する。映し出される妻や恋人たちの美しいこと。罪もない彼女たちを幸せにはできない、それが戦争なのだということを噛み締めた。

    静かな芝居なので、ときどき鳴る携帯電話のバイブ音が非常に耳障りだった。特に芝居に夢中でずっと大泣きしている真後ろの女性客がなかなか鳴っている携帯を止めないのには腹が立った。

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    2010/11/30 09:37

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