夏の夜の夢 公演情報 明治大学シェイクスピアプロジェクト「夏の夜の夢」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    原典の魅力
    明治大学文化プロジェクト略して文プロ。広く豪華なホールで満席の中、演じられる学生は本当に幸せ。
    昨年、かなり詳しいレビューを書いたら、「知ってたら行きたかった。来年はぜったい観たい」とコメントくださったユーザーもおられたが、早めに情報はupされたのにどうやら今年も行かれなかったらしい。
    演劇としては今年もレベルが高く、シェイクスピアの原典の魅力が味わえて満足できました。
    ただ、昨年のようなロビーパフォーマンスもなく、高層エスカレーターの途中階も「関係者以外立ち入り禁止」の表示があるだけで味気ない感じでした。
    「学習の一環なので商業演劇ではない」という考えが今年は浸透したのかもしれません。
    役者と観客がロビーでも一体化していた昨年がたまらなく懐かしいです。
    今年前半に、これまで指揮をとってきた原田大二郎さんの選挙出馬もあり、監修という立場で現場からは距離を置かれたようで、その分、イベントとしても淡白になった感があります。
    文プロは来年からリニューアルされ、さらに雰囲気も変わっていくのかもしれません。

    ネタバレBOX

    割愛されることの多い「森での芝居」が観られたことが収穫。何年ぶりかで。
    この劇中劇に「ロミオとジュリエット」の要素が濃く、公爵夫婦と妖精夫婦を同一俳優が演じ、劇中の観客が悲劇をドタバタ喜劇として笑って観ることが「身分差別」や「悲恋」の諷刺にもなっている。
    妖精たちのダンス場面も美しかった。
    恋する4人の若者。本の挿絵はアテネということでギリシャ風になっているのをよく見るが、なぜか今回はヘレナだけがジュートサンダルにノースリーブドレスのギリシャ風で、あとの3人はメルヘン調。ハーミアはブーツだし。ちょっと違和感があった。デザイン共通で色違いの衣裳のほうが良かったと思う。
    女優2人の容姿のアテガキ以外、昨年ほど意訳もなく、おとなしめの脚色。
    まとまり過ぎたのが物足りなく感じた。
    事務局はあまりキャストの個人名を挙げてほしくないらしいがあえて書く。
    オーベロンの正木拓也とボトムの薄平広樹が図抜けて巧い。
    この2人、学内劇団でも活動しているので、今後も演劇を続けるのだろう。
    期待しています。
    職人パートの演出も担当した薄平はギターを弾いて「サボテンの花」の曲で歌をサービス。魅力的だった。

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    2010/11/18 16:27

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